ケリ・ガーナー(Kelli Garner)は1984年4月11日生まれの米国の女優。カリフォルニア州出身で、映画、テレビ、舞台で活躍。『ブリー』『アビエイター』『ホーンズ 容疑者と告白の角』『PAN AM/パンナム』などに出演し、多彩な役柄で評価される。
プロフィール
生い立ち・教育
ケリ・ガーナーは、1984年4月11日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ベイカーズフィールドに生まれました。幼少期はニューベリーパークで過ごし、その後家族と共にサウザンドオークスに移り住みました。内気な少女だった彼女は、友人のバーミツバ(ユダヤ教の成人式)に出席した際、たまたまタレントエージェントの目に留まり、Eggoのコマーシャルに出演する機会を得ました。この出来事が彼女の演技人生の第一歩となりました。サウザンドオークス高校に通いながら、彼女はサッカーに才能を発揮し、プロのサッカー選手を目指すことも考えていましたが、演技への情熱が次第に上回るようになりました。高校在学中に、マイク・ミルズ監督の短編映画『Architecture of Reassurance』(2000年)に出演し、これが彼女の最初の演技経験となりました。この作品での演技が評価され、さらなるキャリアの扉が開かれました。正式な演技教育を受けた記録は少ないものの、彼女は現場での経験を通じて演技力を磨き、独自のスタイルを築き上げました。
経歴
ケリ・ガーナーのキャリアは、2000年にテレビ映画『Time Share』での小さな役から始まりました。翌2001年、17歳の時にラリー・クラーク監督の物議を醸した映画『ブリー』でヘザー・スワラーズ役を演じ、注目を集めました。この作品は実話に基づく犯罪ドラマで、彼女のエッジの効いた演技が批評家から高い評価を受けました。その後、2004年にマーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』でフェイス・ドマーグ役を演じ、レオナルド・ディカプリオと共演。オーディションでは、役になりきるためにブラウンのコンタクトレンズを着用し、緊張のあまり転んでしまったエピソードを明かしていますが、この自然体な姿が逆に役を獲得する決め手となりました。2005年には、インディペンデント映画『サムサッカー』で主演を務め、ルー・テイラー・プッチやヴィンス・ヴォーンと共演し、感情的な深みを表現する能力を示しました。同年、トミー・リー・ジョーンズ主演のコメディ『チアガール VS テキサスコップ(Man of the House)』に出演し、コメディでの才能も発揮しました。
2005年にはオフブロードウェイの舞台『Dog Sees God: Confessions of a Teenage Blockhead』でニューヨークの舞台デビューを果たし、アメリカ・フェレーラらと共演。2007年にはライアン・ゴズリング主演の『ラースと、その彼女』でマーゴ役を演じ、批評家から高い評価を受けました。2008年には、アントン・チェーホフの『かもめ』のオフブロードウェイ公演でディアンヌ・ウィーストと共演し、舞台女優としての評価も得ました。TV番組では、2011年から2012年にかけて放送されたドラマ『PAN AM/パンナム』でキャサリン・“ケイト”・キャメロン役を演じ、1960年代の航空会社の華やかな世界を再現し、幅広い視聴者に知られるようになりました。2014年にはダニエル・ラドクリフ主演の『ホーンズ 容疑者と告白の角』でグレンナ・シェファード役、2015年には『マリリン・モンローの秘密』でマリリン・モンロー役を演じ、スーザン・サランドと共演しました。
2019年には『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で脇役を務め、NBCのドラマ『The Enemy Within』で主演を務めるなど、映画とテレビの両方で活躍を続けています。2023年には『V/H/S/85』や『Walden』など、ホラーやスリラー作品にも挑戦し、さらなるキャリアの幅を広げています。
私生活
ケリ・ガーナーの私生活については、メディアで大きく取り上げられることは少ないものの、彼女はプライバシーを大切にする姿勢を貫いています。公に知られている恋愛関係や結婚の記録はなく、子供もいないとされています。彼女はインタビューで、役者としての仕事に集中するために私生活をシンプルに保つことを好むと語っています。趣味としては日本食、特に寿司が好きで、ニューヨークの「Sushi Yasaka」をお気に入りの店として挙げています。また、俳優仲間との交流を大切にしており、アルヴァロ・モルテらとの友情が知られています。彼女は業界の競争やメディアの注目によるプレッシャーを感じつつも、演技を通じて自己表現することに喜びを見出しています。ソーシャルメディアでは控えめな活動に留まり、ファンとの交流は主に作品を通じて行っています。彼女の地元カリフォルニアへの愛着も強く、故郷の自然やコミュニティがインスピレーションの源となっていると述べています。
出演作品
映画
- 2001年: ブリー(Bully) – ヘザー・スワラーズ
- 2002年: Love Liza – ハファー・ガール
- 2002年: Hometown Legend – ジョシー
- 2004年: アビエイター(The Aviator) – フェイス・ドマーグ
- 2005年: サムサッカー(Thumbsucker) – レベッカ
- 2005年: チアガール VS テキサスコップ(Man of the House) – バーバラ・“バーブ”・トンプソン
- 2005年: エクスタシー(London) – マヤ
- 2005年: アイ・アム・ウォンテッド – アーチャー
- 2006年: ドリームランド – カリスタ(Method Fest 最優秀女優賞受賞)
- 2007年: ラースと、その彼女 – マーゴ
- 2009年: ウッドストックがやってくる!(Taking Woodstock) – VWガール
- 2009年: スパイアニマル・Gフォース(G-Force) – マーシー
- 2010年: 遠距離恋愛 彼女の決断(Going the Distance) – ブライアンナ
- 2014年: ホーンズ 容疑者と告白の角(Horns) – グレンナ・シェファード
- 2015年: ワン・モア・タイム(One More Time) – コリーン
- 2019年: ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(Godzilla: King of the Monsters) – クロス
- 2021年: What Josiah Saw – メアリー・ミルナー
- 2023年: V/H/S/85 – サラ・グレイソン博士(「Total Copy」セグメント)
- 2023年: Walden – エミリー・デュペロン
TV
- 2000年: Time Share – ケリー(ビーチガール)
- 2001年: バフィー 恋する十字架 – カースティー(シーズン5 第16話)
- 2001-2002年: Grounded for Life – トレイシー(2エピソード)
- 2004年: LAW & ORDER:性犯罪特捜班 – ブリタニー・オマリー(シーズン5 第17話)
- 2009年: アメリカン・ダッド(American Dad!) – ウェイトレス(声の出演、シーズン5 第9話)
- 2010年: My Generation – ドーン・バルブソ(メインキャスト)
- 2011-2012年: PAN AM/パンナム – キャサリン・“ケイト”・キャメロン(14エピソード)
- 2014-2015年: ルッキング – メーガン・マレー(2エピソード)
- 2015年: マリリン・モンローの秘密 – マリリン・モンロー
- 2019年: The Enemy Within – ケイト・ライアン(メインキャスト)
- 2022年: American Gigolo – クレア(2エピソード)
舞台
- 2005年: Dog Sees God: Confessions of a Teenage Blockhead – トリシア
- 2008年: かもめ(The Seagull) – ニーナ
MV
- 2000年: Everything But The Girl「Temperamental」
- 2001年: Staind「Epiphany」
- 2001年: N.E.R.D.「Provider」
- 2005年: Green Day「Jesus of Suburbia」 – ワッツァーネーム
- 2005年: Green Day「Whatsername」(未公開)
- 2019年: Joseph Shabason「I Don’t Want to be Your Love」
まとめ
ケリ・ガーナーは、多才な演技力で映画、テレビ、舞台と幅広い分野で活躍する女優です。『ブリー』での鮮烈なデビューから『アビエイター』『パンナム』『マリリン・モンローの秘密』など、様々なジャンルで印象的な役を演じ、批評家や観客から高い評価を受けてきました。内気な少女からハリウッドの注目女優へと成長した彼女のキャリアは、情熱と努力の結晶です。私生活では控えめながら、演技への真摯な姿勢と地元への愛着を持ち続けています。今後も彼女の新たな挑戦と作品が楽しみです。
レビュー 作品の感想や女優への思い