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ルチオ・フルチのマーダロック

「見どころ」にPR表現を含みます。
ニューヨークのダンス・スクールを舞台に、連続猟奇殺人事件が巻き起こる!
『ルチオ・フルチのマーダロック』(伊: Murderock uccide a passo di danza)は、オルガ・カルラトス、レイ・ラブロック、アル・クライバー、クラウディオ・カッシネッリ主演、ルチオ・フルチ監督(本作にカメオ出演)の1984年のイタリアン・ギャロ映画。
女優陣の熱演、80年代カルチャーとジャッロの融合、フルチの独特な演出が、この作品をジャンル映画の愛好家にとって魅力的な一作にしています。
1984年4月20日にイタリアのCDE (欧州販売会社)が配給。2006年にメディア・ブラスターズがDVD化し、2019年にスコーピオン・リリーシングがBlu-ray化しました。
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ルチオ・フルチのマーダロック

  • 原題:Murderock uccide a passo di danza
  • 英題:Murder Rock
  • 公開年:1985年
  • 製作国:イタリア
  • 上映時間:96分
  • ジャンル:ホラー
  • 視聴:U-next

見どころ

『フラッシュダンス』の世界的大ヒットに便乗して作られた異色のジャッロ映画。ルチオ・フルチ監督が本作では珍しく残酷表現を抑え、スタイリッシュに仕上げている。

ファム・ファタル

『ルチオ・フルチのマーダロック』(以下、マーダーロック)は、1984年に公開されたルチオ・フルチ監督のイタリア製ジャッロ映画で、ニューヨークのダンススクールを舞台に連続殺人事件を描いた作品です。

『マーダーロック』の主要な女優陣は、物語の中心となるダンススクールの緊張感やジャッロ特有の劇的な雰囲気を体現し、作品に深みを与えています。以下では、特に際立った女優たちの活躍を紹介します。

オルガ・カルラトス(キャンディス・ノーマン役)

オルガ・カルラトスは、本作の主人公でありダンススクールの厳格な指導者、キャンディス・ノーマンを演じています。カルラトスはギリシャ出身の女優で、イタリア映画界で1970年代から活躍し、特にフルチ監督の『ゾンビ』(1979年)での強烈な目の負傷シーンで知られています。『マーダーロック』では、彼女の演技は物語の感情的な軸を担い、過去の事故によるトラウマと殺人事件への恐怖を繊細に表現。キャンディスは、かつてのバレリーナとしての栄光を失い、指導者として生徒たちに厳しく接する複雑なキャラクターです。カルラトスは、冷徹な指導者としての顔と、悪夢に悩まされる脆弱な一面を巧みに演じ分け、特に後半の心理的な葛藤が顕著なシーンでは、観客に強い印象を与えます。彼女の存在感は、ジャッロ映画特有の劇的な美学を強化し、フルチの演出意図を具現化しています。

ジェレッタ・マリー・フィールズ(マーギー役)

ジェレッタ・マリー・フィールズは、ダンスの振付師マーギー役で出演し、スクールの活気ある雰囲気を体現しています。フィールズはアメリカ出身の女優で、1980年代のイタリア映画にしばしば登場し、特にB級ホラーやジャンル映画でのエネルギッシュな演技で知られています。『マーダーロック』では、彼女のダンスシーンが作品の視覚的魅力の一部を担い、キース・エマーソンの音楽と相まって、80年代のポップカルチャーを象徴する華やかな場面を作り出しています。フィールズの演技は、ダンサーとしての情熱と、殺人事件による恐怖に揺れる若者を自然に表現。とくに、ダンスシーンのリハーサルでの生き生きとした動きは、フルチの「フラッシュダンスのパロディ」という意図を効果的に伝えています。彼女の存在は、映画の軽快な部分と暗いテーマのコントラストを際立たせ、観客を引き込む力を持っています。

その他の女優陣

ダンススクールの生徒たちを演じた女優たちも、作品の緊張感を高める重要な役割を果たしています。アンジェラ・レマーマン(Angela Lemerman)は、最初の犠牲者スーザン役で登場し、短い出演ながらジャッロらしい残酷な殺人シーンで印象を残します。また、カルラ・ブザレッリ(Carla Buzzanca)やマリア・クムツ(Maria Cumtz)などの若手女優は、ダンスシーンや恐怖に怯える場面で脇を固め、スクール内の競争と不安の雰囲気をリアルに伝えます。

これらの女優たちは、スターというよりはアンサンブルとしての役割が強く、フルチの演出による集団のダイナミズムを強調。彼女たちのダンスパフォーマンスは、物語の背景としての「競争」と「美」を象徴し、殺人事件の不気味さを引き立てています。

カルラトスとフィールズを中心に、女優陣は『マーダーロック』の独特なトーン—80年代の派手なダンス文化とジャッロの暗いスリラー要素—をバランスよく表現しました。とくにカルラトスの心理的な演技と、フィールズの身体的なパフォーマンスは、フルチのビジョンを具現化する鍵となり、ジャンル映画における女優の多様な役割を示しています。

感想

『マーダーロック』を鑑賞した感想を述べると、この映画はルチオ・フルチのジャッロ映画の中でも異色かつ魅力的な作品として際立っています。以下に、個人的な視点からその魅力と課題を整理します。

まず、映画の最大の魅力は、80年代のポップカルチャーとジャッロの融合です。フルチ自身が「フラッシュダンスのホラー版パロディ」と語ったように、キース・エマーソンのエネルギッシュなロックサウンドトラックと、ダンススクールの華やかなリハーサルシーンは、時代を強く反映しています。特に、ダンスシーンは視覚的に鮮やかで、ネオンカラーの衣装や汗と情熱に満ちた振付が、80年代の青春映画の雰囲気を彷彿とさせます。この明るい表面と、クロロホルムと巨大なピンを使った残忍な殺人シーンの暗いコントラストが、ジャッロらしい不安定な美学を生み出しており、観ていて引き込まれます。

オルガ・カルラトスの演技も大きな見どころです。キャンディス役の彼女は、指導者としての威厳と内面的な脆さを両立させ、物語の感情的な重心を担っています。特に、彼女の悪夢のシーン—繰り返される謎の男(レイ・ラヴロック)のイメージ—は、フルチの得意とする心理的な恐怖を効果的に表現。カルラトスの表情や仕草から伝わる恐怖と疑念は、観客にキャンディスの苦悩を共感させ、単なるスラッシャー映画を超えた深みを与えています。

一方で、映画には課題もあります。脚本にはやや粗さがあり、殺人事件の動機や犯人の背景が十分に掘り下げられていないと感じました。ジャッロ映画では、複雑なプロットや意外な展開が醍醐味ですが、『マーダーロック』の「誰が犯人か」という謎は、途中で予測可能になってしまう部分があります。また、フルチの他の作品(例:『サスペリア』に影響を与えた『地獄の門』)と比べると、ゴアやスプラッター要素が抑えられており、ホラーとしてのインパクトがやや控えめ。これはフルチが意図的にスラッシャーとミュージカルの融合を目指した結果かもしれませんが、熱心なホラーファンには物足りなく映る可能性があります。

それでも、映画全体の雰囲気は独特で、フルチの演出力は随所に光ります。例えば、殺人シーンでのクロロホルムの使用や、ピンが心臓を貫くスローモーションは、ジャッロ特有の様式的な暴力美を体現。照明やカメラワークも、ニューヨークのダンススタジオを不気味な迷宮のように描き出し、緊張感を高めています。フルチのカメオ出演(タレントエージェント役)も、ファンには微笑ましい瞬間です。

総じて、『マーダーロック』は、ジャッロと80年代カルチャーの奇妙な融合を楽しむのに最適な作品です。ダンスと殺人の交錯する世界は、フルチの遊び心と実験精神を感じさせ、カルラトスを中心としたキャストの熱演がそれを支えています。ジャンル映画の愛好家や、80年代のノスタルジーを求める観客には特に推薦したい一作です。

解説

『マーダーロック』は、ルチオ・フルチのキャリア後期における重要なジャッロ作品であり、1980年代のイタリア映画の文脈やジャンルの変遷を理解する上で興味深い作品です。以下に、映画の背景、テーマ、スタイルを解説します。

1984年4月20日にイタリアのCDE (欧州販売会社)が配給。2006年にメディア・ブラスターズがDVD化し、2019年にスコーピオン・リリーシングがBlu-ray化しました。

背景と製作

『マーダーロック』は、フルチがホラー映画(『ゾンビ』や『地獄の門』)で国際的な成功を収めた後、ジャッロに回帰した時期の作品。1984年当時、イタリアのジャッロ映画は1970年代の黄金期(ダリオ・アルジェントの『サスペリア』やマリオ・バーヴァの作品など)を過ぎ、テレビ向けの低予算作品やハリウッドのスラッシャー映画の影響を受けていました。フルチは、ジャッロの伝統的な要素(謎の殺人者、心理的サスペンス、様式的な暴力)を維持しつつ、1983年の大ヒット映画『フラッシュダンス』の流行を取り入れ、ダンスと音楽を物語の中心に据えました。音楽は、プログレッシブ・ロックの巨匠キース・エマーソンが担当し、ロックとスリラーの融合を強調。製作はアウグスト・カミニートが手掛け、ニューヨークでの撮影により国際的な雰囲気を加えています。

テーマ

映画の主要なテーマは「競争」と「嫉妬」です。ダンススクールでは、テレビ番組への出演権を巡る熾烈な競争が描かれ、生徒たちの野心と不安が殺人事件の背景として浮かび上がります。キャンディス(オルガ・カルラトス)の過去の事故によるキャリアの終焉は、成功と失敗の脆さを象徴し、ジャッロ映画によく見られる「過去のトラウマ」のモチーフを強化。また、犯人の動機には、愛と復讐が絡み合い、ジャッロらしい情熱的で破滅的な心理が描かれます。フルチは、ダンスという身体的な表現を通じて、欲望や恐怖を視覚化し、80年代の物質主義的な文化を暗に批判しているとも解釈できます。

スタイルとジャッロの特徴

『マーダーロック』は、ジャッロ映画の典型的な要素を多く含みつつ、フルチ独自のスタイルが際立っています。まず、殺人シーンはジャッロの定石通り、視覚的なインパクトを重視。クロロホルムで気絶させた被害者を巨大なピンで刺す手法は、儀式的な暴力美を強調し、フルチの『ニューヨーク・リッパー』(1982年)のような過激さは抑えつつも、不気味な雰囲気を保持しています。カメラワークは、ダンススタジオの狭い空間を活用し、閉鎖的な恐怖を演出。特に、殺人者の主観ショットやスローモーションは、観客の緊張感を高めます。

一方で、ダンスシーンはジャッロの暗いトーンと対比を成し、フルチの意図的なキッチュさを反映。エマーソンの音楽は、ロックとシンセサイザーの融合で、80年代の派手なエネルギーを注入し、ダンスと殺人のリズムをリンクさせています。この音楽と視覚の融合は、ダリオ・アルジェントの『サスペリア』(1977年)のゴブリンのサウンドトラックを彷彿とさせますが、『マーダーロック』はよりポップで現代的です。

評価と影響

批評家の評価は賛否両論です。モランド・モランディーニやパオロ・メレゲッティは、映画を「フラッシュダンスの誇張されたパロディ」と批判し、サスペンスの欠如を指摘。一方で、アントニオ・テントーリは、心理的な内省とフルチのスタイルを評価し、ジャッロの終焉期における意欲作とみなしています。現代のホラーファンの間では、80年代のチーズな魅力やフルチのビジュアルセンスが再評価され、カルト的な人気を博しています。『マーダーロック』は、ジャッロとポップカルチャーの橋渡し役として、フルチの多様なフィルモグラフィーの中でもユニークな位置を占めています。

DVDTalkのイアン・ジェーンは、回顧的なレビューから、この映画は「何よりもまずホラー映画であり、少なくともそのはずである。ルチオ・フルチはそのキャリアの中で多くの素晴らしい映画を作ったが、悲しいかな本作はそのうちの一つではない」と結論づけています。

キャスト

  • オルガ・カルラトス(キャンディス・ノーマン役)
  • レイ・ラブロック(ジョージ・ウェッブ役)
  • クラウディオ・カッシネッリ(ディック・ギブソン役)
  • コジモ・チニエリ(Lt. ボルヘス役)
  • ジュゼッペ・マンナジュオロ(デイヴィス教授役)
  • ベルナ・マリア・ド・カルモ(ジョアン役)
  • ベリンダ・ブサト(グロリア・ウェストン役)
  • マリア・ヴィットリア・トラッツィ(ジル役)
  • ジェレッタ・マリー・フィールズ(マージー役)
  • クリスチャン・ボロメオ(ウィリー・スターク役)
  • カルラ・ブザンカ(ジャニス役)
  • シルヴィア・コラティーナ(モリー役)
  • ルチオ・フルチ(フィル役)
  • アル・クライバー(法医学分析官役)

レビュー 作品の感想や女優への思い

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