『ナチュラル・セレクション 愛では俺たちを救えない』(原題:Natural Selection)は、2015年公開の米国製青春サスペンス・スリラー。転校生タイラーがブルーロック高校で出会った謎めいた少年インドリッドとの友情と、殺人事件の真相に迫る物語。心の傷と葛藤を描く。
基本情報
- 邦題:ナチュラル・セレクション 愛では俺たちを救えない
- 原題:Natural Selection
- 公開年:2015年
- 製作国:米国
- 上映時間:101分
- ジャンル:スリラー
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見どころ
ティーンエイジャーの心の傷、秘めた闇、苦悩と葛藤など、思春期特有のナイーブな想いの数々を通し、青春がいかに初々しく、みずみずしいものかを魅力的に描き出す。
ファム・ファタル
ペイジ・トマスを演じたキャサリン・マクナマラが、いつもは可愛い感じですが、本作では綺麗な風格。
女優の活躍
本作では、若手女優キャサリン・マクナマラが主要な女性キャラクターであるペイジ役で出演し、その演技が注目されています。彼女は、転校生タイラーに学校を案内する女子生徒として登場し、物語の重要な鍵を握る存在です。マクナマラは、ペイジの複雑な感情や思春期特有のナイーブさを繊細に表現。特に、タイラーやインドリッドとの交流の中で見せる感情の揺れや、物語が進むにつれて明らかになる彼女の背景を丁寧に演じ、観客に強い印象を与えています。彼女の自然体でありながらも緊張感を漂わせる演技は、青春サスペンスの雰囲気を高め、物語のミステリアスなトーンを支えています。また、キャサリン・マクナマラは本作以前に『シャドウハンター』シリーズなどで知られており、本作でもその経験を活かし、感情豊かな演技で作品に深みを加えています。
もう一人の女優、キャサリン・ミッサルも重要な脇役として登場し、物語の展開にアクセントを加えています。彼女の演技も、思春期の不安定な心理を巧みに表現しており、作品全体のリアリティを高めています。
女優の衣装・化粧・髪型
キャサリン・マクナマラ演じるペイジの衣装は、現代のアメリカの高校生らしいカジュアルなスタイルが特徴です。ジーンズやTシャツ、軽やかなカーディガンなど、日常的で親しみやすい服装が中心で、青春映画の雰囲気を強調しています。彼女の衣装は、物語の舞台であるブルーロック高校の雰囲気や、ティーンエイジャーの等身大な生活感を反映しており、観客にキャラクターへの共感を促します。化粧はナチュラルで、若い女性らしいフレッシュな印象を与えるメイクアップが施されています。薄いファンデーションに、控えめなアイメイクとリップが特徴で、ペイジの純粋さと繊細さを引き立てています。髪型は、シンプルなロングヘアを下ろしたスタイルや、ポニーテールでまとめられたカジュアルなものが多く、場面に応じて活発さや内省的な雰囲気を演出。
キャサリン・ミッサルも同様に、ティーンらしいカジュアルな衣装とナチュラルなメイクで登場し、物語のリアリティを支えています。全体的に、女優たちの衣装・化粧・髪型は、キャラクターの若さと物語のサスペンス要素をバランスよく表現するものとなっています。
感想
若年層の学校生活や私生活をナチュラル・セレクション(自然淘汰)とタイトル付けした点はナイス。年齢とともに感じることですが、どんな人生を歩もうと結局人間は住み分けと自然淘汰に歩むに過ぎません。ただ、インドリッドが考えるように、自分ルールとナチュラル・セレクションを同じと見るか否かは、選択の余地があります。私は否定的ですが。
作品全体で思ったのは、愛で俺たち・私たちを救えること。
あらすじ
ブルーロック高校に転校してきた高校3年生のタイラー(メイソン・ダイ)は、新たな環境に馴染もうと奮闘しますが、学校では最近、デレクという生徒が何者かに殺害された事件が起き、校内は緊張感に包まれています。そんな中、タイラーは校内を案内してくれた女子生徒ペイジ(キャサリン・マクナマラ)に一目惚れします。ペイジは明るく親しみやすい性格で、タイラーにとって新しい学校での希望の光となります。しかし、ある日のパーティで、ペイジの元カレに絡まれたタイラーは、謎めいた少年インドリッド(アンソニー・マイケル・ホール)に助けられ、2人は急速に友情を深めていきます。インドリッドはどこか影のある人物で、彼の言動や行動はタイラーを次第に事件の真相へと導きます。タイラーはインドリッドとの交流を通じて、殺人事件の背景や学校に潜む闇に直面し、自身の心の傷や葛藤とも向き合うことになります。やがて、タイラーはペイジやインドリッド、そして事件の真相を巡る衝撃的な事実を知り、友情と愛の間で揺れ動きながら、過酷な現実と対峙していくのです。物語は、ティーンエイジャーの繊細な感情とサスペンスフルな展開が交錯し、観客を引き込む展開となっています。
解説
『ナチュラル・セレクション 愛では俺たちを救えない』は、青春サスペンス・スリラーとして、ティーンエイジャーの心の傷や葛藤をテーマに据えた作品です。原題の「Natural Selection(自然選択)」は、生物学的な進化論の概念を指しますが、本作では人間関係や社会の中での「適者生存」に絡めたメタファーとして解釈できます。物語は、転校生タイラーの視点を通じて、友情、恋愛、そして裏切りや秘密といったテーマを探求し、思春期特有の不安定な心理状態を巧みに描き出します。監督のチャド・L・シャイフェレは、限られた予算の中で、心理的な緊張感と青春の瑞々しさを両立させた演出を見せ、観客に強い印象を与えます。特に、インドリッドというキャラクターのミステリアスな存在感が物語の鍵となり、サスペンス要素を強化しています。レビューでは、物語の展開がやや唐突に感じられる部分や、謎解きの過程で説明不足の点が指摘されることもありますが、若手俳優たちの熱演と、思春期の複雑な感情を捉えた演出が高く評価されています。平均スコア2.8点(Filmarks)と、賛否両論ではありますが、青春映画やサスペンスが好きな観客には独特の魅力を持つ作品と言えるでしょう。
キャスト
- タイラー:メイソン・ダイ(Mason Dye) – 転校生の主人公。純粋でナイーブな高校生を演じ、物語の中心となる。
- ペイジ:キャサリン・マクナマラ(Katherine McNamara) – タイラーが一目惚れする女子生徒。明るさと複雑な内面を併せ持つ。
- インドリッド:アンソニー・マイケル・ホール(Anthony Michael Hall) – 謎めいた少年で、タイラーの友人。物語の鍵を握る存在。
その他:キャサリン・ミッサル(Catherine Missal)など、若手俳優たちが脇を固める。
登場人物 | 出演者 |
---|---|
タイラー・エヴァンス | メイソン・ダイ |
インドリッド・ワーディン | ライアン・マンザート |
スティーブンソン氏 | アンソニー・マイケル・ホール |
ペイジ・トーマス | キャサリン・マクナマラ |
ローラ | エイミー・カールソン |
マット | タイラー・エリオット・バーク |
アンジェラ・ワーディン | エスター・ジスキンド |
スティーブ | ライアン・ブードロー |
ウェズリー | マイケル・ニコリッチ |
ジョシュ | タイラー・ガラメラ |
サマンサ | アンナ・フリードマン |
ティファニー | キャサリン・ミッサル |
キャサリン | マケンジー・ヒューズ |
ディートリック先生 | リアン・ランディス |
高校秘書 | スザンナ・ハート・ジョーンズ |
校長 | W. ロバート・ランディス |
オースティン | ジョサイア・ノーラン |
理科教師 | ディナ・エンゲル |
理科一年生 | アンナ・ラ・ロッシュ |
第二科学生 | リアンダ・スウェイン |
体育教師 | ジム・バグネル |
ジョナサン・エヴァンス/タイラー家の父 | ジョン・エレトン |
若きタイラー | ブレンダン・バースマイアー |
デレク | チャド・L・シャイフェール |
SWATチームリーダー | マイケル・P・ワイリー |
ウィンストン・オーキー牧師 | スチュアート・コネリー |
グレアム・パナセ教授 | スティーブン・メドヴィディック |
ブライアン | アンソニー・デル・ネグロ |
フットボール選手/パーティー好き | ドリュー・フィリップス |
エキストラ | タイラー・ラザフォード |
セクシーな学生 | エリカ・リン・アーデン |
モンテロッソ | マーク・バースマイアー |
警察官 | ブライアン・ギルディア |
学生 | ヌーラ・ジョスト |
スワットチームメンバー | チャド・クノール |
迷彩カーディガンの男 | ザック・ローズ |
警察官 | フランチェスコ・スコルソン |
ティファニーを演じたキャサリン・ミッサルは『バケーション』(2015年)でエド・ヘルムズとラスティ・グリズウォルド役で共演。共演のアンソニー・マイケル・ホールは『ナショナル・ランプーンのバカンス』(1983年)でオリジナルのラスティ・グリズウォルドを演じました。
スタッフ
- 監督:チャド・L・シャイフェレ(Chad L. Scheifele) – 本作の演出で、青春とサスペンスの融合を試みた。
- 脚本:不明(詳細な情報が不足しているが、監督が脚本にも関与した可能性あり)。
担当 | 担当者 |
---|---|
衣装デザイン | リタ・スキティエール |
追加衣装 | シャノン・マッカーナン |
衣装 | アレクサ・オニール |
注意点
本作は、同じ原題「Natural Selection」を持つ2011年公開のヒューマンドラマ(『ナチュラル・セレクション~ほんとうの私に出会う旅』)と混同されやすいですが、まったく異なる作品です。2011年版は中年女性リンダの物語であり、本作は青春サスペンスです。情報源を確認する際は、公開年(2015年)とキャスト(キャサリン・マクナマラなど)を基準に区別してください。
総括
『ナチュラル・セレクション 愛では俺たちを救えない』は、青春の瑞々しさとサスペンスの緊張感を融合させた作品で、キャサリン・マクナマラをはじめとする若手俳優の演技が光ります。ティーンエイジャーの心の傷や葛藤を丁寧に描きつつ、ミステリアスな展開で観客を引き込む一方、物語の説明不足がやや難点です。それでも、思春期の複雑な感情や友情、恋愛のテーマに共感する視聴者には魅力的な作品と言えるでしょう。衣装やメイクは、キャラクターの若さと物語の雰囲気を自然に表現し、視覚的にも作品の世界観を支えています。
レビュー 作品の感想や女優への思い