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アイス・ストーム

「見どころ」にPR表現を含みます。
1970年代のアメリカ。静かに崩壊していくある家族の姿を描いた人間ドラマ。

『アイス・ストーム』(1997年)は、アン・リー監督によるアメリカのドラマ映画。1973年のコネティカット州を舞台に、2つの家族の不倫や疎外感、悲劇を描く。リック・ムーディの小説を基に、カンヌ脚本賞を受賞した感動作。ケヴィン・クライン、シガニー・ウィーヴァーら豪華キャストが出演。

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基本情報

  • 邦題:アイス・ストーム
  • 原題:THE ICE STORM
  • 公開年:1997年
  • 製作国:米国
  • 上映時間:113分
  • ジャンル:ドラマ
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見どころ

アン・リー監督の確かな演出力と、フレデリック・エルムズによる映像美が相まった隠れた名作。トビー・マグワイア、イライジャ・ウッドら子役時代のスターたちにも注目。

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あらすじ

1973年、感謝祭の時期、ニューヨーク郊外のコネティカット州ニューケイナン。裕福な中流階級の住宅地に住むカーバー家とフッド家は、一見幸福な家庭に見えるが、それぞれ複雑な問題を抱えている。カーバー家のベン(ケヴィン・クライン)は隣家のジミーナ(シガニー・ウィーヴァー)と不倫関係にあり、妻エレナ(ジョーン・アレン)は夫の裏切りに心を痛めている。一方、フッド家のジム(ジェイミー・シェリダン)は仕事で不在がちで、妻ジミーナは孤独を埋めるためにベンと関係を持つ。両家の子供たちもまた、思春期特有の不安や性的好奇心に駆られ、危険な行動に走る。カーバー家の娘ウェンディ(クリスティーナ・リッチ)は、フッド家の息子マイキー(イライジャ・ウッド)やサンディ(アダム・ハン=バード)と関係を持ち、反抗的な態度で親を悩ませる。フッド家の長男ポール(トビー・マグワイア)は大学から帰省し、友人との関係やドラッグに溺れる。

ある晩、町を襲う氷嵐(アイス・ストーム)の夜、ベンとジミーナはスワッピングパーティーに参加するが、そこで家族の亀裂がさらに深まる。同じ夜、子供たちの行動が悲劇的な結末を迎え、家族全員が自らの孤独と向き合うことになる。凍てつく嵐は、彼らの心の冷たさと断絶を象徴し、家族の絆を試す。

アイス・ストーム – 人の体はその人の神殿である。
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解説

『アイス・ストーム』は、1970年代のアメリカ郊外の生活を背景に、家族の崩壊と人間関係の複雑さを描いた作品です。原作はリック・ムーディの同名小説(1994年)で、ウォーターゲート事件や性的解放の時代を反映し、中流階級の偽善や疎外感を鋭く批判しています。アン・リー監督は、台湾出身の視点からアメリカ社会の内面を捉え、家族の絆の裏に潜む孤独や欲望を繊細に描写。カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したジェームズ・シェイマスの脚本は、複数の視点から登場人物の感情を丁寧に織り交ぜ、観客に深い共感を呼び起こします。

映像面では、撮影監督フレデリック・エルムスの冷たく澄んだ映像が、氷嵐の夜の雰囲気を効果的に表現。音楽はマイケル・ダンナによるオリジナルスコアで、インドネシアのガムランやネイティブアメリカンの笛を用い、ノスタルジーとは異なる独自の雰囲気を醸し出しています。批評家からも高い評価を受け、ロジャー・イーバートは「アン・リーの最高傑作」と称賛。公開当時、日本ではドラマ『岸辺のアルバム』との類似性が指摘され、家族の崩壊というテーマが共感を呼びました。

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女優の活躍

本作の女優陣は、物語の感情的な重みを担う重要な役割を果たしています。

シガニー・ウィーヴァー(ジミーナ・フッド役)

シガニー・ウィーヴァーは、孤独で情熱的なジミーナを演じ、複雑な感情を巧みに表現。彼女の演技は、冷たく計算高い一面と、家族への愛情や脆さを見事に融合させ、観客に強い印象を与えます。特に、スワッピングパーティーでのシーンでは、彼女の微妙な表情がキャラクターの内面の葛藤を際立たせています。ウィーヴァーのキャリアにおいて、本作は『エイリアン』シリーズとは異なる、深い人間ドラマでの実力を示す一作となりました。

ジョーン・アレン(エレナ・カーバー役)

ジョーン・アレンは、夫の不倫に苦しむエレナを抑制された演技で表現。彼女の静かな怒りや絶望は、物語の中心的なテーマである家族の断絶を象徴しています。アレンは、感情を爆発させるよりも、内面的な苦しみを細やかな仕草や視線で伝えることに成功。批評家から「美しくも痛切な演技」と称賛されました。

クリスティーナ・リッチ(ウェンディ・カーバー役)

若手女優として注目されたクリスティーナ・リッチは、性的に早熟なウェンディを大胆に演じ、思春期の不安定さと反抗心を見事に体現。彼女の演技は、子供の視点から見た大人たちの偽善を浮き彫りにし、物語に深みを加えています。リッチはこの役で一躍注目を集め、後のキャリアの礎を築きました。

ケイティ・ホームズ(リビー・ウィッター役)

ケイティ・ホームズは、ポールの恋の相手リビーを演じ、初々しい魅力で脇役ながら存在感を発揮。彼女の自然体な演技は、物語にさわやかな風を吹き込み、後の『ドーソンズ・クリーク』でのブレイクを予感させます。

女優の衣装・化粧・髪型

1970年代のアメリカ郊外の雰囲気を反映した衣装、化粧、髪型は、キャラクターの個性や社会的背景を強調する重要な要素です。

シガニー・ウィーヴァー(ジミーナ・フッド)

ジミーナの衣装は、1970年代のエレガントな主婦スタイルを反映。タイトなタートルネック、フレアパンツ、ウールのコートなど、洗練された中にも退屈な日常を暗示するデザインが特徴。化粧は控えめで、ナチュラルなベースに赤やピンクの口紅をアクセントにし、孤独感を隠す大人の女性らしさを表現。髪型は肩までの中程度の長さで、ゆるやかなウェーブが施され、洗練さとカジュアルさを両立。

ジョーン・アレン(エレナ・カーバー)

エレナの衣装は、保守的で地味な色調のワンピースやカーディガンが中心。1970年代の中流階級の主婦らしい、機能的で控えめなスタイルが、彼女の抑圧された感情を象徴。化粧はほぼノーメイクに近く、薄いファンデーションと淡いリップで、疲れた表情を強調。髪型はシンプルなボブで、前髪を軽く流し、家庭的なイメージを強化。

クリスティーナ・リッチ(ウェンディ・カーバー)

ウェンディの衣装は、1970年代のティーンらしいカジュアルなスタイル。ジーンズ、Tシャツ、ニットのセーター、ミリタリージャケットなど、反抗的な若者文化を反映。化粧はほとんどせず、ナチュラルな顔立ちで少女らしさと大胆さを両立。髪型はストレートのロングヘアで、時折ポニーテールや無造作に下ろし、自由奔放な性格を表現。

ケイティ・ホームズ(リビー・ウィッター)

リビーの衣装は、フェミニンで明るい色調のブラウスやスカートが中心。1970年代の若者らしいポップな柄やフリルが、彼女の無邪気さを引き立てる。化粧は軽いチークとグロスで、若々しい輝きを強調。髪型は柔らかいカールのあるミディアムヘアで、清純な印象を与える。

衣装デザインはキャロル・オディッツが担当し、時代背景とキャラクターの心理を反映した細やかなディテールが施されています。1970年代のファッションは、自由と保守の間で揺れる社会を反映し、物語のテーマを視覚的に補強しています。

キャスト

  • ケヴィン・クライン(ベン・カーバー):不倫に走る父親役。複雑な感情を抑制した演技で、家庭内の葛藤を表現。
  • シガニー・ウィーヴァー(ジミーナ・フッド):隣家の妻でベンの不倫相手。冷徹さと脆さを併せ持つ。
  • ジョーン・アレン(エレナ・カーバー):ベンの妻。静かな絶望感を繊細に演じる。
  • ジェイミー・シェリダン(ジム・フッド):仕事で不在がちな夫。家族との距離感を体現。
  • クリスティーナ・リッチ(ウェンディ・カーバー):反抗的な娘。思春期の不安定さを大胆に表現。
  • イライジャ・ウッド(マイキー・フッド):純粋だが危うい少年。悲劇の中心に。
  • トビー・マグワイア(ポール・カーバー):大学帰りの息子。青春の迷いを演じる。
  • アダム・ハン=バード(サンディ・フッド):内向的な少年。家族の影に隠れる。
  • ケイティ・ホームズ(リビー・ウィッター):ポールの友人。清純な魅力を発揮。

スタッフ

  • 監督:アン・リー(『推手』『ブロークバック・マウンテン』で知られる台湾出身の巨匠)
  • 脚本・製作:ジェームズ・シェイマス(カンヌ脚本賞受賞)
  • 原作:リック・ムーディ(同名小説、1994年)
  • 製作:テッド・ホープ、アン・リー、ジェームズ・シェイマス
  • 撮影:フレデリック・エルムス(『ナイト・オン・ザ・プラネット』)
  • 音楽:マイケル・ダンナ(『スウィート・ヒアアフター』)
  • 音楽監修:アレックス・スティアマーク
  • 美術:マーク・フリードバーグ
  • 編集:ティム・スクワイアズ
  • 衣装デザイン:キャロル・オディッツ
  • 配給:ギャガ・コミュニケーションズ(日本)、フォックス・サーチライト(米国)

総括

『アイス・ストーム』は、1970年代のアメリカ社会のひずみを、家族の崩壊と再生を通じて描いた深い人間ドラマです。女優陣の卓越した演技、時代を反映した衣装・化粧・髪型、緻密な脚本と演出が織りなす物語は、観客に家族とは何か、愛とは何かを問いかけます。カンヌでの評価や批評家の称賛も納得の、時代を超えて響く名作です。

レビュー 作品の感想や女優への思い

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