マギー・ジレンホール(Maggie Gyllenhaal)は米国の女優・映画監督。『セクレタリー』で注目され、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞にノミネート。芸能一家出身で、個性派女優として活躍。『ロスト・ドーター』で監督デビュー。
プロフィール
- 名前:マギー・ジレンホール(Maggie Gyllenhaal)
- 本名:Margaret Ruth Gyllenhaal
- 生年月日:1977年11月16日(47歳)
- 出生地:米国ニューヨーク州ニューヨーク
- 職業:女優
- 活動期間:1992年~
- 配偶者:ピーター・サースガード(2009年~)
- 著名な家族:スティーヴン・ジレンホール(父)、ナオミ・フォーナー(母)、ジェイク・ジレンホール(弟)
- SNSサイト:Instagram・X・Facebook
生い立ち・教育
マギー・ジレンホール(本名:マーガレット・ルース・ジレンホール)は、1977年11月16日にアメリカ合衆国ニューヨーク州マンハッタンで生まれました。彼女の父親はスウェーデン系アメリカ人の映画監督スティーヴン・ジレンホール、母親はユダヤ系アメリカ人の脚本家ナオミ・フォナーで、弟は俳優のジェイク・ジレンホールという芸能一家に育ちました。父親はスウェーデンボルグ派のキリスト教徒として育てられ、母方の祖先はロシアやポーランド出身のアシュケナジー系ユダヤ人です。マギーは自身を文化的ユダヤ人と認識し、宗教的にはユダヤ教を意識して育ちましたが、ヘブライ学校には通いませんでした。彼女の出生証明書には「マルガリット(Margalit)」と記載されており、これはヘブライ語で「真珠」を意味しますが、彼女はこの事実を2013年まで知りませんでした。
ロサンゼルスで育ち、名門ハーバード・ウェストレイク予備校に通学しました。その後、コロンビア大学に進学し、英語と東洋の宗教を専攻。大学では文学に深い関心を持ち、学業と演技への情熱を両立させました。卒業後、演技をさらに磨くため、ロンドンの王立演劇学校(Royal Academy of Dramatic Art)で学び、舞台や映画でのキャリアを準備しました。この国際的な教育経験は、彼女の演技に深みと多様性をもたらす基盤となりました。
経歴
マギー・ジレンホールの俳優としてのキャリアは、1992年に父親の監督作『Waterland』での小さな役で始まりました。このデビュー作には弟のジェイクも出演しており、家族ぐるみの映画制作が彼女の初期のキャリアに影響を与えました。その後、父親の監督作『A Dangerous Woman』(1993年)や『Homegrown』(1998年)にも出演し、経験を積みました。2000年には、インディペンデント映画『Cecil B. Demented』や『Riding in Cars with Boys』で脇役を演じ、徐々に注目を集めました。
2001年の『ドニー・ダーコ』では、弟ジェイクと姉弟役で共演し、カルト的な人気を博した作品で存在感を示しました。転機となったのは2002年の『セクレタリー』で、内向的で自傷癖のある秘書リー・ホロウェイ役を演じ、批評家から高い評価を受けました。この役でナショナル・ボード・オブ・レビューのブレイクスルー女優賞を受賞し、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされました。彼女はこの作品の脚本について当初、反フェミニスト的なメッセージを懸念しましたが、監督との議論を経て参加を決意。結果的にこの役は彼女のキャリアを飛躍させ、個性派女優としての地位を確立しました。
その後も『Adaptation』(2002年)、『Confessions of a Dangerous Mind』(2002年)、『Mona Lisa Smile』(2003年)などに出演し、着実にキャリアを築きました。2006年の『シェリーベイビー』では薬物依存症のシングルマザー役で再びゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、演技力が高く評価されました。2008年には大作『ダークナイト』でレイチェル・ドーズ役を演じ、商業的成功も収めました。2009年の『クレイジー・ハート』ではシングルマザーのジャーナリスト役でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、国際的な認知度をさらに高めました。
舞台でも活躍し、2000年にパトリック・マーバーの『クローサー』で舞台デビューを果たし、好評を得ました。その後も『The Tempest』や『Antony and Cleopatra』などの舞台に出演し、2014年にはブロードウェイの『The Real Thing』でデビュー。2021年には、監督・脚本家として『ロスト・ドーター』を制作し、ヴェネツィア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞。アカデミー賞最優秀脚色賞にもノミネートされ、監督としての才能も証明しました。
私生活
マギー・ジレンホールは2002年に俳優のピーター・サースガードと交際を始め、2006年に婚約。同年10月に長女ラモーナが生まれ、2009年に結婚しました。2012年には次女グロリア・レイが生まれ、家族はニューヨークのブルックリンを拠点に生活しています。ピーターとは『Rendition』や『Jarhead』で共演した縁もあり、夫婦としての絆を深めました。彼女は家族を大切にし、子育てとキャリアを両立させながら、ニューヨークの芸術コミュニティに根ざした生活を送っています。
マギーは政治的・社会的な活動にも積極的で、2004年の大統領選挙では「Rock the Vote」キャンペーンに参加し、若者の投票を促しました。また、民主党のジョン・ケリー候補を支持するなど、政治的発言も行っています。彼女は自身のユダヤ人としてのアイデンティティを公に語り、文化的な背景を大切にしていますが、宗教的な実践には深く関与していません。
出演作品
- 『Waterland』(1992年):スクリーンデビュー作。父親の監督作で小さな役を演じる。
- 『A Dangerous Woman』(1993年):父親の監督作で脇役として出演。
- 『Homegrown』(1998年):父親の監督作でジェイクと共演。
- 『Cecil B. Demented』(2000年):インディペンデント映画で脇役を演じる。
- 『Riding in Cars with Boys』(2001年):ドリュー・バリモア主演作で脇役。
- 『ドニー・ダーコ』(2001年):弟ジェイクと姉弟役で共演。カルト的な人気を博す。
- 『セクレタリー』(2002年):主演作。内向的な秘書役でブレイクスルー女優賞を受賞。
- 『Adaptation』(2002年):ニコラス・ケイジ主演の異色作で脇役。
- 『Confessions of a Dangerous Mind』(2002年):ジョージ・クルーニー監督作で脇役。
- 『Mona Lisa Smile』(2003年):ジュリア・ロバーツ主演作で学生役。
- 『ワールド・トレード・センター』(2006年):9.11を題材にしたオリバー・ストーン監督作。
- 『シェリーベイビー』(2006年):主演作。薬物依存症の女性役でゴールデン・グローブ賞ノミネート。
- 『ダークナイト』(2008年):レイチェル・ドーズ役で大作映画に出演。
- 『クレイジー・ハート』(2009年):助演女優としてアカデミー賞ノミネート。
- 『ホワイトハウス・ダウン』(2013年):アクション映画でシークレットサービス役。
- 『FRANK フランク』(2014年):マイケル・ファスベンダー主演の異色作でクララ役。
- 『ロスト・ドーター』(2021年):監督・脚本を担当。ヴェネツィア国際映画祭最優秀脚本賞受賞。
- 『The Kindergarten Teacher』(2018年):主演作。教師役で批評家から高い評価。
まとめ
マギー・ジレンホールは、インディペンデント映画から大作映画、舞台、監督業まで幅広く活躍し、独自の存在感で観客を魅了し続けています。彼女のキャリアは、家族の影響を受けつつも、自身の努力と才能で築かれたものであり、今後もさらなる活躍が期待されます。
レビュー 作品の感想や女優への思い