『ミニミニ大作戦』(2003年)は、1969年の同名映画をリメイクしたアクション映画。マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロンらが出演し、ミニクーパーを駆使した金塊強奪作戦とカーチェイスが魅力。F・ゲイリー・グレイ監督による痛快なクライムアクション。
基本情報
- 邦題:ミニミニ大作戦
- 原題:The Italian Job
- 公開年:2003年
- 製作国:米国
- 上映時間:111分
- ジャンル:サスペンス、アクション、クライム
- 配給:日本ヘラルド映画
あらすじ
『ミニミニ大作戦』(原題:The Italian Job)は、2003年に公開されたアメリカ・イタリア・ドイツ・イギリス合作のアクション映画で、1969年のイギリス映画のリメイク作品です。物語は、イタリアのベニスを舞台に、窃盗のプロフェッショナルであるチャーリー・クローカー(マーク・ウォールバーグ)が率いる犯罪チームが、50億円相当の金塊を強奪する計画から始まります。チームには、金庫破りの達人ジョン・ブリジャー(ドナルド・サザーランド)、爆発物の専門家レフト・イアー(モス・デフ)、ドライバーのハンサム・ロブ(ジェイソン・ステイサム)、ハッカーのライル(セス・グリーン)らが名を連ねます。しかし、計画は成功するものの、仲間のスティーヴ(エドワード・ノートン)の裏切りにより、金塊を奪われ、ジョンが殺害されてしまいます。
1年後、舞台はロサンゼルスに移ります。チャーリーはジョンの娘ステラ・ブリジャー(シャーリーズ・セロン)を新たな金庫破りとしてチームに迎え入れ、スティーヴから金塊を奪い返す大胆な作戦を立てます。総重量1トンの金塊を運ぶため、狭い道でも機敏に動けるミニクーパーを駆使し、地下鉄やロサンゼルスの街中でスリリングなカーチェイスを展開。綿密な計画とチームワーク、そしてミニクーパーの機動力を武器に、裏切り者への復讐と金塊の奪還を目指します。
見どころ
エドワード・ノートン、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ステイサムらが共演した珠玉のエンターテイメント。スタイリッシュでスリリング、痛快なラストに喝采。
女優の活躍
本作で主要な女性キャラクターを演じるのは、シャーリーズ・セロンです。彼女が演じるステラ・ブリジャーは、亡父ジョン・ブリジャーの後を継ぐ金庫破りのプロフェッショナルであり、チームの重要な一員として活躍します。セロンは、知性と行動力を兼ね備えた女性像を鮮やかに表現し、アクションシーンでも堂々とした存在感を示しています。特に、スティーヴとの心理戦や金庫破りのシーンでは、冷静かつ大胆な演技で観客を引き込みます。彼女の登場シーンは比較的後半に集中しますが、物語の鍵を握るキャラクターとして、チームの結束を高める役割も果たしています。セロンの演技は、アクション映画における女性キャラクターのステレオタイプを打破し、技術者としての専門性と感情的な深みを両立させた点で高く評価されています。レビューでも「シャーリーズ・セロンがキュートで魅力的」「美しいだけでなく、物語に深みを加えている」と称賛されており、彼女の存在が作品の成功に大きく貢献しています。
女優の衣装・化粧・髪型
シャーリーズ・セロンの衣装は、アクション映画のキャラクターにふさわしい実用性とスタイリッシュさを兼ね備えています。衣装デザインはマーク・ブリッジスが担当し、ステラの衣装はカジュアルでありながら洗練された印象を与えます。主にダークトーンのジャケットやパンツ、フィット感のあるトップスを着用し、動きやすさを重視したスタイルが特徴です。これにより、金庫破りやカーチェイスといったアクションシーンでの機敏さが強調されています。特に、ミニクーパーを運転するシーンでは、シンプルな黒のトップスとジーンズが彼女のアクティブな魅力を引き立てます。
化粧はナチュラルメイクが中心で、ステラの知的なキャラクター性を損なわないよう、控えめでありながら洗練された印象を与えます。アイメイクは軽いアイラインとマスカラで目を強調し、リップは淡いピンクやヌードカラーで自然な美しさを演出。過度な装飾を避けることで、彼女のプロフェッショナルな一面が際立ちます。
髪型は、肩より少し長いブロンドヘアをポニーテールやハーフアップでまとめることが多く、アクションシーンでの動きやすさと視認性を考慮した実用的かつシンプルなスタイルです。この髪型は、セロンの顔立ちの美しさを引き立てつつ、彼女のキャラクターが現場で即座に対応できるプロフェッショナルであることを表現しています。全体的に、ステラのルックは「機能美」を追求したデザインとなっており、アクション映画のヒロインとして視覚的にも説得力のある仕上がりです。
解説
『ミニミニ大作戦』は、1969年のイギリス映画『The Italian Job』を基にしたリメイク作品ですが、監督のF・ゲイリー・グレイはこれを「原作へのオマージュ」と位置づけ、ストーリーやキャラクター設定を大幅に変更しています。原作がイギリスのユーモアとトリノの街を舞台にしたカーチェイスで知られるのに対し、2003年版はアメリカらしいダイナミックなアクションと現代的なテクノロジーを取り入れ、テンポの速い展開が特徴です。ミニクーパーの機動力を活かしたカーチェイスは、CGを極力抑えたリアルな撮影で、ベニスやロサンゼルスの街並みを背景に圧巻の映像美を誇ります。特に、ロサンゼルスの地下鉄や狭い路地を疾走するシーンは、観客に緊張感と興奮を与えるハイライトとなっています。
本作の魅力は、個性豊かなキャラクターたちのチームワークにもあります。各メンバーが専門分野を持ち、互いに補完し合う姿は、観客に「完璧な犯罪」のワクワク感を提供します。また、裏切りと復讐というテーマが物語に深みを加え、単なるアクション映画を超えた人間ドラマとしての側面も持ち合わせています。音楽はジョン・パウエルが担当し、UKクラブ系ミュージシャンの参加により、現代的でエネルギッシュなサウンドトラックが作品の雰囲気を高めています。
一方で、邦題「ミニミニ大作戦」は、原題『The Italian Job』に比べて軽快な印象を与え、内容とのミスマッチを指摘する声もあります。それでも、ミニクーパーの愛らしさとカーチェイスの迫力が観客を引き込み、公開当時全世界で1億7600万ドル以上の興行収入を記録する成功を収めました。
キャスト
- マーク・ウォールバーグ(チャーリー・クローカー役):チームのリーダーで、計画の立案者。冷静かつカリスマ性のある窃盗のプロ。
- シャーリーズ・セロン(ステラ・ブリジャー役):金庫破りの専門家で、亡父の復讐を胸にチームに参加。知性と行動力を兼ね備える。
- エドワード・ノートン(スティーヴ役):裏切り者としてチームに敵対する狡猾なキャラクター。悪役としての存在感が際立つ。
- ジェイソン・ステイサム(ハンサム・ロブ役):運転のプロで、ミニクーパーを操るカーチェイスの要。
- セス・グリーン(ライル役):ハッカーとしてチームの技術面を支えるユーモラスなキャラクター。
- モス・デフ(レフト・イアー役):爆発物の専門家で、チームのムードメーカー。
- ドナルド・サザーランド(ジョン・ブリジャー役):ステラの父で、金庫破りの伝説的プロ。物語の序盤で重要な役割を果たす。
スタッフ
- 監督:F・ゲイリー・グレイ(『交渉人』『Friday』)
- 脚本:ドナ・パワーズ、ウェイン・パワーズ、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド
- 製作:ドナルド・デ・ライン
- 撮影:ウォーリー・フィスター(『インソムニア』)
- 音楽:ジョン・パウエル(『ボーン・アイデンティティー』)
- 美術:チャールズ・ウッド
- 編集:リチャード・フランシス=ブルース(『ハリー・ポッターと賢者の石』)
- 衣装:マーク・ブリッジス(『8 Mile』)
総括
『ミニミニ大作戦』は、ミニクーパーの機動力を活かしたアクションと、個性豊かなキャラクターたちのチームワークが光るクライムアクション映画です。シャーリーズ・セロンの魅力的な演技と、機能的かつスタイリッシュな衣装・髪型が、物語に彩りを添えています。F・ゲイリー・グレイ監督の手腕により、テンポの良い展開とリアルなカーチェイスが見事に融合し、観客を魅了する作品に仕上がっています。
レビュー 作品の感想や女優への思い