ザ・バンク 堕ちた巨像

劇場映画
この記事のうち「見どころ」には若干の誇張表現があります。
世界を裏で操る超メガバンク。インターポールの捜査官が、国際的な武器取引組織における有名金融機関の役割を暴く。

『ザ・バンク 堕ちた巨像』は、トム・ティクヴァ監督、エリック・ウォーレン・シンガー脚本による2009年のアクション・スリラー映画。

主演はクライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツ。二人が演じるインターポールの捜査官とアメリカの地方検事が、ルクセンブルクに拠点を置く架空の商業銀行IBBCの汚職を共同で捜査。IBBCは銀行家として、また武器ブローカーとして、組織犯罪や腐敗した政府に貢献しています。IBBCの冷酷な経営陣は、行員を含む潜在的脅威を暗殺してきました。

1980年代の国際商業信用銀行(BCCI)のスキャンダルに着想を得た実話ベースの本作は、グローバル金融が世界中の国際政治にどのような影響を与えるかについて懸念を提起しています。

製作は2008年9月に独国ベルリンで開始され、映画の中心となる銃撃戦のシーンでは圧巻で、米国ニューヨークのグッゲンハイム美術館の実物大レプリカが建設されました。2009年2月5日、第59回ベルリン国際映画祭でオープニングを飾りました。ロッテン・トマトの批評家コンセンサスでは、アクション場面とロケーションは賞賛されましたが、プロットは批判されました。

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ザ・バンク 堕ちた巨像

  • 原題:THE INTERNATIONAL
  • 公開年:2009年
  • 製作国:米国、独国、英国
  • 上映時間:117分
  • ジャンル:アクション
  • 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • 公式サイト

予告編はこちら。

撮影場所

  • イタリア…ガルダ湖、ミラノ
  • 独国…ブランデンブルク、ニーダーザクセン、ベルリン
  • トルコ…イスタンブール
  • 仏国…リヨン
  • 米国…ニューヨーク
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見どころ

クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツの実力派共演によるサスペンス。世界を股にかけた物語もさることながら、NYグッゲンハイム美術館内部で展開する壮絶な銃撃戦も必見。

あらすじ

ヨーロッパを拠点にするメガバンク、IBBC。多国籍企業や犯罪組織と結託して不正を働いている彼らを追うインターポールのサリンジャーとNY検事局のエレノアは、ある取り引きに関与する人物の存在を掴みます。しかし、その人物は暗殺者に殺され、自分たちも狙われる羽目に…。

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クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツが互いにインタビューし、映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』について視聴者からの質問に答えます。

ファム・ファタル

NY検事局エレノア役のナオミ・ワッツが自然体で演技をしています。全くセクシーな場面が出てこないにも関わらず、さっぱりした仕事人としての活躍がかっこよく、最後まで一気に見られました。

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女優のナオミ・ワッツが『ザ・バンク 堕ちた巨像』の出演について語ります。

映画のなかでエレノアは、とある連絡先とSMSのテキストメッセージを交換します。彼女のブラックベリーに表示されている連絡先の電話番号(+352 22 28 09)は、実はルクセンブルク市観光局の本当の電話番号でした(笑)

感想

原題どおりインターナショナルな作品で、欧州や米国へと、あちらこちらへ捜査に向かう展開が楽しい。

また、爆発的な銃撃戦は見応えあり。ニューヨークの有名なグッゲンハイム美術館内が舞台となっています。製作チームはグッゲンハイムのオリジナルの設計図を使い、廃墟となった機関車の倉庫に内部の実物大レプリカを建設。その建設期間はなんと4ヶ月!

インターポールのサリンジャーを演じるクライヴ・オーウェンの演技が見応えあり。サリンジャーの仕事ぶりは映画全体のペースを作り、結末を左右していきます。暗殺者と一時的に相棒になったり、暗殺者の立ち位置がたまに変わったりと、 小さいどんでん返しがいくつもあって、これも楽しい。

また、アルミン・ミューラー=スタールも信頼性と深みを増しています。他の脇役たちも、ほとんどの場合が力強く、骨太です。

ほとんど男性しか登場しないこの映画で女性主人公を演じるプレッシャーがあったにも関わらず、ナオミ・ワッツは、やや浮いた立場(いなくても良い立場)ながらも、一人の女性捜査官として存在感を強く出していたように思います。

なお、トルコ・イスタンブールのグランドバザールの屋根は、後にジェームズ・ボンドの映画『007 スカイフォール』(2012年)でバイクチェイスのロケ地として使われることになります。この映画でルネを演じたベン・ウィショーが、準軍曹Qとして初めて登場する場所です。

テーマ

クライヴ・オーウェンは、この映画の関連性について、「最終的には、銀行が人々のお金を適切に使っているのか、完全に健全な機関なのかということを問うている」と述べています。より大胆な言い方をすれば、『オブザーバー』紙でこの映画を評したフィリップ・フレンチは、その心情を「銀行家を皆殺しにしよう」、シェイクスピアの『ヘンリー六世』第二部に出てくるディック・ザ・ブッチャーの「まず最初に、弁護士を皆殺しにしよう」の現代版だと推測しています。

サリンジャー(オーウェン)の中心的な啓示は、世界は使い捨ての個人によって人員配置された匿名の力によって支配されているということ。一般市民の無力さは、悪役たちが住む巨大で人間味のない建物によって象徴されています。グッゲンハイム美術館にも、そんな印象をもつのは、私だけでしょうか!?

1991年の国際商業信用銀行危機、1982年に英国ロンドンで起きたシチリア・マフィアの銀行家とされるロベルト・カルヴィの殺人、1978年にロンドンで起きたゲオルギ・マルコフの毒殺事件。この銀行はならず者国家に多額の融資を行ない、同時に彼らの軍需品の仲介役を務めています。

国際金融を批判するこの映画は、多国籍兵器メーカーが、世界的な金融業者よりもまともで市民意識も高く、公明正大であるかのように描かれることは、世界の現状と経済の本質について何かを物語っています。

解説

『ザ・バンク 堕ちた巨像』は、1980年代から1990年代初頭にかけて起こったBCCI(国際商業信用銀行)の銀行スキャンダルに触発されました。

インターポール(国際刑事警察機構)のルイス・サリンジャー捜査官とその相棒は、インターナショナル・バンク・オブ・ビジネス・アンド・クレジット(IBBC)を捜査しています。この捜査は、マンハッタンの地方検事エレノア・ウィットマンとともに、2億ドル規模の違法な武器取引ビジネスに関するものです。サリンジャーと相棒の二人はベルリンの中央駅でIBBCの内部情報提供者と会う約束をしますが、相棒は面会後に謎の死を遂げ、買収担当副社長のアンドレ・クレメントも交通事故で死亡。事故死した情報提供者の身元をサリンジャーは突き止めます。彼とホイットマンはミラノへ向かい、そこで大手武器メーカーの政治家ウンベルト・カルヴィーニに会い、IBBCが自分の工場で生産しているミサイル誘導システムの買収に興味をもっていると説明。カルヴィーニが政治集会で狙撃手に殺されると、サリンジャーとホイットマンは犯人を追ってニューヨークへ向かい、その後イスタンブールへ向かいます。銀行は法制度によって守られており、この制度の下では警察は銀行に 太刀打ちできず、サリンジャーは、腐敗したシステムに正義がもたらすために、一線を越えるか超えないかの選択に迫られます。

キャスト

登場人物 出演者
ルイス・サリンジャー クライヴ・オーウェン
エレノア・ホイットマン ナオミ・ワッツ
ヴィルヘルム・ウェクスラー アーミン・ミューラー=スタール
ヨナス・スカルセン ウルリッヒ・トムセン
コンサルタント ブライアン・F.オバーン
ヴィクトール・ハース ミシェル・ヴォレッティ
マーティン・ホワイト パトリック・バラディ
フランシス・エハメス ジェイ・ヴィリエ
ニコライ・イェシンスキー ファブリス・スコット
アフメット・スネイ ハルク・ビルギネル
ウンベルト・カルヴィーニ ルカ・バルバレスキ
アルベルト・チェルッティ警部 アレッサンドロ・ファブリージ
イギー・オルネラス刑事 フェリックス・ソリス
バーニー・ウォード刑事 ジャック・マギー
グロリア・ハバード刑事 ニラジャ・サン
アル・ムーディ スティーブン・ランダッツォ
アイザックソン博士 ティボル・フェルドマン
ニューヨーク検事 ジェームズ・レボーン
サム・パービッツ レミー・オーベルジョノワ
イーライ・カッセル タイ・ジョーンズ
トーマス・シューマー イアン・バーフィールド
ベルリン医師 ピーター・ジョーダン
クラウス・ディーマー アクセル・ミルバーグ
ラインハルト・シュミット主任警部 トーマス・モリス
ディートマール・ベルクホフ オリバー・トラウトヴァイン
カラビニエリ大尉 ルイジ・ディ・フィオーレ
I.B.B.C.長官ホワイト ヴェレーナ・ションラウ
ヴィヨン長官 ローラン・シュピールフォーゲル
ニット帽の女 マリタ・ヒューバー
ミラノ・スナイパー ジョルジョ・ルパノ
カルヴィーニ参謀長 ロリス・ロッディ
第一演説者/政治家 ナタリア・マグニ
カフェ・バリスタ ディノ・コンティ
チャールズ・モトンバ将軍 ルシアン・ムサマティ
カシアン・スカルセン ベンジャミン・ワンズシュナイダー
ミラノ空港警備員 アレッサンドロ・クアトロ
カルヴィニ弁護士 マルコ・ガンビーノ
カルヴィーニ国防保安部長 マット・パトレジ
ワールドニュース記者 トリスタナ・ムーア
I.B.B.C.長官(スカルセン) ナオミ・クラウス
イタリア紳士 フランコ・トレビシ
ラボ技師 アントニオ・サントロ
アテンダント/ボディーガード ハカン・ボヤフ
エンツォ・カルヴィーニ ルカ・カルバーニ
マリオ・カルヴィーニ ジェロラモ・ファンセル
レネ・アンタル ベン・ウィショー
ボディガード Sunay セダット・マート
ボディガード Sunay テヴフィック・ポラット
エリオット・ウィットマン ダレン・ペティ
ヒットマン マイク・ブラウン
ヒットマン マイケル・ボーンハッター
ヒットマン ハイコ・キーソフ
ヒットマン マルクス・プッテリッチ
ヒットマン ロニー・ポール
ヒットマン ゲルト・グルゼシャク
ヒットマン ピエト・パエス
ヒットマン シゴ・ハイニッシュ
アンドレ・クレメント ジョルジュ・ビゴ
レジ係 エリック・ウォーレン・シンガー
緑色のフェドラの男 フェデリコ・パシフィチ
テレビレポーター ブラッド・ホルブルック
ニューヨーク市長 ジョン・デブリース
美術館ビジター クリス・ヘンリー・コフィー
美術館ビジター アレックス・クランマー
ホイットマン少年 ロバート・サレルノ
目撃者 ニコール・シャルホブ
ミュージアム・ビジター ジョージ・アロイ
グッゲンハイム美術館ビジター アンダース・ブラムセン
レポーター ローガン・クロフォード
バスの乗客 ジョエル・クロス
ラビ・エリ エリ
葬儀参列者 レシト・ベルケル・エンホス
ホテルレディ マイユ・ゲオルギ
地方検事補 ナタリー・ゴールド
撃たれた被害者 タカコ・ヘイウッド
弁護士 ラース・ヨーマン
グッゲンハイム美術館ビジター スティーブン・J・クラスキー
サマンサ・サリンジャー エイミー・クウォレク
少女 リディア・ナポリ
空港の乗客 テルマ・オリアリー
少女ホイットマン イジー・パルミエリ
スカーコンの妻 クリスタ・パッシュ
観光客 ラファエロ・ペルフェット
トルコの男 ユスフ・ピスキン
バーの女子 ロベルタ・ポトリッチ
空港職員 ジハネ・タムリ
観光客 ポール・ダレン・ヴァリッキオ
グッゲンハイム美術館ビジター ニコラ・ワリエ
ミュリエル・ローグ エリザベス・ワトソン
グッゲンハイム美術館ビジター リッキー・ワトソン
グッゲンハイム美術館ビジター 山崎祐介
グッゲンハイム美術館ビジター アレクサンダー・ヤシン

スタッフ

担当 担当者
衣装デザイナー ギラ・ディクソン
衣装カッター ジャネット・アペル
衣装監督 イスタンブール メルギム・アタコグル
衣装監督 ニューヨーク ジョアンナ・ブレット
衣装監督 リビー・デンプスター
衣装主任 ライ・ドネリー
衣装 エレン・フィードラー
衣装 第2班 クラウディア・ゴンチョレク
衣装 オーウェン ゾーイ・ハーヴェイ
衣装 助手 草柳明子
衣装監督 ミラノ ガブリエラ・ロリア
衣装助手 リズ・マクレガー
衣装監督 ニューヨーク バージニア・D・パットン
衣装 第2班 バーバラ・シュラム
衣装 ヴィダ・ウォルフバウアー
衣装助手 カイル・キャラナン
衣装監督 ニューヨーク マーシャ・パッテン
衣装バイヤー ジュリア・シェル
衣装助手 リサ・スペングラー
メイクアップ ミラノ フルビア・バルトリ
メイクアップ アニタ・ブロリー
ヘアスタイル/メイクアップ アラベル・デッカー
ヘアスタイル主任 イスタンブール サヒン・グル
メイクアップ ナオミ レベッカ・ラフォード
メイクアップ ポーラ・ロイポルド
ヘアスタイル/メイクアップ 第2班 シルカ・リスク
ヘアスタイル/メイクアップ オーウェン ドルカ・ニエラジク
ヘアスタイル部長 ニューヨーク ジェフリー・レベロ
ヘアメイク部長 ビョルン・レーバイン
メイクアップ主任 イスタンブール メディハ・サファク
メイクアップ部長 ニューヨーク ヌリア・シッチャ
ヘアスタイル ナオミ ライアン・トライグスタッド
ヘアスタイル/メイクアップ 第2班 ゲルト・ツァイス
メイクアップ/ヘアスタイル ユセフ・ピスキン
この記事を書いた人
なむ

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