ジェイミー・エリザベス・プレスリーは米国の女優、モデル、プロデューサー。NBCのシットコム『マイネーム・イズ・アール』（2005-2009年）のジョイ・ターナー役で知られ、プライムタイム・エミー賞のコメディシリーズ部門で優秀助演女優賞を受賞したほか、ゴールデングローブ賞や映画俳優組合賞にもノミネートされました。また、『Can’t Hardly Wait』（1998年）、『Inferno』（1999年）、『Not Another Teen Movie』（2001年）、『The Karate Dog』（2004年）、『I Love You, Man』（2009年）などの映画に出演。CBSのシットコム「Mom」（2014～2021年）で演じたジル・ケンドール役で、批評家チョイス・テレビ賞コメディシリーズ部門助演女優賞にノミネートされました。総じて批評家から高い評価を受けてきました。以下では、彼女の生い立ち、教育、経歴、そして私生活について、公開情報をもとに詳細にまとめます。
生い立ち
ジェイミー・プレスリーは1977年7月30日、米国ノースカロライナ州キンストンに生まれました。キンストンは、比較的小さな町で、農業や地域コミュニティが中心の場所です。彼女の母ブレンダ・スー・スミスはダンス講師、父ジェームズ・リストン・プレスリーは自動車セールスマンおよびランドリー事業を営む実業家でした。ジェイミーには姉と弟がおり、中流階級の家庭で育ちました。母がダンス講師だった影響で、ジェイミーは幼少期からダンスと体操に親しみ、11年間にわたりこれらの分野でトレーニングを積みました。この経験は、後のモデルや俳優としてのキャリアにおいて、身体的な表現力や自信を育む基盤となりました。
1992年、ジェイミーが15歳の頃、両親の離婚に伴い、家族はカリフォルニア州コスタメサへ移住しました。この移動は、彼女の人生における大きな転機となりました。カリフォルニアはエンターテインメント産業の中心地であるロサンゼルスに近く、モデルや俳優としての機会に恵まれた環境でした。ジェイミーは幼少期から外見に恵まれ、活発で自己表現を好む性格だったとされ、地域のダンスや体操の大会で数々の賞を獲得していました。この時期、彼女はすでにモデルとしてのキャリアを意識し始め、家族のサポートを受けながらその道を模索していました。
ジェイミーの幼少期は、芸術とスポーツに囲まれた環境で育まれた一方、両親の離婚という家庭内の変化も経験しました。こうした背景は、彼女が自立心を早くから養うきっかけとなり、15歳で法的に親からの独立（法的解放）を取得する決断に繋がりました。この選択は、モデルとしての国際的な仕事、特に日本での契約を遂行するために必要でした。
教育
ジェイミー・プレスリーの正式な教育については、限られた情報しか公開されていませんが、彼女はノースカロライナで初等教育を受けた後、カリフォルニアのコスタメサ高校（Costa Mesa High School）に通いました。しかし、モデルとしてのキャリアが急速に進展したため、彼女は高校を中退しました。14歳で「Teen Magazine」の表紙に登場し、モデルエージェンシー「International Cover Model Search」のスポークスパーソンに選ばれたジェイミーは、学業よりもキャリアを優先する選択をしました。
15歳の時、彼女は日本でのモデル契約を獲得しましたが、両親が同行できない状況だったため、法的に親からの独立を申請し、認められました。この法的解放により、彼女は自由に仕事をこなし、国際的なモデルとしてのキャリアをスタートさせました。学業を中断したとはいえ、ジェイミーはダンスと体操のトレーニングを通じて厳格な自己管理とプロ意識を学び、これが彼女のエンターテインメント業界での成功の基礎となりました。
高等教育については、ジェイミーが大学に進学したという記録はありません。彼女のキャリアは10代半ばから本格化し、モデルから女優へと移行する過程で、現場での経験や共演者との交流を通じて演技を学んだと考えられます。アメリカの若手俳優の多くが、演技学校やワークショップではなく実践を通じてスキルを磨くケースは珍しくなく、ジェイミーもその一人でした。彼女の自然体でユーモラスな演技スタイルは、こうした非伝統的な学びの結果として形成されたと言えるでしょう。
経歴
モデルとしての初期キャリア（1991年～1997年）
ジェイミー・プレスリーのキャリアは、13歳の頃、地元キンストンでのモデル活動から始まりました。彼女の美貌と体操で鍛えた身体能力が注目を集め、14歳で「Teen Magazine」の表紙に登場し、モデル業界で一躍名を馳せました。この成功により、彼女はイタリアや日本を含む国際的なモデル契約を獲得。15歳で法的解放を受けた後、日本でのモデル活動に専念し、ファッション雑誌や広告キャンペーンに出演しました。
モデルとしての成功は、彼女の外見だけでなく、プロフェッショナルな姿勢にも支えられていました。1998年と2004年には「Playboy」誌、2006年には「Allure」誌に登場し、セクシーなイメージを確立。また、2001年にはLiz Claiborne Cosmeticsの香水「Lucky You」のスポークスモデルに選ばれ、2003年には自身のランジェリーブランド「J’Aime」を立ち上げました。このブランドは後にスリープウェアやカジュアルウェアに拡大し、彼女のビジネスセンスを示す一例となりました。
女優としてのデビューと初期の活動（1997年～2004年）
ジェイミー・プレスリーの女優としてのキャリアは、1991年にTV番組「絹の疑惑 シルク・ストーキング」のエキストラとして始まりましたが、本格的なデビューは1997年の映画「Poison Ivy: The New Seduction」でヴァイオレット役を演じたことからでした。この映画は、彼女のセクシーな魅力を活かした役柄で、若手女優としての注目を集めました。
1998年には、短期間放送されたTV番組「Push」でニッキ役を演じ、アクションシリーズ「モータルコンバット コンクエスト」ではアサシンのミカ役でリカーリング出演しました。1999年から2001年にかけては、ドラマ番組「ジャック&ジル」でオードリー役を演じ、安定したTV出演を重ねました。これらの役は、彼女の演技の幅を広げる機会となり、コミカルな役からシリアスな役までこなせる女優としての評価を確立しました。
2001年はジェイミーにとって映画での飛躍の年でした。「あるあるティーン・ムービー」でチアリーダーのプリシラ役、「Joe Dirt」でデヴィッド・スペードの相手役として出演し、コミカルで魅力的なキャラクターを演じました。また、「トルク」ではバイクに乗る犯罪者役を演じ、アクション映画にも挑戦。こうした多様な役柄を通じて、彼女はハリウッドでの存在感を高めました。
「マイネーム・イズ・アール」とブレイク（2005年～2009年）
ジェイミー・プレスリーのキャリアの頂点は、2005年に始まったNBCのシットコム「マイネーム・イズ・アール」でのジョイ・ターナー役です。この番組は、冴えない男アールが過去の悪行を償うために奮闘するコメディで、ジェイミーはアールの元妻で、口が悪くユーモラスなジョイを演じました。彼女の演技は、粗野でありながら愛らしいキャラクターを見事に表現し、視聴者と批評家の両方から絶賛されました。この役で、彼女は2007年にプライムタイム・エミー賞のコメディシリーズ最優秀助演女優賞を受賞し、2006年と2007年にはゴールデングローブ賞とSAG賞にもノミネートされました。
「マイネーム・イズ・アール」は、ジェイミーをコメディ女優として確固たる地位に押し上げ、彼女のキャリアの代表作となりました。番組は2009年まで続き、彼女は他のプロジェクトにもゲスト出演するなど、忙しい時期を過ごしました。たとえば、「チャームド 魔女3姉妹」や「ラスベガス」などの人気番組にゲスト出演し、2002年にはマリリン・マンソンの「Tainted Love」MVにも登場しました。
「マイネーム・イズ・アール」以降のキャリア（2010年～現在）
「マイネーム・イズ・アール」終了後、ジェイミーは映画とTVの両方で活躍を続けました。2009年の「40男のバージンロード」ではポール・ラッドやジェイソン・シーゲルと共演し、コミカルな脇役として印象を残しました。2014年には、TV Landのシットコム「Jennifer Falls」で主演を務め、落ちぶれた元エグゼクティブのジェニファー役を演じました。この番組は短命に終わりましたが、彼女の主演女優としての魅力は評価されました。
2014年から2021年まで、ジェイミー・プレスリーはCBSのシットコム「Mom」に出演し、アルコール依存症から回復中の社交界の女性、ジル・ケンドール役を演じました。この役は、彼女のコメディとドラマの両方の演技力を活かし、批評家から高い評価を受けました。特に、アンナ・ファリスやアリソン・ジャネイとの共演は、番組の成功に大きく貢献しました。彼女はこの役で、クリティクス・チョイス・テレビ賞の最優秀助演女優賞にノミネートされました。
2022年から2023年にかけては、フォックスのコメディ「Welcome to Flatch」に出演するなど、コンスタントにテレビでの活動を続けています。また、プロデューサーとしての関心も示しており、将来的には制作側での活動を増やす可能性も示唆しています。
私生活
ジェイミー・プレスリーの私生活は、メディアでしばしば注目されてきました。彼女は複数の恋愛関係や結婚を経験し、3人の子どもの母親でもあります。以下に、彼女の私生活の主要な出来事をまとめます。
恋愛と結婚
ジェイミーの最初の注目すべき関係は、DJのエリック・カルボ（別名：DJエリック・クビシェ）とのもの。2人は1996年に知り合い、2004年から交際を開始。2006年10月に婚約し、2007年5月11日に長男デジ・ジェームズ・カルボを出産しました。ジェイミーは、カルボのキューバ系背景を反映して、息子をバイリンガル（英語とスペイン語）に育てたいと語っていました。しかし、2008年11月に2人は破局。ジェイミーは後に、この関係が彼女にとって重要な学びの時期だったと述べています。
2009年7月、ジェイミーはエンターテインメント弁護士のシムラン・シンと婚約し、同年9月26日にマリブのディック・クラーク邸宅で結婚。しかし、2011年1月、和解しがたい相違を理由に離婚を申請し、同年中に離婚が成立しました。この結婚は短期間でしたが、ジェイミーの人生における大きな出来事でした。
2017年6月、ジェイミーは長年のパートナーであるハムジ・ヒジャジとの間に双子の男児レオとレノンを出産すると発表。双子は2017年10月に生まれ、ジェイミーは現在もハムジと関係を続けていますが、結婚には至っていません。彼女はソーシャルメディアで、子どもたちとの時間を大切にしている様子をしばしば公開しています。
その他のエピソード
ジェイミー・プレスリーの私生活では、いくつかの論争や噂もありました。1998年にBrodie Mitchellという人物と結婚していたという噂が流れましたが、彼女はこれを否定し、Mitchellとは全く面識がないと述べました。また、2001年には、9月11日の同時多発テロで墜落した飛行機の便を予約していたが、早朝のフライトを避けたため搭乗しなかったというエピソードを明かしています。
2011年1月には、カリフォルニア州サンタモニカで飲酒運転の疑いで逮捕されましたが、正式な起訴を避け、3年間の非公式保護観察を受けました。この事件は一時的に彼女のイメージに影響を与えましたが、彼女はキャリアを立て直し、以降は安定した活動を続けています。
慈善活動と趣味
ジェイミー・プレスリーは、子どもの健康や教育に関する慈善活動に参加しており、コミュニティへの還元を重視しています。彼女のインスタグラム（@jaimepressly）では、家族や仕事の様子と共に、慈善イベントへの参加も時折公開されています。趣味としては、ガーデニングや料理を楽しんでおり、プライベートでは穏やかな時間を過ごすことを好むようです。
まとめ
ジェイミー・プレスリーは、ノースカロライナ州キンストンで生まれ、ダンスと体操に親しんだ幼少期を経て、モデルとしてキャリアをスタートさせました。法的解放を経て15歳で日本でのモデル活動を始め、1997年の「Poison Ivy: The New Seduction」で女優デビュー。「マイネーム・イズ・アール」のジョイ・ターナー役でエミー賞を受賞し、コメディ女優としての地位を確立しました。「Mom」や「Welcome to Flatch」などの作品で活躍を続け、モデル、女優、プロデューサーとして多才なキャリアを築いています。
私生活では、エリック・カルボとの間に長男、シムラン・シンとの短い結婚、ハムジ・ヒジャジとの間に双子をもうけ、3人の子どもの母親として家庭を大切にしています。飲酒運転の逮捕や噂などの困難も乗り越え、彼女はプロフェッショナルとしての復帰力と人間的な魅力を示してきました。ジェイミー・プレスリーの物語は、努力、才能、そして逆境を乗り越える力の証であり、彼女の今後の活躍にも期待が寄せられます。
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