エリザベス・バンクス（Elizabeth Banks）は米国の女優、プロデューサー、映画監督。マサチューセッツ州生まれで、『スパイダーマン』シリーズや『ハンガー・ゲーム』で知られる。監督作『ピッチ・パーフェクト2』や『コカイン・ベア』で多才な才能を発揮。夫と共に設立した製作会社で活躍。エミー賞に3度ノミネート。
プロフィール
- 名前：エリザベス・バンクス（Elizabeth Banks）
- 本名：Elizabeth Maresal Mitchell
- 生年月日：1974年2月10日（51歳）
- 出生地：米国マサチューセッツ州ピッツフィールド
- 民族：ユダヤ系アメリカ人
- ジャンル：女優、プロデューサー、映画監督
- 活動期間：1998年～
- 配偶者：マックス・ハンデルマン（2003年～）
生い立ち・教育
エリザベス・バンクス（本名：エリザベス・アイリーン・ミッチェル）は、1974年2月10日にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ピッツフィールドで生まれました。彼女は、4人兄弟の長女として、労働者階級の家庭で育ちました。父親は工場労働者、母親は銀行員として働いており、質素ながらも温かい家庭環境でした。幼少期から演劇やパフォーマンスに興味を示し、地元の学校での演劇活動に参加していました。バンクスはスポーツにも積極的で、特に野球や乗馬に親しんでいたことが知られています。
高校卒業後、彼女はペンシルベニア大学に進学し、1996年にコミュニケーションと演劇を専攻して優秀な成績で卒業しました。在学中は演劇サークルに参加し、演技への情熱をさらに深めました。その後、プロの俳優を目指し、サンフランシスコの名門American Conservatory Theaterで演技を学び、マスター・オブ・ファイン・アーツ（MFA）を取得しました。この時期に、彼女は「バンクス」という芸名を採用し、プロのキャリアをスタートさせる準備を整えました。
経歴
エリザベス・バンクスのキャリアは、1998年の低予算映画『Surrender Dorothy』でのデビューから始まりました。この作品で小さな役を演じた彼女は、その後、ニューヨークやロサンゼルスでのオーディションを通じて徐々に注目を集めます。2002年、サム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズでベティ・ブラント役を演じ、広く知られるようになりました。この役は、トビー・マグワイア演じるピーター・パーカーの同僚として、シリーズ3作（2002年、2004年、2007年）で登場し、彼女のキャリアの転機となりました。
2003年には、スティーヴン・スピルバーグ監督の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』に出演し、レオナルド・ディカプリオと共演。さらに『シービスケット』（2003年）では、トビー・マグワイアと共に再び共演し、知的で優しい女性像を確立しました。コメディ映画でも才能を発揮し、『40歳の童貞男』（2005年）や『ザックとミリ 俺色に染まれ』（2008年）でユーモア溢れる演技を見せ、観客に強い印象を与えました。
2012年から2015年にかけて、『ハンガー・ゲーム』シリーズでエフィー・トリンケット役を演じ、国際的な人気を獲得。この派手で個性的なキャラクターは、彼女の演技の幅広さを証明しました。また、音楽コメディ『ピッチ・パーフェクト』シリーズ（2012年、2015年、2017年）では、プロデューサーとして参加し、2作目では監督も務めました。この監督デビュー作『ピッチ・パーフェクト2』は、公開週末に6900万ドルの興行収入を記録し、初監督作品としては記録的な成功を収めました。
監督としての活躍も続き、2019年には『チャーリーズ・エンジェル』を監督・脚本・出演で手掛け、2023年にはホラーコメディ『コカイン・ベア』を監督。この作品は、彼女の大胆でユニークな演出スタイルが話題となりました。さらに、2023年には『ビーニー・バブル』で主演を務め、製作総指揮も担当。彼女が2002年に夫マックス・ハンデルマンと設立した製作会社Brownstone Productionsは、女性視点の物語を重視し、業界での影響力を拡大しています。
テレビでは、『30 Rock』（2010年-2012年）でアレック・ボールドウィンの恋人役を演じ、2度のエミー賞ノミネートを獲得。『モダン・ファミリー』（2009年-2020年）でもユーモラスな役で出演し、3度目のエミー賞ノミネートを受けました。彼女の多才なキャリアは、演技、監督、製作の三本柱で成り立っており、常に新たな挑戦を続けています。
私生活
エリザベス・バンクスは、1992年9月7日、ペンシルベニア大学の初日に出会ったスポーツライター兼プロデューサーのマックス・ハンデルマンと2003年に結婚しました。二人は強いパートナーシップを築き、仕事でも共同でBrownstone Productionsを運営しています。バンクスは不妊症の問題を抱え、子供を授かることが難しい状況でしたが、代理母を通じて2人の息子（2011年と2012年生まれ）を迎えました。彼女はこの経験について公に語り、「私の物語が不妊に悩む人々に希望を与えられれば」とインタビューで述べています。
バンクスはプライバシーを重視しつつも、社会問題に対する発言を積極的に行っています。特に女性の権利や生殖医療に関する活動を支持し、2022年の『コール・ジェーン』では、中絶が違法だった時代に立ち上がる女性を演じ、強いメッセージを伝えました。彼女は政治的にはリベラルな立場をとり、フェミニズムや多様性を邢の推進を支持していますが、押しつけがましい態度は避け、穏やかな発言を心がけています。
出演作品
エリザベス・バンクスの主な出演作品を以下に列挙します（一部）。彼女は多様なジャンルで活躍し、演技力とユーモアで評価されています。
映画
- スパイダーマン（2002年、2004年、2007年）：ベティ・ブラント役
- キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン（2002年）：マーシャ役
- シービスケット（2003年）：マルセラ・ハワード役
- 40歳の童貞男（2005年）：ベス役
- 「ハンガー・ゲーム」シリーズ（2012年-2015年）：エフィー・トリンケット役
- 「ピッチ・パーフェクト」シリーズ（2012年-2017年）：ゲイル役（兼プロデューサー、2作目で監督）
- チャーリーズ・エンジェル（2019年）：ボスリー役（兼監督・脚本）
- コカイン・ベア（2023年）：監督・製作
- コール・ジェーン（2022年）：ジョイ役
- FLY！／フライ！（2024年）：パム役（声優）
- レゴ(R)ムービー（2014年、2019年）：ワイルドスタイル役（声優）
TV
- Scrubs（2006年-2009年）：キム・ブリッグス役
- 30 Rock（2010年-2012年）：エイヴリー・ジェサップ役（エミー賞ノミネート）
- モダン・ファミリー（2009年-2020年）：サル役（エミー賞ノミネート）
彼女はコメディ、ドラマ、アクション、アニメーションなど幅広いジャンルで活躍し、監督やプロデューサーとしても成功を収めています。特に『ピッチ・パーフェクト』シリーズや『コカイン・ベア』でのユニークな視点は、彼女のクリエイティブな才能を象徴しています。
まとめ
エリザベス・バンクスは、女優としての魅力的な演技力、監督としての大胆なビジョン、プロデューサーとしての鋭い感性を持ち合わせた多才な人物です。ペンシルベニア大学での学びを基盤に、低予算映画からハリウッドの大作まで幅広いキャリアを築き、エミー賞ノミネートや興行収入記録などの成果を残しています。私生活では、夫との強固なパートナーシップと社会問題への積極的な関与が彼女の人柄を物語ります。今後も彼女の新たな挑戦と作品が注目されます。
レビュー 作品の感想や女優への思い