タペンス・ミドルトン（Tuppence Middleton）は英国の女優。『イミテーション・ゲーム』でのヘレン役、『センス8』でのライリー役、『ダウントン・アビー』シリーズでのルーシー役で広く知られています。2010年にロンドン・イブニング・スタンダード映画賞の最優秀新人賞にノミネートされ、多様なジャンルで活躍しています。
プロフィール
- 名前：タペンス・ミドルトン（Tuppence Middleton）
- 出生名：タペンス・アメリア・ミドルトン（Tuppence Amelia Middleton）
- 生年月日：1987年2月21日（38歳）
- 出生地：イギリス、イングランド・ブリストル
- 職業：女優
- 活動期間：2007年–現在
- パートナー：マンス・マールリンド
- 子供：1人
- SNS：Instagram・X
生い立ち・教育
タペンス・アメリア・ミドルトン（Tuppence Amelia Middleton）は、1987年2月21日にイングランドのブリストルで生まれました。父親はナイジェル・ミドルトン、母親はティナ・シェパードです。彼女の名前「タペンス」は、母親の幼少期のニックネームに由来しています。姉のエンジェルと弟のジョシュがおり、弟はメタルバンド「Sylosis」でギターとボーカルを担当しています。家族とともにサマセット州のクリーブドンで育ちました。幼少期の彼女は学校では恥ずかしがり屋で内気な「オタク」タイプでしたが、家では活発で陽気でした。自信を養うためにユースシアターに参加し、表現の場を見つけました。ブリストル・グラマー・スクールに通い、学校演劇『ガイズ・アンド・ドールズ』などに出演しました。また、ポートイズヘッドのStagecoachパフォーミング・アーツ・スクールに通い、地元のドラマ制作やクリーブドンのプリンセス・ホールでのパントマイム公演で姉とともに経験を積みました。その後、ロンドンのアーツ・エデュケーショナル・スクールで演技を学び、優等学位を取得しました。この教育背景が、彼女の演技キャリアの基盤を形成しました。
経歴
タペンス・ミドルトンの演技キャリアは2007年に始まり、2009年の英国コメディホラー映画『Tormented』でジャスティン・フィールディング役を演じて注目を集めました。この作品で彼女は初の本格的な映画デビューを果たし、以降、多様な役柄で活躍しています。2010年にはロンドン・イブニング・スタンダード映画賞の最優秀新人賞にノミネートされ、短編映画『Connect』でBAFTAノミネートを獲得しました。テレビでは2008年の『BONES -骨は語る-』で初登場し、2010年の『New Tricks』、2011年の『Friday Night Dinner』や『Sirens』でゲスト出演しました。2013年には『Black Mirror』のエピソード「White Bear」でジェム役を演じ、高い評価を得ました。この役は彼女の演技の幅を広げ、批評家から絶賛されました。
2014年の『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でヘレン・スチュワート役を務め、国際的なブレイクを果たしました。この歴史ドラマはアカデミー賞を受賞し、彼女の知名度を高めました。2015年にはワチョウスキー姉妹のSF映画『ジュピター』でカリーク・アブラサクス役を演じ、Netflixシリーズ『センス8』でライリー・「ブルー」・グンナルスドッティル役としてメインキャストに抜擢されました。このシリーズは2015年から2018年まで続き、彼女のグローバルなファンベースを築きました。2015年から2016年にかけてのBBCドラマ『Dickensian』ではアメリア・ハヴィシャム役（ミス・ハヴィシャムの若い頃）を演じ、古典文学の再解釈で好評を博しました。2016年の『戦争と平和』ではロシア皇女エレン・クラーギナ役を務め、脚本家アンドリュー・デイヴィスから「現在テレビで最もいたずらっぽい女性」と称賛され、Daily Express紙では「楽しく邪悪な」キャラクターとして描かれました。
2017年の『エジソンズ・ゲーム』でメアリー・エジソン役、2020年の『Mank/マンク』でサラ・マンキーウィッツ役を演じ、デヴィッド・フィンチャー監督作品でアカデミー賞ノミネート作品に貢献しました。2019年と2022年の『ダウントン・アビー』シリーズ映画ではルーシー・スミス/ブランソン役を演じ、歴史ドラマのファン層を獲得しました。劇場では2013年の『The Living Room』でプロデビューし、2023年の『The Motive and the Cue』でエリザベス・テイラー役を演じて批評家から称賛されました。2025年にはアニー・エルノーの自伝小説を基にした舞台『The Years』でアニー役を務め、TV番組『The Forsytes』でフランシス・フォーサイト役に出演しています。
また、2025年2月に自伝的回顧録『Scorpions』を出版し、OCD（強迫性障害）との闘いを綴り、注目を集めました。この本はハードカバー、eブック、オーディオブックで発売され、彼女の内面的な成長を示しています。さらに、BBCワールドサービスのドキュメンタリーでナレーターを務め、2020年のスピットファイア、2021年のフィリップ王配について語り、2021年のハイドパーク没入型オーディオツアーにも参加しました。2022年のITVドラマ『Our House』でフィー・ローソン役を主演し、2024年のフォークホラー映画『Lord of Misrule』でレベッカ・ホランド役を演じました。
彼女のキャリアは映画、テレビ、舞台、ナレーションと多岐にわたり、常に進化を続けています。2025年現在、ミニ番組『Death by Lightning』でケイト・チェイス・スプレイグ役、映画『Sukkwan Island』でエリザベス役が予定されており、さらなる活躍が期待されます。
服飾・美容
タペンス・ミドルトンは、ファッション界でも独自のスタイルで注目されています。彼女の個人スタイルは「グランジー・ゴシック」と形容され、ダークでエッジの効いた要素を取り入れつつ、エレガントさを保っています。例えば、2019年のトロント国際映画祭ではハイウエストのタキシードパンツにベルベットのストロングショルダートップを合わせ、洗練された印象を与えました。2022年の『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』プレミアでは、妊娠中ながらオールドハリウッドのグラマーを再解釈したタイムレスなルックを披露し、ヴォーグ誌で「古き良きハリウッドの新解釈」と評されました。このスタイルは、彼女の多面的な美しさを強調します。
美容面では、自然なメイクとヘアスタイルを好み、赤いリップやスモーキーアイでアクセントを加えることが多いです。2016年のイベントでは、深紅のベルベットジャンプスーツで大胆なVネックを着こなし、28歳の美しさを輝かせました。スタイリストのエリザベス・スチュワートと協力し、ファッションを真剣に楽しむ姿勢を保っていますが、決して過度に深刻にならず、遊び心を忘れません。2025年のタトラー誌カバーでは、ロナルド・ヴァン・デル・ケンプのドラマチックなスーツにブルガリのハイジュエリーを合わせ、エリザベス・テイラーを思わせる究極のディーバスタイルを体現しました。彼女のファッション選択は、役柄の多様性と同様に、伝統と革新を融合させたものです。日常ではミニドレスやトレンドのショートヘアを好み、赤毛の魅力を活かしたルックで知られています。これらの要素は、彼女の自信と個性を反映し、ファッションアイコンとしての地位を確立しています。
私生活
タペンス・ミドルトンは、12歳から強迫性障害（OCD）と向き合ってきました。この障害は、彼女の日常生活に大きな影響を与え、自己強制的なルーチン、精神的なカウント、強迫的なチェック行動、嘔吐恐怖症（エメトフォビア）による清潔への過度なこだわりを引き起こします。外出を妨げるほどの症状を抱えていましたが、2021年にBBCラジオ4で臨床心理士や同じ障害を持つ人々と対談し、自身の経験を公に語りました。2025年2月に出版した回顧録『Scorpions』では、この闘いを率直に描写し、詩的でユーモラスな視点からOCDの現実を伝えています。この本は、彼女の人生を深く洞察し、読者に共感を呼び起こしています。
私生活では、ケイト・ミドルトン王妃との血縁関係の噂を否定しています。パートナーはスウェーデン人の映画監督マンス・モーリンドで、ストックホルム在住です。2016年から2019年まで画家ロバート・フライと交際していましたが、現在はモーリンドとの関係を続けています。2022年8月に第一子を出産し、母性とキャリアのバランスを取っています。彼女は親密さやキスに関するOCDの恐怖を克服し、パートナーの支えで関係を深めています。結婚歴はなく、子供は一人です。彼女の私生活は、障害との闘いと愛情深い人間関係が中心で、演技への情熱を支えています。2023年のインタビューでは、母性が彼女を「より恐れ知らず」にしたと語り、人生の多層性を示しています。
出演作品
映画
- 2009年：Tormented – Justine Fielding
- 2010年：In the Meadow – Grace （短編）
- 2010年：Ever Here I Be – Valerie （短編）
- 2010年：Skeletons – Rebecca
- 2010年：Connect – Woman （短編）
- 2010年：Chatroom/チャットルーム – Candy
- 2011年：Subculture – Lily （短編）
- 2012年：クリーンスキン 許されざる敵 – Kate
- 2013年：トランス – Young Woman in Red Car
- 2013年：Trap for Cinderella – Micky
- 2013年：The Love Punch – Sophie
- 2014年：A Long Way Down – Kathy
- 2014年：イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 – Helen Stewart
- 2015年：ジュピター – Kalique Abrasax
- 2015年：Spooks: The Greater Good – June Keaton
- 2017年：エジソンズ・ゲーム – Mary Edison
- 2018年：Stine – Lizzie （短編）
- 2019年：フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて – Alwyn
- 2019年：Four – The Young Woman （短編、脚本も担当）
- 2019年：Disappearance at Clifton Hill – Abby
- 2019年：ダウントン・アビー – Lucy Smith
- 2020年：ポゼッサー – Ava Parse
- 2020年：Mank/マンク – Sara Mankiewicz
- 2022年：ダウントン・アビー/新たなる時代へ – Lucy Branson
- 2024年：Lord of Misrule – Rebecca Holland
- 2025年：Sukkwan Island – Elizabeth
TV
- 2008年：BONES -骨は語る- – Vera Waterhouse （話：”Yanks in the U.K. Part 1 & 2″）
- 2010年：New Tricks – Melanie Higgs （話：”Fashion Victim”）
- 2010年：First Light – Grace （TV映画）
- 2011年：Friday Night Dinner – Tanya Green （話：”The Date”, “The Dress”）
- 2011年：Sirens – Sarah Fraisor （話：”Up, Horny, Down”, “I.C.E.”）
- 2012年：Sinbad – Tiger （4話）
- 2013年：Lewis – Vicki Walmsley （2話）
- 2013年：Spies of Warsaw – Gabrielle （4話）
- 2013年：Black Mirror – Jem （話：”White Bear”）
- 2013年：The Lady Vanishes – Iris Carr （TV映画）
- 2015–2018年：センス8 – Riley “Blue” Gunnarsdóttir （メイン役; 24話）
- 2015–2016年：Dickensian – Amelia Havisham （メイン役; 20話）
- 2016年：戦争と平和 – Princess Helene Kuragina （6話）
- 2017年：Diana and I – Laura Phillips （TV映画）
- 2017年：フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ – Linda （話：”The Commuter”）
- 2019年：A Working Mom’s Nightmare – Hannah （TV映画）
- 2020年：The Defeated – Claire Franklin （8話）
- 2022年：Our House – Fi Lawson （メイン役; 4話）
- 2022年：His Dark Materials – Father Gomez’s Daemon （声; 話：”The Botanic Garden”）
- 2023年：Caught – Penny Pimberhurst （6話）
- 2025年：The Forsytes – Frances Forsyte （6話）
- TBA：Death by Lightning – Kate Chase Sprague （ミニシリーズ）
- TBA：Blood Cruise （撮影中）
劇場
- 2007年：Hay Fever – Judith Bliss （アーツ・エデュケーショナル・スクール）
- 2008年：Cause Célèbre – Alma Rattenbury
- 2008年：The Lights – Lillian
- 2013年：The Living Room – Rose Pemberton （ジャーミン・ストリート・シアター）
- 2018年：The One – Jo （ソーホー・シアター）
- 2023年：The Motive and the Cue – Elizabeth Taylor （ナショナル・シアター / ノエル・カワード・シアター）
- 2025年：The Years – Annie 3 （ハロルド・ピンター・シアター）
MV
- 2014年：”Real” – Years & Years （役：Clubber）
ビデオゲーム
- 2018年：World of Warcraft: Battle for Azeroth – Lady Lucille Waycrest （声）
レビュー 作品の感想や女優への思い