エッシー・デイヴィス(Essie Davis)は、オーストラリアの女優。タスマニア出身で、舞台と映画で活躍。『ミス・フィッシャーの殺人ミステリー』や『ババドック』で知られ、受賞歴も豊富。夫は映画監督ジャスティン・カーゼル。
プロフィール
- 名前:エッシー・デイヴィス(Essie Davis)
- 生年月日:1970年
- 出生地:オーストラリア、タスマニア州ホバート
- 職業:女優
- ジャンル:TVドラマ、映画
- 配偶者:ジャスティン・カーゼル(2002年~)
生い立ち・教育
エッシー・デイヴィスは、1970年1月19日、オーストラリアのタスマニア州ホバートに生まれました。彼女は著名なアーティストであるジョージ・デイヴィスとメアリー・デイヴィスの間に、7人兄弟の末っ子として育ちました。家族はオーストラリアのグリーン運動の草分けとして知られ、ホバートの郊外で自給自足に近い生活を送っていました。家では野菜を育て、七面鳥などの家畜を飼うなど、自然に囲まれた環境で育ちました。このユニークな生活環境は、彼女の創造性や独立心を育む一因となったと言えるでしょう。
幼少期から演劇に興味を示し、5歳の時にホバートのシアター・ロイヤルで地元のコミュニティ劇団の舞台に初出演。早くから表現の世界に触れ、演技への情熱を育みました。学業では、タスマニア大学で学び、その後、オーストラリア国立演劇学院(NIDA)に進学。NIDAはオーストラリアを代表する演劇学校で、彼女はここで本格的な演技訓練を受け、舞台女優としての基礎を固めました。NIDAでの教育は、彼女の緻密な役作りや感情表現の技術を磨く上で重要な役割を果たしました。
経歴
エッシー・デイヴィスのキャリアは、舞台、映画、テレビを横断する多彩な活躍で知られています。NIDA卒業後、彼女は舞台女優としてキャリアをスタートさせ、特にオーストラリアとイギリスの劇場で高い評価を受けました。2003年には、テネシー・ウィリアムズの名作『欲望という名の電車』のブランシュ・デュボワ役で、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞。この受賞は、彼女の演技力と舞台での存在感を国際的に証明するものでした。さらに2004年には、トム・ストッパードの『ジャンパーズ』に出演し、トニー賞にノミネートされ、ブロードウェイでの成功も収めました。これらの受賞とノミネートは、彼女が舞台女優として世界トップレベルにあることを示しています。
映画では、2003年の『マトリックス リローデッド』と『マトリックス レボリューションズ』で脇役を務め、ハリウッド映画にも進出。その後、2014年のホラー映画『ババドック』で主演のアメリア・ヴァネク役を演じ、国際的に大きな注目を集めました。この作品は、心理ホラーとしての完成度が高く、彼女の繊細かつ力強い演技が批評家から絶賛されました。『ババドック』は彼女の代表作の一つとなり、インディペンデント映画界での地位を確立しました。また、2020年の『ミス・フィッシャー&クリプト・オブ・ティアーズ』では、テレビシリーズから続く探偵役のフライニー・フィッシャーを再び演じ、ファンの間で好評を博しました。
テレビでは、2012年から2015年まで放送された『ミス・フィッシャーの殺人ミステリー』で主役のフライニー・フィッシャーを演じ、1920年代のメルボルンを舞台に活躍する女性探偵の魅力を存分に発揮。このシリーズはオーストラリア国内外で人気を博し、彼女の知名度を一気に高めました。また、2016年の『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン6では、女優のレディ・クレイン役でゲスト出演し、短い登場ながら印象的な演技を見せました。さらに、2019年のミニシリーズ『ラムズ・オブ・ゴッド』ではシスター・イフィゲニア役を演じ、宗教的なテーマを扱った重厚なドラマで再び高い評価を受けました。
近年では、夫ジャスティン・カーゼル監督の作品にも出演。2019年の『ケリー・ギャングの真実の歴史』では、ネッド・ケリーの母エレン・ケリー役を演じ、家族の絆と過酷な運命を描いた作品で深みのある演技を披露しました。また、2022年の『ニトラム/NITRAM』では、ポートアーサー事件の加害者の母ヘレン役を演じ、複雑な感情を抱える母親像を見事に表現。オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞(AACTA)で最優秀助演女優賞を受賞し、彼女のキャリアに新たな輝きを加えました。
私生活
エッシー・デイヴィスは、2002年にオーストラリアの映画監督ジャスティン・カーゼルと結婚しました。カーゼルは『スノータウン』(2011年)や『マクベス』(2015年)、『アサシン クリード』(2016年)などの作品で知られる実力派監督です。二人は仕事でもコラボレーションを重ねており、特にカーゼル監督の『ケリー・ギャングの真実の歴史』や『ニトラム/NITRAM』での共演は、夫婦の信頼関係と芸術的な相性の良さを示しています。夫妻には双子の娘、ステラとルビーがおり、家族はメルボルンを拠点に生活しています。
デイヴィスは公の場で私生活について多くを語らないことで知られていますが、インタビューでは家族との時間を大切にしていると述べています。また、彼女は環境問題やアートへの関心を家族から受け継いでおり、自身のキャリアにもその影響が垣間見えます。忙しい俳優業と母親業を両立させながら、夫との創作活動にも積極的に参加する姿勢は、彼女の多面的な魅力を象徴しています。
出演作品
エッシー・デイヴィスの主な出演作品を以下にまとめます。彼女のキャリアは多岐にわたり、ジャンルも舞台からホラー、歴史ドラマ、ミステリーまで幅広いです。
映画
- マトリックス リローデッド/レボリューションズ(2003年):脇役としてハリウッドデビュー。
- ババドック(2014年):主演のアメリア・ヴァネク役で国際的に注目。
- ケリー・ギャングの真実の歴史(2019年):エレン・ケリー役。夫ジャスティン・カーゼル監督作品。
- ミス・フィッシャー&クリプト・オブ・ティアーズ(2020年):フライニー・フィッシャー役。
- ニトラム/NITRAM(2022年):ヘレン役でAACTA最優秀助演女優賞受賞。
- ドライビング・バニー(2022年):バニー役。
TV
- ミス・フィッシャーの殺人ミステリー(2012-2015年):フライニー・フィッシャー役。代表作の一つ。
- ゲーム・オブ・スローンズ(2016年):レディ・クレイン役(シーズン6)。
- ホワイト・プリンセス エリザベス・オブ・ヨーク物語(2017年):エリザベス・ウッドヴィル役。
- ラムズ・オブ・ゴッド(2019年):シスター・イフィゲニア役。
舞台
- 欲望という名の電車(2003年):ブランシュ・デュボワ役でローレンス・オリヴィエ賞受賞。
- ジャンパーズ(2004年):トム・ストッパード作でトニー賞ノミネート。
まとめ
エッシー・デイヴィスは、舞台女優としての確かな実力と、映画・テレビでの多彩な演技で世界的に評価されるオーストラリアの女優です。タスマニアの自然豊かな環境で育ち、NIDAで磨かれた技術を基盤に、『ババドック』や『ミス・フィッシャーの殺人ミステリー』などの作品で独自の存在感を発揮。夫ジャスティン・カーゼルとの創作活動や家族とのバランスも大切にし、キャリアと私生活を両立させています。彼女の今後の活躍にも大きな期待が寄せられています。
レビュー 作品の感想や女優への思い