『殺人犯ジョン・リスト』(2020年)は実話ベースのスリラー映画。隣に住む殺人犯ジョン・リストの正体を知った少女が、家族を守るため立ち向かう物語。1時間30分の緊迫した展開。若手女優ジュリー・ベンツが主人公ステファニー役として印象的な演技を見せています。
プロフィール
- 邦題:殺人犯ジョン・リスト
- 原題:A Killer Next Door
- 公開年:2020年
- 製作国:米国
- 上映時間:90分
女優の活躍
本作では、若手女優ジュリー・ベンツが主人公ステファニー役として印象的な演技を見せています。彼女は、恐怖と勇気を同時に表現する難しい役どころを巧みに演じ、観客に感情移入を促します。特に、ステファニーがジョン・リストの不審な行動に気付き、家族を守るために決断を下す場面では、彼女の表情と動作が物語の緊張感を高めています。ジュリーは、TV番組『デクスター 警察官は殺人鬼』や『バフィー 恋する十字架』での経験を活かし、ステファニーの内面的な葛藤と成長を繊細に描写。彼女の演技は、物語の中心となる少女の視点を通じて、観客にサスペンスフルな体験を提供します。
また、脇を固める女優陣も重要な役割を果たしており、特に母親役のハンナ・フレイザーは、家族の絆と危機的状況での動揺を見事に演じ、物語に深みを加えています。ジュリーとハンナの掛け合いは、家族のリアルな関係性を表現し、物語の感情的な軸を支えています。
女優の衣装・化粧・髪型
ジュリー・ベンツ演じるステファニーの衣装は、典型的なアメリカの郊外に住むティーンエイジャーを反映したカジュアルなスタイルが中心です。ジーンズ、Tシャツ、軽いスニーカーといった日常的な服装が、彼女の普通の少女らしさを強調し、観客に親近感を与えます。物語が進むにつれ、緊迫感が増す場面では、動きやすい服装が強調され、彼女の行動的な性格を視覚的に表現しています。化粧は控えめで、ナチュラルメイクが基本。ステファニーの若さと純粋さを引き立てるため、薄いファンデーションと淡いリップカラーが使用されています。髪型は、シンプルなポニーテールやナチュラルなダウンスタイルが主で、日常的な生活感を演出。危機的な場面では、髪がやや乱れることで彼女の焦りと緊張が表現されています。
一方、ハンナ・フレイザー演じる母親の衣装は、家庭的な雰囲気を反映した柔らかい色調のブラウスやカーディガンが多く、母親としての温かさと同時に、不安や疑念を抱く女性の微妙な心理を表現しています。彼女の化粧もナチュラルで、年齢相応の落ち着いた印象を与えます。髪型は、ミディアムレングスのゆるいウェーブで、家庭的な雰囲気と品格を兼ね備えたスタイルです。
これらの衣装とメイクは、キャラクターの個性や物語のトーンを効果的に補強しています。
あらすじ
『殺人犯ジョン・リスト』は、1971年にアメリカで実際に起きたジョン・リスト事件を基にしたサスペンス・スリラーです。物語は、郊外の静かな住宅街に引っ越してきた少女ステファニーとその家族を中心に展開します。
新しい隣人であるジョン・リスト事件は、一見すると礼儀正しく親しみやすい男性ですが、ステファニーは彼の奇妙な行動に疑念を抱き始めます。ジョンが隠す暗い秘密に気付いたステファニーは、彼が家族を危険に晒す殺人犯であることを知り、家族を守るため行動を起こします。ジョン・リストの正体が明らかになるにつれ、ステファニーと家族は恐怖と緊張に満ちた状況に追い込まれ、彼女の勇気と機転が試されます。
物語は、家族の絆と正義をテーマに、緊迫感あふれる展開で進行し、観客を引き込みます。ステファニーの視点を通じて、隣人の裏の顔と、それに立ち向かう少女の成長が描かれ、ラストでは衝撃的な真実が明らかに。実話を基にした重厚なストーリーが、観客に深い印象を残します。
解説
『殺人犯ジョン・リスト』は、実在の犯罪者ジョン・リスト事件の事件を題材にした実話ベースの作品で、1970年代のアメリカ郊外の雰囲気を見事に再現しています。監督のアンドリュー・ジョーンズは、低予算ながらも緊張感のある演出で、サスペンス映画としての魅力を引き出しています。本作の特徴は、少女ステファニーの視点を通じて物語が進む点で、観客は彼女の目線でジョン・リスト事件の不気味な行動を追体験します。この手法は、視聴者に強い感情移入を促し、隣人への不信感や恐怖をリアルに感じさせます。
映画は、家族の絆や正義感をテーマに掲げつつ、実際の事件に基づく重い現実を描くことで、単なるスリラー以上の深みを持っています。映像美としては、郊外の静かな街並みと、リストの不気味な存在感が対比的に描かれ、緊張感を高めています。音楽も効果的で、不穏なメロディが物語の緊迫感を増幅。低予算ながらも、キャストの演技力と脚本の緻密さが、物語のリアリティを支えています。ただし、一部の批評家は、ストーリーの展開がやや予測可能である点や、歴史的背景の掘り下げが不足している点を指摘しています。それでも、ジュリー・ベンツの説得力ある演技と、実際の事件を基にしたストーリーの重厚さが、観客に強い印象を与える作品となっています。サスペンス映画のファンや、実話ベースの物語に興味がある方にとって、十分に見応えのある一本です。
キャスト
- ジュリー・ベンツ:ステファニー役:家族を守るため勇敢に立ち向かう少女
- ウィリアム・マクナマラ – ジョン・リスト役:不気味な隣人で実在の殺人犯
- ハンナ・フレイザー – ステファニーの母親役:家族の絆を象徴する存在
- デヴィッド・ハーパー – ステファニーの父親役:危機的状況で葛藤する父親
- ジェイク・トゥルーリー – ボブ役:ステファニーの友人で協力者
スタッフ
- 監督:アンドリュー・ジョーンズ
- 脚本:アンドリュー・ジョーンズ、シャロン・ジョーンズ
- 製作:アンドリュー・ジョーンズ、ロバート・グラハム
- 音楽:サミュエル・ウィリアムズ
- 撮影:ジョナサン・スミス
- 編集:マイケル・ブラウン
- 美術:エマ・テイラー
レビュー 作品の感想や女優への思い