浙江省 | なむ語る

浙江省は中華人民共和国の東部に位置し、東シナ海に面する省で、省都は杭州市。銭塘江に由来する「浙」の略称を持ち、経済力と文化で知られ、人口は約6460万人。浙江省出身の女優には張雪迎（ジャン・シュエイン）、湯唯（タン・ウェイ）、周迅（ジョウ・シュン）をはじめ、中国内外で活躍する才能ある人物が多くいます。

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歴史
芸術
登場する映画
出身女優
まとめ

歴史

浙江省の歴史は古く、新石器時代末期の良渚文化（紀元前3300年～前2200年頃）に遡ります。この地域は、杭州近郊の余杭区で発見された遺跡により、中国最古の文明の一つとして知られています。春秋時代（紀元前770年～紀元前476年）には越国に属し、後に呉国や楚国の支配下に入りました。紀元前334年に楚が越を滅ぼし、秦代（紀元前221年～紀元前206年）には会稽郡の一部となりました。

隋代（589年）に「杭州」の名称が初めて登場し、唐代（618年～907年）以降も杭州や余杭郡として行政区画が確立されました。五代十国時代（907年～960年）には呉越国の都が置かれ、経済と文化の中心地として繁栄しました。南宋時代（1127年～1276年）には臨安府として事実上の都となり、「上に天国あり、下に蘇州・杭州あり」と称されるほどの美しさと繁栄を誇りました。

近代では、1949年の中華人民共和国成立後、杭州市が省都に指定され、行政区画の再編が進みました。1950年代以降、周辺の県が杭州市や紹興市に編入され、現在の地級市制度が確立しました。浙江省は改革開放政策以降、経済発展が著しく、特に杭州はアリババグループの本拠地として世界的な注目を集めています。

芸術

浙江省は中国の伝統芸術において重要な役割を果たしています。杭州の西湖は、詩や絵画の題材として古来より愛され、蘇軾や白居易などの詩人がその美しさを讴歌しました。西湖の風景は、伝統的な山水画や書道に頻繁に登場し、中国の美的感覚を象徴しています。また、紹興市は書家・王羲之の故郷としても知られ、彼の「蘭亭序」は書道史上の傑作とされています。

浙江省は伝統工芸も盛んで、特に龍泉青磁や杭州の絹織物が有名です。龍泉青磁は宋代から続く陶磁器の技法で、独特の青緑色が特徴です。杭州の絹は、繊細な刺繍や織物として国内外で高く評価されています。さらに、越劇（浙江オペラ）は、女性俳優による優雅な歌と演技が特徴の地方劇で、紹興を中心に発展しました。これらの芸術は、浙江省の豊かな文化遺産を体現しています。

登場する映画

浙江省はその風光明媚な景観から、数多くの映画のロケ地として選ばれています。以下に代表的な作品を紹介します。

グリーン・デスティニー（2000年）：アン・リー監督の武侠映画で、湖州市安吉県の中国大竹海で撮影された竹林のシーンが特に有名です。このシーンは、登場人物の戦闘が竹の上で繰り広げられる幻想的な映像で、世界的に高い評価を受けました。
HERO（2002年）：張藝謀監督による武侠映画で、浙江省の風景が背景として使用されました。西湖や周辺の自然が、映画の壮大な雰囲気を引き立てています。
グランド・マスター（2013年）：ウォン・カーウァイ監督の作品で、浙江省の伝統的な建築や風景が登場し、武術の美学と調和しています。

出身女優

浙江省出身の女優は、中国内外で活躍する才能ある人物が多くいます。以下に代表的な女優を紹介します。

張雪迎（ジャン・シュエイン）：1997年、金華市義烏市生まれ。ドラマ『三番目の花婿～Choice Husband～』や『白華の姫～失われた記憶と3つの愛～』で知られ、若手女優として注目されています。彼女のキュートな魅力と演技力は、多くの視聴者を惹きつけています。
カリーナ・ン：1993年、杭州市生まれ。のちに香港へ移住。2011年の映画『開心魔法』で香港電影金像獎の最優秀新人賞にノミネートされ、モデルから女優、司会業まで幅広く活躍。『王家欣』では米国映画祭の最優秀女優賞を受賞。
ファラ・チェン：1982年、四川省成都市に生まれ、のち浙江省寧波市、米国ジョージア州へ移住。2005年のミス・チャイニーズ・インターナショナルで準優勝後、TVBでデビューし、『溏心風暴』『使徒行者』で人気を博しました。
湯唯（タン・ウェイ）：1979年、杭州市生まれの楽清市育ち。『ラスト、コーション』（2007年）で一躍有名になり、国際的に活躍する女優です。ハリウッド映画『ジェミニマン』（2019年）にも出演し、グローバルなキャリアを築いています。
周迅（ジョウ・シュン）：1974年、衢州市まれ。浙江芸術学校卒業。中国の「四大若手女優」の一人。『ふたりの人魚』（1998年）、『那時花開』（1999年）、『小さな中国のお針子』（2001年）、『画皮あやかしの恋』（2008年）などで国際的な評価を受けました。彼女の繊細な演技は、感情豊かな役柄で特に光ります。
フランチェスカ・トゥ：1943年、温州市生まれ。『怪人フー・マンチュー』（1965年）、『怪人フー・マンチュー連続美女誘拐事件』（1966年）、『怪人フー・マンチュー女奴隷の復讐』（1968年）の3部作で、クリストファー・リー演じる悪役の侍女ロータス役が有名。

まとめ

浙江省は、豊かな歴史と文化、経済的発展で知られる中国の重要な省です。良渚文化から南宋の都としての繁栄まで、歴史の深さを感じさせます。西湖や龍泉青磁、越劇などの芸術は、浙江省の美的遺産を象徴し、映画や女優の活躍は現代の文化発信力の証明です。これらの要素が融合し、浙江省は中国の魅力的な地域として世界に輝いています。