カヤ・スコデラリオ(Kaya Scodelario)はイギリス人女優。ブラジル系母の影響でポルトガル語も堪能。14歳で演技未経験ながらTVシリーズ「スキンズ」でブレイク。以降、「メイズ・ランナー」シリーズや「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」などで活躍。ディスレクシアを公表し、精神衛生啓発にも貢献する多才な女優です。
プロフィール
- 名前:カヤ・スコデラリオ(Kaya Scodelario)
- 本名:伯名:Kaya Rose Scodelario-David、英名:Nascida Kaya Rose Humphrey
- 生年月日:1992年3月13日(33歳)
- 出生地:イングランド ウェストサセックス州、ヘイワーズ・ヒース
- 国籍:イギリス、ブラジル
- 職業:女優、ファッション・モデル
- 活動期間:2006年〜
- 配偶者:ベンジャミン・ウォーカー(2015年〜2024年)
- SNSサイト:TikTok・X・Instagram
生い立ち・教育
カヤ・スコデラリオは、本名をカヤ・ローズ・ヒュンフリーといい、1992年3月13日にイングランドのウェスト・サセックス州ヘイワーズ・ヒースで生まれました。父親のロジャー・ヒュンフリーはイギリス人で、母親のカティア・スコデラリオはブラジル出身の会計士であり、イタリア系とポルトガル系の血を引いています。この多文化的な家庭環境は、彼女の人生に大きな影響を与えました。
カヤが生まれてわずか1歳の頃、両親は離婚しました。母親のカティアは、娘を連れてロンドンに移住することを決意します。当時カヤが4歳の時、家族は厳しい状況に直面しました。ロンドンに到着した初日の夜を路上で過ごさざるを得ず、その後ようやくハロウェイ・ロードの公営住宅に住むことができました。このような貧困と不安定な幼少期は、カヤの内面的な強さを育む基盤となりました。母親の姓を継いだカヤは、家ではポルトガル語を話し、ブラジルの文化に親しみながら育ちました。英語とポルトガル語の両方を流暢に話すバイリンガルとして、彼女のアイデンティティはイギリスとブラジルの橋渡しのようなものです。
教育面では、カヤは学校生活で大きな苦労を経験しました。幼い頃からディスレクシア(読字障害)と診断され、読み書きに深刻な困難を抱えていました。この障害は、授業の理解を妨げ、学業成績の低下を招き、彼女の自己肯定感を大きく損なう要因となりました。学校ではいじめに遭うこともあり、孤独感を深めていきました。しかし、母親のカティアは娘を支え続け、家庭内での温かな環境を提供しました。カヤ自身も、この経験を後年「私の人生を形作った大切な一部」と振り返っています。ディスレクシアのため、彼女は標準的な教育カリキュラムに適応しにくく、正式な演劇教育を受ける機会はほとんどありませんでした。
代わりに、自己流で演技やダンスに興味を持ち、モデル活動を始めることで創造性を発揮しました。14歳になる頃には、演技への情熱が芽生え、正式なトレーニングなしにオーディションに挑む決意をします。このような生い立ちは、彼女のタフネスと共感力を養い、後のキャリアに活かされることとなります。
経歴
カヤ・スコデラリオの演技キャリアは、2006年に始まります。14歳の時、演技経験ゼロの状態で、E4チャンネルのティーンドラマ「スキンズ」のオーディションを受けました。最初は年齢が若すぎると思い、途中で帰ろうとしましたが、プロデューサーの励ましで最後まで残り、エッフィ・ストーンマ役に抜擢されました。第1シリーズではセリフが少なくミステリアスなキャラクターでしたが、第2シリーズ以降、彼女の演技は注目を集め、第3・4シリーズでは中心人物となりました。この役柄は、精神的な葛藤を抱えるティーンエイジャーを描き、カヤの自然な表現力が評価されました。「スキンズ」は全7シリーズ続き、2013年のスペシャルエピソードにも出演。彼女はこの作品で一躍スターとなり、ティーンアイコンとしてブレイクしました。
TVシリーズでの成功後、カヤは映画界へ進出します。2009年、サム・ロックウェル主演のSF映画「月に囚われた男」で映画デビューを果たし、宇宙飛行士の娘役を演じました。この作品は批評家から高評価を受け、彼女の演技の幅広さを示しました。2011年には、アンドレア・アーノルド監督の「嵐が丘」でキャサリン・アーンショウ役を演じ、エミリー・ブロンテの古典を現代的に再解釈したこの映画で、情熱的で複雑な女性像を体現。彼女の演技は英国アカデミー賞などのノミネートにつながりました。
2014年から本格的にハリウッドへ。ディストピアSF「メイズ・ランナー」シリーズでテレサ・アグネス役を演じ、ディラン・オブライエンらと共演。3部作(2014年、2015年、2018年)は全世界で興行収入10億ドルを超え、カヤをアクション女優として位置づけました。2017年には「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」でカリナ・スミス役を務め、ジョニー・デップのジャック・スパロウと絡む天文学者を演じ、フランチャイズの新風を吹き込みました。この作品は商業的に成功し、彼女の国際的知名度を高めました。
2019年以降は、多様なジャンルに挑戦。ホラー映画「クロール -凶暴領域-」でワニに追われる女性役を演じ、アクションとサバイバル要素で称賛されました。同年、Netflixの「テッド・バンディ」でテッド・バンドィの妻キャロル・アン・ブーン役を演じ、犯罪伝記ドラマで心理描写の深さを発揮。2020年にはフィギュアスケートを題材にしたNetflixシリーズ「栄光へのスピン」でカタリナ・ベイカー役を演じ、精神疾患のテーマを扱いました。2021年の「バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」ではクレア・レッドフィールド役でゾンビアクションに挑み、ゲームファンを満足させました。
2023年にはNetflixのアクションコメディ「ジェントルメン」でガイ・リッチー監督の作品に出演し、ユーモアを交えた役柄を披露。また、「セナ」でアイルトン・セナの伝記ドラマに記者役で参加しました。2024年以降も、舞台や新プロジェクトに意欲を示しており、モデルとしても活動を続けています。
カヤの経歴は、ティーンから成熟した女優への成長を物語り、ディスレクシア克服の象徴としても注目されています。彼女は精神衛生や女性のエンパワーメントを提唱し、慈善活動にも積極的です。
私生活
カヤ・スコデラリオの私生活は、公のキャリア同様に波乱に富んでいます。幼少期の両親離婚と貧困経験が、彼女の家族観を形成しました。母親のカティアとは非常に仲が良く、ブラジル文化の影響を今も受けています。一方、父親ロジャーとは疎遠ですが、過去のインタビューで和解の兆しを見せています。ディスレクシアの闘いは、私生活の大きなテーマです。彼女は2010年のツイッターで「これが私の自尊心を傷つけた」と告白し、多くの人々に勇気を与えました。この障害を克服するため、読み書きのトレーニングを続け、演技を通じて自己表現を磨きました。
恋愛面では、Skins撮影中に共演者のジャック・オコンネルと短期間交際しましたが、若さゆえの別れとなりました。2014年頃から、俳優のリアム・デイビスと出会い、2015年に婚約、2015年12月に結婚しました。リアムはカヤの支えとなり、2人はロンドンで静かな生活を送っています。2016年12月、息子のヤコブが誕生し、母親としての喜びをSNSで共有。子育てはキャリアのバランスを取る挑戦ですが、カヤは「家族が私の原動力」と語ります。夫婦はプライバシーを重視し、パパラッチを避けています。
趣味として、ダンスやモデル活動を楽しんでおり、Models 1エージェンシーと契約。ファッションキャンペーンに出演し、多才さを発揮します。また、アーノルド・シュワルツェネッガーのファンで、猫を「アーニー」と名付けました。精神衛生啓発のため、British Red CrossやAction for Childrenなどの慈善団体を支援。SNSではポジティブなメッセージを発信し、ファンとのつながりを大切にしています。私生活の安定が、彼女のプロフェッショナルな成長を支えています。
出演作品
カヤ・スコデラリオの出演作品は、TVシリーズから映画まで多岐にわたり、彼女の演技の進化を反映しています。以下に主なものを挙げます。
- スキンズ(2007-2010年、2013年):エッフィ・ストーンマ役。ティーンドラマのブレイク作品で、精神的な深みを描きました。全7シリーズとスペシャルに出演。
- 月に囚われた男(2009年):イヴ役。SF映画デビュー作。サム・ロックウェルと共演し、孤独な宇宙の物語に参加。
- 嵐が丘(2011年):キャサリン・アーンショウ役。古典文学の映画化で、情熱的なヒロインを演じ、批評家から絶賛。
- メイズ・ランナー(2014年):テレサ・アグネス役。ディストピアSFシリーズ第1作。アクションシーンで存在感を発揮。
- メイズ・ランナー2: 砂漠の迷宮(2015年):同役。シリーズ続編で、過酷なサバイバルを体現。
- The Moon and the Sun(2015年):マリー・ルイーズ役。歴史ファンタジー映画で、ルイ14世の宮廷を描く。
- メイズ・ランナー: 最期の迷宮(2018年):同役。シリーズ完結編で、感動的なクライマックスを飾る。
- パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊(2017年):カリナ・スミス役。人気フランチャイズで、天文学者として冒険に参加。
- クロール -凶暴領域-(2019年):ヘイリー・ケラー役。ホラーサバイバル映画。ワニの恐怖と闘う女性を演じ、興行的に成功。
- テッド・バンディ(2019年):キャロル・アン・ブーン役。Netflixのテッド・バンドィ伝記で、複雑な心理を表現。
- 栄光へのスピン(2020年):カタリナ・ベイカー役。Netflixシリーズ。フィギュアスケーターの苦悩を描く。
- バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2021年):クレア・レッドフィールド役。ゲーム実写化で、ゾンビ世界を駆け抜ける。
- ジェントルメン(2024年):Netflixシリーズ。ガイ・リッチー作品で、アクションコメディに参加。
- セナ(2024年):ローラ・ハリソン役。F1ドライバー伝記で、記者役を演じる。
これらの作品以外に、短編や舞台出演もあり、彼女のキャリアは今後も広がりをみせそうです。
レビュー 作品の感想や女優への思い