『ツーリスト』は、2010年に公開されたロマンティック・スリラー映画。アンジェリーナ・ジョリー演じる謎めいた女性エリーズが、ジョニー・デップ演じる普通のアメリカ人観光客フランクを巻き込み、国際的な追跡劇を繰り広げます。ヴェネツィアの美しい風景を舞台に、愛と欺瞞が交錯する物語が展開します。スリリングな展開と豪華なキャストが魅力です。
基本情報
- 邦題:ツーリスト
- 原題:The Tourist
- 公開年:2010年
- 製作国・地域:アメリカ、フランス
- 上映時間:103分
- ジャンル:アクション、アドベンチャー・冒険
- 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
女優の活躍
アンジェリーナ・ジョリーは、本作でエリーズ・クリフトン=ワードというキャラクターを演じています。この役は、国際的な犯罪者アレクサンダー・ピアースの恋人でありながら、実はスコットランドヤードの潜入捜査官という複雑な設定です。ジョリーは、エリーズのミステリアスで魅力的な一面を巧みに表現しています。
物語の冒頭では、パリのカフェでピアースからの指示を受け取り、警察の監視をかわしながら列車に乗り込みます。そこで出会ったフランクを、ピアースの替え玉として選ぶシーンは、彼女の演技力が光ります。
エリーズは、フランクをヴェネツィアの豪華ホテルに誘い、危険な状況に巻き込みます。ジョリーの活躍は、フランクがギャングに追われる中、ボートチェイスで彼を救出するアクションシーンで特に目立ちます。彼女は冷静沈着にボートを操り、敵を振り切る姿を見せます。また、舞踏会でのシーンでは、フランクとダンスを踊りながら、感情の揺らぎを繊細に描いています。クライマックスでは、ギャングのボスに人質に取られながらも、機転を利かせて状況を打開します。
ジョリーの演技は、映画全体の緊張感を高めています。彼女の存在感が、物語のロマンティックな要素とスリラーの側面を融合させています。エリーズのキャラクターは、ジョリーのこれまでの役柄、例えば『Mr. & Mrs. Smith』でのような魅力的なスパイ役を思わせますが、本作ではより洗練された大人の女性像を体現しています。彼女の活躍により、観客はエリーズの真意を探りながら物語に没入できます。
さらに、ジョリーはエリーズの内面的な葛藤を表現しています。ピアースへの愛情と、捜査官としての義務の間で揺れる姿が、彼女の微妙な表情や仕草から伝わってきます。最終的に、フランクの正体が明らかになるシーンでは、ジョリーの喜びの表情が印象的です。この役を通じて、ジョリーはアクション女優としての側面だけでなく、ドラマチックな演技力を発揮しています。
女優の衣装・化粧・髪型
アンジェリーナ・ジョリーの衣装は、本作のエレガントな雰囲気を象徴しています。エリーズは、常に上品で洗練されたファッションを身に着けています。例えば、パリのカフェシーンでは、トレンチコートとスカーフを合わせたクラシックなスタイルです。列車での出会いでは、シックなブラウスとスカートを着用し、神秘的な魅力を放っています。ヴェネツィアのホテルでは、高級ブランドのガウンやドレスが登場します。特に、フェラガモのカスタムメイドのパンプス「エリーズ」が有名で、彼女のキャラクターにちなんで名付けられています。これらの衣装は、黒やグレー、ベージュなどの落ち着いた色調が中心で、エリーズの高貴なイメージを強調しています。
化粧については、ジョリーのメイクはスモーキーアイが特徴的です。ブラウン系のアイシャドウを基調に、ブラックアイライナーで目を強調し、フェイクまつげを使ってドラマチックな目元を演出しています。チークはピーチカラーを薄く入れ、ナチュラルな輝きを加えています。リップはヴィンテージピンクやレッドリップスティックを使い、クラシックなハリウッドスタイルを思わせます。全体的に、洗練されたメイクでエリーズの美しさを際立たせています。映画のポスターでも、このメイクが採用され、観客を引きつけています。
髪型は、ロングのダークヘアを主にしています。オードリー・ヘプバーンを彷彿とさせる長い黒髪で、グレース・ケリーのような上品さを併せ持っています。半アップスタイルが多く、プレミアでのジョリーの髪型もこれを反映しています。ヴェネツィアのシーンでは、ゆるくウェーブをかけた髪を下ろし、風になびく様子がロマンティックです。舞踏会では、エレガントなアップドゥで、ホリデーシーズンにぴったりなスタイルです。これらの髪型は、ジョリーの顔立ちを引き立て、キャラクターの魅力 を高めています。
衣装、化粧、髪型の組み合わせは、エリーズをヨーロッパの洗練された女性として描いています。デザイナーのコリーン・アトウッドが手がけた衣装は、映画の視覚的な美しさを支えています。ジョリーのこれらの要素は、観客にインスピレーションを与え、多くのファンが真似するほど人気です。例えば、アップドゥヘアやスモーキーメイクのチュートリアルがオンラインで共有されています。
あらすじ
物語は、パリから始まります。エリーズ・クリフトン=ワード(アンジェリーナ・ジョリー)は、フランス警察とスコットランドヤードの監視下にあります。彼女は恋人アレクサンダー・ピアースから手紙を受け取り、ヴェネツィア行きの列車に乗るよう指示されます。手紙の内容は、列車内で適当な男を選び、警察にその男がピアースだと信じ込ませることです。エリーズは、手紙を焼き、警察をかわして列車に乗り込みます。そこで、ウィスコンシン州の数学教師フランク・トゥペロ(ジョニー・デップ)を選びます。
ヴェネツィアに到着した二人は、ホテル・ダニエリに滞在します。エリーズはピアースからさらに指示を受け、舞踏会に出席します。一方、フランクはギャングのレジナルド・ショー(スティーブン・バークオフ)の手下に追われ、警察に拘束されます。エリーズはボートでフランクを救出しますが、彼を空港に残して去ります。エリーズはスコットランドヤードのジョン・アチソン捜査官(ポール・ベタニー)と会い、実は潜入捜査官だったことが明らかになります。
舞踏会で、エリーズは謎の封筒を受け取ります。フランクが現れ、愛を告白しますが、警察に連行されます。エリーズは封筒の指示に従い、家に向かいます。そこでショーに人質に取られます。フランクが逃げ出し、ショーの前に現れ、自分がピアースだと主張します。金庫を開け、税金の小切手を残します。ショーはスナイパーにより倒され、エリーズの停職は解除されます。フランクが本物のピアースだったことが判明し、二人は船で去ります。
このあらすじは、欺瞞とロマンスが交錯するスリリングな展開です。パリとヴェネツィアの美しい景色が、物語の緊張感を高めています。
解説
ツーリストは、2010年に公開されたアメリカとフランス合作の映画。原作は2005年のフランス映画『アントニー・ジマー』で、それをリメイクした作品です。監督はフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクで、彼はアカデミー賞を受賞した『善き人のためのソナタ』で知られています。本作は、ロマンティック・スリラーとして位置づけられ、ヒッチコック映画を思わせるサスペンス要素が特徴です。製作費は1億ドルを超え、パリとヴェネツィアの豪華なロケーションが魅力です。
物語のテーマは、アイデンティティの欺瞞と愛の探求です。エリーズとフランクの関係は、最初は策略から始まりますが、次第に本物の感情が生まれます。批評家からは、プロットが緩慢で、デップとジョリーの化学反応が不足していると指摘されています。しかし、風景の美しさとスターの魅力は高く評価されています。Rotten Tomatoesの批評家コンセンサスでは、「景色とスターは紛れもなく美しいが、ツーリストの遅いプロットと化学反応の欠如を補えない」とまとめられています。
キャスティングでは、当初トム・クルーズとシャーリーズ・セロンが予定されていましたが、最終的にデップとジョリーになりました。脚本はクリストファー・マクアリー、ジュリアン・フェロウズ、監督自身が手がけ、洗練された対話が魅力です。音楽はジェームズ・ニュートン・ハワードが担当し、緊張感を高めています。興行収入は2億7800万ドルを超え、商業的には成功しました。
本作は、ヨーロッパの優雅さを描いたエンターテイメントとして楽しめます。アクションシーンは控えめですが、ボートチェイスがハイライトです。ジョリーの演技は、エリーズの複雑さを表現し、ファッションアイコンとしても注目されました。全体として、軽やかなエスケープ映画としておすすめです。
さらに、映画の背景には、国際的な犯罪と税務問題が絡みます。ピアースの設定は、現実の脱税事件を連想させます。監督のスタイルは、心理描写を重視し、視覚的な美しさを活かしています。リメイク元との違いは、ユーモアの追加とスターの魅力です。この映画は、旅行気分を味わえる作品として、長く愛されています。
キャスト
- ジョニー・デップ:フランク・トゥペロ/アレクサンダー・ピアース
- アンジェリーナ・ジョリー:エリーズ・クリフトン=ワード
- ポール・ベタニー:ジョン・アチソン捜査官
- ティモシー・ダルトン:ジョーンズ主任捜査官
- スティーブン・バークオフ:レジナルド・ショー
- ルーファス・シーウェル:イングリッシュマン/ローレンス・メイソン
- クリスティアン・デ・シーカ:ロンバルディ大佐
- アレッシオ・ボニ:セラート巡査
- ダニエレ・ペッチ:ナルドゥッツィ中尉
- ジョヴァンニ・グイデッリ:トンマシーニ中尉
- ラウル・ボヴァ:フィリッポ・ガッジャ伯爵
- ブルーノ・ウォルコヴィッチ:コーソン警部
- ムハメド・アレズキ:アフメド・チェバリ
- マルク・リュクマン:ブリガディエ・カイザー
- ジュリアン・バウムガルトナー:ブリガディエ・リクオート
- フランソワ・ヴァンサンテッリ:ブリガディエ・マリオン
- ニノ・フラッシカ:ブリガディエ・メレ
- イゴール・ジジキン:ヴァージンスキー
- ネリ・マルコレ:アレッシオ(ホテルコンシェルジュ)
- レナート・スカルパ:アルトゥーロ(仕立て屋)
- マウリツィオ・カサグランデ:グイド(ウェイター)
- ジョヴァンニ・エスポジート:コッパ(通訳)
スタッフ
- 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
- 脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク、クリストファー・マクアリー、ジュリアン・フェロウズ
- 原作:ジェローム・サル(映画「アントニー・ジマー」)
- 製作:ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム、オリヴィエ・クールソン、ジョナサン・グリックマン、ロン・ハルパーン、ティム・ヘディントン、グラハム・キング、ジェフリー・ナクマノフ、バフマン・ナラギ、デイヴィッド・ニコルズ、デニス・オサリヴァン、ロイド・フィリップス、アダム・ローゼンバーグ
- 撮影:ジョン・シール
- 編集:ジョー・ハッシング、パトリシア・ロンメル
- 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード


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