『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022年)はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の28作目。サム・ライミ監督が手掛けるアクション・ファンタジー。禁断の呪文で開いたマルチバースを舞台に、ドクター・ストレンジが新たな脅威に立ち向かう。ベネディクト・カンバーバッチ主演。エリザベス・オルセン、ソーチー・ゴメス、レイチェル・マクアダムスら女優も活躍。
基本情報
- 邦題:ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
- 原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness
- 公開年:2022年
- 製作国:米国
- 上映時間:126分
- ジャンル:アクション、ファンタジー
- 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
女優の活躍
本作では、エリザベス・オルセン演じるワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)、ソーチー・ゴメス演じるアメリカ・チャベス、レイチェル・マクアダムス演じるクリスティーン・パーマーが主要な女性キャラクターとして活躍します。以下にそれぞれの役割と活躍を詳しく述べます。
エリザベス・オルセン(ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ)
本作の中心的なキャラクターであり、物語の鍵を握るメインヴィラン。『ワンダヴィジョン』での出来事を受けて、ダークホールドの影響で堕落し、息子たちを取り戻すためにマルチバースを操る強大な魔女として登場。彼女の感情的な葛藤と圧倒的な力は物語に深いドラマ性をもたらし、特にカマー・タージ襲撃やイルミナティとの戦闘シーンではその力強さが際立ちます。オルセンの演技は、ワンダの悲しみと狂気を絶妙に表現し、観客に強い印象を与えます。
ソーチー・ゴメス(アメリカ・チャベス)
新キャラクターとして登場し、マルチバースを移動する能力を持つ少女。ストレンジと共に物語を牽引し、ワンダの追跡から逃げながら成長していく姿が描かれます。ゴメスは初の大作映画での出演ながら、若々しいエネルギーと決意を見事に表現。特に終盤、自身の能力を制御しワンダに立ち向かうシーンは、彼女の勇敢さと成長を象徴しています。
レイチェル・マクアダムス(クリスティーン・パーマー)
ストレンジの元恋人で、医師として登場。MCU世界では結婚式の場面でストレンジとの複雑な関係性が描かれ、別のユニバースではイルミナティの研究員として重要な役割を果たします。マクアダムスは、感情的な深みと知的な魅力を兼ね備えた演技で、ストレンジの精神的支えとしての役割を強調しています。
女優の衣装・化粧・髪型
本作の衣装、化粧、髪型は、各女優のキャラクター性を強調し、視覚的な魅力を高めています。衣装デザイナーのグレアム・チャーチヤードが手掛けたデザインは、キャラクターの個性と物語のトーンを反映しています。
エリザベス・オルセン(ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ)
ワンダの衣装は、スカーレット・ウィッチとしての象徴的な赤と黒を基調としたコスチュームが特徴。ダークホールドの影響を反映し、従来よりもダークでゴシックなデザインが採用されています。赤いティアラと流れるようなマントは、彼女の魔女としての威厳を強調。化粧は、ダークなアイシャドウと赤いリップで、ワンダの堕落と力強さを表現。髪型は、ルーズなウェーブのロングヘアで、神秘的かつ威圧的な雰囲気を演出しています。別のユニバースのワンダでは、家庭的な母親らしいカジュアルな衣装とナチュラルなメイクが対比的に描かれ、彼女の二面性を強調しています。
ソーチー・ゴメス(アメリカ・チャベス)
アメリカの衣装は、カジュアルで若々しいスタイルが特徴。デニムジャケットに星形の装飾が施され、彼女のマルチバース移動能力を象徴しています。化粧はほぼナチュラルで、若さと純粋さを強調。髪型は、ショートで動きのあるスタイルで、アクティブで勇敢なキャラクター性を表現しています。物語が進むにつれ、彼女の衣装は戦いの中で傷つき、成長と試練を視覚的に示しています。
レイチェル・マクアダムス(クリスティーン・パーマー)
MCU世界のクリスティーンは、結婚式でのエレガントな白いドレスが印象的。柔らかなメイクとアップスタイルの髪型で、優雅で知的な魅力を引き立てています。別のユニバースでは、イルミナティの研究員として白いコートとシンプルなメイクを採用し、プロフェッショナルな印象を与えます。髪型はポニーテールで、活動的な役割を反映しています。これらのスタイルは、彼女の落ち着いた性格とストレンジとの関係性を視覚的に補強しています。
あらすじ
元天才外科医でアベンジャーズの魔術師、ドクター・スティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、禁断の呪文によってマルチバースの扉を開いてしまいます。ある夜、ストレンジは謎の怪物から少女を守る夢を見ますが、その少女アメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)が現実に現れ、マルチバースを移動する能力を持つことが判明。彼女を狙う脅威の正体を探るため、ストレンジは盟友ウォン(ベネディクト・ウォン)と共に動き出し、ワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)に協力を求めます。しかし、ワンダがダークホールドに支配され、チャベスの能力を奪おうとしていることが明らかに。ストレンジとチャベスはマルチバースを渡り、イルミナティと呼ばれるヒーローチームや別のユニバースのストレンジと対峙しながら、ワンダの暴走を止め、宇宙の危機を救うため戦います。最終的に、チャベスは自身の力を制御し、ワンダに立ち向かい、彼女に自身の過ちを気づかせます。ワンダはダークホールドを破壊し、自らを犠牲にして物語は終結します。
解説
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェイズ4における重要な作品で、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の後日談としてマルチバースの概念をさらに掘り下げます。サム・ライミ監督の独特なホラーとアクションの融合が特徴で、従来のMCU作品に比べダークでゴシックな雰囲気が強いです。
特に、ワンダの悲劇的なキャラクターアークは『ワンダヴィジョン』の続きとして描かれ、母性と喪失感がテーマとなっています。マルチバースの視覚的表現は、異なるユニバースごとの色彩やルールの違いを巧みに描き出し、観客に新鮮な驚きを提供します。ライミ監督のホラー要素は、ガルガントスやワンダの戦闘シーンで顕著で、MCUとしては異例の恐怖演出が含まれます。
また、イルミナティの登場は、MCUの新たな可能性を示唆し、ファンにとってサプライズ要素となりました。ただし、物語の複雑さや『ワンダヴィジョン』の予備知識が必要な点は、初見の観客にとってハードルとなる可能性があります。それでも、アクション、ドラマ、視覚効果のバランスは高く評価され、MCUの新たな方向性を示す作品として位置づけられています。
キャスト
- ベネディクト・カンバーバッチ:スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ(日本語吹替:三上哲)
- エリザベス・オルセン:ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ(日本語吹替:行成とあ)
- キウェテル・イジョフォー:バロン・モルド(日本語吹替:小野大輔)
- ベネディクト・ウォン:ウォン(日本語吹替:田中美央)
- ソーチー・ゴメス:アメリカ・チャベス(日本語吹替:鬼頭明里)
- レイチェル・マクアダムス:クリスティーン・パーマー(日本語吹替:松下奈緒)
- マイケル・スタールバーグ:ニコデマス・ウエスト(日本語吹替:志村知幸)
- パトリック・スチュワート:チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX(日本語吹替:麦人)
- ヘイリー・アトウェル:ペギー・カーター / キャプテン・カーター(日本語吹替:園崎未恵)
- ラシャーナ・リンチ:マリア・ランボー / キャプテン・マーベル(日本語吹替:花藤蓮)
- ジョン・クラシンスキー:リード・リチャーズ / ミスター・ファンタスティック(日本語吹替:星野貴紀)
- アンソン・マウント:ブラッカガー・ボルタゴン / ブラックボルト(日本語吹替:不明)
- シャーリーズ・セロン:クレア(日本語吹替:不明)
スタッフ
- 監督:サム・ライミ
- 製作:ケヴィン・ファイギ
- 製作総指揮:ルイス・デスポジート、ビクトリア・アロンソ、エリック・ホイサーマン・キャロル、スコット・デリクソン、ジェイミー・クリストファー
- 共同製作:ミッチ・ベル、リッチー・パーマー
- 脚本:ジェイド・バートレット、マイケル・ウォルドロン
- 原作:スタン・リー、スティーヴ・ディッコ
- 撮影:ジョン・マシソン
- 美術:チャールズ・ウッド
- 衣装:グレアム・チャーチヤード
- 編集:ボブ・ムラウスキー、ティア・ノーラン
- 音楽:ダニー・エルフマン
- 視覚効果監修:ジャネク・サーズ
- 特殊効果監修:クリス・コーボールド
レビュー 作品の感想や女優への思い