ケイト・ウィンスレット(Kate Winslet, CBE)は英国を代表する女優。1995年、『いつか晴れた日に』でマリアンヌ・ダッシュウッド役を演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされて以来、7度のアカデミー賞ノミネートを誇り、2008年の『愛を読むひと』で主演女優賞を受賞。『タイタニック』のローズ役で世界的名声を得ました。
プロフィール
- ケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)
- 本名:ケイト・エリザベス・ウィンスレット(Kate Elizabeth Winslet)
- 生年月日:1975年10月5日(49歳)
- 出生地:英国バークシャー州レディング
- 国籍:英国
- 職業:女優
- 配偶者:ジム・スリープルトン(1998年 – 2001年)、サム・メンデス(2003年 – 2010年)、ネッド・ロックンロール(2012年 – )
生い立ち・教育
ケイト・エリザベス・ウィンスレットは、1975年10月5日、イングランドのバークシャー州レディングで生まれました。ちなみにレディング出身者にナタリー・ドーマーがいます。
彼女の家族は演劇に深く関わっており、祖父母、両親、叔父、姉のアナ、妹のベスも俳優として活動していました。この環境は、幼少期からケイトの演技への情熱を育む土壌となりました。英国国教会派として育てられた彼女は、信仰心を持ちながらも、現実的な視点で人生を見つめる性格を培いました。
11歳から16歳まで、ケイトは地元のレッドルーフス演劇学校(Redroofs Theatre School)に通い、演技の基礎を学びました。しかし、学生時代は体型や足の太さを理由にいじめを受けた経験があり、これが彼女の内面的な強さと自立心を養う一因となりました。いじめを受けた際、後にデパートの化粧品売り場でかつてのいじめっ子と再会し、「あなたのおかげで強くなれた」と伝えたエピソードは、彼女の勝気な性格を物語っています。
経歴
ケイト・ウィンスレットのキャリアは、13歳の頃からコマーシャルや舞台、テレビドラマへの出演で始まりました。1991年、15歳の時にイギリスのSFドラマ『Dark Season』で主役のリート役を演じ、女優デビューを果たしました。この作品は中高生を対象とした作品で、彼女の自然な演技が注目を集めました。その後、複数のテレビドラマに出演し、経験を積みました。
1994年、17歳の時にピーター・ジャクソン監督の『乙女の祈り』で映画デビューを飾ります。この作品はニュージーランドで実際に起きた殺人事件を題材にしたもので、ケイトは殺人犯ジュリエット役を演じ、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞。批評家から高い評価を受け、国際的な注目を浴びました。翌1995年、ジェイン・オースティンの小説を映画化した『いつか晴れた日に』でマリアンヌ・ダッシュウッド役を演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞(BAFTA)助演女優賞を受賞。弱冠20歳での快挙でした。
1997年、ジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』でヒロインのローズ役に抜擢され、世界的なスターへと飛躍します。この作品はアカデミー賞14部門にノミネートされ、ケイト自身も主演女優賞にノミネート。ローズ役での情感豊かな演技は、観客の心を掴み、彼女をハリウッドのトップ女優の地位に押し上げました。この時期、歴史劇や時代劇への出演が多かったことから「コルセット・ケイト」という愛称も生まれました。
その後もケイトは多様な役柄に挑戦し続けます。2001年の『アイリス』、2004年の『エターナル・サンシャイン』、2006年の『リトル・チルドレン』でアカデミー賞にノミネートされ、2008年の『愛を読むひと』でついに主演女優賞を受賞。この作品では、ナチス時代に看守として働いた女性ハンナを演じ、複雑な感情と道徳的葛藤を見事に表現しました。2015年には『スティーブ・ジョブズ』で助演女優賞に再びノミネートされるなど、7度のノミネートは彼女の演技力の高さを証明しています。
近年では、2021年の『メア・オブ・イーストタウン / ある殺人事件の真実』で主演を務め、エミー賞を受賞。2025年には、報道写真家リー・ミラーを描いた『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』で主演・製作を務め、第82回ゴールデングローブ賞女優賞にノミネートされました。
2012年、ケイトの功績が認められ、大英帝国勲章(CBE)が授与され、2014年にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに星が刻まれました。
私生活
ケイト・ウィンスレットの私生活は、3度の結婚と3人の子供に彩られています。1998年、映画『グッバイ・モロッコ』の助監督ジム・スレアプレトンと結婚し、2000年に長女ミア・ハニーを出産しましたが、2001年に離婚。2003年、舞台演出家で映画監督のサム・メンデスと再婚し、同年12月に長男ジョー・アルフィーを出産。しかし、2010年に別居を発表し、離婚に至りました。
2010年、モデルのルイス・ダウラーと短期間交際した後、2012年にヴァージン・グループ創業者リチャード・ブランソンの甥であるネッド・ロックンロール(本名:アベル・スミス)と3度目の結婚をしました。2013年12月、夫婦にとって初めての子供で、ケイトにとって3人目の子となる息子ベアーを出産。ケイトは子供たちへの深い愛情を公言しており、「私の子供たちは私と一緒にいる」と語るなど、母親としての役割を大切にしています。家族と共にロンドンとニューヨークを行き来しながら生活しています。
ケイトは若い頃、俳優のステファン・トレンドレやルーファス・シーウェルとも交際しており、恋愛において情熱的で誠実な姿勢が窺えます。また、『タイタニック』で共演したレオナルド・ディカプリオとは親友関係を維持し、彼はケイトの子供たちとも親しい関係にあるといいます。
出演作品
ケイト・ウィンスレットの主な出演作品を以下に列挙します。彼女のキャリアは多岐にわたり、時代劇から現代劇、インディペンデント映画まで幅広いジャンルをカバーしています。
- 1994年:乙女の祈り – ジュリエット役
- 1995年:いつか晴れた日に – マリアンヌ・ダッシュウッド役
- 1997年:タイタニック – ローズ・デウィット・ブケイター役
- 2001年:アイリス – 若きアイリス・マードック役
- 2004年:エターナル・サンシャイン – クレメンタイン役
- 2004年:ネバーランド – シルヴィア・デイヴィス役
- 2006年:ホリデイ – アイリス役
- 2006年:リトル・チルドレン – サラ・ピアース役
- 2008年:愛を読むひと – ハンナ・シュミッツ役
- 2008年:レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで – エイプリル・ウィーラー役
- 2011年:コンテイジョン – エリン・ミアーズ博士役
- 2013年:とらわれて夏 – アデル役
- 2014年:ダイバージェント – ジーニーン・マシューズ役
- 2015年:スティーブ・ジョブズ – ジョアンナ・ホフマン役
- 2021年:アンモナイトの目覚め – メアリー・アニング役
- 2022年:アバター ウェイ・オブ・ウォーター – ロナル役
- 2025年:リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 – リー・ミラー役(公開予定)
TV番組では、『メア・オブ・イーストタウン / ある殺人事件の真実』(2021年)で主演を務め、娘ミア・スレアプレトンと共演した『I AM ルース』(2023年)でBAFTA TV賞を受賞しました。
まとめ
ケイト・ウィンスレットは、卓越した演技力と強い精神力で、ハリウッドを代表する女優として長年にわたり活躍してきました。いじめを乗り越えた生い立ち、演劇一家での育ち、若くして築いた輝かしいキャリア、そして家族を大切にする私生活は、彼女の人間的な魅力の源です。今後も彼女の新たな挑戦と作品が世界中の観客を魅了することでしょう。
レビュー 作品の感想や女優への思い