『リベンジ・リスト』(2016年)は、ジョン・トラボルタ主演のアクション・スリラー。妻を殺された元特殊部隊員が復讐に燃え、悪徳警官や裏社会に立ち向かう。チャック・ラッセル監督による壮絶な復讐劇。
基本情報
- 邦題:リベンジ・リスト
- 原題:I Am Wrath
- 公開年:2016年
- 製作国:米国
- 上映時間:92分
- ジャンル:サスペンス
- 配給:ギャガ
見どころ
「イレイザー」のチャック・ラッセル監督による肉体派エンターテイメント。怒りに突き動かされた主人公が、圧倒的な戦闘力で悪党を駆逐していくさまは壮絶かつ爽快。
あらすじ
自動車修理工として平凡な生活を送るスタンリー・ヒル(ジョン・トラボルタ)は、かつて特殊部隊の工作員として数々の極秘任務を遂行した過去を持つ。ある日、妻ビビアン(レベッカ・デモーネイ)を目の前で強盗に殺害されるという悲劇に見舞われる。容疑者は逮捕されるものの、裏社会と繋がる悪徳警官により釈放され、事件は闇に葬られる。理不尽な社会と妻を守れなかった自らの無力さに怒りを爆発させたスタンリーは、封印していた殺人技術を駆使し、復讐の鬼と化す。相棒デニス(クリストファー・メローニ)と共に、事件の背後に隠された巨大な陰謀を暴きながら、壮絶な復讐劇を繰り広げる。
解説
『リベンジ・リスト』は、復讐をテーマにした典型的なアクションスリラーであり、ジョン・トラボルタの肉体派アクションが光る作品です。監督のチャック・ラッセルは『マスク』や『イレイザー』で知られ、本作でもダイナミックなアクションシーンを展開。物語は90年代のアクション映画を彷彿とさせるシンプルな構造で、細かい設定の粗さはあるものの、気軽に楽しめる娯楽作として評価されています。ジョン・トラボルタ演じるスタンリーは、『ジョン・ウィック』シリーズのようなスタイリッシュさはやや控えめながら、怒りに駆られた男の感情的な葛藤と戦闘力を描き出しています。特に、相棒デニスの頼もしさが物語に厚みを与え、観客に爽快感を提供します。撮影監督アンジェイ・セクラの『パルプ・フィクション』での経験が生かされた映像美も見どころです。
女優の活躍
本作の主要な女性キャストとして、レベッカ・デモーネイとアマンダ・シュルが出演しています。
レベッカ・デモーネイ(ビビアン・ヒル役)
レベッカ・デモーネイは、スタンリーの妻ビビアンとして登場。物語の冒頭で悲劇的な運命をたどる重要な役どころを演じます。出番は短いものの、ビビアンの死が主人公の復讐の動機となるため、彼女の存在感は物語全体に影響を与えます。デモーネイは『ロード・オブ・ドッグ・タウン』や『バック・ドラフト』などで知られるベテラン女優で、本作では温かみのある妻としての繊細な演技を見せ、観客に感情的な共感を誘います。
アマンダ・シュル(アビー役)
アマンダ・シュルは、スタンリーの娘アビー役として登場。『小さな村の小さなダンサー』などで知られる彼女は、本作では家族を守ろうとする父親を支える役どころを演じます。アクションシーンへの直接的な関与は少ないものの、家族の絆を象徴する存在として物語に深みを加えています。彼女の演技は、感情的なシーンで特に際立ち、父親との関係性を自然に表現しています。
女優の衣装・化粧・髪型
レベッカ・デモーネイ
ビビアン役のレベッカ・デモーネイは、家庭的で温かみのある中年女性を表現するため、シンプルかつ上品な衣装が特徴です。カジュアルなブラウスやスカートを着用し、日常的な生活感を強調。化粧はナチュラルで、控えめなファンデーションと淡いリップカラーを使用し、自然体の美しさを引き立てています。髪型は肩にかかる長さのゆるやかなウェーブで、落ち着いた雰囲気を演出。彼女の外見は、スタンリーの幸せな家庭生活を象徴するもので、物語の悲劇性を際立たせる役割を果たしています。
アマンダ・シュル
アビー役のアマンダ・シュルは、若い女性らしいカジュアルなスタイルが特徴。デニムやTシャツ、軽いジャケットといった日常的な衣装が中心で、現代的なアメリカの若者を表現しています。化粧はミニマルで、ナチュラルな肌感を活かしつつ、軽いアイメイクで若々しさを強調。髪型はポニーテールやルーズなダウンスタイルが多く、活動的で親しみやすい印象を与えます。彼女の外見は、家族の一員としての親近感を観客に感じさせるデザインとなっています。
衣装デザインはマンディ・ポーリーンが担当し、キャラクターの背景や感情を反映した現実的なスタイルを採用。アクション映画ながら、女性キャラクターの衣装や化粧は派手さを抑え、ストーリーの重厚さを損なわないよう配慮されています。
キャスト
- ジョン・トラボルタ(スタンリー・ヒル役):元特殊部隊工作員で復讐に燃える主人公。ほぼスタントなしでアクションをこなす。
- クリストファー・メローニ(デニス役):スタンリーの頼れる相棒。『LAW & ORDER』の出演で知られる実力派。
- アマンダ・シュル(アビー役):スタンリーの娘。感情的な演技で家族の絆を表現。
- サム・トラメル:『きっと、星のせいじゃない。』で知られる俳優。脇役として物語を支える。
- パトリック・セント・エスプリト:悪役の一人として登場。『ブルーラグーン 恋の目覚め』などに出演。
- レベッカ・デモーネイ(ビビアン役):スタンリーの妻。短い出番ながら強い印象を残す。
その他、アサンテ・ジョーンズ、ポール・スローン、ルイス・ダ・シルバ・Jr.、ジョーダン・ウェーレン、ジェイデン・ブレイク・コクラン、キャロライン・ケイン、フォルテ・シャノン、アンジー・ウィルモット。
スタッフ
- 監督:チャック・ラッセル(『マスク』『イレイザー』)
- 脚本:ポール・スローン(原案:イバン・ゴーティエ)
- 製作:マイケル・メンデルソーン、ロバート・カーライナー
- 製作総指揮:リシャール・リオンダ・デル・カストロ、パトリシア・エバリー、ビル・ブロミリー、ネス・サバン、シャナン・ベッカー、リチャード・サルバトーレ、ニック・バレロンガ、イバン・ゴーティエ
- 撮影監督:アンジェイ・セクラ(『パルプ・フィクション』)
- 美術:ダニエル・B・クランシー
- 衣装:マンディ・ポーリーン
- 編集:グレッグ・ダウリア
- 音楽:ハイム・メイザー
総括
『リベンジ・リスト』は、ジョン・トラボルタのアクション復帰作として注目され、復讐劇の王道をいく作品。レベッカ・デモーネイとアマンダ・シュルの演技は、家族の絆を強調し、物語に感情的な深みを加えています。衣装や化粧はキャラクターの現実感を支え、アクションシーンとのバランスを取っています。チャック・ラッセル監督の演出とアンジェイ・セクラの撮影が、90年代風のアクション映画の魅力を現代に蘇らせ、気軽に楽しめる娯楽作として完成しています。
レビュー 作品の感想や女優への思い