『新聞聯播』は中国中央電視台（CCTV）が毎日19:00から放送するニュース番組。1978年開始以来、中国全土で同時放送され、国内最高視聴率を誇る。政府の公式発表や国家指導者の動向を伝える広報的役割を持ち、世界で最も視聴者の多い番組です。
基本情報
- 番組名：新聞聯播（新闻联播）
- ジャンル：広報番組、報道番組
- 企画：中国共産党中央委員会宣伝部
- オープニング：孟衛東
製作
- 製作総指揮：中国共産党
- 制作：CCTV
放送
- 放送国・地域：中華人民共和国
- 放送期間：1978年1月1日 – 現在
- 放送時間：毎日 19:00 – 19:30
- 放送枠：毎日
- 放送分：30分
- 公式サイト：tv.cctv.com（インターネット回線によって日本国内でも視聴可能）
構成
『新聞聯播』（Xīnwén Liánbō）は30分間の放送枠で、厳格に構成されたニュース番組です。以下は主な番組構成の概要です。
- オープニング：番組は荘厳な音楽とともに始まり、2人の司会者が挨拶を行います。オープニング映像には中国の象徴的な風景や国家の進歩を象徴する映像が使用されます。
- 主要ニュース：最初の10〜15分は、中国共産党や政府の重要発表、国家指導者の活動、政策に関するニュースが中心です。これらは中国政府の公式見解を反映し、国内外の視聴者に国家の方向性を示します。
- 国内ニュース：国内の経済、科学技術、社会問題、災害対応などの話題が取り上げられます。特に地方のインフラ整備や経済発展の成功事例が強調されます。
- 国際ニュース：国際的な出来事や外交活動が報道されますが、中国政府の立場を優先し、編集された視点で伝えられることが多いです。
- 天気予報：番組の最後には全国の天気予報が放送され、19:35頃に終了します。このセグメントは視聴者に身近な情報を提供します。
- クロージング：司会者が簡潔な締めの挨拶を行い、番組は終了します。放送終了後、CCTV-1や他の地方局では関連番組やCMが続きます。
番組は一貫してフォーマルなトーンで進行し、司会者の服装や話し方は厳格に管理されています。ニュースの内容は中国共産党中央委員会宣伝部の監督下で選定され、放送内容は全国の主要テレビ・ラジオ局で同時放送されるため、統一感のある情報発信が行われます。この構成は、視聴者に安定感と信頼性を与えることを目的としています。
歴史
『新聞聯播』の歴史は、中国のメディアと政治の変遷を反映しています。以下にその主要な歴史的節目をまとめます。
- 1978年1月1日：『新聞聯播』が中国中央電視台（CCTV）で放送開始。当初は20時台に放送され、現在の30分枠より短い形式でした。番組は中国共産党のプロパガンダツールとしての役割を担い、国家の団結と政策の周知を目的としていました。
- 1980年5月1日：番組内容に新華社や香港メディアの情報源を統合し、現在の30分枠の構成が確立。国際ニュースの取り扱いが増え、番組の影響力が高まりました。
- 1981年4月：青島市での国家会議で、各省・自治区・直轄市の放送局に対し『新聞聯播』の同時放送が義務化。これにより、全国規模での情報統一が強化されました。
- 1982年：放送時間が20時台から現在の19時台に変更。国家の重要ニュースを最初に本番組で発表する方針が決定され、政府の公式発表の場としての地位を確立しました。
- 1984年：海外への記者派遣を開始し、国際報道の拡充を図る。また、台湾の中華電視台のニュースソースを活用し、番組の情報網を拡大しました。
- 1990年代：CCTVの広告収入依存が高まり、番組運営が国庫補助から広告収入に移行。CMは番組間にまとめて放送される形式が採用されました。
- 2003年：スタジオデザインが一新され、現代的な放送環境が導入。以降、定期的にスタジオや映像技術が更新されています。
- 2010年代〜現在：デジタル化とインターネットの普及に伴い、番組はCCTVの公式ウェブサイトやモバイルアプリでも配信。国際的な視聴者向けに英語字幕版も提供されるようになりました。
『新聞聯播』は、中国の政治的・社会的変化に適応しながら、国民に対する情報発信の中心としての役割を維持してきました。番組は中国共産党の政策や指導者の動向を伝える重要な手段であり、国内外での中国のイメージ形成にも影響を与えています。一方で、番組が政府の広報的役割を強く担うため、客観性や報道の自由度については議論が存在します。
女性司会者のリスト・紹介
『新聞聯播』の司会者は、厳格な選考基準と訓練を経て選ばれます。女性司会者は特に、番組のフォーマルなイメージを体現する存在として注目されます。
以下は、過去および現在の主要な女性司会者のリストと紹介です（情報は一般に公開されている範囲に基づきます）。
李瑞英（リー・ルエイイン、1986年〜2014年）
長期間にわたり『新聞聯播』の顔として活躍。流暢な標準中国語とプロフェッショナルな姿勢で、国内外で高い評価を受けました。彼女の時代に番組の視聴率が安定し、国民的知名度を獲得しました。
李梓萌（リー・ズーモン、2000年代〜現在）
現代的なイメージで若者層にも支持される司会者。彼女の柔らかい語り口と親しみやすさが、番組の硬派なイメージに新たな魅力を加えました。
海霞（ハイ・シャ、2007年〜現在）
ハイ・シャは現在も活躍中のベテラン司会者で、温かみのある声と安定した進行が特徴。少数民族（回族）出身であり、多様性を象徴する存在として注目されています。
欧陽夏丹（オウヤン・シャダン、2011年〜2020年頃）
オウヤン・シャダンは明るい雰囲気と親しみやすいキャラクターで、若年層の視聴者に人気。彼女の登場により、番組の雰囲気がややカジュアルになりました。
『新聞聯播』の女性司会者は、厳格な発音基準（標準中国語）とフォーマルな外見を求められ、番組の信頼性を体現する役割を担います。彼女たちは単なるニュース読み手ではなく、中国の国家イメージを国内外に発信する重要な存在です。司会者の選出には政治的背景や視聴者への影響力も考慮され、訓練期間は数か月に及びます。また、女性司会者は男性司会者とペアで出演することが一般的で、バランスの取れた放送が重視されます。
まとめ
以上が『新聞聯播』の概要、構成、歴史、女性司会者の紹介です。番組は中国の政治・社会を反映する鏡であり、国民の意識形成に大きな影響を与え続けています。今後もその役割と影響力は変わらないでしょう。
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