『ベアリー・リーサル』(2015年)は、暗殺者養成学校の少女メーガンが普通の高校生活を夢見て潜入し、アクションとコメディが交錯する青春物語。ヘイリー・スタインフェルド主演、カイル・ニューマン監督。
基本情報
- 邦題:ベアリー・リーサル
- 原題:Barely Lethal
- 公開年:2014年
- 上映時間:98分
- ジャンル:アクション
女優の活躍
『ベアリー・リーサル』は、若手女優ヘイリー・スタインフェルドの主演作として注目を集めました。彼女は本作で、暗殺者として育てられた少女メーガン・ウォルシュ(エージェント83)を演じ、アクションシーンと青春コメディの両方でその才能を発揮しました。スタインフェルドは、14歳で『トゥルー・グリット』(2010)に出演し、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた実績を持つ実力派で、本作ではアクションのキレの良さと、ティーンエイジャーらしい感情豊かな演技をバランスよく披露。特に、暗殺者としての冷徹さと、普通の高校生としての無垢な憧れを両立させる演技は、物語の中心として観客を引き込みます。戦闘シーンでは、訓練された暗殺者らしい身のこなしを見せつつ、コミカルな場面では等身大の少女らしい表情で魅力を放ちます。
共演のジェシカ・アルバは、ゴージャスな美人暗殺者ヴィクトリア・ノックス役で登場。『シン・シティ』や『スパイキッズ』シリーズで知られるアルバは、悪役としてのカリスマ性を発揮し、スタインフェルドとの対決シーンで緊張感を高めます。彼女のアクションシーンは流麗で、ヴィクトリアの冷酷かつ魅力的なキャラクターを体現。ソフィー・ターナー(『ゲーム・オブ・スローンズ』のサンサ役で有名)は、メーガンのライバルであるエージェント84(ヘザー)を演じ、競争心と複雑な感情を表現。ダヴ・キャメロンも高校生役で青春らしい活気を添え、女性キャスト陣の多様な魅力が作品を彩ります。
女優の衣装・化粧・髪型
ヘイリー・スタインフェルド演じるメーガンの衣装は、物語の二面性を反映しています。暗殺者としてのシーンでは、黒を基調とした機能的でタイトな戦闘服を着用。シンプルで動きやすさを重視したデザインは、彼女のプロフェッショナルな一面を強調します。一方、高校生として潜入する場面では、カジュアルでトレンディなティーンらしいファッションが登場。デニムジャケット、Tシャツ、スニーカーといったラフなスタイルや、プロムでの華やかなドレスが彼女の「普通の少女」としての憧れを表現。化粧はナチュラルで、ティーンらしいフレッシュさを保ちつつ、アクションシーンでは汗や汚れでリアルな戦闘感を演出。髪型は、任務中はポニーテールや編み込みで実用的、学生生活ではルーズなウェーブやハーフアップで若々しく変化。
ジェシカ・アルバのヴィクトリアは、セクシーで洗練された衣装が特徴。レザージャケットやタイトなドレスで、武器商人らしい妖艶さを強調します。化粧は濃いアイラインとリップで強烈な印象を与え、ブロンドのロングヘアはゆるやかなカールでゴージャス感を演出。ソフィー・ターナーのヘザーは、ダークトーンの衣装でメーガンとの対比を表現し、ストレートのロングヘアと控えめなメイクでクールな雰囲気を醸し出します。ダヴ・キャメロンは、カラフルでポップな衣装と明るいメイクで、典型的なアメリカの高校生らしい活発さを表現しています。
あらすじ
政府が運営するプレスコット・アカデミーで、孤児の少女たちは暗殺者として厳格な訓練を受けています。エージェント83ことメーガン・ウォルシュ(ヘイリー・スタインフェルド)は、鬼教官ハードマン(サミュエル・L・ジャクソン)のもとでトップの成績を誇る優秀な暗殺者ですが、内心では『ビバリーヒルズ高校白書』や『ミーン・ガールズ』のような普通のティーンライフに憧れています。ある日、彼女は美人暗殺者ヴィクトリア・ノックス(ジェシカ・アルバ)の捕獲任務を受け、成功するものの、仲間とはぐれてしまいます。この機会を利用し、メーガンは自分の死を偽装し、カナダからの交換留学生としてアメリカの郊外の高校に潜入。普通の高校生として新たな生活を始めます。
しかし、平和な学園生活は長く続きません。ヴィクトリアが脱走し、メーガンの居場所を突き止め、復讐のために迫ります。さらに、プレスコット・アカデミーからも追手が送られ、メーガンは暗殺者としての過去と向き合うことに。友人や恋の相手との青春を楽しみつつ、命を賭けた戦いに身を投じるメーガンの奮闘が、アクションとコメディの融合で描かれます。果たして、彼女は普通の生活を守り抜けるのか、それとも暗殺者の宿命に引き戻されるのか――。
解説
『ベアリー・リーサル』は、アクションと青春コメディを融合させたユニークな作品です。監督のカイル・ニューマンは、『ファンボーイズ』で培ったポップカルチャーへの愛を本作でも発揮し、ティーン向け映画のパロディやオマージュを散りばめています。暗殺者というシリアスな設定と、ハイスクールライフの軽快なコメディが交錯し、『ニキータ』や『キック・アス』のようなアクション映画と、『ミーン・ガールズ』のような青春映画の要素を巧みにブレンド。メーガンの内面的葛藤――自由と普通の生活への憧れと、訓練された暗殺者としての責任感――が物語の核となり、観客に感情移入を促します。
特に、ヘイリー・スタインフェルドの自然体な演技が、アクションとコメディの橋渡し役として機能。彼女のキュートな魅力と、戦闘シーンでのキレのある動きが作品のトーンを支えます。サミュエル・L・ジャクソンのハードマンは、厳格ながらもユーモラスな存在感で物語に深みを加え、ジェシカ・アルバのヴィクトリアは典型的な悪役ながらも魅力的な敵役として機能します。批評家からは賛否両論で、ストーリーの単純さや予測可能な展開を指摘する声もありましたが、ティーン向けの軽快なエンターテインメントとしては十分な成功を収めました。視聴者レビューでは、平均スコア3.2~3.3点(FilmarksやYahoo!映画)と、気軽に楽しめる作品として評価されています。
キャスト
- ヘイリー・スタインフェルド:メーガン・ウォルシュ(エージェント83)。暗殺者から普通の高校生を目指す主人公。
- ジェシカ・アルバ:ヴィクトリア・ノックス。ゴージャスで冷酷な美人暗殺者。
- サミュエル・L・ジャクソン:ハードマン。プレスコット・アカデミーの鬼教官。
- ソフィー・ターナー:ヘザー(エージェント84)。メーガンのライバル。
- ダヴ・キャメロン:リズ・ラーソン。メーガンの高校の友人。
- トーマス・マン:ロジャー・マーカス。メーガンの恋の相手。
ほかに、ガブリエル・バッソ、トビー・セバスチャン、ダン・フォグラー、ロブ・ヒューベル、ジェイミー・キングら、脇を固める高校生や大人たち。
スタッフ
- 監督:カイル・ニューマン(『ファンボーイズ』)
- 脚本:ジョン・D・アルコ
- 製作:バネッサ・コイフマン、テッド・ハートリー、ブレット・ラトナー、ジョン・チェン
- 撮影:ピーター・ライオンズ・コリスター
- 美術:アンドリュー・ネスコロムニー
- 編集:リサ・ゼノ・チャージン
- 音楽:マテオ・メッシーナ
結論
『ベアリー・リーサル』は、アクションと青春コメディの軽快な融合が魅力の作品です。ヘイリー・スタインフェルドのフレッシュな演技と、ジェシカ・アルバやソフィー・ターナーらの共演が、物語に多彩な魅力をもたらします。衣装や髪型はキャラクターの二面性を表現し、ティーン向けのポップな世界観を強調。気軽に楽しめるエンターテインメントとして、青春とアクションの両方を求める視聴者にオススメです。
レビュー 作品の感想や女優への思い