北京第二外国語学院(Beijing International Studies University、BISU)は、1964年に周恩来総理の提唱により設立された、外国語教育と観光学を特色とする総合大学です。北京市朝陽区に位置し、文学、経済学、経営学、法学等多学科を擁し、国際的な人材育成を目指します。校訓は「明徳、勤学、求是、競先」。
- 公式サイト:bisu.edu.cn
経歴
北京第二外国語学院は、1964年に新華社外文幹部学校を母体として設立されました。周恩来総理の主導により、外交、観光、貿易分野で活躍する国際的人材の育成を目的としていました。創立当初は国家对外文化連絡委員会の管轄下でしたが、その後外交部、教育部、国家旅游局、北京市人民政府と管理主体が変遷し、2000年に北京市人民政府の管轄となり、2022年には文化と旅游部との共同運営となりました。
1966年の文化大革命で一時授業が停止しましたが、1971年に復課。1979年には本科分院を設立し、英語、日語、法語の3専攻を設置。1981年には観光系を新設し、観光教育の先駆けとなりました。1982年に学士学位授与権を取得し、以降、修士・博士課程も拡充。2004年にはキャンパス改修を行い、周恩来総理の記念像を建立しました。2013年には学科再編を行い、現在の17の教学単位を形成。国際交流も盛んで、40カ国以上の170以上の大学と提携しています。
カリキュラム
北京第二外国語学院は、外国語と観光学を中心に、文学、経済学、経営学、法学、哲学の多様な学科を提供しています。以下は主な学部・専攻です:
- 英語学院:英語言語文学、翻訳、ビジネス英語
- 日語学院:日本語、翻訳、商務日本語
- アジア学院:朝鮮語、ヒンディー語、トルコ語、ペルシア語、ヘブライ語
- ヨーロッパ学院:ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語
- 中東学院:アラビア語
- 高級翻訳学院:翻訳、通訳(英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語など)
- 観光科学学院:観光管理、ホテル管理
- 商学院:財務管理、市場マーケティング
- 経済学院:国際経済貿易、金融学
- 政党外交学院:国際政治、国際関係
- 文化与伝播学院:漢語言文学、ニュース学
- 漢語学院:対外漢語教育
本科专业は48あり、31の語種をカバー。修士課程は5つの一级学科(外国語文学、漢語文学、経営学、応用経済学、哲学)と29の二级学科、6つの専門修士学位を提供。博士課程は翻訳と観光学で他大学と共同運営し、博士後研究ステーションも2つ設置しています。
教育は「学用結合、注重実践」を特色とし、外語専攻では「聴、説、読、書、訳」の技能を重視。非外語専攻は多言語環境を活用し、実践的な産学研一体型教育を行います。国家級一流本科専攻には英語、日語、朝鮮語、観光管理など11専攻、北京市級一流専攻には翻訳、財務管理など9専攻が含まれます。
国際交流も重視し、毎年500人以上の学生が海外留学、60人以上の外国人教師を招聘。留学生は年間1500人以上受け入れ、6つの孔子学院を運営しています。実践教育には観光業界調査や企業インターンシップが含まれ、10~30週間の実習が必須です。
出身者・卒業生
北京第二外国語学院は、数多くの著名な卒業生を輩出しています。以下は代表的な人物です。
- 王毅(日語系1982年卒):中華人民共和国外交部部長、元駐日本大使
- 高虎城(法語系1975年卒):元商務部部長
- 陳健(スペイン語系1977年卒):元商務部副部長
- 劉洪才(日語系1975年卒):中共中央対外連絡部副部長、元駐朝鮮大使
- 常振明(日語系1983年卒):中信集団元董事長
- 馬玲(日語系1983年卒):時事評論家、作家
- 蓋志新(法語系1978年卒):元中国国旅集団董事長
- 張吉龍(英語系1975年卒):アジアサッカー連盟副主席
- 胡安(英語系1977年卒):映画監督(『西洋鏡』など)
- 周軼君(アラビア語系1998年卒):元新華社記者、香港フェニックステレビ記者
- 舒暢(英語系2008年卒):女優、歌手
- 呉思科(アラビア語系1969年卒):元中国中東問題特使
- 黄継新(国際貿易系2000年卒):知乎(Zhihu)共同創業者
北京第二外国語学院の卒業生には、女優として活躍する人物もいます。以下に代表的な例を挙げます。
- 舒暢(英語系2008年卒):中国の女優、歌手。1987年吉林省生まれ。子役としてデビューし、テレビドラマ『宝蓮灯』(2005年)や『少年大欽差』(2004年)などで広く知られる。清純なイメージと自然な演技で人気を博し、多数の歴史ドラマや現代ドラマに出演。北京第二外国語学院で英語を学び、語学力を活かし国際的な活動にも挑戦。
他にも卒業生でメディアやエンターテインメント分野で活躍する人物はいますが、女優としては舒暢が特に著名です。学院の国際的な教育環境が、彼女のキャリアに多様性と幅を与えたと考えられます。
これらの卒業生は、外交、商務、観光、メディア、教育、文化などの分野で活躍し、国際社会での影響力を発揮しています。特に外交分野では、王毅氏をはじめとする多くの卒業生が要職を務め、同学院の国際的人材育成の成果を示しています。
また、教員陣も優れており、新中国初期の翻訳家(李越然、蘇琦、董楽山など)が教鞭をとった歴史があります。現在の教員数は約1000人で、博士学位保有者が60%近く、副教授以上が約50%を占め、国際経験豊富な教員が多いです。
まとめ
北京第二外国語学院は、国際化と実践教育を重視し、卒業生は高い就職競争力を誇ります。国家戦略と首都発展に貢献する「多語種復語、跨専業複合」の人材育成を続け、外国語、翻訳、観光、経済貿易の重要拠点としての地位を確立しています。
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