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積木の箱

「見どころ」にPR表現を含みます。

『積木の箱』(1968年)は家族の崩壊と少年の性的目覚めを描くドラマ。増村保造監督が三浦綾子の同名原作を基に、複雑な人間心理を繊細に表現する。若尾文子のまろやかな美しさが光る一作。

北海道の観光王である佐々林豪一の家庭で、15歳の少年一郎が父と長姉の禁断の関係を目撃する…。

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基本情報

  • 原題:積木の箱
  • 公開年:1968年
  • 製作国・地域:日本
  • 上映時間:84分
  • ジャンル:ドラマ
  • 原作:三浦綾子『積木の箱』朝日新聞社、1967年
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女優の活躍

本作では、若尾文子が佐々林みどり役を演じます。彼女は少年一郎にとっての理想的な女性像として描かれ、家族の混乱の中で静かな支えとなる存在を示します。若尾文子は、繊細な表情と穏やかな佇まいで、みどりの内面的な強さと優しさを体現します。この役を通じて、彼女の演技は家族の絆を象徴する重要な役割を果たします。

松尾嘉代は佐々林奈美恵役を務め、物語の核心である父との関係を体現します。彼女の演技は、情熱的で複雑な感情を露わにし、少年の衝撃を呼び起こすきっかけとなります。松尾嘉代は、妖艶さと悲哀を併せ持ち、奈美恵の内面的葛藤を深く掘り下げます。この役は、彼女のキャリアにおいて大胆な挑戦として評価されます。

梓英子は佐々林トキ役で、母としての忍耐と諦観を表現します。彼女の落ち着いた演技が、家庭の異常性を静かに強調します。

三人の女優の活躍が、家族の多層的なドラマを豊かに彩ります。若尾文子松尾嘉代の対比が特に際立ち、視覚的・感情的な深みを加えます。

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女優の衣装・化粧・髪型

若尾文子が演じるみどりは、1960年代後半の日本女性らしいシンプルで上品な衣装を着用します。主に淡い色のブラウスや膝丈のスカートが用いられ、家庭的なシーンではエプロンを纏います。化粧はナチュラルで、薄いファンデーションと淡いリップが特徴です。髪型はショートボブに軽くウェーブをかけ、柔らかな印象を与えます。このスタイルは、彼女の純粋さと優しさを強調します。

松尾嘉代の奈美恵は、情熱的な役柄に相応しく、ボディラインを際立たせるタイトなドレスやシースルーのブラウスを着用します。夜のシーンでは赤みがかったワンピースが登場し、妖艶さを演出します。化粧は大胆で、スモーキーなアイシャドウと濃いめの口紅が用いられ、官能的な雰囲気を醸します。髪型はロングヘアをアップにまとめ、時には解いて流れるように表現します。

梓英子のトキは、伝統的な和服や控えめな洋装を基調とし、家庭の主婦らしい実用性を重視します。化粧は最小限で、髪型はまとめ髪が中心です。これらの要素が、女優たちのキャラクターを視覚的に区別し、時代背景を反映します。全体として、衣装は北海道の寒冷な気候を考慮した素材が選ばれ、物語のリアリズムを高めます。

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あらすじ

北海道の広大な土地で、観光業の帝王として君臨する佐々林豪一は、妻トキと二人の娘、奈美恵とみどり、そして15歳の息子一郎と暮らします。豪一の事業は成功を収め、家族は裕福な生活を送りますが、その裏側には妻妾同居という異常な関係が隠されています。奈美恵は幼い頃に豪一に拾われた孤児で、実は彼の愛人として家族に迎え入れられていました。

ある夏の日、一郎は偶然、父の豪一と姉の奈美恵が密会する現場を目撃します。獣のような激しい抱擁に、少年の心は激しく揺さぶられます。姉と信じていた奈美恵が父の女である事実に衝撃を受け、一郎は家族全体を敵視します。母トキがこの関係を黙認していること、次姉のみどりが何も知らないふりをしていることに、怒りと絶望が募ります。

一郎の心は混乱の極みに達し、性的衝動と殺意が交錯します。彼は奈美恵を誘惑しようと試み、家族の崩壊を加速させます。みどりは一郎の異変に気づき、優しく寄り添いますが、少年の心は容易に癒えません。豪一の事業は拡大を続けますが、家族の亀裂は深まるばかりです。

物語は、一郎の視点から家族の秘密が次々と明らかになる過程を描きます。奈美恵の過去、トキの諦め、みどりの純粋さが交錯し、少年の成長を促します。最終的に、一郎は家族の闇を乗り越え、自立への道を歩み始めます。積木のように脆く積み重なった家族の関係が、崩れ落ちる様子が克明に語られます。

このあらすじは、原作のエッセンスを基に、映画の視覚的な展開を考慮してまとめます。増村監督の演出により、北海道の自然景観が家族の内面的葛藤を象徴的に映し出します。少年の目覚めが、静かな緊張感の中で進行します。

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解説

『積木の箱』は、三浦綾子の小説を原作とした増村保造監督の傑作ドラマです。1968年の公開当時、日本社会の家族観に一石を投じ、性的タブーと心理描写の深さで注目を集めます。原作は朝日新聞連載で、戦後日本の道徳的混乱を背景に、妻妾同居というモチーフを扱います。三浦綾子は、自身のキリスト教的視点から人間の罪と贖罪を描き、増村監督はこれを視覚的に昇華させます。

監督の増村保造は、女性の内面を繊細に描くことで知られ、本作でも複雑な人間関係を多角的に表現します。少年一郎の視点を通じて、エディプス・コンプレックスを思わせる心理を掘り下げ、家族の崩壊を積木のメタファーで象徴します。北海道の広大な風景が、閉塞感ある家庭の対比として機能し、視覚美を高めます。

女優陣の演技は、物語の鍵です。若尾文子のまろやかな美しさが、少年の理想像を体現し、松尾嘉代の妖艶さが禁断の関係を強調します。梓英子の静かな忍耐が、家族の基盤を表します。これらの演技が、心理描写のリアリズムを支えます。脚本は池田一朗との共同執筆で、原作のエッセンスを保ちつつ、映画的な緊張感を加えます。

時代背景として、1960年代後半の日本は、高度経済成長期にあり、伝統的家族観が揺らぎ始めます。本作は、そんな社会の亀裂を映し、性的解放の萌芽を予感させます。批評家からは、演出の洗練さとテーマの深みが評価され、キネマ旬報で好レビューを得ます。一方で、タブーな題材ゆえに賛否両論を呼びました。

音楽の山内正は、静謐な旋律で感情を強調し、小林節雄の撮影は自然光を活かした美しい構図で知られます。美術の下河原友雄は、豪邸のセットをリアルに再現し、閉塞感を演出します。本作は、増村監督のフィルモグラフィーにおいて、心理ドラマの頂点として位置づけられます。

現代的に見て、本作はジェンダーと家族の再考を促します。少年の成長譚として、普遍的なテーマを持ち、DVD化により再評価されています。原作との比較では、映画版が視覚的なインパクトを強め、心理の暗部を強調します。全体として、脆い人間関係の美学を描く名作です。

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キャスト

  • 若尾文子:佐々林みどり
  • 緒形拳:佐々林豪一
  • 松尾嘉代:佐々林奈美恵
  • 梓英子:佐々林トキ
  • 内田喜郎:佐々林一郎

スタッフ

  • 監督:増村保造
  • 脚本:増村保造、池田一朗
  • 原作:三浦綾子…積木の箱(小説)
  • 撮影:小林節雄
  • 美術:下河原友雄
  • 録音:須田武雄
  • 照明:渡辺長治
  • 音楽:山内正
  • 製作:大映
  • 配給:大映
劇場映画
なむ

洋画好き(字幕派)。だいたいU-NEXTかNetflixで、妻と2匹の猫と一緒にサスペンスやスリラーを観ています。詳細は名前をクリックしてください。猫ブログ「碧眼のルル」も運営。

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