ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)は米国の女優、活動家。映画『スクリーム』『プラネット・テラー in グラインドハウス』やTVドラマ『チャームド』で知られる。#MeToo運動の先駆者として社会的な影響力ももつ。
プロフィール
- 名前:ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)
- 本名:Rose Arianna McGowan
- 生年月日:1973年9月2日(51歳)
- 出生地:イタリア・フィレンツェ
- 国籍:米国
- 職業:女優
- 活動期間:1992年〜
- SNSサイト:Instagram
生い立ち・教育
ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)は、1973年9月5日にイタリアのフィレンツェで生まれました。父親のダニエル・マッゴーワンはアイルランド系アメリカ人で芸術家、母親のテリーはフランス系アメリカ人で作家でした。彼女は、両親が所属していた新宗教運動「神の子供たち(Children of God)」のコミュニティで幼少期を過ごしました。このカルト的な環境は、彼女の幼少期に大きな影響を与え、自由奔放でありながらも規律の厳しい生活を送りました。9歳のとき、両親が離婚し、父親がコミュニティを離れると、彼女は父親とともにアメリカへ移住しました。
アメリカでは、ワシントン州やオレゴン州で育ち、複数の学校を転々としました。彼女は自伝『Brave』(2018年)の中で、カルトでの生活や家庭環境が自己認識や自己表現に大きな影響を与えたと述べています。学校教育に関しては、伝統的な教育システムに馴染めず、10代の頃には自己流で学びを深めました。15歳で法的に親から独立し、シアトルで自活を始めました。この時期、彼女はモデルやエキストラの仕事をしながら、演技への情熱を育てました。正式な演技の訓練は受けませんでしたが、独自の感性と強い意志でキャリアを築いていきました。
経歴
ローズ・マッゴーワンの俳優としてのキャリアは、1990年代初頭に始まりました。1992年、19歳のときに映画『Encino Man』(邦題:原始人のおかしな大冒険)で小さな役を演じ、映画デビューを果たしました。その後、1995年のインディペンデント映画『ドゥーム・ジェネレーション』で主演を務め、注目を集めました。この作品での大胆な演技が評価され、インディペンデント・スピリット賞の最優秀新人女優賞にノミネートされました。
1996年、ホラー映画『スクリーム』でタトゥム・ライリー役を演じ、広く知られるようになりました。この映画は大ヒットし、彼女の知名度を一気に高めました。その後も、『Jawbreaker』(1999年)や『Monkeybone』(2001年)など、個性的な役柄で存在感を示しました。2001年から2006年にかけては、TV番組『チャームド 魔女3姉妹』でペイジ・マシューズ役を演じ、国際的な人気を獲得。このドラマは、魔女の姉妹を描いたファンタジー作品で、彼女の演技は多くのファンに愛されました。2007年『プラネット・テラー in グラインドハウス』で主役として難解なアクションに挑戦。
一方、マッゴーワンはハリウッドでのキャリアの中で、性被害や業界の不平等に直面した経験を公に語りました。特に、2017年に映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる性的暴行を告発し、#MeToo運動の火付け役の一人となりました。この告発は、彼女を活動家としての地位に押し上げ、ハリウッドの構造的な問題を浮き彫りにしました。彼女はその後も、ジェンダー平等や被害者の権利を訴える活動を続け、2018年に出版した自伝『Brave』では、自身の経験やハリウッドの闇を赤裸々に綴りました。
近年は、俳優業よりも社会活動や執筆に重点を置いており、ドキュメンタリーやポッドキャストを通じて、自身のメッセージを発信しています。彼女のキャリアは、単なる女優の枠を超え、社会変革を促す影響力を持つ存在として進化しました。
私生活
ローズ・マッゴーワンの私生活は、彼女の公的なキャリアと同様に波乱に満ちています。幼少期のカルト生活や親との複雑な関係は、彼女の人間関係や自己認識に影響を与えました。恋愛面では、いくつかの著名な関係が知られています。1990年代後半には、ロックミュージシャンのマリリン・マンソンと交際し、2年間の婚約期間を経て2001年に破局しました。この関係は、当時メディアで大きく取り上げられ、彼女のエッジの効いたイメージをさらに強調しました。
その後、2007年に映画監督のロバート・ロドリゲスと交際を始め、2009年に婚約しましたが、2011年に破局。2013年には、アーティストのデイヴィッド・スレイドと結婚しましたが、2016年に離婚しています。私生活での困難や公の場での批判にもかかわらず、彼女は自己表現を貫き、自身の経験を社会的な議論に繋げることで知られています。
マッゴーワンは、精神的な成長や自己発見にも強い関心を持ち、ヨガや瞑想を通じて内面的なバランスを保つ努力をしてきました。また、動物愛護や環境問題にも関心を持ち、ソーシャルメディアでこれらのテーマについて発信しています。彼女は、自身のトラウマや困難を公にすることで、他の被害者や抑圧された人々に勇気を与えることを目指しています。
出演作品
以下は、ローズ・マッゴーワンの主要な出演作品の一部です。
映画
- Encino Man(1992年):スクリーンデビュー作。コメディ映画で小さな役を演じた。
- The Doom Generation(1995年):主演として注目を集め、インディペンデント映画での評価を確立。
- スクリーム(1996年):タトゥム・ライリー役でブレイク。ホラー映画の名作。
- Jawbreaker(1999年):コートニー・シェイン役。ダークコメディで主演。
- Monkeybone(2001年):ミス・キティ役。ファンタジー・コメディ映画。
- プラネット・テラー in グラインドハウス(2007年):チェリー・ダーリン役。ロバート・ロドリゲス監督作品。
TV
- チャームド 魔女3姉妹(2001年〜2006年):ペイジ・マシューズ役。魔女三姉妹の一人を演じ、長期的な人気を得た。
- Nip/Tuck(2007年):ゲスト出演。人気ドラマでの特別出演。
- LAW & ORDER:性犯罪特捜班(2014年):ゲスト出演。
その他
- ドキュメンタリー『Citizen Rose』(2018年):自身の人生と活動家としての活動を追った作品。
- ミュージックビデオ:マリリン・マンソンの楽曲などで出演。
総括
ローズ・マッゴーワンは、女優としての成功だけでなく、#MeToo運動の先駆者として社会に大きな影響を与えた人物です。彼女のキャリアは、幼少期の特異な環境、ハリウッドでの挑戦、そして活動家としての進化を反映しています。映画『スクリーム』や『チャームド』での活躍は、彼女の演技力と独特な魅力を証明しましたが、彼女の真の遺産は、勇気を持って権力に立ち向かい、抑圧された声を代弁したことにあります。彼女の物語は、自己発見と社会変革の力強いメッセージとして、今も多くの人々に響いています。
レビュー 作品の感想や女優への思い