ジョウ・シュン(周迅)は中華人民共和国浙江省衢州市出身の女優・歌手で、中国四大花旦の一人です。1991年に映画『古墓荒齋』でデビューし、『ふたりの人魚』でパリ国際映画祭最優秀女優賞を受賞。金馬賞、金像賞、金鶏賞の三冠を達成した初の中国人俳優として知られ、映画やドラマで幅広い役柄を演じています。環境保護活動にも積極的に取り組んでいます。
プロフィール
- 名前:ジョウ・シュン(周迅)
- 漢語拼音:Zhōu Xùn
- 生年月日:1974年10月18日(51歳)
- 出身地:中華人民共和国浙江省衢州市
- 別名:公子
- 職業:女優、歌手、モデル
- ジャンル:C-POP
- レーベル:周迅工作室
- 活動期間:1991年〜
- 配偶者:アーチー・カオ(2014年〜2020年)
生い立ち・教育
ジョウ・シュン(周迅)は、1974年10月18日に中華人民共和国浙江省衢州市で生まれました。彼女は一人っ子で、名前の「迅」は、2400gの早産児であったことから「迅速に来た子」という意味と、父親が彼女に画家や作家・魯迅のような人物になってほしいという願いを込めて名付けられました。父親は衢州市の映画館で映写技師およびポスター画家として働き、母親は百貨店の店員でした。幼少期から映画館で育ち、3歳の頃からさまざまなジャンルの映画に親しみ、演劇への興味を育みました。この環境が、彼女の芸術に対する感性を大きく形作ったと言えるでしょう。
学業面では、衢州第一中学校を卒業後、浙江芸術学校(現在の浙江職業芸術学院)に進学し、社会文化舞蹈学科で民族舞踊と振付を学びました。彼女は学科で首席の成績を収め、舞踊の才能を発揮しましたが、17歳の時にスカウトされたことで女優の道へと進むことになります。この時期、彼女はまだ演技を職業とする明確な目標は持っていませんでしたが、舞踊で培った表現力が後の演技に大きく影響を与えました。
経歴
ジョウ・シュンの芸能界への第一歩は、1991年に謝鉄驪監督の映画『古墓荒齋』でのデビューでした。この作品で彼女は「小狐狸」という役を演じましたが、当時は演技を本格的に追求する意識は薄く、むしろ偶然の機会が彼女を女優の道へと導きました。卒業後、恋愛を理由に北京へ移り、一時期は歌ホールで伴舞や歌唱のアルバイトを経験。この生活の中で、彼女の写真が雑誌の表紙に掲載され、謝衍監督に見出され、映画『紅酒』(1996年)で大胆なラブシーンに挑戦しました。
1994年、チェン・カイコー監督の『花の影』(原題:風月)で小さな役を演じ、同時に彼の現場で助手を務める機会を得ました。この経験は、彼女にとって映画製作の魅力と厳しさを学ぶ貴重な機会となり、コン・リーや張國榮の演技を間近で観察することで、演技への情熱が芽生えました。1997年にはチェン・カイコー監督の『始皇帝暗殺』で盲目の少女を演じ、短い出番ながらも印象的な演技で注目を集めました。
1998年の『ふたりの人魚』(原題:蘇州河)は、彼女のキャリアにおける転機となりました。第六世代の監督・婁燁に見出され、ヒロインの美人魚役を演じた彼女は、零下の水中で撮影したり、泳げないにもかかわらず鉄橋から川に飛び込むなど、過酷な撮影に挑みました。この作品で彼女は2000年のパリ国際映画祭最優秀女優賞を受賞し、国際的な評価を得ました。この時期、彼女は李少紅監督のテレビドラマ『大明宮詞』(2000年)や『人間四月天』、『像霧像雨又像風』にも出演し、特に『大明宮詞』での小太平公主役で第18回中国テレビ金鷹賞の最人気女優賞を受賞。テレビと映画の両方で知名度を高めました。
2000年代初頭は彼女のキャリアの絶頂期で、映画『ハリウッド★ホンコン』(2000年)では広東語での演技に初挑戦し、台湾金馬賞の主演女優賞にノミネート。『小さな中国のお針子』(2001年)や『恋愛中のパオペイ』(2002年)では、複雑な女性像を演じ、2002年には『煙雨紅顔』で第25回百花賞最優秀女優賞を受賞しました。特に李少紅監督とのコラボレーションは彼女の演技に深みを与え、『橘子紅了』での抑圧された女性・秀禾役は、彼女が初めて役の内面を深く掘り下げる経験となり、女優としての覚悟を固めるきっかけとなりました。
2006年、ミュージカル映画『もし、愛』(原題:如果·愛)で香港電影金像賞と台湾金馬賞の最優秀女優賞を受賞。2008年の『李米的猜想』では中国映画金鶏賞を受賞し、華語映画界の三大賞(金馬賞、金像賞、金鶏賞)を制覇する「大満貫」を達成した初の中国人俳優となりました。2012年にはハリウッド映画『クラウドアトラス』に出演し、国際的な舞台でも活躍。2014年にはフランス文学・芸術騎士勲章を受章するなど、名実ともに中国を代表する女優となりました。
近年では、TV番組『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』(2018年)や『不完美的她』(2020年)、映画『陰陽師:二つの世界』(2021年)などに出演。2023年には『アクロス・ザ・フューリアス・シー』で再び注目を集めました。また、環境保護活動にも力を入れ、2008年に国連開発計画(UNDP)の中国親善大使に就任。2010年には「地球衛士」賞を受賞し、環境意識の啓発に尽力しています。
私生活
ジョウ・シュンの私生活は、メディアやファンの注目を集めてきました。2014年7月16日、杭州で開催された自身が主催するチャリティーパーティーで、アメリカ出身の華僑俳優アーチー・カオ(高聖遠)と結婚を発表しました。このイベントでは、彼女が純白のドレスで登場し、アーチー・カオが英語でプロポーズするサプライズが話題となりました。しかし、2018年頃から別居の噂が流れ、2020年12月に双方が同じメッセージをSNSに投稿し、離婚が報じられました。子供に関する情報は公表されておらず、彼女には現在子供がいないとされています。
ジョウ・シュンは老化や外見への批判にも率直に語っており、かつて「毎朝ソファで泣いていた」と明かすほど、女優としてのプレッシャーに悩んだ時期もありました。しかし、「老化は誰にでも訪れる」と前向きに受け止め、自身の美しさやキャリアを肯定する姿勢を示しています。彼女のこのような発言は、多くのファンに共感を呼び、彼女の人間性や強さを象徴しています。
出演作品
ジョウ・シュンの出演作品は多岐にわたり、映画とテレビドラマの両方で高い評価を受けています。以下は代表的な作品の一部です。
映画
- 古墓荒齋(1991年):デビュー作。小狐狸役で初のスクリーン登場。
- ふたりの人魚(1998年):美人魚役でパリ国際映画祭最優秀女優賞を受賞。
- ハリウッド★ホンコン(2000年):広東語での初主演。金馬賞ノミネート。
- 小さな中国のお針子(2001年):文化大革命下の女性を演じ、国際的な評価を得る。
- 恋愛中のパオペイ(2002年):東京国際映画祭で上映。第1回中国映画監督協会最優秀女優賞受賞。
- もし、愛』(2005年):ミュージカル映画で金馬賞・金像賞を受賞。
- 李米的猜想(2008年):金鶏賞最優秀女優賞受賞。
- 画皮 あやかしの恋』(2008年):妖怪役で話題に。
- クラウドアトラス(2012年):ハリウッドデビュー作。複数の役を演じる。
- – **『竊聴風雲3』(2014年):犯罪ドラマでアクションに挑戦。
– **『愛のカケヒキ』(2014年):東京・中国映画週間で上映。
– **『更年奇的な彼女』(2014年):ラブコメディで新たな魅力を披露。
– **『ボーン・イン・チャイナ』(2016年):ドキュメンタリー映画でナレーションを担当。
– **『リメイン・サイレント』(2019年):2020東京・中国映画週間で上映。
– **『陰陽師:二つの世界』(2021年):Netflix配信。ファンタジー大作。
– **『アクロス・ザ・フューリアス・シー』(2023年):近年の代表作。
###テレビドラマ
– **『大明宮詞』(2000年):小太平公主役で金鷹賞受賞。
– **『人間四月天』(2000年):文学的なヒロインを演じる。
– **『像霧像雨又像風』(2000年):ロマンティックな役で人気に。
– **『橘子紅了』(2001年):封建社会の女性役で深い演技を披露。
– **『紅高粱』(2014年):莫言原作のドラマで主演。
– **『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』(2018年):清朝の皇后役で重厚な演技。
– **『不完美的她』(2020年):現代女性の葛藤を描く。
– **『小敏家』(2021年):家族ドラマで主演。
– **『不完美受害者』(2023年):社会派ドラマで話題に。
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##まとめ
ジョウ・シュンは、その卓越した演技力と多様な役柄で、中国を代表する女優として確固たる地位を築きました。舞踊から始まった彼女のキャリアは、偶然のスカウトをきっかけに映画やドラマでの成功へと繋がり、華語映画界の三大賞を制覇する快挙を達成。環境保護活動や私生活での率直な姿勢も、彼女の魅力をさらに引き立てています。これからも彼女の新たな挑戦と作品に期待が高まります。
**参照**:
[](https://ja.wikipedia.org/wiki/%25E5%2591%25A8%25E8%25BF%2585)[](https://en.wikipedia.org/wiki/Zhou_Xun)[](https://haryu-korea.net/zhou-xun-2)



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