『ザ・クリエイター／創造者』は、ギャレス・エドワーズ監督による2023年のアメリカ製SFアクション映画。2075年、人類とAIの戦争が続く世界で、元特殊部隊のジョシュアがAI少女アルフィーを守り、創造者暗殺任務に挑む。ジョン・デヴィッド・ワシントン、ジェンマ・チャン、渡辺謙らが出演し、視覚効果と深いテーマが魅力。
基本情報
- 邦題：ザ・クリエイター／創造者
- 原題：The Creator
- 公開年：2023年
- 製作国：米国
- 上映時間：133分
- ジャンル：アクション、アドベンチャー・冒険、SF
あらすじ
2075年、AIがロサンゼルスで核爆発を引き起こし、人類とAIの戦争が激化する世界。米国はAIの全滅を目指すが、「ニューアジア」ではAIと人間が共存している。元特殊部隊のジョシュア（ジョン・デヴィッド・ワシントン）は、妻マヤ（ジェンマ・チャン）の生存の可能性を信じ、AI兵器の創造者「クリエイター」の暗殺任務に就く。敵地ニューアジアに潜入した彼は、クリエイターが純粋無垢な超進化型AIの少女アルフィー（マデリン・ユナ・ヴォイルズ）であることを知る。任務を遂行するはずが、ジョシュアはアルフィーを守る決意を固め、共に旅に出る。二人は戦争の真実と人類の未来を巡る衝撃的な発見に直面する。果たして、アルフィーは人類の脅威か、それとも救いなのか？
解説
『ザ・クリエイター／創造者』は、ギャレス・エドワーズ監督のオリジナルSF作品で、『ブレードランナー』や『AKIRA』に影響を受けた視覚的に壮大な世界観が特徴です。製作費8000万ドルという低予算ながら、2～3億ドル規模の作品に匹敵する映像美を実現。東京の渋谷や新宿でのロケ撮影や、ベトナムの風景を基にした「ニューアジア」の設定は、日本文化へのオマージュが感じられます。物語はAIと人類の共存や差別、愛といったテーマを掘り下げ、現代社会の技術進化や倫理的問題を映し出します。特に、AIを単なる敵ではなく、人間性を持つ存在として描く点で新鮮な視点を提供。視覚効果（VFX）は高く評価され、CGモデルや戦闘シーンは臨場感にあふれています。しかし、ストーリーの軸がやや曖昧との批判もあり、感情移入の難しさや一部の描写の説得力不足を指摘する声も存在します。それでも、討論を誘発する深いテーマ性と視覚的インパクトで、SFファンに新しい視点を提供する作品です。
女優の活躍
本作の主要な女優は、ジェンマ・チャン、マデリン・ユナ・ヴォイルズ、アリソン・ジャネイです。
ジェンマ・チャン（マヤ・テイラー役）
ジェンマ・チャンは、ジョシュアの妻マヤを演じ、物語の情感的な核心を担います。マヤはニューアジアでの任務中に死亡したと思われていたが、生存の可能性がジョシュアの動機となる重要なキャラクター。チャンは『エターナルズ』などで見せた繊細な演技を活かし、短い出番ながら深い愛情と神秘性を表現。彼女の存在は、ジョシュアの決断に大きな影響を与え、物語のテーマである「愛」を象徴します。
マデリン・ユナ・ヴォイルズ（アルフィー役）
本作で俳優デビューを果たしたマデリン・ユナ・ヴォイルズは、超進化型AIの少女アルフィーを演じ、圧倒的な存在感を示しました。無垢でありながら高度な知性を持つアルフィーを、子役とは思えない表現力で体現。彼女の純粋な眼差しと感情豊かな演技は、観客の心を掴み、物語の中心として作品を牽引。日本語吹替を担当した堀越麗禾も高く評価され、アルフィーの魅力をさらに引き立てました。ヴォイルズの演技は、AIと人間の境界を問う本作のテーマを体現する鍵となりました。
アリソン・ジャネイ（ハウエル大佐役）
アリソン・ジャネイは、AI全滅を目指す米国側の軍人ハウエル大佐を演じ、冷徹で威圧的なキャラクターを力強く表現。『アイ,トーニャ』などで知られる彼女の貫禄ある演技は、戦争の非情さを強調し、物語に緊張感を加えます。出番は限られるものの、彼女の存在感は軍事的な対立の重みを際立たせました。
女優の衣装・化粧・髪型
ジェンマ・チャン（マヤ）
マヤの衣装は、ニューアジアの文化を反映したエスニックかつ未来的なデザインが特徴。柔らかな布地や淡い色調のローブ風衣装は、彼女の穏やかで神秘的なキャラクター性を強調。化粧はナチュラルで、優しい表情を引き立てる薄いメイクが施され、戦争の荒々しさと対比的な美しさを表現。髪型はシンプルなロングヘアで、時折ゆるく結ばれ、温かみのある印象を与えます。
マデリン・ユナ・ヴォイルズ（アルフィー）
アルフィーの衣装は、AIとしての無垢さを強調するシンプルなワンピースやカジュアルな装い。淡いグレーやベージュの服は、子供らしい純粋さとAIの非人間性を両立させるデザインです。化粧はほぼ施さず、自然な肌と大きな瞳が強調され、感情の機微を表現。髪型はショートカットで、動きやすさと無垢な印象を両立。物語後半では、戦闘の影響でやや乱れた髪が、過酷な旅を象徴します。
アリソン・ジャネイ（ハウエル大佐）
ハウエル大佐の衣装は、軍服を基調とした無骨で機能的なデザイン。ダークトーンのユニフォームは、彼女の権威と冷酷さを強調。化粧は最小限で、厳格な軍人らしい引き締まった印象を与えます。髪型は短くタイトにまとめられ、戦場での実践性を反映。無駄のないスタイルが、彼女のキャラクターに説得力を持たせます。
キャスト
- ジョン・デヴィッド・ワシントン（ジョシュア・テイラー）：主人公。元特殊部隊の退役軍人で、任務と愛の間で葛藤する。
- マデリン・ユナ・ヴォイルズ（アルフィー）：超進化型AIの少女。物語の鍵を握る存在。
- ジェンマ・チャン（マヤ・テイラー）：ジョシュアの妻で、物語の情感的中心。
- 渡辺謙（ハルン）：ニューアジアのAI側リーダー。ジョシュアを追う謎の人物。
- アリソン・ジャネイ（ハウエル大佐）：米国軍の指揮官。AI壊滅を目指す。
- スタージル・シンプソン（ドリュー）：ジョシュアの仲間で、物語にユーモアを添える。
- アマル・チャーダ＝パテル（オムニ／ブイ軍曹）：AI側の戦士。
- ゴー・タインヴァン（カミ）
スタッフ
- 監督・原案・脚本：ギャレス・エドワーズ（『ローグ・ワン／スター・ウォーズ・ストーリー』）
- 脚本：クリス・ワイツ
- 製作：ギャレス・エドワーズ、キリ・ハート、ジム・スペンサー、アーノン・ミルチャン
- 撮影：グレイグ・フレイザー、オレン・ソファー
- 音楽：ハンス・ジマー
- 製作会社：20世紀スタジオ
- 配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン（日本）、20世紀スタジオ（米国）
総括
『ザ・クリエイター／創造者』は、視覚効果とテーマ性の融合が魅力のSF大作です。ジェンマ・チャンやマデリン・ユナ・ヴォイルズの演技は、物語に深みを与え、衣装や髪型は各キャラクターの個性を際立たせます。ギャレス・エドワーズの緻密な世界観とハンス・ジマーの音楽が、AIと人類の未来を巡る物語を壮大に描き出します。議論を呼ぶテーマ性と圧倒的な映像美で、観客に深い余韻を残す作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い