「ブラック・マスク」は1996年香港製作の近未来アクション映画。ジェット・リー演じる人間兵器チョイが、ブラック・マスクとして悪の改造人間軍団に立ち向かう。監督はダニエル・リー、製作はツイ・ハーク。アクションとSF要素が融合したヒーロー作品。公開：1999年2月6日、99分。
以下、「ブラック・マスク（1996年）」の詳細な解説、女優の活躍、衣装・化粧・髪型、あらすじ、キャスト、スタッフについて紹介します。
基本情報
- 邦題：ブラック・マスク
- 英題：BLACK MASK
- 原題：黒侠
- 公開年：1996年
- 製作国：香港
- 上映時間：99分
- ジャンル：アクション
あらすじ
「ブラック・マスク」は、近未来の香港を舞台にしたアクション映画。主人公チョイ（ジェット・リー）は、かつて「701部隊」と呼ばれる特殊部隊の一員でした。この部隊は、痛覚を奪う手術と洗脳により、感情を持たない無敵の戦士を生み出す政府の極秘計画でした。しかし、計画が失敗に終わり、部隊の抹殺命令が出された中、チョイは生き延び、香港で図書館員として静かな生活を送っています。
ある日、かつての仲間である改造人間たちが香港の裏社会で暗躍し、犯罪組織を壊滅させようとしていることが判明。チョイは正義のヒーロー「ブラック・マスク」として、黒いマスクと装束に身を包み、昔の盟友たちと戦うことを決意します。警察のシュク警部（ラウ・チンワン）や同僚のトレイシー（カレン・モク）と協力しながら、チョイは自身の過去と向き合い、悪の陰謀を阻止すべく壮絶な戦いに挑みます。物語は、アクションとヒーローとしての葛藤、そして人間性を取り戻すチョイの内面的な成長を描きます。
解説
「ブラック・マスク」は、香港アクション映画の黄金期に製作された作品で、ジェット・リーのスター性を最大限に活かしたヒーロー映画です。監督のダニエル・リーは、近未来のSF要素と香港映画特有の派手なアクションを融合させ、独自のビジュアルスタイルを確立。製作のツイ・ハークは、香港映画界の巨匠として知られ、本作でも彼のダイナミックなストーリーテリングが光ります。アクション監督ユエン・ウーピンの手掛ける戦闘シーンは、ワイヤーアクションやマーシャルアーツを駆使したスピーディーで華麗な動きが特徴で、観客を圧倒します。
本作は、アメコミ風のヒーロー像を香港映画の文脈に落とし込んだ先駆的な作品でもあります。ブラック・マスクの黒いマスクとコスチュームは、往年の「グリーン・ホーネット」を彷彿とさせつつ、香港らしい過激な暴力描写やユーモアが加味されています。ジェット・リーの身体能力が存分に発揮され、彼のハリウッド進出前の代表作として評価が高い一方、ストーリーの粗さや特撮の古さは1990年代の香港映画の限界を反映しています。それでも、アクション映画ファンには見逃せない一作です。
女優の活躍
本作には、カレン・モクとフランソワーズ・イップという二人の女優が出演し、それぞれ重要な役割を果たしています。
カレン・モク（トレイシー役）
カレン・モクは、チョイの同僚で図書館員のトレイシーを演じています。トレイシーはチョイの平穏な日常を象徴するキャラクターで、彼に心の安らぎを与える存在です。モクは本作で、コメディリリーフとしての軽快な演技と、チョイへのさりげない好意を表現する繊細な演技を見せます。彼女の明るく親しみやすいキャラクターは、物語の重いテーマに軽やかさをもたらし、観客に感情的なつながりを提供します。モクは当時、香港映画界でコメディやアクション映画で活躍しており、彼女の自然体な魅力が本作でも際立っています。特に、チョイとのユーモラスな会話シーンでは、彼女のコミカルなタイミングが光ります。
フランソワーズ・イップ（ユーラン役）
フランソワーズ・イップは、701部隊の元メンバーであり、敵側に立つ冷酷な女性戦士ユーランを演じています。イップの演技は、感情を抑えたクールなキャラクター造形で、アクションシーンでのキレのある動きが印象的です。彼女はジェット・リーと対峙する場面で、身体能力の高さを活かし、迫力のある戦闘を披露。ユーランというキャラクターは、チョイの過去と直結する重要な役割を担い、物語に緊張感を加えます。イップの出演は短いながらも、敵役としての存在感が強く、アクション映画における女性キャラクターの強さを示しています。
女優の衣装・化粧・髪型
カレン・モク（トレイシー）
トレイシーの衣装は、図書館員という設定を反映したカジュアルで親しみやすいものが多いです。主にシンプルなブラウスやスカート、淡い色のカーディガンなどを着用し、日常的な女性像を強調。化粧はナチュラルで、薄いファンデーションと控えめなリップが中心で、清楚な印象を与えます。髪型は、肩までの長さのストレートヘアで、時折ポニーテールにまとめられるスタイル。トレイシーの外見は、派手さはないものの、彼女の温かみのあるキャラクター性を引き立て、チョイとの対比を際立たせます。
フランソワーズ・イップ（ユーラン）
ユーランの衣装は、戦士としての役割を反映したタイトなブラックのレザー風コスチュームが特徴です。この衣装は動きやすさを重視しつつ、彼女の冷酷でミステリアスな雰囲気を強調。化粧は、鋭い目元を際立たせるダークなアイラインと、赤やダークトーンのリップで、強さと威圧感を表現しています。髪型は、ショートカットまたはタイトにまとめたアップスタイルで、戦闘シーンでの実用性とクールなイメージを両立。ユーランの外見は、アクション映画の典型的な「強い女性」像を体現しています。
キャスト
- ジェット・リー（リー・リンチェイ）：チョイ／ブラック・マスク役。無敵の戦士でありながら人間性を求める主人公を熱演。アクションシーンでの圧倒的な身体能力が魅力。
- ラウ・チンワン：シュク警部役。人情派の警察官で、チョイの協力者。シリアスとユーモアを兼ね備えた演技が光る。
- カレン・モク：トレイシー役。チョイの同僚で、物語に温かみを加える。
- フランソワーズ・イップ：ユーラン役。敵役の女性戦士として、冷酷さと強さを体現。
- アンソニー・ウォン：敵のリーダー役（カメオ出演）。短い出演ながら存在感を発揮。
- パトリック・ラン：701部隊のメンバー役。アクションシーンで活躍。
スタッフ
- 監督：ダニエル・リー（「三国志」）。近未来アクションのビジョンを見事に具現化。
- 製作／脚本：ツイ・ハーク（「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」）。香港映画の巨匠として、物語の骨格を構築。
- 製作総指揮：チャールズ・ヒョン（「ゴッドギャンブラー 完結編」）。
- アクション監督：ユエン・ウーピン（「マトリックス」）。ワイヤーアクションとマーシャルアーツを融合した戦闘シーンを演出。
- 美術：エディ・マ（「夜半歌聲 逢いたくて、逢えなくて」）、ビル・ライ（「ブレード 刀」）。近未来の香港をダークでスタイリッシュに描く。
- 音楽：テディ・ロビン。緊張感とドラマ性を高めるスコアを提供。
まとめ
「ブラック・マスク」は、ジェット・リーのアクションと香港映画のエネルギーが融合した近未来ヒーロー映画です。カレン・モクとフランソワーズ・イップの対照的な女性キャラクターが物語に深みを加え、衣装や化粧もそれぞれの役割を効果的に表現。ダニエル・リーとツイ・ハークのタッグによるダイナミックな演出と、ユエン・ウーピンのアクションが、1990年代の香港映画の魅力を存分に発揮しています。アクション映画ファン必見の作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い