花様年華
- 原題:花樣年華
- 英題:In the Mood for Love
- 公開年:2000年
- 製作国:香港
- 上映時間:98分
- ジャンル:恋愛
- 配給:アンプラグド
予告編はこちら。
見どころ
ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルの名コンビが、1960年代の香港の空気感を再現。カーウァイ作品の常連、トニー・レオンがカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。
あらすじ
1962年の香港。新聞社の編集者であるチャウ氏と、商社で秘書として働くチャン夫人は、同じアパートに同じ日に引っ越してきました。いつから始まったのか、互いの配偶者が不倫関係にあることに気づいた2人は、秘密の時間を共有するようになっていきます…。
ファム・ファタル
スー・リーチェン(マギー・チャン演)
スー・リーチェンを演じたマギー・チャンがとっても綺麗で、着用しているチャイナドレス(旗袍)も素敵。
美術監督・映画編集者を務めたウィリアム・チャンは『シェルブールの雨傘』(1964年)にデザイン面で大きな影響を受けたと語っています。とくに、劇中で使う色はとても鮮やかで、登場人物の抑制された感情とは対照的。
こんな経緯で、本作はタイトで禁欲的な、色彩美に集約した60年代ファッションの一面を垣間見させてくれます。
チャイナドレス(旗袍)
スー・リーチェン(チャン夫人)を演じたマギー・チャンはたくさんの旗袍を着用。全部で46着が用意されましたが、最終カットに入ったのは20着強です。
同じ旗袍を着ていると場面が連続しているように見えたり、別の旗袍に着替えることで、各場面が別の時間に生じたと分かったり。少しだけ面喰うこともあります。彼女の旗袍は気分を表わしたりTPOを示したりすることがあるので、本作の衣装は重要なチェックポイントです。
マギー・チャンが映画「花様年華」で着た旗袍について次のブログが詳しいのでリンクします。
メイク
ドレスの多さに相まって、マギーのヘアメイクには毎日4時間も5時間もかかったといわれています(^^)/
続編
チャウ氏が後に宿泊するホテルの部屋の番号は2046。ウォン・カーウァイ監督の次の長編映画は『2046』(2004年)で本作の続編。主役の2人は再び同じ役を演じました。もちろん、チャウ氏役のトニー・レオンとチャン夫人役のマギー・チャン。
感想
こてこてのラブストーリーなのにラブシーンがない禁欲作。男性のスーツと女性の旗袍が緊縛的な精神状態を表わし、溢れ出そうな感情を密封しているので、見ている私たちにはエロスが嗅覚に迫ってきます。
解説
(ネタバレあり)
マギー・チャン演じるチャン夫人とトニー・レオン演じるチャウ氏が、同じ日に同じアパートへ引っ越してきました。それぞれの配偶者が長時間働いているため、ふたりは多くの時間をひとりで過ごします。ある日、二人は話し合っているうちに配偶者が浮気をしていることを知ります。孤独に傷ついた2人は友人として集まり、夫婦の不倫を再現しようとします。そうすることで、ありがちな決まり文句を避け、何よりも「彼ら」のようにならないことを決意し、かえって、彼らは本当に恋に落ちることになります。軽蔑していたものになることに抵抗し、彼らは別れ、別の人生へと旅立ちます。映画の最後には、二組のカップルは別れて一人になったことがわかります。ミセス・チャンには息子がおり、それはミスター・チャウの息子ではないかと推測されます。心にしみる美しい音楽と素晴らしい写真に彩られた神々しい映画です。
題名
映画『花様年華』の中国語の原題は『花樣年華』で意味は「花の時代」または「花のような年月」を意味し、若さ、美しさ、愛のはかない時間の比喩。英語のタイトルは、「I’m in the Mood for Love」という歌に由来します。ウォン監督は、ポストプロダクションの後半にこの曲を聴くまで、この映画を『秘密』と名付けるつもりでした。
タイトル曲「花樣的年華」は、上海孤島時代の名歌手・周璇の歌。1946年にリリースされたこの曲は、幸せな過去への賛歌であり、日本占領下の上海の闇を暗喩しています。ウォンはまた、この曲にちなんで2000年の映画にこの曲名をつけました。
キャスト
登場人物 | 出演者 |
---|---|
スー・リーチェン | マギー・チャン |
チャウ・モワン | トニー・レオン |
アーピン | スー・ピンラム |
クー氏のアパートに住む男 | トンチョー’ジョー’チャン |
スエン夫人 | レベッカ・パン |
ホー氏 | ケリー・ライ・チェン |
クー氏 | マン・レイ・チャン |
(無名) | カム・ワー・クー |
アマ | スー・イン・チエン |
チャウ夫人(声) | ポーリン・サン |
チャン氏(声) | ロイ・チャン |
(無名) | ポーチュン・チョウ |
(無名) | ヒェン・ユー |
フランス人観光客 | ジュリアン・カーボン |
フランス人記者 | ローラン・コルティオー |
シャルル・ド・ゴール(記録映像) | シャルル・ド・ゴール |
スタッフ
担当 | 担当者 |
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衣装デザイン | ウィリアム・チャン |
レビュー 作品の感想や女優への思い