ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)は米国の女優・映画プロデューサー。『ゼロ・ダーク・サーティ』でCIA分析官マヤ役を演じ、アカデミー賞主演女優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞受賞。『タミー・フェイの瞳』(2021年)でもテレビ伝道者タミー・フェイ役でアカデミー賞主演女優賞受賞。
プロフィール
- 名前:ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)
- 生年月日:1977年3月24日(48歳)
- 出生地:米国カリフォルニア州サクラメント
- 職業:女優
- ジャンル:映画、TV
- 活動期間:2004年〜
- 配偶者:ジャン・ルカ・パッシ・デ・プレポスロ(2017年〜)
- SNSサイト:Instagram・X・Facebook
生い立ち・教育
ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)は、1977年3月24日、アメリカ・カリフォルニア州サクラメントに生まれました。5人兄弟の次女として育ち、父親は消防士、母親はヴィーガンシェフという家庭でした。経済的に恵まれない環境で育ち、一時は生活保護を受けながらの生活だったと語っています。母親がシングルマザーとして家族を支えた姿は、彼女の人生観やフェミニズムへの強い信念に大きな影響を与えました。
演技への情熱は幼少期に芽生えました。7歳の時に祖母に連れられて観たミュージカル『Joseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat』に心を奪われ、女優になる夢を抱くようになります。高校では演劇部に所属し、地元の劇団で経験を積みました。その後、サクラメントのコミュニティカレッジに短期間通った後、名門ジュリアード音楽院に進学。奨学金を得て演技を学び、2003年に卒業しました。ジュリアードでの厳しい訓練は、彼女の演技の基礎を築き、感情を深く表現する技術を磨きました。この時期に培ったスキルは、後のキャリアで多様な役柄を演じる土台となりました。
経歴
ジェシカ・チャステインのキャリアは、舞台やテレビでの小さな役から始まりました。ジュリアード卒業後、2004年に『ER』や『ヴェロニカ・マーズ』といったテレビドラマに出演し、徐々に知名度を上げました。2008年の映画『Jolene』で初主演を務め、シアトル国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。この作品は彼女の映画界での第一歩となりました。
2011年は彼女にとって飛躍の年でした。テレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』でブラッド・ピットと共演し、詩的で哲学的な作品での繊細な演技が高く評価されました。同年、『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』で陽気なセリア役を演じ、アカデミー助演女優賞にノミネート。これにより一躍注目を集めました。2012年の『ゼロ・ダーク・サーティ』では、ビン・ラディン追跡を指揮するCIA分析官マヤを演じ、その迫真の演技でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。彼女の国際的な評価は確固たるものとなりました。
以降、彼女は多様なジャンルの作品で活躍。2014年の『インターステラー』では科学者マーフ役で、宇宙と家族愛の物語に深みを与えました。2015年の『オデッセイ』ではNASAの司令官役で冷静かつ強い女性像を演じ、2016年の『ミス・スローン』ではロビイスト役で知的な迫力を発揮。2021年の『タミー・フェイの瞳』では、テレビ伝道者タミー・フェイを演じ、複雑な人物像を見事に表現し、アカデミー主演女優賞を受賞しました。
プロデューサーとしても活動し、自身の製作会社を通じて女性の物語を重視した作品を制作。フェミニズムやジェンダー平等を強く支持し、ハリウッドでの女性の地位向上にも尽力しています。彼女の作品選びには、社会的メッセージを伝える意識が強く反映されています。
私生活
ジェシカ・チャステインは私生活を公にしないことで知られています。2017年、イタリアのファッションエグゼクティブ、ジャン・ルカ・パッシ・デ・プレポスロと結婚。夫はモンクレールの幹部で、イタリア貴族の家系出身です。夫妻には2人の子供がいますが、プライバシーを守るため、家族に関する情報は最小限に抑えています。彼女はヴィーガンであり、動物愛護や環境問題に強い関心を持ち、慈善活動にも参加しています。また、ソーシャルメディアを通じて社会問題について発言し、特に女性の権利や人種差別撤廃を支持する姿勢を明確にしています。
出演作品(主要作品)
以下はジェシカ・チャステインの代表的な出演作品の一部です。
- Jolene(2008年):初主演作。少女の成長物語で、シアトル国際映画祭最優秀女優賞受賞。
- ツリー・オブ・ライフ(2011年):ブラッド・ピットと共演。家族と宇宙をテーマにした詩的な作品。
- ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011年):セリア役でアカデミー賞助演女優賞ノミネート。
- ゼロ・ダーク・サーティ(2012年):CIA分析官マヤ役でアカデミー賞主演女優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞受賞。
- インターステラー(2014年):科学者マーフ役。クリストファー・ノーラン監督のSF大作。
- オデッセイ(2015年):NASA司令官役。マット・デイモン主演のサバイバルSF。
- ミス・スローン(2016年):敏腕ロビイスト役。政治サスペンスでの迫真の演技。
- タミー・フェイの瞳(2021年):テレビ伝道者タミー・フェイ役でアカデミー賞主演女優賞受賞。
その他、『クリムゾン・ピーク』(2015年)、『IT/イット THE END』(2019年)などホラーやアクションにも挑戦。舞台作品やテレビシリーズにも出演し、多才なキャリアを築いています。
総括
ジェシカ・チャステインは、ジュリアードでの訓練を基盤に、幅広い役柄で観客を魅了する女優です。社会問題への積極的な発言と、女性の物語を重視するプロデューサーとしての活動も注目されています。彼女のキャリアは、演技力と社会意識の融合により、現代ハリウッドで独自の地位を築いています。
レビュー 作品の感想や女優への思い