ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(Rosie Alice Huntington-Whiteley)は、英国出身のファッション・モデル、女優、ファッション・デザイナー、実業家として知られるマルチタレント。彼女はヴィクトリアズ・シークレット・エンジェルとしての活動や、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などの映画出演で国際的な名声を得ました。以下に、彼女の生い立ち、教育、経歴、私生活、出演作品について詳しく説明します。
- ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(Rosie Huntington-Whiteley)
- 生名:Rosie Alice Huntington-Whiteley
- 生年月日:1987年4月18日(38歳)
- 出生地:英国プリマス
- 職業:モデル、女優
- 活動期間:2002年~現在
- パートナー:ジェイソン・ステイサム (2010年~、婚約中)
- 子供:2人
- 身長:175cm
- 所属モデル事務所:Creative Artists Agency(ニューヨーク、ロサンゼルス
生い立ち
ロージー・ハンティントン=ホワイトリーは、1987年4月18日、イギリスのデヴォン州プリマスで生まれました。彼女は3人兄弟の長女で、弟のトビーと妹のフローレンスがいます。父親のチャールズ・アンドリュー・ハンティントン=ホワイトリーは公認測量士、母親のフィオナ・イヴォンヌはフィットネスインストラクターとして働いていました。ロージーはデヴォン州タヴィストック近郊の農場で育ち、幼少期は自給自足的な生活を送りました。両親が所有する農場では、動物に囲まれ、自然の中で過ごす時間が多く、彼女はこの環境が自身の価値観や家族への愛着を育んだと語っています。
彼女の家系には興味深い背景があります。父方の高祖父は保守党の政治家で準男爵のハーバート・ハンティントン=ホワイトリーであり、貴族の血筋を引いています。また、曾祖母のエニド・エッタ・コーンは、1870年代にイギリスに移住したユダヤ系ポーランド人の家系出身です。この多様なルーツが、ロージーの独特な魅力や国際的なキャリアに影響を与えたとも言えるでしょう。
ロージーは幼い頃からファッションに強い関心を示していました。13歳の誕生日には、祖母から『ヴォーグ』の定期購読をプレゼントされ、ファッション雑誌を読み漁ることで業界への憧れを深めました。彼女は「小さな頃からファッション業界で働くことが夢だった」と振り返っています。
しかし、学校生活では苦労も多かったようです。タヴィストック・カレッジで学んだ彼女は、ダブルバレル(ハイフン付き)の姓や、胸が小さいこと、ふっくらした唇を理由にいじめられた経験を明かしています。これらの経験は、彼女の自己肯定感やプロフェッショナルとしての強さに影響を与えた可能性があります。
教育
ロージー・アリス・ハンティントン=ホワイトリーの正式な教育は、タヴィストック・カレッジで受けました。ここで彼女はGCSE(英国の高校卒業資格試験)を取得しましたが、学業よりもファッションとモデリングへの情熱が強かったようです。15歳の時、彼女はロンドンのウェストエンドにあるモデル事務所「プロファイル」でインターンシップを経験しました。このインターンでは、モデルとしてではなく、いわゆる「お茶汲み」などの雑務を担当していましたが、この経験が彼女のキャリアの第一歩となりました。インターン終了後、数ヶ月後に同事務所を再訪した際、スタッフの目に留まり、モデルとしての契約を獲得しました。
彼女は16歳で学校を卒業し、2003年の夏に本格的にモデリングのキャリアをスタートさせました。大学進学は選択せず、ファッション業界での実践的な経験を積むことを優先しました。この決断は、彼女の若さと情熱、そして早期に訪れた機会を活かすための戦略的な選択だったと言えます。
経歴
モデル
ロージー・ハンティントン=ホワイトリーのモデル経歴は、16歳の時にリーバイスのジーンズのコマーシャルでデビューしたことから始まりました。2004年にはニューヨークコレクションでランウェイデビューを果たし、モスキーノ、ディースクエアード、ケンゾーなどのブランドのショーに出演。2005年には『VOGUE NIPPON』の表紙に初登場し、モデルとしての地位を確立し始めました。
2006年、彼女はヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーに初出演し、2009年には同ブランドの「エンジェル」に選ばれました。この時期、彼女は国際的な注目を集め、ヴィクトリアズ・シークレットのキャンペーンやショーでその美貌とプロフェッショナリズムを発揮しました。しかし、2011年には「モデルの短いキャリア寿命」を理由にヴィクトリアズ・シークレットを退き、他の機会を追求することを選びました。
2008年、バーバリーの秋冬キャンペーンで俳優のサム・ライリーと共に起用されたことで、彼女の知名度は飛躍的に上昇しました。クリストファー・ベイリー主任クリエイティブディレクターに見出された彼女は、2011年にはバーバリーのフレグランス「バーバリー・ボディ」の顔にも選ばれました。このキャンペーンでは、彼女のセンシュアルな魅力が強調され、ブランドのイメージを刷新する役割を果たしました。
その他にも、ラルフ・ローレン、クリニーク、ブルーミングデールズ、トーマス・ワイルド、マークス&スペンサーなど、数多くの高級ブランドの広告キャンペーンに出演。2010年にはテリー・リチャードソン撮影のピレリ・カレンダーでヌードを披露し、ファッション業界での大胆な一面を見せました。また、『ヴォーグ』英国版や『ハーパーズ・バザー』『GQ』などの表紙を飾り、モデルとしての地位を不動のものにしました。
2015年には、自身がプロデュースするビューティブランド「ローズ・インク(Rose Inc.)」を立ち上げ、2021年に正式にローンチ。彼女はファッションデザイナーや実業家としても活躍し、ユニセフUKのサポーターとしてカンボジアやアフリカを訪問するなど、社会貢献にも取り組んでいます。
女優
ロージー・ハンティントン=ホワイトリーはモデルとしての成功を基盤に、2010年代初頭から女優としてのキャリアをスタートさせました。最初の大きな役は、2011年の『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』でのカーリー・スペンサー役です。ミーガン・フォックスに代わる女性主人公として抜擢された彼女は、マイケル・ベイ監督のヴィクトリアズ・シークレットのCMでの仕事がきっかけで起用されました。この映画は全世界で10億ドル以上の興行収入を記録する大ヒット作となり、彼女の名前を一躍有名にしました。ただし、批評家からは彼女の演技について賛否両論があり、特に英語のアクセントがアメリカ人俳優との対比で目立つとの指摘もありました。それでも、彼女の自然体な魅力は一部の批評家から高く評価されました。
2015年には、ジョージ・ミラー監督の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でスプレンディッド・アングハラド役を演じました。この映画はアカデミー賞で10部門にノミネートされ、6部門を受賞するなど高い評価を受け、彼女の演技もアクション映画の厳しい環境の中で際立ちました。スプレンディッド役は、戦士としての強さと優美さを兼ね備えたキャラクターで、彼女のモデルとしての経験が活かされた役柄でした。
これ以降、彼女の映画出演は限られていますが、モデル業と並行して女優としての可能性を示した作品群は、彼女の多才さを証明しています。
受賞歴
ロージーはモデルとしての功績が認められ、2009年に『エル・スタイル・アワード』で「モデル・オブ・ザ・イヤー」、2014年と2016年に『ハーパーズ・バザー・ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で「ビジネスウーマン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。また、『フォーブス』誌で世界で最も高収入なモデルの一人に選ばれるなど、業界での影響力を示しています。
私生活
ロージー・ハンティントン=ホワイトリーの私生活は、アクション俳優ジェイソン・ステイサムとの長期的な関係で広く知られています。2人は2010年4月に交際を始め、2016年に婚約。ジェイソンが贈った5カラットのダイヤモンドリングは話題となりました。20歳の年齢差があるにもかかわらず、2人は強い絆で結ばれており、ロージーはジェイソンを「人生で最高の影響を与えてくれる存在」と称賛しています。
2017年6月には長男ジャック・オスカー・ステイサム、2022年2月には長女イザベラ・ジェームズ・ステイサムが生まれました。ロージーはプライバシーを重視する姿勢を貫いており、子どもたちの写真をSNSで公開することはまれですが、2020年に家族でロサンゼルスからロンドンに移住した理由として、子どもたちに英国の教育や文化を体験させたいという願いを挙げています。ロンドンでは、ジェイソンの両親が近くに住んでおり、家族のサポートシステムが整っていることも強調しています。
ロージーの過去の交際には、ザ・ローリング・ストーンズのロン・ウッドの息子やフランス人俳優オリヴィエ・マルティネスとの短期間の関係が含まれますが、ジェイソンとの関係が彼女の私生活の中心となっています。結婚については「急いでいない」と述べており、子どもたちが成長して結婚式に参加できるタイミングを待つ可能性も示唆しています。
彼女はフィットネスにも熱心で、インスタグラムでワークアウトの様子を公開し、ファンをインスパイアしています。2025年5月には、ジム帰りのノーメイク姿がメディアで取り上げられ、ナチュラルな美しさが話題となりました。
出演作品
ロージーの主な出演作品は以下のとおりです。
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(2011年)
- 役名:カーリー・スペンサー
- マイケル・ベイ監督の大ヒットSFアクション映画。彼女の映画デビュー作であり、商業的成功を収めた(全世界興行収入:約11億2400万ドル)。
マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年)
- 役名:スプレンディッド・アングハラド
- ジョージ・ミラー監督のアクション映画。批評家から絶賛され、アカデミー賞6部門受賞。彼女はイモータン・ジョーの「妻」の一人として登場し、力強い演技を見せた。
その他、ヴィクトリアズ・シークレットのCMやバーバリーの広告キャンペーンなど、映像作品にも多数出演。また、2010年にエージェント・プロヴォカトゥールの短編映画に出演し、恋人のバレンタインデーを忘れた女性を演じました。
まとめ
ロージー・ハンティントン=ホワイトリーは、デヴォンの農場で育った少女から、世界的なファッションモデル、女優、実業家へと成長したインスピレーション溢れる人物です。ヴィクトリアズ・シークレットやバーバリーでの成功、『トランスフォーマー』や『マッドマックス』での演技、そして家族との充実した私生活を通じて、彼女は多面的なキャリアを築き上げました。タヴィストック・カレッジでの教育やモデル事務所でのインターン経験は、彼女の情熱と努力が大きな成果を生む基盤となりました。ジェイソン・ステイサムとのパートナーシップや子どもたちとの生活は、彼女の価値観である家族の重要性を反映しています。
今後も、彼女のビューティブランド「ローズ・インク」の展開や、潜在的な映画出演など、さらなる活躍が期待されます。ロージーの物語は、夢を追いかけ、逆境を乗り越え、多才な才能を開花させる力の証です。
レビュー 作品の感想や女優への思い