ボー・デレク(Bo Derek)は米国の女優・モデル。カリフォルニア州ロングビーチ出身。映画『テン』(1979年)でブレイクし、セックスシンボルとして一世を風靡。夫ジョン・デレク監督作にも多数出演。2020年に俳優ジョン・コーベットと結婚。
プロフィール
- 名前:ボー・デレク(Bo Derek)
- 本名:メアリー・キャスリーン・コリンズ(Mary Cathleen Collins)
- 生年月日:1956年11月20日(68歳)
- 出生地:米国カリフォルニア州ロングビーチ
- 国籍:米国
- ジャンル:女優
- SNSサイト:X・Facebook
生い立ち・教育
ボー・デレクは、1956年11月20日、カリフォルニア州ロングビーチにメアリー・キャスリーン・コリンズとして生まれました。父ポール・コリンズは広告会社の重役、母ノーマ・コリンズは女優アン=マーグレットのスタイリストとして働いていました。両親の影響で、幼少期から芸能界に近い環境で育ち、華やかな世界に興味を抱きました。彼女には姉と2人の弟がおり、比較的裕福な家庭で育ちました。
高校は地元のナarbonne High Schoolに通いましたが、学業よりもモデル活動に早くから関心を示しました。10代の頃、彼女はすでにその美貌を活かし、モデルとして活動を開始。広告やファッション関連の仕事を通じて、業界での足がかりを築きました。正式な演技の教育は受けていませんが、モデルとしての経験が彼女の表現力やカメラ慣れに大きく寄与しました。後にタレント・エージェントを通じて、俳優兼映画監督のジョン・デレクと出会ったことが、彼女の人生とキャリアを大きく変えるきっかけとなりました。
経歴
ボー・デレクの女優としてのキャリアは、1970年代初頭に始まりました。1972年、16歳の時にジョン・デレク監督の映画『Once Upon a Love』(後に『Fantasies』として1981年に公開)に出演し、映画デビューを果たします。この作品は、彼女がジョン・デレクと出会った直後に撮影されたもので、彼の指導のもと、女優としての第一歩を踏み出しました。しかし、この映画は公開が遅れ、彼女の名が広く知られるのは後の作品によるものでした。
1977年、彼女は映画『オルカ』(Orca)に出演。この作品では脇役ながら、注目を集め始めました。彼女のキャリアにおける最大の転機は、1979年のブレイク・エドワーズ監督のロマンティック・コメディ『テン』(10)です。この映画で、彼女は「10点満点の美女」として登場し、そのセクシーなビジュアルとビキニ姿でのビーチシーンが話題を呼び、一躍スターダムにのぼりました。この役は彼女にゴールデングローブ賞の新人女優賞ノミネーションをもたらし、セックスシンボルとしての地位を確立しました。
その後、彼女は夫ジョン・デレク監督の作品に多く出演しました。1981年の『類猿人ターザン』(Tarzan, the Ape Man)ではジェーン役を演じ、彼の演出により彼女の美貌が強調されました。しかし、この映画は批評家から酷評され、内容よりも彼女の外見に焦点が当てられたプロモーションが目立ちました。同様に、1984年の『ボレロ』(Bolero)や1989年の『Ghosts Can’t Do It』も、ジョン・デレクの監督作で、芸術性よりも彼女の魅力を前面に出した作品として知られています。これらの作品は商業的には成功したものの、批評的には厳しい評価を受けることが多く、彼女の演技力に対する議論も生じました。
1990年代以降、彼女の映画出演は減少しましたが、テレビ映画やゲスト出演などで活動を続けました。1995年の『クリス・ファーレイはトミー・ボーイ』(Tommy Boy)や2015年の『シャークネード エクストリーム・ミッション』(Sharknado 3: Oh Hell No!)など、コメディやB級映画にも出演し、新たなファン層を獲得しました。また、モデルとしてのキャリアも並行して続け、ファッションや広告業界での仕事も行いました。
ボー・デレクは、女優としての活動に加え、動物保護活動家としても知られています。特に野生馬の保護に情熱を注ぎ、関連する慈善活動に参加しています。彼女のキャリアは、セックスシンボルとしてのイメージが強い一方で、自身の信念に基づく活動にも力を入れることで、多面的な人物像を築き上げました。
私生活
ボー・デレクの私生活は、彼女のキャリアと同様に注目を集めてきました。1973年、16歳の時に30歳年上のジョン・デレクと出会い、彼との関係が始まりました。ジョンは当時、女優リンダ・エヴァンスと結婚していましたが、ボーとの関係が深まるにつれ離婚。1976年、ボーが20歳の時に二人は結婚しました。この結婚は、年齢差やジョンの監督としての影響力から、メディアで大きく取り上げられました。ジョン・デレクは彼女のキャリアを形成する重要な存在であり、彼の監督作品における彼女の出演は、夫婦の共同作業とも言えるものでした。
ジョン・デレクとの結婚生活は、彼が1998年に心臓発作で亡くなるまで続きました。ジョンとの関係は、彼女の人生において最も重要なパートナーシップであり、彼の死後、彼女はしばらく公の場での恋愛を控えていました。しかし、2002年頃から俳優ジョン・コーベット(『セックス・アンド・ザ・シティ』で知られる)と交際を開始。2017年以降、モンテカルロTVフェスティバルやセレブリティ・ファイト・ナイトなど、複数のイベントで一緒に姿を見せ、親密な関係が報じられました。2020年、ボーはジョン・コーベットと結婚。彼女はメディアのインタビューで「とても幸せ」と語り、コーベットとの関係が彼女に新たな活力を与えていることを明かしています。
私生活では、ボーはカリフォルニアを拠点に生活し、動物愛好家としても知られています。特に馬と犬を愛し、自身の牧場で馬を育てながら、野生馬保護のための活動にも積極的に参加しています。彼女のライフスタイルは、都会の喧騒から離れ、自然と調和した静かな暮らしを好む傾向にあります。
出演作品
以下は、ボー・デレクの代表的な出演作品です。
- オルカ(Orca, 1977):シャチをテーマにしたスリラー映画。彼女の初期の重要な役の一つ。
- テン(10, 1979):ブレイク・エドワーズ監督のロマンティック・コメディ。彼女のキャリアの頂点であり、セックスシンボルとしての地位を確立した作品。
- 類猿人ターザン(Tarzan, the Ape Man, 1981):ジョン・デレク監督。ジェーン役で出演し、視覚的な魅力が強調されたが、批評家からは酷評された。
- ボレロ(Bolero, 1984):ジョン・デレク監督。情熱的なラブストーリーだが、芸術性よりも彼女の美貌が注目された。
- Ghosts Can’t Do It(1989):ジョン・デレク監督。彼女の出演作の中でも評価が低く、ゴールデンラズベリー賞を受賞。
- クリス・ファーレイはトミー・ボーイ(Tommy Boy, 1995):コメディ映画で、彼女のコミカルな一面が見られる。
- シャークネード エクストリーム・ミッション(Sharknado 3: Oh Hell No!, 2015):B級映画の人気シリーズで、彼女のユーモアセンスが光る。
その他、テレビドラマや映画でのゲスト出演も多数あり、彼女のキャリアは多岐にわたります。
まとめ
ボー・デレクは、映画『テン』での鮮烈なデビュー以来、セックスシンボルとしてのイメージが強い女優ですが、モデル、動物保護活動家としての顔も持ち合わせています。ジョン・デレクとの結婚と彼の監督作への出演は、彼女のキャリアと私生活の両方を形成する大きな要素でした。晩年にはジョン・コーベットとの新たなパートナーシップを築き、穏やかで充実した生活を送っています。彼女の出演作品は、批評的な成功よりも大衆文化への影響力が強く、現代でもその美貌と存在感は語り継がれています。
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