サンドラ・ブロック(Sandra Bullock)はアメリカ人女優・プロデューサー。『スピード』や『しあわせの隠れ家』、『しあわせの目の雨』などの作品で知られ、アカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞しています。2010年と2014年に世界で最も高給な女優に選出。
プロフィール
- 名前:サンドラ・ブロック(Sandra Bullock)
- 本名:Sandra Annette Bullock
- 生年月日:1964年7月26日(61歳)
- 出生地:アメリカ合衆国バージニア州アーリントン
- 身長:171cm
- 職業:女優、映画プロデューサー
- ジャンル:映画
- 活動期間:1987年〜
- 配偶者:ジェシー・ジェームズ(2005年〜2010年)
生い立ち・教育
サンドラ・アネット・ブロックは、1964年7月26日にアメリカ合衆国バージニア州アーリントン郡で生まれました。父親のジョン・ウィルソン・ブロックはアラバマ州出身の声楽教師で、母親のヘルガ・マチルデ・マイヤーはドイツのオペラ歌手でした。彼女の家族は、父親の仕事の関係でヨーロッパに長く滞在し、主に西ドイツのニュルンベルク、オーストリアのウィーンやザルツブルクで12年間を過ごしました。この時期、ブロックはドイツ語を流暢に話し、ヴァルドルフ教育を受けました。幼少期から母親のオペラ公演に参加し、5歳で舞台デビューを果たしました。バレエや声楽のレッスンを受け、子供の頃から歌やダンスに親しみました。
家族がアメリカに戻った後、ブロックはバージニア州のワシントン・リー高校に通いました。そこでチアリーダーとして活躍し、高校の劇場公演にも参加しました。また、フットボール選手と交際するなど、活発な学生生活を送りました。1982年に高校を卒業した後、ノースカロライナ州のイースト・カロライナ大学に進学し、ドラマを専攻しました。大学では『ピーター・パン』や『三姉妹』などの舞台公演に出演し、演劇の基礎を学びました。1987年に美術学士号を取得しましたが、卒業直前に演技のキャリアを追求するために大学を中退し、3単位を残した状態でニューヨークに移りました。マンハッタンでは、サンフォード・マイズナー主宰の演劇学校でレッスンを続け、バーテンダーやコートチェックなどのアルバイトで生計を立てながら、オーディションを受け続けました。このような厳しい環境が、彼女の忍耐強さと情熱を育みました。
経歴
サンドラ・ブロックの演技キャリアは、1987年の映画『ハングメン』での端役デビューから始まりました。この低予算のスリラー映画で小さな役割を果たしましたが、徐々に注目を集め始めました。1993年のアクション映画『デモリションマン』で、シルベスター・スタローンと共演し、支持的な役割を演じて早い段階で評価されました。しかし、真のブレイクスルーは1994年のアクション・スリラー『スピード』でした。キアヌ・リーブスと共演したこの作品で、爆弾を積んだバスに巻き込まれる乗客アニー・ポーター役を演じ、興行収入3億5000万ドル以上を記録し、彼女を一躍スターに押し上げました。以降、1995年のロマンティック・コメディ『しあわせの隠れ家』で主人公のルーシー役を演じ、ゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、成功を収めました。
1990年代後半には、ジョン・グリシャムの小説を原作とした法廷ドラマ『予審』(1996年)や、ドラマ『希望の重み』(1998年)に出演し、多様なジャンルに挑戦しました。また、1995年に自身のプロダクション会社フォーティス・フィルムズを設立し、作品の制作にも携わるようになりました。2000年代に入ると、コメディ『ミス・コンジニアリティ』(2000年)でFBI捜査官の変装役を演じ、大ヒット。続編『ミス・コンジニアリティ2』(2005年)もプロデュースしました。2002年の『ツー・ウィークス・ノーティス』ではヒュー・グラントと共演し、ロマンティック・コメディの女王として定着しました。
2004年のアンサンブル・ドラマ『クラッシュ』では、地区検事の妻役で出演し、作品がアカデミー賞作品賞を受賞。彼女の演技も高く評価され、SAG賞を獲得しました。2009年はキャリアのピークで、『プロポーズ』と『しあわせの目の雨』の2作が大成功。後者では実在のフットボール選手マイケル・オハイアの養母リー・アン・トゥーヒー役を演じ、アカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞を受賞しました。この年、彼女はエンターテイメント・ウィークリー誌から「今年のエンターテイナー」に選ばれました。2013年にはコメディ『ヒート』でメリッサ・マッカーシーと共演し、興行収入2億3000万ドルを達成。また、SFスリラー『グラビティ』で宇宙飛行士役を演じ、アカデミー賞に再ノミネートされ、興行収入7億1600万ドルを記録しました。これは彼女の最高興収の生実写映画です。
2010年と2014年にフォーブス誌から世界で最も高給な女優に選ばれ、1本あたり2000万ドルのギャラを稼ぐトップスターとなりました。2018年の『オーシャンズ8』では女性版オーシャンズシリーズでリーダー役を演じ、成功を収めました。
また、Netflixの『バード・ボックス』(2018年)や『許されざる者』(2021年)でドラマチックな役柄を披露。2022年の『ザ・ロスト・シティ』ではコメディに復帰しました。TV番組では、2002年から2007年までシットコム『ジョージ・ロペス』のエグゼクティブ・プロデューサーとして参加し、数エピソードに出演。2005年にハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を受け取り、メディアから「アメリカのスイートハート」と称賛されました。彼女のキャリアは、アクションからコメディ、ドラマまで幅広く、プロデューサーとしても活躍し、ヒスパニック系タレントの機会拡大に貢献しました。
私生活
ブロックの私生活は、公のキャリアとは対照的に、プライバシーを重視したものですが、いくつかの出来事が注目を集めました。彼女はロサンゼルス、オースティン、ニューオーリンズに複数の不動産を所有しています。2000年にはプライベートジェットの墜落事故に遭いましたが、幸い無傷で脱出。2004年には、オースティンの湖畔の自宅建設で業者のミスにより居住不能となり、数百万ドルの賠償を勝ち取りました。2008年には、当時の夫ジェシー・ジェームズと共に、飲酒運転の相手によるカーアクシデントに巻き込まれましたが、無傷でした。
私生活の面では、2005年にモーターサイクルビルダーでTVホストのジェシー・ジェームズと結婚しましたが、2010年に彼の不倫が発覚し、離婚を申請。6月に離婚が成立しました。このスキャンダル後、彼女はシングルマザーとして養子を迎え、2010年に息子ルイスを、2015年に娘ライラを養子にしました。家族を最優先とし、キャリアとプライベートのバランスを重視しています。2015年から2023年まで、フォトグラファーのブライアン・ランドールと交際していましたが、彼はALSにより2023年に亡くなりました。
また、ストーカー被害も複数回経験。2003年と2006年にトーマス・ジェームズ・ウェルドンに対する接近禁止命令を取得。2007年にはマーシア・ダイアナ・バレンタインの事件、2014年にはジョシュア・ジェームズ・コーベットによる脅迫があり、SWATの介入でコーベットは自殺しました。これらの出来事は彼女の安全意識を高めました。ブロックはドイツ語を流暢に話し、慈善活動にも積極的で、家族との時間を大切にしています。
出演作品
- ハングメン (1987) – 演技デビュー作
- デモリションマン (1993) – 初期の支持役
- スピード (1994) – ブレイクスルー作
- しあわせの隠れ家 (1995) – ロマンティック・コメディ主演
- 予審 (1996) – 法廷ドラマ
- 希望の重み (1998) – ドラマ、プロデュースも
- プリンス・オブ・エジプト (1998) – 声優としてミリアム役
- ミス・コンジニアリティ (2000) – コメディ主演、プロデュースも
- ツー・ウィークス・ノーティス (2002) – ロマンティック・コメディ、プロデュースも
- クラッシュ (2004) – アンサンブル・ドラマ、SAG賞受賞
- ミス・コンジニアリティ2 (2005) – コメディ続編、プロデュースも
- プロポーズ (2009) – ロマンティック・コメディ
- しあわせの目の雨 (2009) – 伝記ドラマ、アカデミー賞主演女優賞受賞
- オール・アバウト・スティーブ (2009) – コメディ、プロデュースも
- ヒート (2013) – コメディ、メリッサ・マッカーシー共演
- グラビティ (2013) – SFスリラー、アカデミー賞ノミネート
- オーシャンズ8 (2018) – ヒスト・コメディ
- バード・ボックス (2018) – Netflixスリラー
- 許されざる者 (2021) – ドラマ
- ザ・ロスト・シティ (2022) – コメディ
- ジョージ・ロペス (2002-2007) – TVシットコム、エグゼクティブ・プロデューサー
レビュー 作品の感想や女優への思い