タラ・アッシュ(Tala Ashe)はイラン系アメリカ人の女優。テレビドラマや舞台での活躍で知られ、特にThe CWのスーパーヒーローシリーズ「レジェンド・オブ・トゥモロー(DC’s Legends of Tomorrow)」でのザリ・トマズおよびザリ・タラジ役で広く認識される。彼女はイラン生まれで、幼少期にアメリカに移住し、舞台とスクリーン双方で多彩なキャリアを構築。流暢なペルシア語を話し、イランとアメリカの二重国籍を持つ彼女は、文化的背景を活かし、多様な役柄を演じる。また、女性のエンパワーメントを目的としたプロジェクト「Shethority」の創設メンバーとしても活動。
タラの名前の「タラエ(Talayeh)」はペルシア語で「開拓者」を意味し、ペルシアの叙事詩「シャーナーメ(Shahnameh)」に由来します。この名前は彼女の先駆的な精神を象徴しているとも言えるでしょう。ブロードウェイやオフブロードウェイでの舞台公演に加え、テレビシリーズでのゲスト出演やレギュラー出演を通じて、彼女の演技力は批評家やファンから高く評価されています。特に「レジェンド・オブ・トゥモロー」のエピソード「Here I Go Again」での演技は、感情の深さと表現力で称賛を集めました。
プロフィール
- 名前:タラ・アッシュ(Tala Ashe)
- 生年月日:1984年7月24日(41歳)
- 出身:イラン、テヘラン
- 学歴:ボストン大学(BFA)
- 職業:女優
- 活動期間:2008年~現在
- 配偶者:Raffi Barsoumian
生い立ちと教育
タラ・アッシュは、1984年7月24日、イランのテヘランで生まれました。両親はショーレ・エルハミとジャヴァド・アシュラフィです。彼女が生後9か月のときに家族はアメリカ合衆国に移住し、オハイオ州コロンバスの郊外にあるパウエルで育ちました。この地域で、彼女は幼少期から演劇に興味を持ち、高校時代には学校の演劇公演に参加し、女優および演出家として活動しました。演劇への情熱は早くから芽生え、彼女の将来のキャリアの基盤となりました。
タラはボストン大学の演劇学部で演技の学士号(BFA)を取得しました。この期間に、彼女は演技の基礎を磨き、プロの女優としての準備を整えました。さらに、ロンドンの名門ロンドン音楽・演劇アカデミー(LAMDA)で学び、演技技術を深化させました。また、ニューヨークのアップライト・シチズンズ・ブリゲード・シアター(UCB Theatre)でもトレーニングを受け、即興コメディや舞台での多様な表現方法を習得しました。これらの教育経験は、彼女の演技に幅と深みを加え、さまざまなジャンルの役柄に対応できる柔軟性を養いました。
経歴
タラ・アッシュのキャリアは、舞台とスクリーンの両方で多岐にわたります。彼女の最初のスクリーン出演は、2008年の映画「Waiting in Beijing」で、ナディア役を演じたもので、このときは本名のタラ・アシュラフィとしてクレジットされました。以降、すべての役でタラ・アッシュとしてクレジットされています。彼女はテレビシリーズでのゲスト出演からキャリアをスタートさせ、「ロー・アンド・オーダー」「ロー・アンド・オーダー:クリミナル・インテント」「30 Rock」「Covert Affairs」などの人気シリーズに出演しました。
テレビでのキャリアは、「Smash」「American Odyssey」「As the World Turns」でのリカーリング(準レギュラー)役でさらに発展しました。特に「Smash」では、ブロードウェイの舞台裏を描いたドラマで印象的な役を演じ、注目を集めました。2017年には、The CWの「レジェンド・オブ・トゥモロー」にザリ・トマズ役でレギュラー出演を開始。この役は、彼女のキャリアにおける大きな転機となり、アクション、ドラマ、コメディの要素をバランスよく演じ分ける能力を示しました。特に、シーズン3のボトルエピソード「Here I Go Again」では、彼女の演技が批評家とファンから高い評価を受け、キャラクターの内面的な成長を巧みに表現しました。
舞台では、タラは地域劇場やオフブロードウェイの公演で数多くの役を演じてきました。彼女の代表作には、ハンティントン・シアター・カンパニーでの「Love’s Labour’s Lost」、ニューヨーク・アリーナでの「Age of Innocence」、ドラマ・リーグ・ディレクターズ・プロジェクトの「Autophagy」、アクターズ・シェイクスピア・プロジェクトの「Twelfth Night」、オルニー・シアターの「Pearls from Salt」などがあります。2022年には、オフブロードウェイの「English」でエルハム役を演じ、その後2025年1月にラウンドアバウト・シアター・カンパニーのトッド・ハイメス・シアターでブロードウェイデビューを果たしました。この公演での演技が評価され、トニー賞の最優秀助演女優賞とドラマ・リーグ賞の優秀演技賞にノミネートされました。また、プレイライツ・ホライゾンズの「The Profane」でも高い評価を受けています。
タラは演技以外にも、女性のエンパワーメントを目的としたプロジェクト「Shethority」の創設メンバーとして活動しています。このプロジェクトは、Arrowverseの共演者たちと共に立ち上げられ、女性やジェンダー的に女性として認識される人々を鼓舞し、支援することを目指しています。また、彼女は「That’s What She Said」というポッドキャストのプロデューサーとしても活動し、クリエイティブな分野での影響力を広げています。
私生活
タラ・アッシュは、イランとアメリカの二重国籍を持ち、英語とペルシア語を流暢に話します。彼女の文化的背景は、演技における多様な役柄へのアプローチに影響を与えています。2025年現在、彼女は俳優のラフィ・バルソウミアン(「レジェンド・オブ・トゥモロー」でビショップ役)と結婚しています。彼女の私生活は比較的プライベートに保たれており、メディアでは主に彼女のプロフェッショナルな活動に焦点が当てられています。タラはソーシャルメディアを通じて、Shethorityの活動やファンとの交流を積極的に行っており、ポジティブな影響力を発揮しています。
タラは、自身のイラン系アメリカ人としてのアイデンティティを大切にしており、文化的ルーツを反映した役やプロジェクトに積極的に関わっています。彼女の名前「タラエ」は、ペルシアの文化と歴史に根ざしており、彼女自身もその意味を誇りに思います。Shethorityでの活動を通じて、彼女は多様性と包摂性を推進し、特にエンターテインメント業界での女性の地位向上に貢献しています。
主な出演作品
映画
- Waiting in Beijing(2008年、ナディア役)
TV番組
- レジェンド・オブ・トゥモロー(DC’s Legends of Tomorrow、2017年~、ザリ・トマズ/ザリ・タラジ役)
- Smash(2012年~2013年、リカーリング役)
- American Odyssey(2015年、リカーリング役)
- As the World Turns(リカーリング役)
- ロー・アンド・オーダー(ゲスト出演)
- ロー・アンド・オーダー:クリミナル・インテント(ゲスト出演)
- 30 Rock(ゲスト出演)
- Covert Affairs(ゲスト出演)
舞台
- English(2022年オフブロードウェイ、2025年ブロードウェイ、エルハム役、トニー賞ノミネート)
- The Who & the What(ブロードウェイオリジナル公演)
- The Profane(オフブロードウェイ、プレイライツ・ホライゾンズ)
- Love’s Labour’s Lost(ハンティントン・シアター・カンパニー)
- Age of Innocence(ニューヨーク・アリーナ)
- Autophagy(ドラマ・リーグ・ディレクターズ・プロジェクト)
- Twelfth Night(アクターズ・シェイクスピア・プロジェクト)
- Pearls from Salt(オルニー・シアター)
まとめ
タラ・アッシュは、イラン系アメリカ人の女優として、テレビ、映画、舞台で幅広いキャリアを築いてきました。ボストン大学やLAMDAでの教育を基盤に、彼女は多様な役柄を演じ、批評家から高い評価を受けてきました。「レジェンド・オブ・トゥモロー」でのザリ・トマズ役や、ブロードウェイの「English」でのエルハム役は、彼女の演技力と文化的背景を活かした代表作です。私生活では、文化的アイデンティティを大切にし、Shethorityを通じて社会的な影響力も発揮しています。今後も彼女の活躍が期待される女優の一人です。
レビュー 作品の感想や女優への思い