クレア・デインズ(Claire Danes)は1979年4月12日生まれのアメリカ人女優。ティーン時代から活躍し、1994年のドラマ『マイ・ソー・コールドライフ』でブレイク。ロミオ+ジュリエットやホームランドで知られ、3度のエミー賞と4度のゴールデングローブ賞を受賞。2012年にタイム誌の100人選出。2015年にハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム入り。知性と繊細さを兼ね備えた演技で高評価。
プロフィール
- 名前:クレア・デインズ(Claire Danes)
- 本名:Claire Catherine Danes
- 生年月日:1979年4月12日(46歳)
- 出生地:アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン
- 国籍:アメリカ合衆国
- 身長:166cm
- 職業:女優
- ジャンル:映画、TV、舞台
- 活動期間:1992年~
- 配偶者:ヒュー・ダンシー(2009年~)
生い立ち・教育
クレア・キャサリン・デインズは、1979年4月12日、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタンに生まれました。父親のクリストファー・デインズは写真家兼コンピュータコンサルタントで、母親のカーラ・ホールは保育士兼アーティストです。兄のアサが一人います。家系は芸術の伝統があり、祖父のギブソン・アンドリュー・デインズはイェール大学の芸術・建築学部長を務めました。このような環境で育ったクレアは、幼少期から創造的な刺激に囲まれました。
幼い頃からパフォーマンスへの情熱を示し、6歳でモダンダンスを始めました。9歳の頃には「金があろうとなかろうと、私は女優になる。プランBはない」と宣言したそうです。この強い意志が、彼女のキャリアの基盤となりました。10歳でリー・ストラスバーグ演劇映画研究所のクラスを受け、プロフェッショナル・パフォーミング・アーツ・スクールに通いました。これらの学校で演技の基礎を学び、すぐにエージェントを獲得。13歳でNBCの『ロー・アンド・オーダー』にゲスト出演し、女優としての第一歩を踏み出しました。
教育面では、多彩な学校を経験しました。ニューヨークのダルトン・スクールで高校1年を過ごした後、1994年の『マイ・ソー・コールドライフ』出演のため、家族とともにカリフォルニア州サンタモニカへ移住。移住直後に発生したノースリッジ地震の影響を受けながらも、適応しました。高校はロサンゼルスのリセ・フランセーズ・ド・ロサンゼルスで修了し、1997年に卒業。このフランス系学校でバイリンガル教育を受け、フランス語を流暢に話すようになりました。
大学進学後、1998年からイェール大学で心理学を専攻。2年間の在籍中、演技キャリアからのブレイクを活かし、学業に専念しました。しかし、2000年に中退を決断。映画界への復帰を選びました。クレア自身、教育とキャリアのバランスを重視し、「大学に行くことがキャリアに悪影響だという意見はナンセンス」と語っています。幼少期からのセラピー経験も、自己反省のツールとして役立っています。このような生い立ちと教育が、彼女の知的な演技スタイルを形成しました。
経歴
クレア・デインズのキャリアは、ティーンエイジャー時代に急速に花開きました。13歳の1992年、ダドリー・ムーア主演のパイロット版に出演しましたが、シリーズ化されず。しかし、翌1993年に『マイ・ソー・コールドライフ』の主人公アンジェラ・チェイス役に抜擢。このABCのティーンドラマは、1994年から1995年にかけて放送され、わずか1シーズンで終了しましたが、批評家から絶賛を浴びました。15歳のクレアの演技は、思春期の複雑な感情を鮮やかに描き出し、1995年にゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。エミー賞にもノミネートされ、一躍スターとなりました。
テレビでの成功後、映画界へ進出。1994年には『リトル・ウィメン』でベス役を演じ、映画デビューを果たしました。1995年のジョディ・フォスター監督『ホーム・フォー・ザ・ホリデイズ』では、家族のコメディドラマに脇役で出演。1996年、バズ・ラーマン監督の『ロミオ+ジュリエット』でジュリエット役をレオナルド・ディカプリオと共演。この現代版シェイクスピア適応は大ヒットし、クレアのロマンティックで繊細な演技が世界的に注目を集めました。ただし、撮影地マニラでのコメントが物議を醸し、フィリピン政府からペルソナ・ノン・グラータと宣言される騒動もありました。
1997年にはフランシス・フォード・コッポラ監督の『レイジメーカー』でマット・デイモンと共演。ジョン・グリシャム原作の法廷サスペンスで、若手弁護士の恋人役を好演しました。同年、『レ・ミゼラブル』でコゼット役を演じ、ミュージカル要素を取り入れたクラシック作品に挑戦。1999年の『ブロークダウン・パレス』ではケイト・ベッキンセイルと共演し、友情と裏切りを描いたドラマで主演。同じく『ザ・モッド・スクワッド』では、1970年代TVシリーズのリメイクでジュリー・バーンズ役を務めました。
1998年から2000年のイェール大学在籍中は活動を控えましたが、2002年に復帰。『イグビー・ゴーズ・ダウン』で主演し、複雑な家族関係を描いたインディペンデント映画で評価を回復。同年、『アワーズ』でメリル・ストリープと共演し、エミー賞ノミネートのオスカー候補作に貢献。2003年のアクション大作『ターミネーター3』では、ケイト・ブリュースター役でアーノルド・シュワルツェネッガーと共演し、ブロックバスターに進出しました。
2007年にはブロードウェイで『ピグマリオン』のイライザ・ドゥーリトル役でデビュー。オフ・ブロードウェイでは2000年に『ヴァギナ・モノローグス』に出演。2010年のHBO映画『テンプル・グランディン』で、自閉症の動物行動学者テンプル役を演じ、エミー賞主演女優賞(ミニシリーズ/映画部門)とゴールデングローブ賞を受賞。この役でアカデミー賞ノミネートも果たしました。
2011年からShowtimeの『ホームランド』でCIA捜査官キャリー・マチソン役を8シーズンにわたり演じ、ビポーラー障害を抱える複雑なキャラクターを深く掘り下げ、2012年と2013年にエミー賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。ゴールデングローブ賞も複数獲得し、テレビ界での地位を確立しました。2012年にはタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれました。
近年は『スターダスト』(2007年)でイヴェイン役、『ショップガール』(2005年)でミラ役など、ファンタジーやロマンスにも挑戦。2022年のHulu限定シリーズ『フレイシュマン・イズ・イン・トラブル』でジェシー役を演じ、批評家から称賛。2023年のApple TV+『エセックス・サーペント』ではコーラ・シーガル役で主演。2024年のHBO『フル・サークル』にも出演。2025年現在も、積極的にプロジェクトを選び、多様な役柄で活躍を続けています。彼女のキャリアは、ティーンから成熟した女優への変遷を象徴し、常に知性と感情の深みを武器にしています。
私生活
クレア・デインズの私生活は、キャリアの激しさとは対照的に、家族中心で穏やかなものです。2002年頃、俳優のヒュー・ダンシーと出会い、2009年9月26日にフランスの南西部で結婚。ヒューはイギリス出身の俳優で、『ハンニバル』シリーズなどで知られています。二人は共演作『イヴのすべて』(2004年)で親しくなり、互いの芸術的感性を共有。結婚以来、強い絆で結ばれ、互いのキャリアを支え合っています。
子供は3人。長男サイラス・ベイル・ダンシー(2012年4月生まれ)、次男ローマン・ルパート・ダンシー(2020年1月生まれ)、三男の名前は公表されていませんが、2023年頃に誕生。クレアは母親として、子供たちのプライバシーを厳守し、SNSでの露出を控えています。ニューヨークとロサンゼルスを拠点に、家族で静かな生活を送っています。ヒューとの関係は、セラピー経験を活かしたオープンなコミュニケーションが鍵だと語っています。
趣味や社会活動も活発です。ダンスが得意で、2007年に幼馴染のアリエル・フラビンとダンスパフォーマンス『エディス・アンド・ジェニー』に出演。母親のカーラとともに、アフガニスタンの女性支援団体「Afghan Hands」を支援し、教育と経済的自立を促進。フェミニズムやオーディオブックの朗読(マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』で2013年オーディー賞受賞)にも関与。2013年にはオスロのノーベル平和賞コンサートをホストしました。
メンタルヘルスへの関心が高く、6歳からのセラピーを「自己洞察の贅沢」と位置づけています。過去のフィリピン騒動(1998年)では謝罪し、学びを得ました。2015年にハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムに星を刻み、慈善活動を通じて社会貢献を続けています。私生活の安定が、彼女の持続的なキャリアを支えています。
出演作品
クレア・デインズの出演作品は、テレビ、映画、舞台に及び、多様なジャンルをカバーしています。以下に主なものを年表形式でまとめます。
公開年 | 題名 | 配役 |
---|---|---|
2023 | フル・サークル | サム・ブラウン |
2022 | バツイチ男の大ピンチ! | レイチェル |
2011-2020 | HOMELAND | キャリー・マティソン |
2017 | ブリグズビー・ベア | エミリー |
2010 | テンプル・グランディン 自閉症とともに | テンプル・グランディン |
2009 | 僕と彼女とオーソン・ウェルズ | ソニヤ・ジョーンズ |
2007 | 消えた天使 | アリソン・ラウリー |
2007 | スターダスト | イヴェイン |
2007 | いつか眠りにつく前に | アン |
2005 | 幸せのポートレート | ジュリー・モートン |
2005 | Shopgirl/恋の商品価値 | ミラベル |
2003 | ターミネーター3 | ケイト・ブリュースター |
2003 | アンビリーバブル | エレナ |
2002 | 17歳の処方箋 | スーキー |
2002 | めぐりあう時間たち | ジュリア・ヴォーガン |
1999 | モッド・スクワッド | ジュリー |
1999 | ブロークダウン・パレス | アリス |
1998 | レ・ミゼラブル | コゼット |
1997 | 自由な女神たち | ハーラ |
1997 | もののけ姫 | サン |
1997 | Uターン | ジェニー |
1997 | レインメーカー | ケリー・ライカー |
1996 | プラトニック・ゲーム | デイジー |
1996 | ロミオ+ジュリエット | ジュリエット |
1995 | キルトに綴る愛 | グラディ・ジョー(若い頃) |
1995 | ホーム・フォー・ザ・ホリデイ | クローディアの娘 |
1994 | 若草物語 | ベス・マーチ |
1994 | アンジェラ 15歳の日々 | アンジェラ・チェイス |
これらの作品を通じて、クレアはティーンアイコンからアカデミックな役者へ進化。受賞歴も豊富で、代表作は上記の通りです。
レビュー 作品の感想や女優への思い