山東省は中国東部に位置する沿海省で、人口約9579万、面積157,126平方キロメートル。省都は済南市。経済大省でGDPは全国3位。泰山や孔子ゆかりの曲阜など、歴史・文化・観光資源が豊富。女優には煙台市出身のファン・ビンビンが美貌と演技力で国際的なスターとして知られる。
歴史
山東省は中国文明の中心地として、古代から重要な役割を果たしてきました。6000年以上前から人類が居住し、東周時代には即墨が建設されるなど、早くから繁栄が見られました。春秋時代には、孔子や孟子、孫子といった偉人が活躍し、儒教や道教の発祥地として知られています。特に曲阜は孔子の生誕地であり、儒教の中心地として長い歴史を持ちます。秦の始皇帝は統一後、琅琊台に登り、漢の武帝も膠州湾で祭祀を行ったと伝えられています。
清朝末期には、青島が膠澳と呼ばれ、1891年に清政府が国防目的で派兵。その後、ドイツが青島を占領し、軍港や鉄道、青島ビールの醸造所など、近代的な都市建設を進めました。第一次世界大戦後、日本が一時占領し、1919年のベルサイユ条約でドイツの権益が日本に移譲されたものの、1922年に中国に返還されました。
近代では、中華人民共和国成立後、山東省は工業化と経済発展を加速させました。特に改革開放以降、青島や煙台などの沿海都市が日本や韓国との貿易で経済の牽引役となり、農産物輸出でも全国をリードしています。
芸術
山東省は中国の伝統芸術においても重要な地位を占めます。魯菜(山東料理)は中国四大料理の一つで、膠東料理、済南料理、孔府料理に分けられ、清潔で鮮やかな味わいが特徴。また、泰山や崂山をテーマにした詩や絵画は、古代から多くの文人墨客に愛されてきました。
伝統工芸では、青島の貝殻細工や煙台の刺繍が有名で、特に煙台刺繍は繊細な針仕事で知られています。現代では、青島を中心に映画やドラマの撮影も盛んで、風光明媚な海岸線や歴史的建造物が背景として活用されています。崂山は「海の上に最も美しい山」と称され、芸術作品にしばしば登場。
登場する映画
山東省を舞台にした映画や、関連する作品は数多く存在します。以下に代表的なものを挙げます。
- 『墨攻』(2006年): 日中合作映画で、山東省出身の女優ファン・ビンビンが出演。戦国時代を背景に、墨子の思想をテーマにした歴史アクション映画。青島でのロケも行われました。
- 『ロスト・イン・北京』(2007年): ファン・ビンビン主演の現代劇。山東省の都市部が舞台の一部として登場し、社会問題を描いた作品です。
- 『楊貴妃 レディ・オブ・ザ・ダイナスティ』(2015年): ファン・ビンビンが楊貴妃を演じた歴史大作。山東省の歴史的背景が間接的に反映されています。
これらの映画では、山東省の自然や都市の風景が効果的に使われ、物語に深みを加えております。また、青島は映画祭の開催地としても知られ、国際的な映画文化の拠点となっております。
出身女優
山東省は数多くの才能ある女優を輩出しております。以下に代表的な女優を紹介します。
- ファン・ビンビン(范冰冰): 1981年生まれ、青島市生まれ、煙台市育ち。テレビドラマ『還珠姫〜プリンセスのつくりかた〜』で一躍有名になり、『墨攻』X-MEN:フューチャー&パスト』など国内外で活躍。2016年には『わたしは潘金蓮じゃない』でサンセバスチャン国際映画祭最優秀女優賞を受賞。
- バイ・バイホー(白百何):1984年3月1日、青島市生まれ。TV番組を中心に映画でも活躍。2006年にドラマ『与青春有关的日子』でデビュー。2011年の映画『失恋33天』で大衆映画百花奨最優秀主演女優賞を受賞、ラブコメの女王として有名に。
- ジン・ティエン(景甜): 1988年7月21日生まれ、西安市出身(山東省生まれとする情報もあり)。『キングコング:髑髏島の巨神』や『パシフィック・リム: アップライジング』でハリウッド進出を果たし、時代劇『麗王別姫〜花散る永遠の愛〜』でも活躍。
これらの女優は、山東省の豊かな文化と歴史を背景に、国内外で高い評価を受けています。特にファン・ビンビンは、その美貌と演技力で国際的なスターとして知られ、山東省の誇りです。
まとめ
山東省は、歴史・文化・経済の中心地として、中国内外で重要な地位を占めております。孔子や泰山といった歴史的遺産、魯菜や刺繍などの芸術、そして映画や女優といった現代の文化まで、多様な魅力に溢れております。今後も山東省の文化と才能が世界で輝き続けることでしょう。
レビュー 作品の感想や女優への思い