『ナイト・ウォッチャー』(2020年)は米国のサスペンス映画。自閉スペクトラム症を持つ青年バートがホテルの夜間受付で働き、隠しカメラで客を観察。ある夜、殺人事件に巻き込まれ、真相究明に奔走する物語。タイ・シェリダンとアナ・デ・アルマスが共演。
基本情報
- 邦題:ナイト・ウォッチャー
- 原題:The Night Clerk
- 公開年:2020年
- 製作国:米国
- 上映時間:90分
- ジャンル:ドラマ、クライム
見どころ
俳優として活躍するマイケル・クリストファーがメガホンを取ったクライムムービー。いわゆる“コミュ障”の主人公が巻き込まれた殺人事件の意外な結末に注目。
女優の活躍
『ナイト・ウォッチャー』では、アナ・デ・アルマスが重要な女性キャラクター、アンドレア役を演じています。彼女の演技は本作の魅力の一つとして高く評価されており、特に視聴者からはその美貌と自然体な演技が注目されています。アナ・デ・アルマスは、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』や『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』で国際的な注目を集めた女優であり、本作でもそのカリスマ性を存分に発揮しています。アンドレアは、主人公バートと親しくなる女性客として登場し、彼の閉ざされた心に光を当てる存在です。彼女の演技は、優しさとミステリアスな雰囲気を両立させ、物語の後半でバートの行動に影響を与える重要な役割を果たします。観客からは「アナ・デ・アルマスの美しさが際立つ」「彼女の登場シーンだけで見る価値がある」との声が多く、物語の感情的な軸を支える彼女の存在感は大きいです。
また、ヘレン・ハントがバートの母親エセル役として出演し、息子の障害を献身的に支える母親像を熱演しています。ヘレン・ハントはアカデミー賞受賞歴のある実力派女優で、彼女の演技はバートの内面的な葛藤や成長を引き立てる重要な要素となっています。エセルの過保護ながらも愛情深い姿は、観客に深い印象を与え、物語に温かみを加えています。
女優の衣装・化粧・髪型
アナ・デ・アルマスの衣装は、現代的でシンプルながらも彼女の魅力を引き立てるデザインが特徴です。アンドレアはホテルの宿泊客という設定上、カジュアルかつ洗練された服装が中心です。柔らかい色調のブラウスやタイトなジーンズなど、日常的でありながら女性らしさを強調するスタイルが目立ちます。彼女の化粧はナチュラルメイクが基調で、透明感のある肌と控えめなリップカラーが特徴。髪型は、ゆるやかなウェーブのかかったロングヘアで、自然体かつ親しみやすい印象を与えています。このスタイルは、アンドレアがバートにとって「親しみやすいがどこかミステリアス」な存在であることを視覚的に表現しています。
ヘレン・ハント演じるエセルの衣装は、母親らしい落ち着いたトーンのものが多く、シンプルなカーディガンやロングスカートが中心です。化粧は控えめで、年齢相応の自然な美しさを強調。髪型はショートカットで、実際のヘレン・ハントの年齢感を活かしつつ、母親としての温かみを感じさせるスタイルです。彼女の外見は、バートの生活を支える現実的で地に足のついた人物像を反映しています。
あらすじ
バート・ブロムリー(タイ・シェリダン)は、自閉スペクトラム症を抱える青年で、マーサー・ホテルで夜間受付として働いています。コミュニケーション能力に難がある彼は、ソーシャルスキルを向上させるため、ホテルの客室に隠しカメラを設置し、宿泊客の行動を観察して学習しています。ある夜、バートは監視カメラを通じて、宿泊客のカレンが男性と口論になり、暴力を振るわれる場面を目撃。急いでホテルに駆けつけるものの、銃声が響き、カレンは射殺されてしまいます。バートは現場で死体を発見し、隠しカメラを回収しようとしますが、1台を回収し忘れてしまいます。
警察の捜査が始まり、エスパダ刑事(ジョン・レグイザモ)から事情聴取を受けたバートは、隠しカメラの存在を明かせず第一容疑者として疑われます。支配人から別のホテルへの異動を命じられたバートは、そこで美しい女性客アンドレア(アナ・デ・アルマス)と出会い、親しくなります。しかし、バートは監視映像からカレンの殺人犯がアンドレアを次のターゲットにしていると気づき、彼女を守るため、そして自身の無実を証明するために行動を開始。事件の真相と向き合いながら、バートは自身の障害や内面的な葛藤とも闘います。
解説
『ナイト・ウォッチャー』は、サスペンス・スリラーとしての要素に加え、障害を持つ主人公の成長物語や人間関係を描いたヒューマンドラマの側面も持つ作品です。バートの自閉スペクトラム症は、彼の行動や思考に独特の視点をもたらし、観客に障害者の内面的な苦悩や努力を垣間見せます。隠しカメラによる盗撮という倫理的に問題のある行為は、バートの純粋な動機(コミュニケーション能力の向上)と対比され、観客に複雑な感情を呼び起こします。レビューでは「バートの行動は倫理的に問題だが、彼の真剣な姿勢に共感を覚える」との声もあり、物語の道徳的な曖昧さが議論の余地を提供しています。
しかし、批評家からの評価は賛否両論で、Rotten Tomatoesでは支持率34%、Metacriticでは44/100と低めです。批評家は「魅力的なキャストにもかかわらず、脚本の展開が弱く、物語に深みが欠ける」と指摘。一方で、タイ・シェリダンとアナ・デ・アルマスの演技は高く評価されており、特にバートの心理描写やアンドレアとの交流シーンは見どころとされています。サスペンスとしては謎やどんでん返しが少ないものの、ヒューマンドラマとしての視点や障害者の内面に焦点を当てた点は、観客に深い印象を与える要素となっています。
キャスト
- バート・ブロムリー:タイ・シェリダン(『レディ・プレイヤー1』、『X-MEN:アポカリプス』)
- アンドレア:アナ・デ・アルマス(『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』、『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』)
- エセル(バートの母):ヘレン・ハント(『恋愛小説家』、『キャストアウェイ』)
- エスパダ刑事:ジョン・レグイザモ(『ムーラン・ルージュ』、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』)
ジョナサン・シェックらが脇役として出演。
スタッフ
- 監督・脚本:マイケル・クリストファー(『ポワゾン』)
- 製作:タイ・シェリダン、デヴィッド・M・ウルフ、アリアンヌ・フレイザー
- 製作総指揮:ダン・リアドン、ロビー・ブレナー、デルフィーヌ・ペリエ他
- 撮影:ノア・グリーンバーグ
- 編集:クリスティ・シメック
- 音楽:エリック・ホール
結論
『ナイト・ウォッチャー』は、自閉スペクトラム症を持つ主人公の視点を通じて描かれる異色のサスペンス映画です。アナ・デ・アルマスとヘレン・ハントの演技が物語に深みを加え、倫理的な葛藤や人間関係の繊細な描写が観客に考えさせる作品となっています。サスペンスとしての緊張感はやや控えめですが、ヒューマンドラマとしての魅力やキャストの演技力は見応え十分です。
レビュー 作品の感想や女優への思い