マリアンジェラ・メラート

マリアンジェラ・カテリーナ・メラートは、イタリアの女優。『The Seduction of Mimi』（1972年）、『Love and Anarchy』（1973年）、『流されて…』（1974年）など、リナ・ヴェルトミュラー監督の作品に出演したことで知られています。映画ではクロード・シャブロル、エリオ・ペトリ、ヴィットリオ・デ・シーカの作品に、舞台ではダリオ・フォ、ルキノ・ヴィスコンティ、ルカ・ロンコーニの作品に出演。英語映画では1980年のSF映画『フラッシュ・ゴードン』などに出演。

マリアンジェラ・メラート
生い立ちと教育
経歴
私生活と死
出演作品

マリアンジェラ・メラート

イタリア語：Mariangela Melato
別名：マリア・アンジェラ・メラート
生年月日：1941年9月19日
出生地：イタリア・ロンバルディア州ミラノ
没年月日：2013年1月11日（享年71歳）
死没地：イタリア・ラツィオ州ローマ
死因：膵臓癌
身長：167cm
職業：女優
活動期間：1963年～2010年
トレードマーク：深みのあるセクシーな声
両親：リナ・ファブリカ
親族：アンナ・メラート（兄弟姉妹）

The Seduction Of Mimi - 'Street Flirting' scene {Lina Wertmüller, 1972}

Giancarlo Giannini and Mariangela Melato flirting in the streets of Turin in Lina Wertmüller's THE SEDUCTION OF MIMI fro...

生い立ちと教育

マリアンジェラ・メラートは、1941年9月19日にイタリア・ロンバルディア州ミラノに生まれました。父親はトリエステの交通警察官アルフレード・メラト、母親はミラノのお針子リナ。彼女の父親はアルフレッド・ヘーニッヒで、もともとオーストリア系でしたが、後に「蜂蜜をかけた」という意味をイタリア語に訳して自分の名前にしました。マリアンジェラは学校に通いながら、衣装係として働き、絵画コースに通い、アカデミア・デイ・フィロドラマティに入学し、エスペリア・スペラーニに演技を師事。また、ミラノ演劇アカデミーで学びました。

経歴

マリアンジェラ・メラートは、1960年代初頭にボルツァーノのファンタジオ・ピッコリの劇団に入り、1963年にカルロ・テロン作『Binario cieco』、ソーントン・ワイルダー作『わが町』、ルイジ・ピランデッロ作『O di uno o di niente』などで初舞台を踏みます。ミラノへ戻ると、1964年と1965年に『Settimo: ruba un po’ meno』と『La colpa è sempre del diavolo』でダリオ・フォと共演。フォのカンパニーとの契約が終わると、再びミラノを離れ、ジュゼッペ・マッフィオーリ、ダミアーノ・ダミアーニ、ジョヴァンニ・ポーリらと仕事をします。1967年、ルキノ・ヴィスコンティの『モンツァの修道女』に出演しますが、検閲により上演中止。1969年、ナタリア・ギンズブルクの『広告』で再びヴィスコンティと共演。同年と翌年には、ルドヴィコ・アリオストの『オルランド・フュリオーソ』とルカ・ロンコーニ監督の『復讐者の悲劇』に出演。

1970年、マリアンジェラはローマへ移住し、プピ・アヴァーティ監督の『Thomas e gli indemoniati』で映画デビュー。その後、ニーノ・マンフレディ監督の『Between Miracles』（1971年）、エリオ・ペトリ監督の『The Working Class Goes to Heaven』（1971年）、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『Lo chiameremo Andrea』（1972年）に出演。

1972年、リナ・ヴェルトミュラー監督の『The Seduction of Mimi』でジャンカルロ・ジャンニーニと共演。この映画のために、マリアンジェラはピエトロ・ガリーニとアレッサンドロ・ジョヴァンニーニの人気ミュージカル『Alleluja brava gente』を放棄しなければならず、プロデューサーとの論争に発展しました。『The Seduction of Mimi』を皮切りに、ヴェルトミュラー、マリアンジェラ、ジャンニーニの3人は、マリアンジェラが共産主義者の娼婦を演じた『Love and Anarchy』（1973年）、『流されて…』（1974年）と続き、成功を収めました。この映画でマリアンジェラが演じた甘やかされた貴族のコミカルな演技は絶賛され、世界的に最も記憶に残る役柄のひとつとなり、彼女のセクシーな印象は確実なものとなりました。マドンナは、夫のガイ・リッチーが監督した2002年の悲惨なリメイク映画で同じ役を演じようとしました。

残りの1970年代、マリアンジェラは『Nada』（1974年）のクロード・シャブロル、『Todo modo』（1976年）のエリオ・ペトリ、『Il gatto』（1978年）のルイジ・コメンチーニなど、ヨーロッパの名だたる監督たちと仕事をしました。TV番組にも出演し、ミニ番組『Moses the Lawgiver』ではビティア王女を演じ、アリオストの『Orlando Furioso』（いずれも1974年）を連続テレビドラマ化した2つのエピソードに出演。1970年代から1980年代にかけては、1972年のアイスキュロスの『オレステイア』や1979年のカルロ・ベルトラッツィの『エル・ノスト・ミラノ』（後者はジョルジョ・ストレラーの演出）といった舞台で散発的に復帰するのみでした。

1980年代、マリアンジェラは2本の米国映画に出演。『フラッシュ・ゴードン』の悪女カーラ将軍役と、ライアン・オニールと共演したコメディ『ソー・ファイン』（1981年）です。レンゾ・アルボーレ監督の『法王の瞳の中で』（1980年）は、カトリックのマスコミから猛攻撃を受け、映画館から押収されました。マリアンジェラとリナ・ヴェルトミュラーは、『流されて…』のバリエーションである『流されて２』（1986年）の撮影で再会。この10年間で、エウリピデスの『メデア』（1986年）、ウィリアム・ギブスンの『奇跡の人』（1988年）などが、ジャンカルロ・セペの演出で上演されました。また、1983年にカンヌ国際映画祭審査員、1989年にヴェネツィア国際映画祭審査員を務めました。

1990年代初頭、マリアンジェラは舞台への復帰を果たし、映画やTVでの活躍の場を減らしました。ジェノヴァ・スタビーレ劇場（現在のジェノヴァ国立劇場）と長期契約を結び、カレル・チャペックの『The Makropulos Affair』（1993年）、コピの『Tango barbaro』（1995年）、ユージン・オニールの『Mourning Becomes Electra』（1997年）などの作品に出演。この時期の数少ない映画出演は1993年の『The End Is Known』。健康問題が深刻化したため、2010年にキャリアを終えました。