『Evil Feed』(2013年)は、カナダのアクション・コメディ・ホラー映画。キマニ・レイ・スミス監督、主演ラシ・J・マイリー、アラン・シャノワン、テリー・チェン。地下闘技場で敗者が中華料理店の食材にされる残酷な設定。90分、低予算でカルト的人気を誇ります。
基本情報
- 原題:Evil Feed
- 公開年:2013年
- 製作国:カナダ
- 上映時間:90分
女優の活躍
『Evil Feed』では、ラシ・J・マイリー(Laci J. Mailey)がヒロインのジェナ役、アリソン・バスがユキ役、キャリー・ゲンゼルがマダム・ドラゴンフライ役、アン・マリー・コルクエラがホット・アジアン・ホステス役を演じ、女性キャラクターが物語に個性的な彩りを添えています。
ラシ・J・マイリー(ジェナ役)
カナダ出身の女優で、『フォーリング・スカイズ』(2012-2015年)や『チェサピーク海岸』(2016-2022年)で知られるマイリーは、本作で主要な女性キャラクター、ジェナを演じます。ジェナは、拉致された仲間を救うために地下闘技場に潜入する武術家の一人で、勇敢かつ機敏な女性として描かれます。マイリーの演技は、恐怖と闘志をバランスよく表現し、アクションシーンでは身体能力を活かした動きを見せます。彼女の自然体な演技は、物語の過激な設定の中で人間味を保ち、観客に共感を呼びます。
アリソン・バス(ユキ役)
ユキは、本作の際立つキャラクターで、セクシーかつ狂気的な女性戦士です。バスの演技は批評家から特に高く評価され、レビューでは「シーンを盗む存在」と称されています。彼女の過激なキャラクター描写とエネルギッシュなパフォーマンスは、映画のカルト的な魅力の中心であり、ホラーファンに強い印象を与えました。バスは本作で映画デビューを果たし、その大胆な演技が注目を集めました。
キャリー・ゲンゼル(マダム・ドラゴンフライ役)
ライバルレストランのオーナーとして登場するマダム・ドラゴンフライは、冷酷で妖艶な女性。ゲンゼルは、ミステリアスで威圧的な雰囲気を巧みに演じ、物語に緊張感を加えます。彼女の登場シーンは短いものの、独特の存在感で印象に残ります。
アン・マリー・コルクエラ(ホット・アジアン・ホステス役)
レストランのホステス役として、物語の猟奇的な雰囲気を補強。短い出演ながら、派手な外見で視覚的なインパクトを与えます。
女優の衣装・化粧・髪型
ラシ・J・マイリー(ジェナ)
ジェナの衣装は、武術家としての実用性を重視したもの。黒やダークカラーのタイトなタンクトップやパンツ、動きやすいスニーカーで構成され、アクションシーンでの機敏さを強調。化粧はほぼナチュラルで、汗や汚れが目立つリアルな演出が施されています。髪型は、シンプルなポニーテールで、戦闘中の動きを妨げない実用的なスタイル。
アリソン・バス(ユキ)
ユキの衣装は、映画の過激なトーンを象徴する派手でセクシーなデザイン。赤や黒のレザー風のコスチュームや、露出度の高いトップスとミニスカートが特徴。化粧は極端で、濃いアイライン、ダークリップ、派手なアイシャドウがユキの狂気的なキャラクター性を強調。髪型は、長い黒髪に赤やピンクのメッシュを加えた派手なスタイルで、彼女の「可愛いけど危険」な魅力を視覚的に表現しています。
キャリー・ゲンゼル(マダム・ドラゴンフライ)
マダムの衣装は、黒や紫のエレガントなドレスやスーツで、妖艶で威圧的な雰囲気を演出。化粧は濃いリップとスモーキーなアイメイクで、ミステリアスな印象を強化。髪はアップスタイルで、洗練された悪役像を構築。
アン・マリー・コルクエラ(ホット・アジアン・ホステス)
ホステス役は、きらびやかな赤やゴールドのドレスで、チャイナタウンのレストランの雰囲気を強調。化粧は派手な赤リップと濃いアイメイク、髪は巻き髪で華やかさを演出。
あらすじ
『Evil Feed』は、カナダのチャイナタウンを舞台にした猟奇的なホラー映画です。地下闘技場「ロング・ピッグ」は、敗者が切り刻まれて中華レストランの「特別料理」として提供される残酷な場所。新オーナーのスティーヴン(テリー・チェン)は、闘技場に「テンダーテインメント(Tendertainment)」と称する血生臭いショーを導入し、客を魅了します。しかし、拉致された武術家グループ(ジェナ、タイロン、ナッシュら)が仲間を救うため潜入。ユキ(アリソン・バス)ら凶暴な戦士や、マダム・ドラゴンフライ(キャリー・ゲンゼル)が率いるライバル組織と対峙し、血みどろの戦いが繰り広げられます。果たして彼らは生きて脱出できるのか、それとも「メニュー」に加えられてしまうのか。
解説
『Evil Feed』は、低予算ながら過激なゴア描写とブラックユーモアを融合させたカルトホラー映画。監督キマニ・レイ・スミスは、スタントマン出身で『ウォッチメン』や『X-MEN』のスタントコーディネーターとして知られ、本作が初監督作品。映画は、グラインドハウス映画(低予算で過激なB級映画)の現代的再解釈を目指し、『キル・ビル』に似た派手なアクションとゴア描写が特徴です。しかし、批評家の評価は賛否両論。VultureHoundのコレット・ヒューズは「バカバカしくて楽しい」と賞賛し、特にアリソン・バスの演技と振り付けを高評価。一方、Dread Centralのスコット・フォイは「やりすぎ感がグラインドハウスのトーンを損なう」と2.5/5の評価で、演技やストーリーの一貫性に欠けると指摘。Starburstのジェームズ・パーキンスは「ぶっ飛んだ設定は楽しいが、スタイルが多すぎて焦点がぼやける」と評しています。
映画の魅力は、過激な暴力とユーモアの融合にあります。闘技場の「敗者=食材」という設定は、ホラーらしいグロテスクさとコメディの不条理さを両立。チャイナタウンのエキゾチックな背景や、カラフルな照明とセットデザインが視覚的インパクトを与えます。しかし、複数のスタイル(アクション、ホラー、コメディ)が混在し、物語の焦点が散漫になる点は弱点とされます。低予算ながら、振り付けや特殊効果は一定の評価を受け、特にアクションシーンはスミス監督のスタント経験が活かされています。
キャスト
- ジェナ:ラシ・J・マイリー(武術家、仲間を救うヒロイン)
- スティーヴン:テリー・チェン(ロング・ピッグの新オーナー)
- タイロン:アラン・シャノワン(武術家、リーダー格)
- ユキ:アリソン・バス(狂気的な女性戦士)
- マダム・ドラゴンフライ:キャリー・ゲンゼル(ライバルレストランオーナー)
- ナッシュ:セバスチャン・ガッキ(武術家)
- ブライアン:デレク・ギルロイ(武術家)
- カルロス:ビショップ・ブリガンテ(武術家)
- ピート:カーティス・ラム(武術家)
- ザ・ブッキー:デビッド・ミルチャード(賭博屋)
- ザ・ファマー:ジョンソン・ファン(戦士)
- ホット・アジアン・ホステス:アン・マリー・コルクエラ
スタッフ
- 監督:キマニ・レイ・スミス
- 脚本:アーロン・アウ、キマニ・レイ・スミス、ジャナ・ミツーラ、ライアン・ニコルソン(原案)
- 製作:非公開
- 撮影:スティーヴン・デノー
- 編集:カービー・ジンナー
- 音楽:アラン・メイランド
- 配給:マーヴェン・パブリシティ(日本ではDVDリリース)
結論
『Evil Feed』は、過激なゴアとブラックユーモアを融合させたカナダのカルトホラー映画です。ラシ・J・マイリーの勇敢な演技、アリソン・バスの際立つパフォーマンス、派手な衣装とメイクが、猟奇的な物語を彩ります。賛否両論ながら、アクションとホラーの融合はB級映画ファンに愛され、チャイナタウンの独特な雰囲気と相まって独自の魅力を放ちます。過激なエンターテインメントを求める観客にぜひおすすめしたい作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い