完璧と思える夫妻が危険な心理ゲームに巻き込まれていくエロティック・サスペンス。
『底知れぬ愛の闇』は、パトリシア・ハイスミスによる1957年の同名小説を原作に、ザック・ヘルムとサム・レヴィンソンの脚本、エイドリアン・ライン監督による2022年のエロティック・サイコスリラー映画。
主演はベン・アフレックとアナ・デ・アルマスで、トレイシー・レッツ、リル・レル・ハワリー、ダッシュ・ミホク、フィン・ウィットロック、クリステン・コノリー、ジェイコブ・エロルディが脇役で出演。ライン監督にとって前作『運命の女』(2002年)以来20年ぶりの映画監督復帰作となります。
この映画は、COVID-19パンデミックによる数回の延期を経て、2022年3月18日にHuluで公開されました。
底知れぬ愛の闇
- 邦題:底知れぬ愛の闇
- 原題:Deep Water
- 公開年:2022年
- 製作国:米国、オーストラリア
- 撮影場所:米国ルイジアナ州、アーバニア、ローワー・ガーデン・ディストリクト、ニューオーリンズ
- 上映時間:116分
- ジャンル:スリラー、ミステリー、クライム
製作会社
- 20世紀スタジオ
- アマゾン・スタジオ
- エンターテインメント360
- エンターテイメント・ワン
- フィルム・ライツ
- ニュー・リージェンシー・プロダクションズ
- リージェンシー・エンタープライズ
配給会社
- 20世紀スタジオ(米国、2022年、劇場公開)
- フールー(米国、2022年、VOD・ビデオ)
- HKCエンターテインメント(パキスタン、2022年、劇場公開)
- アマゾンプライムビデオ(独国、2022年、VOD・ビデオ)
- アマゾンプライムビデオ(米国以外、2022年、VOD・ビデオ)
- フロント・ロウ・フィルムド・エンターテインメント(アラブ首長国連邦、2022年、中東・北アフリカ、ビデオ)
見どころ
ベン・アフレックとアナ・デ・アルマスが夫婦役を演じる。完璧のように思えた夫婦の、裏に抱える甘美でゆがんだ愛の本質が暴かれる。明らかになるさまざまな秘密とは…。
あらすじ
ヴィックとメリンダは誰もがうらやむ絵に描いたような完璧な夫婦生活を営んでいました。ある日、刺激を求めて危険なゲームを行なうこととなり、2人のさまざまな秘密が暴かれていくことに。やがて、ゲームは命を脅かすほどに増大していくのですが…。
ファム・ファタル
『底知れぬ愛の闇』ではアナ・デ・アルマスが演じるメリンダ・ヴァン・アレンのセクシーな不良妻ぶりが絶好調。
ところどころにニンフォマニアックのような場面があることから、アナは観客に嫌われるのではないかと思い、自分のキャラクターを演じることに当初は不安を抱いていました(^^)
アナが演じるメリンダは室内でほとんど黒のランジェリー姿(シンプルな部屋着)。髪の毛黒くてメイクは薄めでグラマーなボディなので、めっちゃ黒のスリップドレスが似合います。たまに、夫にマッサージや靴を履かせたり わがまま三昧で、おまけに自由恋愛をしています。
冒頭、パーティーに行く前に下着姿を堪能できます。黒のスリップとショーツに黒のナイロン・ストッキング。自分で穿いた後、夫に靴を履かせます。
パーティーが終わった場面では靴を車の中で足を乗せています。黒いストッキングを穿いた足裏が両足とも丸見えでとってもセクシー。
社交イベントから帰宅したメリンダはウィッグとセックスします。このとき短時間ですがエンジ色のショーツが見えます。
ピアノ教師チャーリーとのドライブ中には助手席でマスターベーション。
映画が進むにつれ、メリンダはスリップドレス1枚のときが増え、ストッキング姿が見られなくなったことだけは残念。
このように自由恋愛や性的行為をいろいろ堪能しまくっているメリンダですが、演じたアナ・デ・アルマスはベン・アフレックと映画撮影後もしばらくデートを重ね、一緒に旅行したりロサンゼルス市街を歩いたりする姿が目撃されていました。
感想
エイドリアン・ライン監督の映画復帰作『底知れぬ愛の闇』は、ツイストの効いた、汗臭い、セックスまみれの娯楽作。演技下手で有名なベン・アフレックと表情豊かなアナ・デ・アルマスの好演が光っています。
本作は決してパンチを効かせない効果的な大人の映画で、ハリウッドがもう昔のような映画を作らないことを証明するかのように、強烈によくできたエロティック・スリラー。カメラワークは良く、エイドリアン・ラインのタッチで、ところどころ様式美があって豊か。感情的に暗く陰鬱で、心に響く美しさと対照的に深く官能的な感情を捉えています。
エロティック・スリラーはエイドリアン・ラインの得意部門で、彼はこのジャンルの巨匠であることを証明してきました。この映画のオリジナル・カットは2時間33分だったそうで、公開版の1時間55分のカットではスリラー要素が映画の4/1しかありません。それだけ、アナのエロい場面が増えているので私としては嬉しいのですが、スリラー映画の大ファンにとっては物足りないかも。
また、アナが演じるメリンダは、ただ人といちゃついたり笑ったりするためだけに存在している「置き物」とも言えそうで、その辺の問題は結末を見てから各自でご判断ください。
この映画が夫婦の心理ゲームたして展開していることを思い出せば、私見ですが、メリンダは置き物ではありません。最後の場面で ベリンダが ビッグに話した「何も(ないわ)」が置き物でないことを証明しています。また、性欲格差のある夫婦との説にも反対です。ヴィックなりの「性欲」は映画の後半で強くなっています。
解説
ヴィック(ベン・アフレック)とメリンダ・ヴァン・アレン(アナ・デ・アルマス)の夫婦は、米国ルイジアナ州リトル・ウェズリーという小さな町に住み、トリクシー(グレース・ジェンキンス)という娘がいます。ヴィックは引退したロボット工学者で、戦闘用ドローンに使われる誘導チップの開発で巨万の富を築きました。
二人の愛のない結婚生活では離婚を避けるためにルールが決められています。それは、メリンダは家族を捨てないかぎり、何人もの恋人を作ることを許されるという不安定な取り決め。それでも、2人のオープンな結婚は友人たちの間では秘密とされ、ヴィックはメリンダの恋人たちに対して静かに嫉妬を募らせていきます。
メリンダは恋人の一人、ミュージシャンのジョエル・ダッシュ(ブレンダン・C・ミラー)をパーティーに誘います。ジョエルと2人きりになったとき、ヴィックは彼に、1カ月前に失踪した彼女の前の恋人マーティン・マクレーを彼が殺したと告げます。その話は彼らの社交界を駆け巡り、ジョエルは引っ越しを余儀なくされます。ジョエルはサンタフェで仕事を見つけますが、それを知ったメリンダは、ヴィックにジョエルを夕食に招待させ、誤った噂で怖がらせたことを謝罪させようとします。ところが深夜、ヴィックはジョエルに謝罪するどころか、ジョエルがマーティン・マクレーを殺したことを再び告げ、タクシーを呼んで帰らせます。
ある社交イベントで、ヴィックは作家ドン・ウィルソンの妻ケリー・ウィルソン(クリステン・コノリー)とダンスを楽しみます。踊れないヴィックが踊れたことに、ヴィックとメリンダの友人クリスティン・ピーターソン(レイチェル・ブランチャード)、ジェン・フェルナンデス(ジェイド・フェルナンデス)は皆、驚きます。帰りの車内でメリンダはヴィックにフェラチオをします。
数日が経ち、TVのニュースで、マーティンは何者かによって射殺体で発見されたことが明らかになります。
ヴィックは、メリンダがピアノ教師チャーリー・デ・ライルに3000ドルの小切手を切ったことを知ります。ヴィックはチャーリー・デ・ライルを尾行しはじめます。ある朝、メリンダはチャーリーと一夜を共にして帰宅。ヴィックはメリンダにチャーリーとの交際をやめさせようとします。
メリンダの次の恋人、ピアノ教師のチャーリー・デ・ライル(ジェイコブ・エロルディ)は、ヴィックの友人ジョナス・フェルナンデス(ダッシュ・ミホク)の家で開かれたプール・パーティーに招待されます。プールで愛し合うメリンダとチャーリーを見て、ヴィックは静かに嫉妬を募らせます。雨が降りだしたので、みんな急いで家の中に入りましたが、なんとプールの中でチャーリーが溺れて死んでいるのが発見されます。
警察の取り調べを受けたメリンダは、ヴィックがチャーリーを殺したと早とちりし、新しい友人である作家のドン・ウィルソン(トレイシー・レッツ)がヴィックへの疑惑を深めます。作家ドンはメリンダの協力を得て、私立探偵デヴィッド・リシリアーニ(ジョエル・R・マルティネス)を密かに雇い、心理療法士を装ってヴィックに接近。しかしヴィックはこの陰謀をいち早く察知します。ドンの妻ケリーがヴィックに接触し、ドンのしていることをすべて話したのです。ヴィックは作家の昼食会に押しかけ、ドンの悪事を告発します。
それからしばらくして、メリンダは大学時代のボーイフレンド、トニー・キャメロン(フィン・ウィットロック)と再会。ヴィックは、メリンダがトニーとブラジルへの移住を検討しているのを耳にします。ヴィックはトニーをひとりで森に追いやり、岩山から突き落として殺し死体を近くの小川に沈めます。ここはメリンダとヴィックが付き合っていた頃、よくハイキングに出かけた場所でした。
ヴィックが家に戻ると、メリンダが娘のトリクシーを連れて同じ場所でピクニックの準備をしていました。ピクニックに行くと、ヴィックはトニーの死体が十分に沈んでおらず、岸からその輪郭が見えるのを確認しました。
ヴィックは、ピクニック時に紛失したメリンダのスカーフを取りに小川へ戻りますが、トニーの遺体をさらに水に沈めようとしたところ、突然ドンか現われ、現場を目撃されます。自動車で逃げるドンをヴィックは自転車で追跡し、ヴィックはドンの車の前に自転車から投げ出されます。ドンはヴィックを避けようとして車ごと崖から転落死。
同じ頃、メリンダはヴィックのカタツムリ水槽のひとつから、トニーの身分証明書が入った財布を見つけ、ヴィックがトニーの居場所を知っていることを確認します。メリンダは娘を連れて出て行くつもりで荷造りをはじめますが、娘のトリクシーにここに残るよう嘆願されます。思案した末にメリンダはトニーの身分証明書を燃やし、ヴィックが帰宅しても一緒にいるつもりであることを示唆します。
キャスト
登場人物 | 出演者 |
---|---|
ヴィック | ベン・アフレック |
メリンダ | アナ・デ・アルマス |
ドン・ウィルソン | トレイシー・レット |
トリクシー | グレース・ジェンキンス |
ジョナス・フェルナンデス | ダッシュ・ミホク |
クリスティン・ピーターソン | レイチェル・ブランチャード |
ケリー・ウィルソン | クリステン・コノリー |
チャーリー・デ・ライル | ジェイコブ・エロルディ |
グラント | リル・レル・ハワリー |
ジョエル・ダッシュ | ブレンダン・ミラー |
ジェン・フェルナンデス | ジェイド・フェルナンデス |
トニー・キャメロン | フィン・ウィットロック |
ジェフ・ピーターソン | マイケル・ブラウン |
メアリー・ワシントン | デビン・A・タイラー |
ケヴィン・ワシントン | マイケル・スチャラバ |
ニコルズ署長 | ジェフ・ポープ |
クラーク副保安官 | ポール・ティール |
チェルシー(ベビーシッター) | ジュリエット・ブレット |
カーライル | デイモン・リパリ |
ジョン | ジャレン・ミッチェル |
バーテンダー1号 | サム・マローン |
その他の客 | アルマンド・レドゥック |
他の客の妻 | ショーナ・ラポルド |
ダヴィッド・リシリアーニ | マルティネス |
バーテンダー2号 | クリスタル・トムリン |
ディスパッチャー | ジェイソン・エドワーズ |
TVニュースレポーター | セフェネク・ヘノク |
子供キャタピラー | アンナ・ブルーノ |
演劇教師 | ティファニー・クリスティ |
歌手 | ジョアンナ・コナー |
ドッグ・シェルター職員 | マディソン・マークス |
ウィルソンの娘 | ゴールディ・ロウ |
バケット・ドラマー | ダリウス・リンズリー |
バーの客 | デイブ・バス |
パーティー客 | ウィリアム・バスター ・ベネフィールド |
パーティー客 | ジョバンニ・コヘア |
パーティー客 | シーナン・コール |
女性カップル | ケリー・コノリー |
学生 / トリクシー | リリアン・ドーセット |
パーティー客 | グレゴリー・ホブソン |
プッキネラ夫人 | サマンサ・ケリー |
パーティー客 | シンシア・ルブラン |
歩行者 | エルトン・ルブラン |
パーティー客 | クリスタル・マギー |
パーティー客 | アンドリュー・ペンロウ |
保護者 | アン・スピード |
バーベキュー ティーン | キャメロン・ストーン |
歩行者 | カシア・トレパニエ |
パーティー客 | コリン・ウェイド |
子供 | ビクトリア・ペイジ ・ワトキンス |
パーティー客 | カルヴィン・ウィリアムズ |
スタッフ
担当 | 担当者 |
---|---|
衣装デザイン | ハイディ・ビベンズ |
お針子 | エイミー・ダーデン・アモス |
セット衣装 | エミリー・デセナ |
セット衣装 | アネット・ファンズワース |
セット衣装 | アイザック・フェンター |
衣装衣装/セット衣装 | キャシー・グラボウスキー |
衣装コーディネート | アシュリー・キール |
衣装主任 | リー・カイル |
衣装 | デイジー・マクネイリー |
衣装監督 | ステファニー・ バーンスタイン・プラット |
衣装デザイン助手 | アンジェリーナ・ヴィット |
お針子 | ヘザー・ウォーカー |
衣装 | ロドニー・ウィリアムソン |
メイク共同部門責任者 | カーラ・ブレンホルツ |
メイクアップ助手 | ミシェル・カルドーザ |
追加メイクアップ | ローレン・ランドリー ・シュマン |
ヘア部門責任者 | マルジョー・フォックス |
メイクアップ | アラナ・J・ホッグ |
ヘア部門責任者:追加撮影 | ジェニファー・ジェーン |
メイクアップ助手 | ナタリー・クリスティン ・ジョンソン |
メイクアップ助手 | アリソン・ラクール |
ヘアスタイル | ディー・レヴェック |
メイクアップ | アナベル・マクニール |
ヘアデザイン アナ用 | マルガリータ・ピジョン |
メイクアップ ベン用 | ジェラルド・クイスト |
メイクアップ共同部門責任者 アナ用 |
ティナ・ローズラー ・カーウィン |
メイクアップ | シーキー・サイモン |
ヘアスタイル主任 | エミリー・ステッグマン |
ヘアデザイン ベン用 | クリスティン・ウォール |
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