『毛皮のヴィーナス』は、現代のニューヨークを舞台にしたデヴィッド・アイヴスによる二人芝居。2010年にクラシック・ステージ・カンパニーでオフ・ブロードウェイ初演、2011年にブロードウェイで上演されました。
- 脚本:デヴィッド・アイヴス
- 登場人物:ワンダ・ジョーダン、トーマス・ノヴァチェク
- 初演日:2010年1月13日
- 初演場所:クラシック・ステージ・カンパニー(米国ニューヨーク市)
- 原語:英語
- ジャンル:ドラマ
予告編はこちら。
あらすじ
この劇中劇は、レオポルド・フォン・ザッハー=マゾッホの1870年の小説『毛皮を着たヴィーナス』(「マゾヒズム」という言葉を生み出した小説)の翻案。劇は、ノヴァチェクが電話で、主役のワンダ・フォン・ドゥナエフのオーディションのためにその日現れた女優たちの不出来を嘆くところから始まります。最後の最後に突然、ワンダ・ジョーダンという新しい女優が飛び込んできます。最初、彼女がこの非常に特殊で苛立ちを隠せない脚本家兼監督を喜ばせるとは想像しがたく、彼女は生意気で、下品で、学校にも行っていません。しかし彼女は、監督兼脚本家がセヴリン・フォン・クシェムスキーの役を読む中、ワンダ・フォン・ドゥナイエフ役のオーディションを受けさせるよう彼を説得します。このダイナミックな朗読劇の間、外では稲妻が光り雷が鳴り響いています。ワンダは、小説と彼女のキャラクターに対する驚くべき洞察力を発揮し、事実上素晴らしいオーディションを演じます。ふたりは朗読する人物にのめり込んでいきます。パワーバランスが逆転し、女優が監督に対して優位に立ちはじめます。
作品
『毛皮のヴィーナス』は2010年1月13日にクラシック・ステージ・カンパニーでオフ・ブロードウェイ開幕。当初は2010年2月21日に閉幕する予定でしたが、2010年3月7日まで延長されました。キャストはニーナ・アリアンダとウェス・ベントレー、演出はウォルター・ボビー。
『毛皮のヴィーナス』は2011年11月8日にブロードウェイで幕を開けました。マンハッタン・シアター・クラブがサミュエル・J・フリードマン・シアターで製作し、プレビューは2011年10月13日に始。ニーナ・アリアンダがワンダ役を再演し、ヒュー・ダンシーが作・演出家のトーマス・ノヴァチェクを演じました。演出はウォルター・ボビー。同作品は12月18日にフリードマンでの限定上演を終了し、2012年2月7日にライシアムシアターで上演を再開、2012年6月17日までの限定上演となりました。アリアンダはブロードウェイ公演でトニー賞演劇主演女優賞を受賞し、演劇賞にもノミネート。
2013年、クイーンズランド・シアター・カンパニーによるブリスベーン公演で、リビー・マンローがワンダ役、トッド・マクドナルドがトーマス役でオーストラリア初演されました。ヴァンダ役のダナ・ブルックは、2013年にBストリート・シアターで上演された作品で、サクラメント・ビー紙が選ぶ「パフォーマンス・オブ・ザ・イヤー」に選ばれています。
ついで、この作品は、カナディアン・ステージ・カンパニーによる2013年のトロント公演でカナダ初演されました。この舞台は大成功を収め、2013〜2014年シーズンの後半に追加上演され、2014-2015年シーズンにも再び上演。カーリー・ストリートはワンダ役でドラ賞を受賞。リック・ミラーがトーマス役で共演。演出はジェニファー・ターヴァー。
2017年、この作品はシアター・ロイヤル・ヘイマーケットでロンドン・ウェストエンド・プレミアを迎えました。このプロダクションはパトリック・マーバーが演出し、ナタリー・ドーマーとデヴィッド・オークスがそれぞれワンダとトーマス役で出演。

映画版
ロマン・ポランスキー監督は、2012年末にこの戯曲の映画版をフランス語で撮影した。主演はポランスキーの妻エマニュエル・セニエとマチュー・アマルリック。
レビュー 作品の感想や女優への思い