第78回カンヌ国際映画祭パルム・ドールのノミネート作品

第78回カンヌ国際映画祭（2025年5月13日～24日）のコンペティション部門に出品され、パルム・ドール（Palme d’Or）にノミネートされている作品は以下です。以下に各作品と簡単な解説を記載します。情報は2025年4月時点で公式発表された出品作に基づいています。なお、カンヌ映画祭のコンペティション部門は通常20本前後の作品が選出されますが、以下は現時点で確認できる作品です。

2025年カンヌ映画祭パルム・ドールノミネート作品
解説

2025年カンヌ映画祭パルム・ドールノミネート作品

ルノワール – 監督：早川千絵（日本）

日本の早川千絵監督の最新作。11歳の少女のひと夏を描いた物語で、繊細な人間関係と成長をテーマにしている。早川監督は『PLAN 75』（2022年）でカメラドール特別賞を受賞しており、本作は彼女の国際的な評価をさらに高める期待作。予告編では情感豊かな映像美が際立つ。

The Phoenician Scheme – 監督：ウェス・アンダーソン（アメリカ）

ウェス・アンダーソンらしい独特のビジュアルスタイルとユーモアが特徴の作品。詳細なプロットは未公開だが、豪華キャストと風変わりなストーリーテリングが予想される。カンヌ常連のアンダーソンがどのような新境地を見せるか注目。

Eddington – 監督：アリ・アスター（アメリカ）

『ミッドサマー』や『ヘレディタリー』で知られるアリ・アスターの新作。ホラーや心理サスペンスの要素を含む可能性が高く、現代社会を風刺する独特の視点が期待される。カンヌのコンペでどのような反響を呼ぶか注目。

Alpha – 監督：ジュリア・デュクルノー（フランス）

『TITANE／チタン』（2021年パルム・ドール受賞）のジュリア・デュクルノー監督の新作。彼女の作品は身体性やジェンダーをテーマにした大胆な表現で知られ、本作も挑発的で視覚的に強烈な作品となる可能性が高い。

Sentimental Value – 監督：ヨアキム・トリアー（ノルウェー）

『わたしは最悪。』で国際的に評価されたトリアーの最新作。人間関係や現代人の内面的葛藤を描く繊細なドラマが予想される。北欧映画の美学と心理描写の深さが特徴。

Jeunes mères – 監督：ジャン＝ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ（ベルギー）

ダルデンヌ兄弟の新作。社会の片隅で生きる人々を描く彼らのスタイルは健在で、若き母親たちの苦悩と希望をリアルに描く。カンヌでの受賞歴が豊富な監督コンビの最新作として期待大。

La Petite Dernière – 監督：ハフシア・ヘルツィ（フランス）

女優としても活躍するハフシア・ヘルツィの監督作。女性の視点から家族や社会の抑圧を描く可能性が高く、感情的な深さが特徴。カンヌで新たな才能として注目される可能性。

Dossier 137 – 監督：ドミニク・モル（フランス）

『La Nuit du 12』のドミニク・モルによる新作。サスペンスや犯罪ドラマの要素を含む可能性があり、現代社会の問題を鋭く切り取る作品が期待される。

Les Aigles de la République – 監督：タリク・サレ（スウェーデン／フランス）

政治や権力をテーマにしたタリク・サレの新作。緊張感のあるストーリーと社会批評が特徴で、カンヌのコンペにふさわしい重厚な作品となる可能性。

Sirat – 監督：オリビエ・ラクス（スペイン）

オリビエ・ラクスの作品は詩的で実験的なスタイルが特徴。本作も視覚的・哲学的なアプローチで観客を魅了する可能性が高い。カンヌでの評価が期待される。

Sound of Falling – 監督：マーシャ・シリンスキ（ドイツ）

マーシャ・シリンスキの2作目。詳細は不明だが、現代社会や個人の葛藤をテーマにしたドラマが予想される。新進気鋭の監督として注目。

Romería – 監督：カルラ・シモン（スペイン）

カルラ・シモンの3作目。家族や地域社会の絆を描く彼女のスタイルが本作でも発揮される。スペインの文化的背景を活かした情感豊かな作品が期待される。

The History of Sound – 監督：オリバー・ヘルマヌス（南アフリカ）

歴史的背景を基にしたドラマで、音楽や人間関係をテーマにしている可能性。ヘルマヌスの繊細な演出がカンヌで高評価を得る可能性大。

Fuori – 監督：マリオ・マルツォーネ（イタリア）

イタリア映画界の重鎮マリオ・マルツォーネの新作。社会や個人の葛藤を描く重厚なドラマが予想され、カンヌでの受賞候補として注目。

L’Agent Secret – 監督：クレベール・メンドンサ・フィリオ（ブラジル）

ブラジルの現代社会や政治を背景にした作品。メンドンサ・フィリオの鋭い社会批評とスリリングなストーリーテリングが特徴。

Partir Un Jour – 監督：アメリー・ボナン（フランス）

カンヌ映画祭のオープニング作品。ジュリエット・アルマネとバスティアン・ブイヨン主演のコメディドラマで、軽快な人間模様を描く。2023年のセザール賞受賞短編を基にした作品。アウト・オブ・コンペティション部門だが、話題性が高い。

解説

出品作の特徴

2025年のコンペティション部門は、ウェス・アンダーソンやジュリア・デュクルノーといったカンヌ常連の監督に加え、早川千絵やハフシア・ヘルツィなど新進気鋭の監督の作品が混在。多様な文化的背景とテーマ（社会批評、家族、個人葛藤）が特徴です。

日本からの出品

早川千絵監督の『ルノワール』が日本から唯一のコンペティション部門出品。他にも『遠い山なみの光』（石川慶監督、ある視点部門）や『8番出口』（川村元気監督、ミッドナイトスクリーン）など、日本作品が複数出品されています。

審査員

審査員長はジュリエット・ビノシュで、ハル・ベリー、ホン・サンス、ジェレミー・ストロングなど国際色豊かなメンバーが評価を下す。

注意

現時点（2025年5月16日）で公式な全出品作リストは上記に基づいていますが、カンヌ映画祭の公式発表で追加作品が明らかにされる可能性があります。詳細なプロットやキャスト情報は一部作品で未公開のため、今後の公式発表や予告編公開でさらに明らかになるでしょう。最新情報はカンヌ映画祭公式サイトや信頼できる映画メディア（映画ナタリー、Esquire Japanなど）で確認してください。

もし特定の作品についてさらに詳しい情報や分析が必要な場合、または他の部門（ある視点部門など）の出品作についても知りたい場合は、お知らせください。