スティーヴン・ソダーバーグ監督のスパイ・スリラー『ブラックバッグ』は2025年9月26日日本公開。ケイト・ブランシェットとマイケル・ファスベンダー主演。国家機密漏洩を巡る夫婦スパイの頭脳戦が展開するミステリー・サスペンス。緊張感溢れる93分の物語。
基本情報
- 邦題：ブラックバッグ
- 原題：Black Bag
- 上映日：2025年09月26日
- 製作国：英国
- 上映時間：94分
- ジャンル：ドラマ、スリラー
- 配給：パルコ、ユニバーサル映画
女優の活躍
『ブラックバッグ』では、ケイト・ブランシェットが主要な女性キャラクターのキャサリン・ウッドハウスを演じ、圧倒的な存在感を示しています。ブランシェットは、アカデミー賞受賞歴のある実力派女優として知られ、『TAR／ター』（2022年）や『オーシャンズ8』（2018年）での演技が高く評価されています。本作では、エリート諜報員の妻であり、情報漏洩の容疑者として疑われる複雑な役柄を演じます。彼女の演技は、感情の機微と知的なスパイとしての冷静さを絶妙に融合させ、観客を引き込む力があります。予告編では、夫ジョージ（マイケル・ファスベンダー）との心理戦や、秘密を抱えたミステリアスな女性像を巧みに表現しており、物語の中心的な緊張感を牽引しています。
また、マリサ・アベラが衛星画像のスペシャリストであるクラリッサ役、ナオミ・ハリスが局内カウンセラーのゾーイ役として出演し、それぞれ重要な脇役として物語に深みを加えています。アベラは『バービー』（2023年）での王女バービー役や『Back to Black』（2024年）のエイミー・ワインハウス役で注目を集めており、本作では技術的な専門知識を持つ若手諜報員を演じます。一方、ハリスは『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』（2021年）での演技経験を活かし、心理戦に長けたゾーイ役でスパイたちの内面を掘り下げる役割を担っています。両女優とも、ブランシェットと対峙するシーンで独特の個性を発揮し、物語のサスペンスを高めています。
女優の衣装・化粧・髪型
ケイト・ブランシェットの衣装は、スタイリッシュで洗練されたスパイらしいデザインが特徴です。予告編や関連情報によると、彼女はダークトーンのテーラードスーツやトレンチコートを着用し、都会的で知的な印象を与えます。衣装は、ソダーバーグ監督の過去作『オーシャンズ8』でのブランシェットのファッションに通じる、モダンかつ機能的なスタイルを採用。化粧は控えめで、ナチュラルなベースメイクにダークリップやスモーキーなアイメイクを施し、ミステリアスな雰囲気を強調しています。髪型は、タイトにまとめたアップスタイルや、緩やかなウェーブのかかったショートヘアで、シーンに応じて変化。彼女の外見は、プロフェッショナルな諜報員としての信頼感と、個人的な葛藤を抱える女性の繊細さを表現しています。
マリサ・アベラのクラリッサは、現代的なテクノロジー専門家らしく、スマートカジュアルな衣装が目立ちます。シャツとパンツの組み合わせに、ミニマルなアクセサリーを加えたスタイルで、若々しくもプロフェッショナルな印象を与えます。化粧は軽やかなトーンで、ナチュラルメイクが中心。髪型はボブカットで、動きやすさと知性を兼ね備えたデザインです。
一方、ナオミ・ハリスのゾーイは、落ち着いた色合いのドレッシーな衣装をまとい、カウンセラーとしての温かみとスパイとしての鋭さを両立。化粧は柔らかな印象を与えるピンク系のチークやリップを用い、髪はエレガントなロングヘアでまとめられることが多いです。これらの衣装や外見は、キャラクターの役割や個性を視覚的に補強し、物語の緊張感を高めています。
あらすじ
英国の国家サイバーセキュリティセンター（NCSC）に所属するエリート諜報員ジョージ・ウッドハウス（マイケル・ファスベンダー）は、世界を揺るがす不正プログラム「セヴェルス」の漏洩事件を調査する機密任務「ブラックバッグ」を任されます。容疑者は、ジョージの同僚であるフレディ（トム・バーク）、ジミー（レゲ＝ジャン・ペイジ）、情報分析官クラリッサ（マリサ・アベラ）、局内カウンセラーのゾーイ（ナオミ・ハリス）、そしてジョージの妻で凄腕諜報員のキャサリン（ケイト・ブランシェット）の5人に絞られます。ジョージは、妻の潔白を信じつつ、1週間のタイムリミット内で裏切り者を見つけ出す任務に挑みます。
ある夜、ジョージは容疑者全員をディナーに招待し、食事に仕込まれた薬とアルコールの効果を利用して彼らの本音を引き出そうと試みます。しかし、このディナーは単なる社交の場ではなく、ジョージが仕掛けた心理戦の舞台。容疑者たちの意外な関係性や隠された動機が明らかになる中、ジョージは巧妙な「ゲーム」を展開します。国家への忠誠と妻への愛の間で揺れるジョージは、罠と嘘が交錯する状況で真実を見抜けるのか。物語は、緊張感とミステリーに満ちた展開で観客を引き込みます。
解説
『ブラックバッグ』は、スティーヴン・ソダーバーグ監督の特徴であるスタイリッシュな演出と緻密なストーリー・テリングが光るスパイ・スリラー。ソダーバーグは『オーシャンズ』シリーズや『コンテイジョン』（2011年）で知られるように、複雑なプロットを視覚的に魅力的に描く名手。本作では、アクションよりも会話劇と心理戦に重点を置き、室内での緊迫したやり取りを通じてサスペンスを構築します。93分というコンパクトな上映時間の中で、テンポの速い展開と濃密なドラマが展開され、観客に息つく暇を与えません。
物語の中心テーマは、忠誠心と裏切りの葛藤です。ジョージとキャスリンの夫婦関係は、スパイとしてのプロフェッショナリズムと個人的な感情の間で揺れ動き、観客に「誰を信じるべきか」という疑問を投げかけます。脚本を担当したデヴィッド・コープは、『ミッション：インポッシブル』（1996年）や『スパイダーマン』（2002年）で培った経験を活かし、緻密なプロットと意外性のある展開を織り交ぜています。ソダーバーグとの過去のコラボレーション（『KIMI サイバー・トラップ』『プレゼンス 存在』）も、本作の完成度を高める要因となっています。
また、本作はロンドンでの撮影を通じて、英国らしい洗練された雰囲気を取り入れています。ぼんやりとした照明や曇った色調が、物語の不穏なムードを強調。レビューでは「ちんぷんかんぷんでも面白い」「会話劇が独特の魅力」と評される一方で、英語の聞き取りにくさや複雑なプロットが一部で挑戦的とされています。それでも、ソダーバーグらしい小規模ながらも濃厚なサスペンスは、観客に独特の余韻を残します。
キャスト
- ジョージ・ウッドハウス：マイケル・ファスベンダー（『それでも夜は明ける』『スティーブ・ジョブズ』）
- キャサリン・ウッドハウス：ケイト・ブランシェット（『TAR／ター』『オーシャンズ8』）
- フレディ：トム・バーク（『マンク』）
- ジミー：レゲ＝ジャン・ペイジ（『ブリジャートン家』）
- クラリッサ：マリサ・アベラ（『バービー』）
- ゾーイ：ナオミ・ハリス（『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』）
- アーサー：ピアース・ブロスナン（『007』シリーズ）
スタッフ
- 監督：スティーヴン・ソダーバーグ（『オーシャンズ』シリーズ、『コンテイジョン』）
- 脚本：デヴィッド・コープ（『ミッション：インポッシブル』『スパイダーマン』）
- 製作：ケイシー・シルヴァー、グレッグ・ジェイコブス
- 配給：フォーカス・フィーチャーズ（米国）、パルコ（日本）
まとめ
本作は、ソダーバーグ監督の巧みな演出と豪華キャストによる緊張感溢れるスパイ・スリラー。ケイト・ブランシェットの演技とスタイリッシュなビジュアルが、物語のミステリーを一層際立たせます。
レビュー 作品の感想や女優への思い