北京2022冬季オリンピック

北京2022冬季オリンピックは、2022年2月4日から20日まで中国の北京で開催されました。夏季・冬季両方を主催した史上初の都市で、7競技109種目、約2900人の選手が91の国・地域から参加。新種目7つが追加され、女子選手の割合が45%を超え、ジェンダーバランスが向上しました。

北京、延慶、張家口の3ゾーンで実施され、2008年夏季オリンピックの遺産を活用した持続可能な大会となりました。

CBC Olympics Intro - Beijing 2022 Olympic Winter Games

The Canadian Broadcasting Corporation (CBC) opening to the 2022 Olympic Winter Games in Beijing.

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見どころ

この大会の見どころは、新種目の導入と多様な選手の活躍です。ボブスレー女子モノボブやスキージャンプ混合団体など7つの新種目が加わり、興奮を高めました。中国の春節と重なる開催で、文化的な要素が取り入れられ、伝統と現代が融合した開会式が印象的でした。

日本選手の活躍も注目され、スキージャンプの小林陵侑選手が金メダルを獲得し、スピードスケートの髙木美帆選手が複数メダルを獲得するなど、過去最多の18メダルを達成しました。著名な世界選手として、フィギュアスケートのネイサン・チェン選手の圧巻のパフォーマンスや、フリースタイルスキーのアイリーン・グー選手のトリプルメダルがハイライトとなりました。

全体として、パンデミック下での安全運営と、氷雪スポーツの普及がテーマとなり、世界中の視聴者を魅了しました。夜間の競技が多く、日本時間では早朝視聴が多かった点も特徴です。

競技と著名な世界出場者

競技種目は以下の通りです。各競技で著名な世界出場者と日本選手を挙げます。

• アルペンスキー：ダウンヒルやスラロームなど。著名選手として、アメリカのミカエラ・シフリン選手（複数金メダル、技術系で活躍）。日本選手：安藤麻選手。
• バイアスロン：射撃とスキーの組み合わせ。フランスのケンタン・フィヨン・マイエ選手（2金3銀）。日本選手：立崎芙由子選手。
• ボブスレー：高速滑走。ドイツのフランチェスコ・フリードリヒ選手（ダブル金）。日本選手：新種目女子モノボブで活躍期待。
• カーリング：ストーン競技。スウェーデンのニクラス・エディン選手（男子金）。日本選手：ロコ・ソラーレチーム（女子銀）。
• クロスカントリースキー：長距離。ノルウェーのヨハネス・ヘスフロット・クレーボ選手（複数金）。日本選手：土屋正紀選手。
• フィギュアスケート：シングルやペア。アメリカのネイサン・チェン選手（2金）。日本選手：羽生結弦選手（4位）、宇野昌磨選手（銀）、鍵山優真選手（銀）。
• フリースタイルスキー：モーグルやエアリアル。中国のアイリーン・グー選手（2金1銀）。日本選手：堀島行真選手（銅）、川村あんり選手（銅）。
• アイスホッケー：チーム競技。カナダ男子チーム（金）。日本選手：女子チーム出場。
• リュージュ：そり滑降。ドイツのナタリー・ガイゼンベルガー選手（金）。日本選手：小口貴久選手。
• ノルディック複合：ジャンプとクロスカントリー。ドイツのエリック・フレンツェル選手（金）。日本選手：渡部暁斗選手（銅）。
• ショートトラック：短距離スケート。イタリアのアリアンナ・フォンタナ選手（1金2銀）。日本選手：菊池純礼選手。
• スキージャンプ：飛躍競技。ノルウェーのマリウス・リンドビク選手（金）。日本選手：小林陵侑選手（金、銀）、高梨沙羅選手（混合団体銅）。
• スケルトン：頭から滑降。オーストラリアのジャクリン・ナラコット選手（銀）。日本選手：出場なし。
• スピードスケート：長短距離。オランダのイレーン・ブスト選手（複数金）。日本選手：髙木美帆選手（1金3銀）、小平奈緒選手（銀）。
• スノーボード：ハーフパイプなど。アメリカのクロエ・キム選手（金）。日本選手：平野歩夢選手（金）、平野海祝選手（銅）。

これらの競技で、世界トップ選手と日本選手が激しく競い合いました。

競技日程

大会は2022年2月4日の開会式から始まり、2月20日の閉会式で終了しました。主な競技日程は以下の通りです。日本時間で記載しています。

• 2月2日：カーリングミックスダブルス予選開始。
• 2月3日：アイスホッケー女子予選、フリースタイルスキーモーグル予選。
• 2月4日：開会式。
• 2月5日：スキージャンプ男子ノーマルヒル予選、スピードスケート女子3000m決勝。
• 2月6日：スキージャンプ男子ノーマルヒル決勝（小林陵侑金）、フリースタイルスキー女子モーグル決勝。
• 2月7日：フィギュアスケート団体戦メダル決定、スピードスケート女子1500m決勝（髙木美帆銀）。
• 2月8日：スノーボード男子ハーフパイプ決勝（平野歩夢金）、スキージャンプ女子ノーマルヒル決勝。
• 2月9日：ノルディック複合個人ノーマルヒル決勝、フリースタイルスキー男子ビッグエア決勝。
• 2月10日：フィギュアスケート男子シングルフリー（宇野昌磨銀、鍵山優真銀）。
• 2月11日：スキージャンプ男子ラージヒル決勝（小林陵侑銀）、スピードスケート男子10000m決勝。
• 2月12日：スピードスケート女子団体パシュート決勝（日本銀）、スケルトン男子決勝。
• 2月13日：ボブスレー女子モノボブ決勝、バイアスロン男子パシュート決勝。
• 2月14日：スキージャンプ混合団体決勝（日本銅）、フィギュアスケートアイスダンス決勝。
• 2月15日：スノーボード女子ビッグエア決勝、アルペンスキー男子スラローム決勝。
• 2月16日：ショートトラック女子1500m決勝、バイアスロン女子リレー決勝。
• 2月17日：フリースタイルスキー女子スキークロス決勝、スピードスケート女子1000m決勝（髙木美帆金）。
• 2月18日：フィギュアスケート女子シングルフリー、ボブスレー男子2人乗り決勝。
• 2月19日：クロスカントリースキー男子50km決勝、マススタート決勝（髙木美帆銀）。
• 2月20日：クロスカントリースキー女子30km決勝、閉会式。

日程は氷上と雪上競技がバランスよく配置され、連日のメダル決定戦が続きました。

全体解説

北京2022冬季オリンピックは、中華人民共和国の首都北京を中心に、延慶と張家口の3つのゾーンで開催された画期的な大会です。2008年の夏季オリンピックに続き、冬季大会も主催した初の都市として歴史に刻まれました。

総参加選手数は約2900人、91の国・地域から集まり、109種目のメダルが争われました。新種目の導入により、女子選手の割合が過去最高の45%を超え、ジェンダー平等が進展しました。

大会スローガンは「Together for a Shared Future」で、パンデミック下での団結を象徴しています。会場配置は北京ゾーンで氷上競技、延慶ゾーンでアルペンスキーとそり競技、張家口ゾーンで雪上競技を行い、高速鉄道で効率的に接続されました。これにより、環境負荷を抑えた持続可能な運営を実現しました。

開会式は鳥の巣スタジアムで行われ、中国の伝統文化と現代技術が融合した演出が世界を魅了しました。

日本選手団は過去最多の18メダル（金3、銀6、銅9）を獲得し、スキージャンプの小林陵侑選手がノーマルヒルで金、ラージヒルで銀を獲得する活躍を見せました。スピードスケートの髙木美帆選手は女子1000m金、1500m銀、500m銀、団体パシュート銀の4メダルを獲得し、冬季オリンピック日本人女子最多記録を更新しました。スノーボードの平野歩夢選手は男子ハーフパイプで金メダルを獲得し、トリプルコーク1440の成功で注目を集めました。フィギュアスケートでは宇野昌磨選手と鍵山優真選手が男子シングルで銀メダル、団体戦で銀メダルを獲得しました。

世界の強豪として、ノルウェーがメダル総数37個（金16）でトップ、ドイツが27個（金12）で続き、北欧勢の強さが目立ちました。バイアスロンではフランスのケンタン・フィヨン・マイエ選手が5メダル、フリースタイルスキーでは中国のアイリーン・グー選手が3メダルを獲得し、地元を沸かせました。

この大会は、COVID-19対策としてバブル方式を採用し、無観客で実施されましたが、デジタル技術を活用した中継で世界中に届けられました。気候変動の影響で人工雪を多用した点も議論を呼びましたが、氷雪スポーツの普及に寄与しました。閉会式では次回ミラノ・コルティナ大会への引き継ぎが行われ、平和のメッセージが発信されました。全体として、北京2022はスポーツの力で世界を繋ぐ象徴的なイベントとなりました。皆様も記録映像などで振り返ってみてはいかがでしょうか。