松坂慶子は、1952年7月20日生まれの日本の女優、歌手、タレントです。1967年にデビューし、映画やテレビドラマを中心に活躍しています。1980年代に『青春の門』や『蒲田行進曲』などの主演作で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。歌手としても『愛の水中花』が大ヒットしました。2009年に紫綬褒章を受章しています。
韓国人の父と日本人の母の間に生まれ、早産で未熟児でした。身長162cm、血液型A型で、モマオフィス所属です。服飾ではバニーガール姿が話題となり、美容面ではクラシックバレエで体型を維持しています。
プロフィール
- 名前:松坂慶子
- 本名:高内慶子
- 生年月日:1952年7月20日(73歳)
- 出生地:東京都大田区
- 配偶者:高内春彦 (1991年から)
- 子女:高内百音、 高内麻莉彩
- 両親:松坂英明、 松坂つね子
- 身長:162cm
生い立ち・教育
松坂慶子は、1952年7月20日に東京都大田区で生まれました。本名は高内慶子です。韓国人の父と日本人の母の間に誕生し、早産で未熟児として生まれたため、幼少期は体が弱かったそうです。7歳下の弟がおり、4人家族で育ちました。両親は彼女をイングリッド・バーグマンのような美しい女性に育てたいと考え、幼少期から複数の習い事をかけもちさせました。歌唱、ピアノ、児童舞踊、クラシックバレエ、ダンスなどを学び、芸術的な感性を養いました。幼少期は大人しい性格で、貸本屋で手塚治虫の『リボンの騎士』を借りたり、『赤毛のアン』や童話を読むのが好きでした。また、一時期画家のオディロン・ルドンの作品に傾倒し、ルドンの青い花を夢中で鑑賞するのが快感だったそうです。
1959年に渋谷区立鳩森小学校に入学しました。小学校2年生の1960年には、「くるみ芸術学園」で歌唱科、ピアノ科、児童舞踊科を受講しています。1961年に転居のため中野区立向台小学校に転校し、NHKの「声くらべ腕くらべ子供音楽会」で「からすの赤ちゃん」を歌って合格しました。中野区立第三中学校では演劇部に所属し、落語家の二代目快楽亭ブラックが同級生で一緒に活動しました。この頃から言葉よりダンスで表現したいと思い、クラシックバレエを本格的に始めました。
1966年、中学2年生で劇団ひまわりに入団しました。1967年にデビューし、1968年に日本大学第二高等学校を卒業しています。高校2年生の1969年には、古賀政男ギター歌謡学院で歌のレッスンを受け、大映からスカウトされました。1972年には日本大学文理学部で聴講生となり、家族の戸籍問題も解決して日本国籍を取得しました。父は韓国から来日し、母は身売りされた過去があり、戦後に神奈川県藤沢市に移住しました。母の戸籍が韓国人扱いされていたが、1964年に回復しました。これらの経験が、彼女の強い意志と芸術への情熱を形成したと言えます。教育面では、習い事を通じて美容意識も高まり、クラシックバレエで体型を維持する基盤ができました。
経歴
松坂慶子の経歴は、1967年のデビューから始まります。1967年に幼児向けコメディ『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』(NET)でテレビ初出演しました。1968年に15歳で『ウルトラセブン』第31話「悪魔の住む花」(TBS)でカオリ役を演じました。1969年に大映からスカウトされ、『ある女子高校医の記録 続・妊娠』でスクリーンデビューしています。1970年に大映東京撮影所に入社し、TBSの『おくさまは18歳』や『なんたって18歳!』でレギュラー出演しました。
1971年に映画『夜の診察室』で主演予定の渥美マリが降板したため代役で映画初主演を果たしました。12月に大映が倒産した後、1972年に松竹に移籍しました。1973年にNHK大河ドラマ『国盗り物語』で濃姫役を演じて注目を集めました。1975年には時代劇『江戸を斬る』に出演しています。1978年に映画『事件』で清純派から脱皮し、1979年に映画『配達されない三通の手紙』で体当たりの演技を見せ、トップ女優の地位を確立しました。同年、TBSドラマ『水中花』で主演し、主題歌『愛の水中花』をリリースして大ヒットしました。バニーガール姿が話題となり、音楽番組『ザ・ベストテン』に出演しています。
1980年代は映画『青春の門』(1981年)、『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』(1981年)、『蒲田行進曲』(1982年)、『火宅の人』(1986年)などで主演しました。テレビではNHK大河ドラマ『春の波涛』(1985年)などに出演しています。深作欣二監督作品に多く起用されました。1990年に松竹から島田事務所に移籍しました。1991年にジャズギタリストの高内春彦と結婚し、ニューヨークに移住しました。1992年と1994年に長女、次女を出産しています。
2000年にNTTドコモのCMで主婦役をコミカルに演じ、新境地を開きました。2002年に写真集『さくら伝説』を発表しました。2005年に大塚食品「ボンカレー」のパッケージキャラクターに就任し、ドラマ『熟年離婚』で主演しました。社交ダンス番組で優勝しています。2007年に父の死去で母との確執が解消し、2012年から母と同居しました。夫が高内の介護を担っています。
2013年に映画『牙狼-GARO- 〜蒼哭ノ魔竜〜』で初のアクションシーンを披露しました。2018年に大河ドラマ『西郷どん』で最多出演記録を樹立しました(草笛光子に並ぶ)。2023年にNHK朝ドラ『らんまん』で祖母役に出演し、牧野記念財団理事に就任しました。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(2023年)で活躍中です。
受賞歴は豊富で、1981年に『青春の門』と『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。1990年に『死の棘』で同賞を受賞しています。2009年に紫綬褒章を受章しました。2024年に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で優秀助演女優賞を受賞しています。フランス政府観光局親善大使も務めました。経歴を通じて、ダンスで維持した体型が役柄に活かされています。
服飾・美容
松坂慶子の服飾と美容は、幼少期の習い事から培われたものです。クラシックバレエやダンスで体型を維持し、優雅な姿勢を身につけました。1979年のドラマ『水中花』で着用したバニーガール姿が大きな話題となり、彼女のスタイルを象徴するものとなりました。この衣装は、レコードジャケットでも使用され、ファッションアイコンとして注目を集めました。2003年にはジュエリーベストドレッサー賞を受賞し、洗練されたアクセサリー使いが評価されました。
着物姿も美しく、時代劇やドラマで伝統的な和服を優雅に着こなし、時代を超えた美しさを発揮しています。例えば、大河ドラマでの役柄では、着物の所作が自然で、ファッションの参考になるほどです。美容面では、70代となった現在もポジティブな人生哲学を持ち、「私は今、70代の青春まっただ中」と語っています。健康第一に身体を受け入れ、芸術を最優先する生活を送っています。メナード化粧品のCMで長年イメージモデルを務め、ナチュラルメイクやヘアスタイルが女性たちの憧れとなっています。インタビューでは、母への思いや介護経験が美容意識に影響を与えていると述べています。ヒップホップダンスにハマる役柄でも、ファッションを寄せて演じ、柔軟なスタイルを示しています。全体として、服飾はエレガントで多様な衣装をこなし、美容は内面的な喜びと連動した自然な美しさを保っています。
私生活
松坂慶子の私生活は、1991年1月2日にジャズギタリストの高内春彦とニューヨークで結婚したことが大きな転機となりました。人気女優と無名の高内との結婚は「格差婚」とされ、両親が大反対し、親子絶縁を宣言しました。結婚後、ニューヨークに移住し7年間過ごしました。1992年に長女、1994年に次女を出産しています。2008年には、中学生の娘たちがNHK「3か月トピック英会話」で共演しました。長女誕生時には、緒形拳から「ばんざい」のFAXが届きました。
2007年に父の死去で母との確執が解消しました。2012年から母と同居し、夫が高内の介護を担っています。フランス政府観光局の女性親善大使(1991年)を務めました。2005年に社交ダンスで優勝し、2013年のTV番組で高評価を得ました。家族の戸籍問題は、1993年の両親の著書『娘・松坂慶子への「遺言」』で公表されました。私生活では、ニューヨーク生活で洗練されたスタイルを磨き、美容意識が高まりました。母の介護を通じて、家族の絆を深めています。現在も、芸能活動と家庭を両立させ、充実した生活を送っています。
出演作品
映画
- ある女子高校医の記録 続・妊娠(1969年、役名不明)
- 夜の診察室(1971年、役名不明)
- 藍より青く(1971年、役名不明)
- 事件(1978年、役名不明)
- 配達されない三通の手紙(1979年、役名不明)
- 青春の門(1981年、おりん)
- 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981年、お雪)
- 道頓堀川(1982年、マチ子)
- 蒲田行進曲(1982年、小夏)
- 人生劇場(1983年、役名不明)
- 火宅の人(1986年、より子)
- 波光きらめく果て(1986年、役名不明)
- 死の棘(1990年、ミホ)
- グッバイ・ママ(1992年、役名不明)
- 男はつらいよ 寅次郎の縁談(1993年、役名不明)
- さくや妖怪伝(2006年、役名不明)
- ベトナムの風に吹かれて(2007年、役名不明)
- 火垂るの墓(2008年、役名不明)
- 本日またまた休診なり(2009年、役名不明)
- 大阪ハムレット(2010年、役名不明)
- 牙狼-GARO- 〜蒼哭ノ魔竜〜(2013年、役名不明)
- 空海 KU-KAI 美しき王妃の謎(2018年、白玲)
- 人魚の眠る家(2018年、千鶴子)
- 僕に、会いたかった(2019年、池田信子)
- あの庭の扉をあけたとき(年不明、役名不明)
- ミステリと言う勿れ(年不明、役名不明)
- あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年、役名不明)
- 父と僕の終わらない歌(年不明、役名不明)
TV
- 忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ(1967年、藤野タカネ)
- ウルトラセブン 第31話「悪魔の住む花」(1968年、香織)
- おさな妻(1970年-1971年、役名不明)
- おくさまは18歳(1971年、役名不明)
- 女はつらいよ(1971年、役名不明)
- なんたって18歳!(1971年-1972年、役名不明)
- それゆけ結婚(1971年-1972年、役名不明)
- 春の嵐(1971年-1972年、役名不明)
- 花の旅路(1972年、役名不明)
- 青春をつっ走れ(1972年、役名不明)
- 銀河テレビ小説 若い人(1972年、役名不明)
- 木下恵介・人間の歌シリーズ 白い夏(1972年、みのり)
- 木下恵介・人間の歌シリーズ 冬の貝殻(1973年-1974年、野村千恵)
- 木下恵介・人間の歌シリーズ 阿蘇の女(1974年、役名不明)
- 鉄平と順子(1972年-1974年、役名不明)
- 国盗り物語(1973年、濃姫)
- 江戸を斬る 梓右近隠密帳(1973年-1974年、柳生奈美・お妙の方)
- 白い滑走路(1974年、折井薫)
- 座頭市物語 第15話「めんない鴉の祭り唄」(1975年、お糸)
- 春ひらく(1974年-1975年、役名不明)
- 水戸黄門(1975年-1983年、複数役)
- 白い地平線(1975年、役名不明)
- 虹のエアポート(1975年-1976年、役名不明)
- 宮本武蔵(1975年-1976年、役名不明)
- 江戸を斬る(1975年-1981年、おゆき)
- 結婚前夜 シリーズ「母の贈り物」(1976年、役名不明)
- 私も燃えている(1976年、役名不明)
- われは海の子(1976年、平井香織)
- いごこち満点(1976年、青井伊津子)
- 東芝日曜劇場(1976年-2002年、複数役)
- 暖流(1976年-1977年、役名不明)
- 土曜ドラマ サスペンスシリーズ「轢き逃げ」(1977年、牧村逸子)
- 天北原野(1977年、須田原あき子)
- 白い波紋(1977年、北条朋子)
- 今はバラ色が好き(1977年-1978年、藤森麻子)
- 青春の門 第二部「自立篇」(1977年-1978年、カオル)
- 幸福の断章(1978年、役名不明)
- 土曜ワイド劇場(1978年-1988年、複数役)
- 大空港(1978年、三森亜矢子)
- 恋人たちの垣根(1978年-1979年、武村千津)
- 赤穂浪士(1979年、瑤泉院)
- 疾風同心 第16話「初春悲願の仇打ち」(1979年、お冬)
- 水中花(1979年、森下梨絵)
- 夜の花火(1981年、鳴海涼子)
- 夜明けのタンゴ(1980年、役名不明)
- 関ヶ原(1981年、初芽局)
- 闇を斬れ(1981年、しの)
- 影の軍団II 第1話「眼には眼を」(1981年、お霧)
- お命頂戴! 第1話「変幻葵殺法 最後の哀しき抱擁」(1981年、役名不明)
- 春の傑作推理劇場(1982年、複数役)
- 大岡越前(1982年-1983年、複数役)
- 斬り捨て御免! 第3シリーズ 第3話「生か死か断崖に揺れる二人」(1982年、おりは)
- 金曜劇場 夕映え天使(1982年、役名不明)
- 火曜サスペンス劇場 女相続人(1982年、役名不明)
- つか版忠臣蔵(1982年、役名不明)
- ザ・サスペンス 一千万人の中の孤独(1983年、大町久美子)
- 流れ星佐吉 第1話「佐吉が出会った大美人」(1984年、役名不明)
- ふたりぼっち(1984年、役名不明)
- 水曜ドラマスペシャル 椿探偵奮闘シリーズ 天女の涙(1986年、役名不明)
- 新春特別企画ドラマ 太閤記(1987年、役名不明)
- 24時間テレビ スペシャルドラマ「長らえしとき」(1987年、役名不明)
- 窓を開けますか?(1988年、岸森亜希子)
- 大忠臣蔵(1989年、瑤泉院)
- 水曜グランドロマン 花と家族(1989年、役名不明)
- 火曜スーパーワイド 長崎異人館の女(1989年、役名不明)
- 平岩弓枝 ドラマスペシャル「歳月」(1989年、役名不明)
- ドラマ指定席「未来(ニライ)の海 リリー踊り子日記」(1991年、役名不明)
- 家族の食卓’93(1993年、役名不明)
- 松本清張 一周忌特別企画/或る「小倉日記」伝(1993年、村上ふじ)
- サスペンス・魔 私に話しかけて…(1993年、役名不明)
- 月曜ドラマスペシャル サクラサク! おかあさんは女子大生(1993年、役名不明)
- 魔の季節(1995年、役名不明)
- 女にも七人の敵(1996年、役名不明)
- スキップ(1996年、役名不明)
- 毛利元就(1997年、杉の方)
- 怒る男 笑う女(1999年、役名不明)
- 加賀百万石 〜母と子の戦国サバイバル〜(1999年、おまつ/芳春院)
- 人間の証明(2004年、役名不明)
- 義経(2005年、平時子)
- 熟年離婚(2005年、役名不明)
- 篤姫(2008年、幾島)
- 隠密秘帖(2011年、沢の井)
- ぼんくら(2014年、役名不明)
- スミカスミレ 45歳若返った女(2016年、役名不明)
- 花燃ゆ(2015年、毛利都美子)
- まんぷく(2018年、役名不明)
- 西郷どん(2018年、西郷満佐)
- らせんの迷宮 DNA科学捜査(2021年、役名不明)
- 一橋桐子の犯罪日記(2022年、役名不明)
- らんまん(2023年、役名不明)




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