パーミンダ・ナーグラ(Parminder Nagra)は英国出身の女優。インド系パンジャーブ人の両親を持ち、流暢なパンジャーブ語を話す。『ベッカムに恋して』の主演で知られ、『ER緊急救命室』のニーラ・ラスゴートラ役で国際的に名を馳せた。多様な役柄で活躍し、テレビや映画で存在感を示す。
プロフィール
- 名前:パーミンダ・ナーグラ(Parminder Nagra)
- 本名:Parminder Kaur Nagra
- 生年月日:1975年10月5日(49歳)
- 出生地:英国レスターシャー州レスター
- 国籍:英国
- 職業:女優
- ジャンル:TV、映画
- 活動期間:1991年~現在
- SNSサイト:X
生い立ち・教育
パーミンダ・ナーグラは、1975年10月5日、イギリスのレスターシャー州レスターに生まれました。両親のスクハ(Sukha)とナシュテル(Nashuter)は、1960年代にインドからイギリスへ移民したパンジャーブ人で、彼女はインド系イギリス人として育ちました。幼少期に両親が離婚し、複雑な家庭環境の中で育った彼女ですが、家族との強い絆を保ちつつ、パンジャーブ語を流暢に話す能力を身につけました。この言語能力は、後に彼女の演技キャリアにおいて、文化的背景を活かした役柄で大きな強みとなりました。彼女の名前「Parminder」は、パンジャーブ語の発音に基づくと「パルミンダル」と表記されることもあります。
学生時代、ナーグラはレスターのソア・バレー・カレッジ(Soar Valley College)に通い、学業と並行して音楽に親しみました。特にビオラを演奏することに熱心で、音楽を通じて自己表現の喜びを見出していました。しかし、徐々に演技への興味が芽生え、音楽から演劇へと関心が移っていきました。高校卒業後、Aレベル試験を受けた数か月後に、彼女の演技人生の第一歩となる出会いがありました。地元の劇団関係者ジェズ・シモンズに才能を見出され、演技の道へ進むきっかけを得たのです。この時期、彼女はまだ演技を本格的な職業として考える前でしたが、シモンズの勧めで小さな舞台やテレビ出演を始め、徐々にキャリアを築いていきました。
経歴
パーミンダ・ナーグラの女優としてのキャリアは、1990年代後半にイギリスのテレビドラマや舞台での小さな役から始まりました。初期の出演作は地味でしたが、彼女の自然体な演技と独特の魅力が徐々に注目を集めました。転機となったのは、2002年の映画『ベッカムに恋して』(Bend It Like Beckham)です。この作品で、彼女はサッカーに情熱を傾けるインド系イギリス人の女子高生ジェス・バムラを演じ、国際的な評価を得ました。この映画は文化的タブーに立ち向かう若者の姿を描き、ロカルノ国際映画祭観客賞やシドニー映画祭観客賞など数々の賞を受賞。ナーグラ自身も最優秀女優賞を受賞し、一躍スターとなりました。
『ベッカムに恋して』の成功後、ナーグラはアメリカのTV番組『ER緊急救命室』(2003年~2009年)にニーラ・ラスゴートラ役で出演。シーズン10から登場したこの役は、医学生から優秀な外科医へと成長するインド系イギリス人の医師で、彼女の文化的背景やビオラを弾く設定が役に反映されました。特にパンジャーブ語のラップを披露するシーンは、彼女の個性を際立たせる印象的な場面として視聴者に愛されました。この役で、ナーグラは世界的な知名度を獲得し、長期間にわたりシリーズの主要キャストとして活躍しました。
その後も、ナーグラは多様なジャンルで活躍を続けました。2013年から2014年には、NBCの犯罪ドラマ『ブラックリスト』でミーラ・マリク役を演じ、2016年から2017年には『エージェント・オブ・シールド』でエレン・ナディール役でゲスト出演。2022年から2024年にかけては、ITVのドラマシリーズ『DI Ray』で主演のレイチェル・レイ役を務め、現代のイギリス社会を背景にした刑事役で新たな一面を見せました。この作品では、ポストコロナの社会や人種問題を扱った重厚なストーリーで、彼女の演技力が高く評価されています。
映画では、『ファイブ・フィート・アパート』(2019年)や『バード・ボックス』(2018年)などに出演。彼女はハリウッドでのインド系女優としての地位を確立し、多文化的な背景を持つ役柄で特に支持を集めています。また、慈善活動にも積極的で、ループスLAなどの支援イベントに参加し、社会貢献にも取り組んでいます。
私生活
パーミンダ・ナーグラの私生活は、彼女のキャリアと同じく注目を集めています。2009年1月17日、彼女は7年間交際していた写真家のジェームズ・ステンソンと結婚しました。結婚式は『ER緊急救命室』の共演者であるスコット・グライムスやジョン・ステイモスが参加し、モーラ・ティアニーが司祭を務めるなど、華やかなものとなりました。2009年には息子のカイ・デイヴィッド・シン・ステンソンが生まれ、ナーグラは母親としての生活も大切にしていました。インスタグラムでは、息子との仲睦まじい写真を頻繁に公開し、飾らない日常をファンと共有。彼女の投稿からは、ユーモアと温かさに満ちた性格が垣間見えます。例えば、すっぴんやメガネ姿の自然体の写真をアップし、親しみやすい一面を見せています。
しかし、2013年7月にナーグラとステンソンは離婚。離婚後も息子との関係を大切にし、シングルマザーとして子育てに励んでいます。彼女のSNSでは、犬との遊び心溢れる写真や、日常の何気ない瞬間を捉えた投稿が多く、気取らない人柄がファンの共感を呼んでいます。メガネやサングラスを愛用する姿も頻繁に見られ、彼女のファッションセンスはインド系ルックスとヨーロッパ風の洗練されたスタイルが融合した独特の魅力を持っています。
出演作品
- 『ベッカムに恋して』(2002年、映画、ジェス・バムラ役)…サッカーに夢中なインド系イギリス人女子高生を演じ、国際的な賞を受賞。
- 『ER緊急救命室』(2003年~2009年、ドラマ、ニーラ・ラスゴートラ役)…シーズン10から15まで医学生から外科医へと成長する役で出演。
- 『ブラックリスト』(2013年~2014年、ドラマ、ミーラ・マリク役)…シーズン1でCIAエージェントを演じる。
- 『エージェント・オブ・シールド』(2016年~2017年、ドラマ、エレン・ナディール役)…シーズン4でリカーリング出演。
- 『DI Ray』(2022年~2024年、ドラマ、レイチェル・レイ役)…主演の刑事役で現代イギリスの社会問題を描く。
- 『ファイブ・フィート・アパート』(2019年、映画)…青春ロマンス映画に出演。
- 『バード・ボックス』(2018年、映画)…サスペンス映画で脇役を務める。
- 『破られた約束』(映画)…インド系イギリス人としての背景を活かした役柄。
まとめ
パーミンダ・ナーグラは、インド系イギリス人としてのアイデンティティを活かし、多様な役柄で国際的に活躍する女優です。彼女の自然体な魅力と演技力は、映画やドラマを通じて多くの視聴者を魅了し続けています。今後も彼女の新たな挑戦と活躍が期待されます。
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