ジョディ・フォスターはアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれの女優・監督。幼少期から子役として活躍し、3歳でコパートーン社のCMに出演。ディズニー映画や『タクシー・ドライバー』で注目を集め、14歳でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。以降、『告発』と『羊たちの沈黙』で同賞を受賞。監督としても『リトル・マン・テイト』や『マネー・モンスター』を制作。私生活を厳守する姿勢で知られ、2024年のHBOシリーズ『トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー』でプライムタイム・エミー賞主演女優賞を受賞。多才な才能でハリウッドのレジェンドとして輝き続ける。
プロフィール
- 名前:ジョディ・フォスター(Jodie Foster)
- 本名:アリシア・クリスチャン・フォスター(Alicia Christian Foster)
- 生年月日:1962年11月19日(62歳)
- 出生地:アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス
- 身長:160cm
- 職業:女優、映画監督、プロデューサー
- ジャンル:映画、TV、舞台
- 活動期間:1968年~活動中
- 配偶者:アレクサンドラ・ヘディソン(2014年~)
- 著名な家族:チャールズ(1998年生)、キット(2001年生)
生い立ち・教育
ジョディ・フォスターの本名はアリシア・クリスチャン・フォスター。1962年11月19日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれました。父親のルシアス・フィッシャー・フォスター三世は裕福な家の子息でしたが、母親のエヴリン・エラ・“ブランディ”・アルモンドとの結婚生活は短く、ジョディが生まれる前に離婚しています。ジョディは母親と母親のパートナーである女性によって育てられました。母親はジョディの才能を見抜き、幼少期から芸能界への道を切り開きました。ジョディには3人の血のつながったきょうだい、兄のバディ、姉のコンスタンス、そして妹のエイミーがいます。また、父親の連れ子である3人の異母兄弟もいます。
ジョディは非常に早熟な天才児でした。3歳で読み書きを覚え、5歳でフランス語を話せるようになりました。母親の影響で、幼い頃から教育に力を入れられました。地元の学校に通う傍ら、女優業を始めましたが、学業を疎かにすることはありませんでした。ロサンゼルスのリセ・フランセーズ・ド・ロサンゼルスに通い、フランス語を完璧にマスターしました。この語学力は、後にフランス映画への出演を可能にし、国際的なキャリアを支える基盤となりました。学校では優等生として知られ、演劇部にも所属していました。
高校卒業後、ジョディはイェール大学文学部に進学しました。1981年に入学し、アフリカ系アメリカ人文学を専攻。大学時代は女優業を続けながら、学業に励みました。『タクシー・ドライバー』の撮影中もレポートを提出し、周囲を驚かせました。1985年、文学士号をマグナ・クム・ラウデ(優等卒業)で取得。卒業論文はトニ・モリスンの小説についてのものでした。大学在学中、1981年にジョン・ヒンクリー・ジュニアによるストーキング事件が発生し、彼女の人生に大きな影を落としましたが、それでも学業を完遂しました。1997年にはイェール大学から名誉文学博士号を授与され、2018年にはイェール大学学部生生涯功労賞を受賞しています。この教育背景は、ジョディの知性と多角的な視点を形成し、演技や監督業に深みを加えました。
経歴
ジョディ・フォスターの経歴は、子役時代から始まる輝かしいものです。3歳の1965年、コパートーン社の日焼け止めクリームのCMでデビュー。以降、4年間にわたり多数のCMに出演し、女優としての基盤を築きました。1968年、TV番組『メイベリー R.F.D.』で本格的な演技デビューを果たしました。この頃、すでに50本以上のテレビ番組に出演し、『ガンスモーク』や『エディのお父さん』などの人気シリーズで活躍。母親がマネージャーとして支え、ディズニー映画への出演機会を増やしました。1972年の『ナポレオンとサマンサ』では、野生のライオンと共演する少女役を演じ、ディズニーの愛らしい子役としてブレイク。1976年の『フレイキー・フライデー』では母娘役の娘を演じ、コミカルな演技で好評を博しました。
しかし、真の転機は1976年のマーティン・スコセッシ監督作『タクシー・ドライバー』でした。12歳で売春婦アイリス役を演じ、過酷な役柄を完璧にこなしました。この演技はアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、最年少の14歳での快挙となりました。この作品は彼女のキャリアを大人向けのシリアスなものへシフトさせました。大学進学後も、1980年代初頭に『カーラの歌』や『シックス・ウィークス』で主演を務めました。1985年のイェール卒業後、本格的に成人女優として活動を開始。1988年の『告発』では、レイプ被害者を演じ、過酷な法廷シーンでアカデミー賞主演女優賞を受賞。社会問題を鋭く描いたこの作品は、彼女の演技力を世界に示しました。
1991年、ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』でFBI捜査官クラリス・スターリング役を演じ、再びアカデミー賞主演女優賞を受賞。アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクターとの対峙は、映画史に残る名シーンです。以降、『ネル』(1994年)で野人役を演じ、3度目の主演女優賞ノミネート。1997年の『コンタクト』では科学者役で知性を発揮しました。2000年代に入り、『パニック・ルーム』(2002年)や『フライトプラン』(2005年)でサスペンスの女王として君臨。2011年の『カーニッジ』ではヤスミナ・レザの戯曲を基にした心理劇で好演しました。
監督としても才能を発揮。1991年、初監督作『リトル・マン・テイト』で天才児の母親役を自ら演じ、批評家から称賛されました。1995年の『ホーム・フォー・ザ・ホリデイズ』では家族のドタバタを描き、2011年の『ビーバー』ではメンタルヘルスのテーマに挑みました。2016年の『マネー・モンスター』はウォール街の腐敗を風刺したスリラーで、ジョージ・クルーニー主演。テレビ監督としても、2013-2014年の『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』や2016年の『ブラック・ミラー』エピソードを手がけました。
近年は、2021年の『モーリタニアン』で弁護士役を演じ、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞。2023年の『ナイド』ではダイアン・ニャッドのコーチ役でアカデミー賞主演女優賞ノミネート。2024年の『トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー』で主人公リズ・ダンバース役を演じ、プライムタイム・エミー賞主演女優賞を受賞しました。2025年現在、フランス語映画『ヴィ・プリヴェ』(A Private Life)への出演が予定されており、キャリアの新たな章が期待されています。この映画はすでに2025年のカンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映されました。
ジョディの経歴は、子役から監督、プロデューサーへ至る多面的なものです。
私生活
ジョディ・フォスターは、私生活を極めてプライベートに保つことで知られています。公の場では家族やパートナーについてほとんど語らず、メディアの詮索を避ける姿勢を貫いています。この慎重さは、1980-1981年のジョン・ヒンクリー・ジュニアによるストーキング事件に起因します。ヒンクリーは『タクシー・ドライバー』のファンで、ジョディに想いを寄せ、レーガン大統領暗殺未遂を犯しました。この事件は彼女に深刻なトラウマを残し、以降、セキュリティを強化。事件後、大学キャンパスで一時的に身を隠し、キャリア選択にも影響を与えました。
1983年、ジョディはコカイン所持の疑いで逮捕されましたが、軽罪として有罪を認め、保護観察処分を受けました。この出来事も、彼女のプライバシーを守る決意を強めました。性的指向については、長年公表を避けていましたが、2007年にパートナーのシドニー・バーナードとの関係を認め、2013年のゴールデングローブ賞セシール・B・ドミル賞受賞スピーチでカミングアウト。家族や友人への感謝を述べつつ、プライバシーの重要性を訴えました。
ジョディには2人の息子がいます。長男チャールズ・“チャーリー”・フォスターは1998年生まれ、次男クリストファー・“キット”・バーナード・フォスターは2001年生まれです。両者とも元パートナーのシドニー・バーナードとの間に生まれ、ジョディが生物学的母親です。シドニーとは1993年の映画『ソマーズビー』での共演をきっかけに2008年までパートナーシップを続け、共同で子育てに励みました。息子たちは母親の職業を尊重しつつ、普通の生活を送るよう育てられています。チャーリーは大学で映画を学び、キットは環境問題に関心を持っています。
2014年、ジョディは女優で写真家のアレクサンドラ・ヘディソンと結婚。ニューヨークで静かな式を挙げ、二人は互いのキャリアを支え合っています。ヘディソンは『ザ・Lワード』などで知られ、ジョディの監督作にも出演。夫妻はロサンゼルスとパリに住居を持ち、ヨーロッパでの生活も楽しんでいます。ジョディは環境保護や女性の権利擁護に積極的で、LGBTQ+コミュニティの支援も行っています。2025年現在、60歳を迎えてもなお、家族との時間を大切にし、仕事とプライベートのバランスを取っています。彼女の私生活は、謎めいた魅力の源泉でもあります。
出演作品
ジョディ・フォスターの出演作品は、子役時代から現代まで多岐にわたり、代表作は数え切れません。以下に主なものを挙げます。
- ナポレオンとサマンサ(1972年):サマンサ役。ディズニー映画デビュー作。
- アリス ここに住むのをやめた(1974年):フローレンス役。マーティン・スコセッシ監督の初期作。
- タクシー・ドライバー(1976年):アイリス役。アカデミー賞ノミネート。
- フレイキー・フライデー(1976年):アン役。母娘入れ替わりコメディ。
- カーラの歌(1980年):キャロライン役。ミュージカル映画。
- 告発(1988年):サラ・トバイアス役。アカデミー賞主演女優賞受賞。
- 羊たちの沈黙(1991年):クラリス・スターリング役。アカデミー賞主演女優賞受賞。
- リトル・ミス・サンシャイン(2006年、監督のみ)。
- ネル(1994年):ネル役。アカデミー賞ノミネート。
- コンタクト(1997年):エリー・アロウェイ役。SF科学ドラマ。
- パニック・ルーム(2002年):メガン役。デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス。
- フライトプラン(2005年):ステファニー役。航空機ミステリー。
- ブレイブ・ワン(2007年):エリカ役。復讐スリラー。
- カーニッジ(2011年):ナンシー役。心理劇。
- エリジウム(2013年):デラクール役。SFアクション。
- モーリタニアン(2021年):ナンシー・ホーランド役。ゴールデングローブ賞受賞。
- ナイド(2023年):ボニー・ストール役。アカデミー賞ノミネート。
- トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー(2024年):リズ・ダンバース役。エミー賞受賞。
監督作品としては、『リトル・マン・テイト』(1991年)、『ホーム・フォー・ザ・ホリデイズ』(1995年)、『ビーバー』(2011年)、『マネー・モンスター』(2016年)が代表的。これらの作品を通じて、ジョディは女優としてだけでなく、クリエイターとしてもハリウッドに貢献してきました。
レビュー 作品の感想や女優への思い