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ラスト、コーション

「見どころ」にPR表現を含みます。

『ラスト、コーション』は、アイリーン・チャンの1979年の小説を原作に、アン・リーが2007年に監督したエロティックな時代スパイ・ロマン・ミステリー映画。

1938年の香港と、日本軍に占領され王景偉が率いる傀儡政権に統治されていた1942年の上海が舞台。香港大学の中国人大学生たちが、傀儡政府のために働く高位の特別捜査官とリクルーターの暗殺を企て、彼をハニートラップに誘い込む様子を描写しています。

この映画は実話ベース。中国側のスパイである女性アサシン鄭蘋如が、日本への協力者である丁默邨を暗殺しようとして失敗したという史実にもとづくといわれています。

鄭蘋茹(右)と母。public domain. https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Zheng_Pingru_03.jpg#mw-jump-to-license

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基本情報

  • 邦題:ラスト、コーション
  • 原題:色・戒
  • 英題:LUST, CAUTION
  • 公開年:2008年
  • 製作国:中国、アメリカ
  • 上映時間:158分
  • ジャンル:ドラマ
  • 公式サイト:lust__caution

予告編はこちら。

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概要

1942年、日本占領下の上海を舞台に、女性スパイのワン・チアチー(タン・ウェイ)が日本傀儡政府の要人イー(トニー・レオン)を暗殺する任務に挑む。禁断の愛と裏切りが交錯する、アン・リー監督の官能的ラブサスペンス。2007年公開、第64回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞。

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ファム・ファタル

1930年代上海のでかなり広く流行っていた旗袍。そもそも旗袍を着てストッキングを着脱する場面の出てくる映画やドラマは珍しいうえ、当時のゆったりした旗袍をたくし上げ、前かがみに立ったままガーター・ストッキングを脱ぐタン・ウェイの艶かしさ。

女優の活躍

『ラスト、コーション』の主演女優、タン・ウェイは本作で映画デビューを果たし、一躍国際的な注目を集めました。彼女が演じたワン・チアチーは、女子大生からスパイへと変貌する複雑なキャラクターであり、タン・ウェイは感情の揺れや内面の葛藤を繊細かつ大胆に表現しました。特に、トニー・レオンとの激しいラブシーンは話題となり、彼女の体当たりの演技が評価されました。これらのシーンは単なる官能描写にとどまらず、ワンとイーの関係性や心理的緊張を象徴する重要な要素として機能しています。

タン・ウェイは1万人以上のオーディションを勝ち抜いてこの役を獲得し、初主演ながら圧倒的な存在感を示しました。彼女の演技は、ヴェネチア国際映画祭での金獅子賞受賞に大きく貢献し、その後のキャリアでも国際的な女優としての地位を確立するきっかけとなりました。しかし、中国では映画の過激な内容が物議を醸し、一時的に彼女の活動が制限されたこともあり、その勇気ある挑戦が一層際立ちます。

共演のジョアン・チェンもイー夫人役で重要な役割を果たし、抑制された演技で物語に深みを加えました。

ベッド・シーン

本作の露骨で情熱的なベッド・シーンの撮影で、女優のタン・ウェイは、アン・リー監督と主演俳優たちに負担をかけたそうです。彼らは半日しか働けず、彼女が失神したこともありました。それでも主要なカメラマンと音響スタッフだけが立ち会うクローズドセットで11日間もかけて撮影されました。

タン・ウェイはこの映画の撮影を終えた後、3年間交際していたユー・ティエンとは別れました。さまざまなメディアは、この映画での擬似的でないベッド・シーンが二人の別れの原因ではないかと報じましたが、ティアンは本当の理由を明かそうとせず、ただ二人は友人であり続けたと語りました。

タン・ウェイとトニー・レオン・チウワイの二人は、映画のベッド・シーンはシミュレートされていないのかと質問されました。タン・ウェイは言い逃れをせず、肯定的に答えました、「映画では、私たちは子供を産むためにすべきことをしているだけです」。トニー・レオンはこう答えました、「体同士がぶつかり合うシーンは、まさにフェイク・ショーのようです」。

女優の衣装・化粧・髪型

タン・ウェイ演じるワン・チアチーの衣装は、1940年代の上海と香港の雰囲気を反映し、物語の時代背景とキャラクターの変貌を強調する重要な要素です。彼女が登場するチャイナドレス(旗袍)は、身体のラインを美しく際立たせるデザインで、特に試着シーンではその優雅さと色気が観客を引き込みます。これらの衣装は、ワンがイーを誘惑するスパイとしての役割を演じる際の「仮面」を象徴し、彼女の内面との対比を際立たせます。

化粧は、清楚な女子大生としてのナチュラルなメイクから、妖艶なスパイとしての濃い目のアイメイクや赤い口紅へと変化し、キャラクターの成長と二重生活を視覚的に表現しています。

髪型も、初期のシンプルなアップスタイルから、洗練されたウェーブのかかったスタイルへと移行し、彼女の変貌を強調。特に麻雀のシーンでは、華やかな装いと計算された表情で、したたかな女性像を体現しています。これらの要素は、ワンの心理的複雑さと物語の緊張感を視覚的に補完する役割を果たしました。

ジョアン・チェン演じるイー夫人も、落ち着いた色調の衣装と上品なメイクで、時代に合った威厳ある女性像を表現しています。

あらすじ

『ラスト、コーション』は、第二次世界大戦中の日本占領下の香港と上海を舞台に展開します。1938年、香港の大学生ワン・チアチー(タン・ウェイ)は、劇団を通じて抗日運動に参加し、リーダー格のクァン・ユイミン(ワン・リーホン)に感化されます。クァンは、日本傀儡政権の特務機関員イー(トニー・レオン)の暗殺を計画し、ワンに彼を誘惑して接近する役割を課します。ワンは「マイ夫人」という偽の身分でイーに近づき、関係を深めますが、計画は失敗に終わり、仲間の一人が犠牲となります。数年後の1942年、上海で再びイー暗殺の機会を得たワンは、再び彼に接近。激しい愛欲を通じて二人の間に複雑な感情が芽生えます。イーはワンに心を開き、彼女に高価なダイヤの指輪を贈りますが、ワンは彼への愛と任務の間で葛藤します。最終的に、決行の瞬間、ワンはイーに「逃げて」と囁き、計画を裏切ります。イーは逃亡し、ワンとその仲間たちは捕らえられ、処刑されます。イーは孤独と裏切りの痛みを胸に抱きながら生き続けるのでした。

解説

『ラスト、コーション』は、アン・リー監督がアイリーン・チャンの短編小説「色・戒」を原作に映画化した作品で、歴史的背景と個人的な愛の葛藤を巧みに融合させたラブサスペンスです。1940年代の日中戦争下という緊迫した時代設定の中で、敵対する立場にある男女の愛と裏切りを描き、単なるスパイ映画を超えた深い人間ドラマを展開します。映画のタイトル「色・戒」(Lust, Caution)は、欲望と戒めという二つのテーマを象徴し、ワンとイーの関係が単なる肉体的な情欲を超え、互いを理解し合う瞬間へと昇華する過程を示唆します。特に、激しい性描写は物語の核心であり、二人が社会や政治の抑圧から解放される唯一の場として機能します。これらのシーンは賛否両論を呼び、日本ではR-18指定、アメリカではNC-17指定、中国では7分短縮版が公開されるなど、各国で議論を巻き起こしました。しかし、アン・リーはこれを単なる扇情的な要素ではなく、キャラクターの心理的真実を表現する手段として意図したと述べています。タン・ウェイとトニー・レオンの演技は、抑制と爆発のバランスが見事で、特にラストのワンの決断とイーの涙は観客に深い余韻を残します。映画は、歴史に翻弄される個人の運命と、愛の複雑さを描き出し、ベネチア国際映画祭金獅子賞や金馬奨など多くの賞を受賞するなど、高い評価を得ました。

キャスト

  • トニー・レオン(イー):日本傀儡政権の特務機関員。冷酷で警戒心が強いが、ワンとの関係で人間的な脆さを見せる。
  • タン・ウェイ(ワン・チアチー/マイ夫人):抗日運動の女スパイ。純粋な女子大生から妖艶な工作員へと変貌。
  • ワン・リーホン(クァン・ユイミン):抗日運動のリーダー。ワンをスパイ活動に引き込む。
  • ジョアン・チェン(イー夫人):イーの妻。気品ある女性として物語に緊張感を加える。

ほかに、トゥオ・ツォンホァ(ウー)、チュウ・チーイン(ライ・シュウチン)、チン・ガーロウ(ツァオ)ら、脇を固める重要なキャラクターたち。

登場人物 出演者
イー トニー・レオン
ウォン・チア・チー/マック夫人 タン・ウェイ
イー夫人 ジョアン・チェン
クアン・ユー・ミン リーホム・ワン
オールド・ウー トウ・チュンホア
ライ・シュージン 朱志英
ホアン・レイ カオ・インスアン
リャン・ジュンシェン ローレンス・コウ
アウヤン・リンウェン / ミスター・マック ジョンソン・ユエン
ツァオ カー・ロク・チン
マー夫人 イェン・スー
シャオ夫人 ホー・サイフェイ
ワンの叔母 宋汝輝
リャオ夫人 王慧玲
レオン夫人 ジー・リュー
ハリド・サイダディン アヌパム・カー
居酒屋の女将 竹下明子
佐藤大佐 藤木勇人
居酒屋の芸者 瀬戸 真澄
居酒屋のミュージシャン 小山典子
HKU劇場の観客(女性) ユライ・チェン
交番の女性 シー・ホン
売春宿の売春婦 デン・ウェイ
おばさんの麻雀相手 リサ・ルー
書店の老人 李斗
宝石店の店員 シャヤム・パタク
香港の仕立て屋 グー・ジャンピン
男性ピンタン歌手 ボーウェン・ガオ
女性ピンタン歌手 ユー・クン
HKU劇場の観客 ヤットン・ラウ
欧米の学生 ジェイコブ・J・ジアカン
日本人団長タイチョー 小島 裕司
日本人教師 溝上陽子
居酒屋ウェイトレス 南方文香
ニューキースリングカフェのウェイター アニス・ファトナシ
三輪タクシーのウェイター ヤ・ジュン・タン
リャオ夫人 リン・ワン

スタッフ

担当 担当者
衣装デザイン ライ・パン
ワードローブ監督 コニー・オーヨン
ワードローブ監督 フォン・サン・ルイ
ワードローブ助手 ハフォン・ルク
ワードローブ助手 ミリアム
ワードローブ助手 ポー・イー・ウォン
メイクアップ部長 スユアン・チェン

まとめ

『ラスト、コーション』は、アン・リーの繊細な演出とタン・ウェイ、トニー・レオンの圧倒的な演技により、禁断の愛と歴史的背景を融合させた傑作です。衣装や化粧、髪型はキャラクターの内面を映し出し、物語の緊張感を高めます。スパイとしての任務と愛の間で揺れるワンの運命は、観る者に深い感動と問いかけを与えます。

レビュー 作品の感想や女優への思い

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