ヨヴァナ・ストイリコヴィッチ(Jovana Stojiljković)は、1992年3月19日生まれのセルビアの舞台・映画女優。ベオグラード出身。演技学校で学び、多数の映画・TVシリーズに出演し、数々の賞を受賞している。TVシリーズ『南風』のソフィヤ役で有名。映画では『インモラル・ガール 秘密と嘘』で自由奔放な美女マーヤ・ヨバノビッチを主演しました。
プロフィール
- カタカナ表記:ヨヴァナ・ストイリコヴィッチ
- 母語表記:Jovana Stojiljković
- 生年月日:1992年3月19日(33歳)
- 出生地:ベオグラード(セルビア)
- 職業:女優
- 活動期間:2004年~現在
- Instagram:Jovana Stojiljković
生い立ちと教育
ヨヴァナ・ストイリコヴィッチは、1992年3月19日にセルビアのベオグラードで生まれ、ゼムン地区で育ちました。彼女の父親はベオグラード大学法学部の准教授であったヴラディミール・ストイリコヴィッチ博士、祖父はセルビア商工会議所会頭や内務大臣を務めたヴライコ・ストイリコヴィッチという、著名な家系に生まれました。このような背景は、彼女が幼少期から文化や教育に親しむ環境を提供したと考えられます。
彼女の演技への関心は早くから芽生え、7歳の頃、つまり小学校2年生の時点でネナド・ネナドヴィッチの演技学校に通い始めました。この学校での学びが、彼女の演技の基礎を築く重要な一歩となりました。その後、ベオグラードの演劇芸術学部(Faculty of Dramatic Arts)に入学し、ドラガン・ペトロヴィッチ教授の指導の下、演技を専攻。2017年に学士号を取得し、さらなる研鑽を積むために大学院にも進学、修士課程を修了しました。同学年の仲間には、タマラ・アレクシッチやミロシュ・ビコヴィッチのアシスタントとして知られる俳優たちがおり、刺激的な環境で学びを深めました。彼女の教育は、理論と実践の両面でバランスが取れており、舞台やスクリーンでの多様な表現力を養う基盤となりました。
経歴
ヨヴァナのキャリアは、11歳の時にセルビア国営放送RTSのテレビドラマ『Mali položajnik(First Christmas Visitor)』(2004年)で初めてスクリーンに登場したことから始まります。この早熟なデビューは、彼女の才能が幼少期から際立っていたことを示しています。その後、演技学校に通いながら、2012年にマヤ・ミロシュ監督の映画『Klip(Clip)』で映画初主演を果たし、高校3年生ながら注目を集めました。この作品は、若者の過激な生活を描いた問題作として話題となり、彼女の演技力が高く評価されました。
大学在学中には、パヴロ・ヴチュコヴィッチ監督の『Panama』(2015年)で主演を務め、この作品でセルビア国内外の映画祭で数々の賞を受賞。カンヌ映画祭での上映も果たし、国際的な注目を集めました。彼女の演じたマヤ役は、現代の若者の葛藤をリアルに描き出し、批評家から高い評価を得ました。また、同年には『The Man Who Defended Gavrilo Princip』や『Patria』、イヴァン・ステファノヴィッチ監督の『Love Isn’t Always on Time』など、複数の作品に出演し、着実にキャリアを積み上げました。
2016年以降、ヨヴァナはベオグラードの「アトリエ212」劇場の常連メンバーとして舞台にも積極的に出演。『ハムレット』でのオフィーリア役や『Kazimir i Karolina』など、古典から現代劇まで幅広い役柄を演じ、舞台女優としての評価も確立しました。テレビシリーズでは、『Sumnjiva lica』(2016-2017年)で69エピソードに出演し、安定した人気を獲得。2017年には、ドラガン・ビェログルリッチ監督の『Senke nad Balkanom(Black Sun)』で、セルビア初の女性病理学者ボヤナ・アンティッチ役を演じ、歴史的背景を持つキャラクターに深みを与えました。
2018年には、テレビシリーズ『Jutro će promeniti sve(Morning Changes Everything)』と映画『South Wind』でさらなる飛躍を遂げます。特に『South Wind』でのソフィヤ役は、彼女の代表作となり、2021年のサラエヴォ映画祭で最優秀女優賞にノミネートされるなど、高い評価を受けました。この作品の成功は、続編『South Wind 2: Speed Up』(2021年)やテレビシリーズ版にもつながり、彼女の知名度を一層高めました。2023年には、マヤ・ミロシュ監督の『Pukotina u ledu(Crack in the Ice)』に出演し、キャリアをさらに拡大しています。
彼女の受賞歴も豊富で、2016年のバスタ・フェスト(Bajina Bašta International Short Fiction Film Festival)での最優秀女優賞(『One Night』)、ニシュ映画祭「ツァリツァ・テオドラ」での最優秀女優賞(『Panama』)、シネマ・シティやLIFFE(レスコヴァツ国際映画祭)での特別賞など、国内外で数々の栄誉に輝いています。また、演劇芸術学部の「マタ・ミロシェヴィッチ賞」や「ブラニヴォイ・ジョルジェヴィッチ賞」も受賞し、学術的な評価も受けています。
私生活
ヨヴァナ・ストイリコヴィッチの私生活については、公開情報が限られています。彼女は自身の家族や恋愛に関する詳細をあまり公にせず、プライバシーを重視する姿勢を貫いています。父親や祖父が公人であったにもかかわらず、彼女自身はメディアでの私生活の露出を控え、仕事に焦点を当てています。趣味としては、読書、写真撮影、旅行、インターネットサーフィンなどが挙げられ、自己研鑽や新しい経験を積むことを楽しんでいるようです。インスタグラム(@jovanastojiljkovicc)で活動をシェアしており、ファンとの交流も行っていますが、個人的な話題には深入りしない傾向があります。
出演作品
日本語以外の題名表記は原題または英題です。
公開年 | 題名 | 配役 |
2024年 | Crack in the Ice | |
2021年 | South Wind 2: Speed Up | |
2021年 | The Great Tram Robbery | |
2021年 | Celts | |
2019年 | Stitches | |
2018年 | スピードトラップ | ソフィア |
2017年 | Missing in Europe | |
2017年 | Adolescentes En Danger | |
2016年 | Sarajevo Songs of Woe | |
2016年 | One Night | |
2016年 | Tata | |
2016年 | The City | |
2016年 | Grad | |
2015年 | インモラル・ガール 秘密と嘘 | ヴェラ |
2015年 | We Will Be the World Champions | |
2015年 | Patria | |
2014年 | Love Isn’t Always on Time | |
2014年 | The Man Who Defended Gavrilo Princip | |
2012年 | 思春期 | |
2010年 | ウェイバック 脱出6500km | |
2004年 | Mali Polozajnik |
まとめ
ヨヴァナ・ストイリコヴィッチは、セルビアを代表する若手女優として、舞台とスクリーンの両方で確固たる地位を築いています。幼少期からの演技への情熱、名門演劇芸術学部での学び、そして多様な作品での活躍を通じて、彼女は国内外で高い評価を得ています。特に『South Wind』や『Panama』での演技は、彼女の感情表現の深さとキャラクターへの没入力を証明するものであり、今後のさらなる活躍が期待されます。私生活を控えめに保ちつつ、プロフェッショナルな姿勢でキャリアを追求する彼女は、セルビア映画界の新たな顔として注目を集めています。
レビュー 作品の感想や女優への思い