[PR]日用品もDVD/Blu-rayも便利な楽天市場で

恋する惑星

「見どころ」にPR表現を含みます。

『恋する惑星』(1994年、香港)はウォン・カーウァイ監督によるスタイリッシュな恋愛映画。香港の重慶大厦を舞台に、2人の刑事と女性たちのすれ違う恋模様を描く。ポップな映像と音楽で90年代香港の空気感を切り取り、世界的に評価された名作。

スポンサーリンク

基本情報

  • 邦題:恋する惑星
  • 原題:重慶森林
  • 英題:Chungking Express
  • 公開年:1994年
  • 製作国:香港
  • 上映時間:101分
  • ジャンル:ドラマ
  • 配給:アンプラグド
スポンサーリンク

女優の活躍

『恋する惑星』には、ブリジット・リンとフェイ・ウォンという二人の女優が主要な役で出演し、それぞれ独自の魅力で作品に深みを加えています。

ブリジット・リン(金髪の女/麻薬密売人)

ブリジット・リンは、香港映画界のレジェンドとして知られ、本作では第1部に登場する謎めいた金髪の女を演じました。彼女の演技は、冷たくミステリアスな雰囲気と内に秘めた脆弱性を巧みに表現し、観客を引き込みます。特に、麻薬密売人としてのクールな外見と、孤独や不安を抱える人間的な一面を同時に演じ分けることで、物語に緊張感と感情的な奥行きを与えました。彼女の存在感は、ウォン・カーウァイの独特な映像美と相まって、映画の前半を象徴する印象的なシーンを生み出しています。ブリジット・リンは本作以前にも『剣客之恋』や『スウォーズマン』シリーズで活躍していましたが、本作での演技は彼女のキャリアにおいて新たな一面を見せ、国際的な注目を集めました。

フェイ・ウォン(フェイ)

フェイ・ウォンは、第2部でハンバーガーショップの店員フェイを演じ、独特の個性とチャームで観客を魅了しました。歌手としてすでに人気を博していたフェイ・ウォンにとって、本作は女優としてのブレイク作となりました。彼女の演じるフェイは、自由奔放で少し風変わりな性格が特徴で、特に刑事633号の部屋に忍び込んで片付けや模様替えをするシーンは、彼女の天真爛漫さと繊細さを絶妙に表現しています。フェイ・ウォンの自然体な演技は、ウォン・カーウァイの即興的な演出スタイルとも調和し、キャラクターに生き生きとした生命を吹き込みました。また、彼女が歌う主題歌「夢中人」(The Cranberriesの「Dreams」のカバー)は映画の象徴となり、彼女の音楽的才能も作品の成功に大きく貢献しました。フェイ・ウォンは本作以降、女優としても高い評価を受け、『2046』などウォン監督の他の作品にも出演しています。

スポンサーリンク

女優の衣装・化粧・髪型

ブリジット・リンの衣装・化粧・髪型

ブリジット・リン演じる金髪の女は、麻薬密売人という設定を反映した独特のスタイルが特徴です。彼女のトレードマークは金髪のウィッグと大きなサングラスで、これによりミステリアスで近寄りがたい雰囲気を演出しています。衣装は主にレインコートと黒を基調としたシンプルかつ実用的な装いで、香港の雑踏や夜の闇に溶け込むようなデザインです。レインコートは、彼女の用心深さと外界との距離感を象徴し、物語の緊張感を高めています。化粧は控えめで、強いアイラインと淡いリップが彼女のクールなイメージを強調。髪型は金髪ウィッグによるショートカットで、男性的な要素と女性らしさが混在する中性的な魅力を持たせています。このスタイルは、90年代の香港映画における「強い女性像」を体現し、ファッション面でも多くの観客に影響を与えました。

フェイ・ウォンの衣装・化粧・髪型

フェイ・ウォン演じるフェイは、カジュアルでポップなスタイルが特徴です。彼女の衣装は、ハンバーガーショップの店員らしいラフなTシャツやショートパンツ、エプロン姿が中心で、90年代の若者文化を反映したカジュアルさが際立ちます。彼女のスタイルは、自由で無邪気な性格を視覚的に表現しており、観客に親しみやすさを感じさせます。化粧はナチュラルで、ほとんどメイクをしていないような素朴さがフェイのキャラクターにマッチ。髪型は肩までのボブカットで、動きのある軽やかなスタイルが彼女の活発さと天真爛漫さを強調しています。特に、彼女が刑事633号の部屋で音楽に合わせて踊るシーンでは、シンプルな衣装と自然体のメイクが、キャラクターの純粋さとエネルギーを引き立てています。フェイ・ウォンのファッションは、90年代のストリートカルチャーに影響を与え、現代でもレトロな魅力として再評価されています。

あらすじ

『恋する惑星』は、香港の重慶大厦とその周辺を舞台に、2人の刑事とそれぞれの女性との出会いとすれ違いを描いた2部構成のラブストーリーです。

第1部

刑事223号(金城武)は、恋人のメイに振られたエイプリルフールの日から、彼女が好きだったパイナップルの缶詰を毎日買い続け、5月1日の自分の誕生日までに30缶集めることを決意します。しかし、メイが戻ることはなく、失恋の痛みを抱えたまま、彼はバーで金髪のウィッグとサングラスを身につけた謎の女(ブリジット・リン)と出会います。彼女は麻薬密売人で、裏社会の危険な仕事に巻き込まれています。2人は一夜を共にしますが、深い関係には発展せず、すれ違うように別れます。

第2部

ハンバーガーショップ「ミッドナイト・エクスプレス」で働くフェイ(フェイ・ウォン)は、常連の刑事633号(トニー・レオン)に密かに思いを寄せています。ある日、店主から633号の元恋人(ヴァレリー・チョウ)からの手紙と部屋の鍵を預かります。フェイはその鍵を使い、彼の部屋に忍び込んで掃除や模様替えを始め、次第に彼の生活に介入していきます。一方、633号は失恋の傷から立ち直れず、フェイの好意に気づきません。しかし、フェイの純粋な行動が彼の心を徐々に癒し、最終的に2人は新たな関係への一歩を踏み出します。

解説

『恋する惑星』は、ウォン・カーウァイ監督の代表作であり、90年代香港映画の金字塔として世界的に評価されています。物語は、香港の繁華街・重慶大厦とその周辺を舞台に、都市生活の中で出会いと別れを繰り返す若者たちの刹那的な恋愛をポップかつスタイリッシュに描きます。本作は、ウォン監督の即興的な撮影スタイルが特徴で、脚本を事前に固めず、俳優の演技やロケーションの雰囲気を活かした制作がなされました。この手法により、映画はドキュメンタリーのような生々しさと、詩的な映像美が融合した独特の魅力を放っています。

特に注目すべきは、1997年の香港返還を間接的に示唆するテーマです。第1部では、刑事223号のパイナップル缶の「賞味期限」が香港の政治的変化を象徴し、資本主義と時間の流れを暗示しています。第2部では、フェイの自由奔放な行動が、変化し続ける香港の若者文化を反映。撮影監督のアンドリュー・ラウ(第1部)とクリストファー・ドイル(第2部)の異なるスタイルも、映画の多面的な魅力を引き立てます。ドイルの流れるようなカメラワークと鮮やかな色彩は、90年代の香港の猥雑で活気ある雰囲気を捉え、観客に強烈な印象を与えます。

音楽も本作の大きな魅力で、フェイ・ウォンの「夢中人」やThe Mamas & The Papasの「California Dreamin’」が、物語の情感を高めています。クエンティン・タランティーノが本作を絶賛し、アメリカでの配給を後押ししたことで、ウォン・カーウァイの名は世界に広まりました。公開から30年近く経つ今も、そのスタイリッシュな映像と普遍的なテーマで新たなファンを獲得し続けています。

キャスト

  • 刑事223号(モウ):金城武。失恋に悩む若き刑事。第1部の主人公で、純粋だがどこか抜けた魅力を持つ。
  • 金髪の女:ブリジット・リン。麻薬密売人で、ミステリアスな雰囲気を持つ女性。
  • 刑事633号:トニー・レオン。第2部の主人公。失恋の傷を抱えつつ、フェイの純粋さに心を開く。
  • フェイ:フェイ・ウォン。ハンバーガーショップの店員で、自由奔放で愛らしいキャラクター。
  • スチュワーデス:ヴァレリー・チョウ。刑事633号の元恋人で、物語の背景を彩る。

スタッフ

  • 監督・脚本:ウォン・カーウァイ。香港映画界の巨匠。本作で国際的な名声を得た。
  • 製作:ジェフ・ラウ。ウォン監督の盟友で、製作会社ジェットトーンの共同設立者。
  • 撮影:アンドリュー・ラウ(第1部)、クリストファー・ドイル(第2部)。両者の異なる撮影スタイルが映画の多様性を生む。
  • 音楽:フランキー・チャン、ロー・タイヨウ。ポップな楽曲が映画の雰囲気を高める。
  • 製作会社:ジェットトーン(澤東)。ウォン・カーウァイとジェフ・ラウが設立した会社で、本作が初の劇場公開作品。

総括

『恋する惑星』は、ウォン・カーウァイの感性と90年代香港の空気感が見事に融合した作品です。ブリジット・リンとフェイ・ウォンの対照的な魅力、個性的な衣装と演出、都市を舞台にした刹那的な恋愛模様は、観客に深い余韻を残します。映像、音楽、ストーリーが一体となった本作は、今なお色褪せることのない名作として愛されています。

レビュー 作品の感想や女優への思い

タイトルとURLをコピーしました