アリエンヌ・マンディ（Arienne Mandi）は、1994年4月8日生まれの米国カリフォルニア州出身の女優。チリとイランにルーツを持ち、英語、スペイン語、フランス語、ペルシア語を流暢に話す。『Lの世界 ジェネレーションQ』のダニ・ヌニェス役や『TATAMI』のレイラ・ホセイニ役で知られ、多様な文化的背景と格闘技経験を生かした演技で注目を集める。
プロフィール
- 名前：アリエンヌ・マンディ（Arienne Mandi）
- 生年月日：1994年4月8日（31歳）
- 出生地：米国カリフォルニア州ロサンゼルス
- 職業：女優
- 著名な家族：ナザニン・マンディ（従姉妹）
- SNSサイト：Instagram
生い立ち・教育
アリエンヌ・マンディは、1994年4月8日にアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれました。彼女の父親はイラン人で、母親はチリ人で、イタリアの血も引く多様な文化的背景を持つ家庭で育ちました。この多文化的な環境は、彼女の言語能力と世界観に大きな影響を与え、英語、スペイン語、フランス語、ペルシア語を流暢に話すことができるようになりました。特にペルシア語は、父親の影響で学び、毎年夏休みにイランを訪れていた経験から自然に身につけたとされています。
マンディは幼少期から表現することに興味を持ち、演技やパフォーマンスに魅了されていました。彼女の教育背景については詳細な情報は限られていますが、ロサンゼルスの多文化的な環境で育ち、地元の学校で学びながら、芸術やパフォーマンスへの情熱を育んだと考えられます。彼女は格闘技にも興味を持ち、後にボクシングを本格的に学ぶことで、身体的な表現力を磨きました。この経験は、後に『TATAMI』のようなアクション性の高い役柄で活かされることになります。
経歴
アリエンヌ・マンディの女優としてのキャリアは、TV番組や映画での脇役から始まりました。彼女は『Hawaii Five-0』、『NCIS ネイビー犯罪捜査班』、『Agent X』、『NCIS：LA 極秘潜入捜査班』などの人気TV番組にゲスト出演し、徐々にその存在感を示しました。これらの作品では小さな役柄が多かったものの、彼女の多言語能力と自然な演技力が注目され、さらなる機会につながりました。[]()
ブレイクのきっかけとなったのは、2019年に放送開始されたドラマ『Lの世界 ジェネレーションQ』でのダニ・ヌニェス役です。このシリーズは、LGBTQIA+のコミュニティをテーマにしたドラマ『Lの世界』の続編で、マンディはイラン系アメリカ人のビジネスウーマン、ダニを演じました。ダニは野心的なキャラクターで、複雑な恋愛や家族関係を背景に成長する姿が描かれ、視聴者や批評家から高い評価を受けました。マンディの演技は、感情の機微を表現する力と、文化的背景を反映したリアルなキャラクター造形で称賛され、彼女の名を一躍広めました。
映画では、2022年のロマンティック・コメディ『Love, Classified』でフランセスカ・“フランキ”・マーリー役を演じ、軽快で魅力的な演技を見せました。また、Netflixの人気シリーズ『ナイト・エージェント』シーズン2ではノール・タヘリ役で出演し、アクションとドラマの両方で存在感を示しています。
2023年に公開された映画『TATAMI』は、マンディのキャリアにおける重要な一歩となりました。この作品は、イスラエル出身の監督ガイ・ナッティヴとイラン出身の俳優ザーラ・アミールが共同監督を務め、イラン人柔道選手レイラ・ホセイニを主人公にした社会派ドラマです。マンディはレイラ役を演じ、厳しいトレーニングを経て柔道の動きを習得し、ペルシア語での台詞を流暢に話すことで、リアリティある演技を披露しました。『TATAMI』は東京国際映画祭で審査委員特別賞と最優秀女優賞（ザーラ・アミール）を受賞し、マンディの演技も高く評価されました。彼女の格闘技経験とイラン文化への理解が、この役に深みを与えたと監督も語っています。
マンディは、2022年に公開された短編ドキュメンタリー『Arienne Mandi | Why I Fight』でも取り上げられ、ボクシングへの情熱とその背景にある彼女の人生観が描かれました。このドキュメンタリーは、彼女の身体能力と精神的な強さを強調し、役者としての準備に対する真剣な姿勢を示しています。
私生活
アリエンヌ・マンディは私生活について多くを公にしていませんが、彼女のインタビューや発言から、家族や文化的ルーツを非常に大切にしていることが伺えます。彼女はイランにルーツを持つ父親との関係を通じて、ペルシア語やイラン文化に深く親しんできました。また、毎年イランを訪れていた経験から、イラン社会における女性の抑圧や文化的規範に対する理解を深め、それが『TATAMI』での役作りに反映されました。
彼女のセクシュアリティについては、『シザリング・イズント・ア・シング』のポッドキャストで、「私が感じていることに近いものがあるとすれば、それはパンでしょう。私はあらゆる形の愛を受け入れ、愛を与える。ただ全てが愛なんです」と語り、パンセクシュアルであることを示唆しています。この発言は、彼女が演じた『Lの世界 ジェネレーションQ』のダニ役とも共鳴し、LGBTQIA+コミュニティからの支持を集めました。
また、彼女は女優のナザニン・マンディが従姉妹であることを明らかにしており、家族内に芸能活動に従事する者がいることも彼女のキャリアに影響を与えた可能性があります。マンディは、ボクシングや格闘技を通じて心身のバランスを保ち、役者としての表現力を高めています。
出演作品
以下はアリエンヌ・マンディの主な出演作品です（映画とテレビシリーズを中心に）。
TV
- Hawaii Five-0（2010年～） – ゲスト出演
- NCIS ネイビー犯罪捜査班（2003年～） – ゲスト出演
- Agent X（2015年） – ゲスト出演
- NCIS：LA 極秘潜入捜査班（2009年～） – ゲスト出演
- In The Vault（2017年） – 出演
- Lの世界 ジェネレーションQ（2019年～2023年） – ダニ・ヌニェス役（主要キャスト）
- ナイト・エージェント（シーズン2、2025年） – ノール・タヘリ役
映画
- Baja（2018年） – 主演
- Love, Classified（2022年） – フランセスカ・“フランキ”・マーリー役
- TATAMI（2023年、日本公開2025年） – レイラ・ホセイニ役
ドキュメンタリー
- Arienne Mandi | Why I Fight（2022年） – 本人役
これらの作品は、彼女の多才な演技力と、アクションからドラマまで幅広いジャンルでの活躍を示しています。特に『TATAMI』では、柔道選手としての身体的な挑戦と、文化的・政治的なテーマを扱う複雑な役柄を見事に演じ切り、国際的な評価を得ました。
まとめ
アリエンヌ・マンディは、多様な文化的背景と言語能力を活かし、テレビや映画で着実にキャリアを築いてきた女優です。『Lの世界 ジェネレーションQ』でのブレイクを皮切りに、『TATAMI』での主演で国際的な注目を集めました。彼女の格闘技への情熱や文化的ルーツへの敬意は、演技に深みを与え、観客に強い印象を残しています。今後も、彼女の多才な才能と社会的なテーマに挑む姿勢が、さらなる活躍を約束するでしょう。
レビュー 作品の感想や女優への思い