ポム・クレメンティエフはカナダのケベック州ケベック・シティーで生まれたフランス国籍の女優。本名はポム・アレクサンドラ・クレメンティエフで、韓国人の母親とフランス=ロシア人の父親との間に生まれました。彼女の名前「ポム」は、韓国語で「春」(봄)や「虎」(범)と似た発音に由来しています。市民権はフランスのみで、カナダとの二重国籍は持っていません。
職業は女優で、2007年から活動を始め、現在に至るまで多様な作品に出演しています。特に、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でのマンティス役で世界的に有名になり、フランスのインディペンデント映画からハリウッドの大作アクション映画まで幅広いジャンルで活躍しています。彼女の多国籍な背景は、演技に独自の深みを与え、国際的な評価を得ています。身長は170cmで、流暢なフランス語と英語を話し、韓国語も少し理解します。
最新作として『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』でのパリス役が注目を集めています。この役では、暗殺者として大胆なアクションシーンを披露し、シリーズのファンから高い支持を得ています。また、彼女のキャリアは、幼少期の苦難を乗り越えたタフネスと、演劇学校での基礎教育が基盤となっており、常に新しい挑戦を続けています。彼女の魅力は、独特のエキゾチックな容姿と、コミカルからシリアスまで対応できる演技力にあります。これにより、MCUのコメディ要素の強いマンティス役や、ミッション:インポッシブルシリーズの冷徹な敵役など、対照的なキャラクターを演じ分けています。活動期間を通じて、彼女はハリウッドの多様性を象徴する存在として、若い女優たちに影響を与え続けています。
プロフィール
- 名前:ポム・クレメンティエフ(Pom Klementieff)
- 本名:ポム・アレクサンドラ・クレメンティエフ
- 生年月日:1986年5月3日(39歳)
- 出身地:カナダ、ケベック・シティ
- 市民権:フランス
- 職業:女優
- 活動期間:2007年~現在
ファム・ファタル
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生い立ち
ポム・クレメンティエフは、1986年5月3日にカナダのケベック州ケベック・シティーで生まれました。父親はフランス外務省の領事としてカナダに赴任しており、ロシア系フランス人でした。母親は韓国人で、彼女の祖父はロシアの画家ユージン・クレメンティエフです。この多文化的な家庭環境が、彼女のアイデンティティを形成しました。生まれてから1年ほどカナダで過ごした後、父親の仕事のため家族は世界各地を転々としました。具体的には、日本の高知県で2年間、コートジボワールで1年間を過ごし、最終的にフランスに定住しました。
このような国際的な移動は、彼女に多様な文化を吸収する機会を与えましたが、同時に幼少期の不安定さを伴いました。残念ながら、彼女が5歳の時に父親が癌で亡くなり、母親は統合失調症を患っていたため、子供たちの養育が難しくなりました。そこで、クレメンティエフは父方の叔父と叔母に引き取られ、フランスで育てられました。叔父は彼女にとって第二の父親のような存在でしたが、彼女が18歳の誕生日を迎えた日に亡くなりました。さらに、25歳の誕生日には兄のナムーが自殺するという悲劇が起こり、これらの喪失体験は彼女の人生に深い影を落としました。しかし、これらの試練は彼女の内面的な強さを養い、後の演技キャリアに活かされています。
教育面では、叔母の勧めでパリ近郊のロー・スクールに短期間通いましたが、法律の勉強に興味を持てず、中退しました。その後、ウェイトレスやセールスマンとして働きながら自立を目指しました。19歳の時に、パリの名門演劇学校「クール・フローラン」(Cours Florent)に入学しました。入学後、数ヶ月で演劇コンペティションに優勝し、賞品として学校のトップ教師から2年間の無料レッスンを受ける機会を得ました。この教育は、彼女の演技スキルの基盤を築き、感情表現や身体的なパフォーマンスを磨きました。学校では、クラシックな演劇から現代的な役柄まで幅広く学び、フランス演劇の伝統を吸収しました。また、経済的に厳しい時期を経験したことで、彼女は忍耐力と独立心を身につけ、ハリウッド進出への原動力となりました。この生い立ちは、彼女のインタビューでしばしば語られ、ファンにインスピレーションを与えています。これらの経験が彼女の役作り、特に喪失や強さを描くキャラクターに反映されていると言えます。
経歴
ポム・クレメンティエフの経歴は、2007年にフランスのインディペンデント映画『Après lui』で始まりました。この作品では、キャサリン・ドヌーヴ演じる主人公の継娘役を演じ、わずか3日間の撮影でデビューを果たしました。撮影中、階段から人を押し落とすシーンのリハーサルで彼女自身が転落したエピソードがあり、それが本編に採用されました。このデビュー作で彼女は、演技の基礎を示しました。2008年には、フランスのテレビシリーズ『Pigalle, la nuit』に出演し、経験を積みました。2009年、初主演作『Loup』では、シベリアのトナカイ遊牧民の物語で、厳しい撮影環境に耐えました。零下の気温の中、狼やトナカイと共演し、現地の人々と生活を共有したこの経験は、彼女の身体的・精神的なタフさを証明しました。2011年には『Sleepless Night』でアクション要素のある役を演じ、国際的な注目を集め始めました。2012年の『Radiostars』ではコメディタッチの役をこなし、多才さを発揮しました。
2013年、ハリウッド進出の転機となった『Oldboy』で、シャルト・コプリーのボディガード役を務めました。スパイク・リー監督のこのリメイク作で、彼女は韓国語の「Haeng-bok」(幸福)を役名に提案し、ジョシュ・ブロリンとの激しい戦闘シーンでボクシングのトレーニングを活かしました。この役で彼女はロサンゼルスに移住し、ハリウッドでのオーディションを本格化させました。2015年の『Hacker’s Game』ではサイバースリラーに出演し、デジタル時代の役を演じました。ブレイクスルーとなったのは2017年の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で、マンティス役に抜擢されました。この役は、感情を読み取るエイリアンで、彼女のコミカルな演技が評価され、MCUの人気キャラクターとなりました。以降、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)、『ソー:ラブ&サンダー』(2022年)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023年)でマンティスを続投し、シリーズのファン層を拡大しました。
2023年の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』では、パリスという暗殺者役でトム・クルーズと共演し、激しいアクションを披露しました。この役は、彼女の格闘技スキルが活かされ、シリーズの新鮮な要素となりました。2025年の続編『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』では、再びパリス役で登場し、味方側に転じる可能性が噂され、プレミアでは大胆なドレス姿で話題を呼びました。
また、2025年公開の『スーパーマン』では声優としてスーパーマンロボ役を担当し、多様なメディアに進出しています。彼女の経歴は、フランスでの基礎からハリウッドのメインストリームへ移行し、常に挑戦を続ける姿勢が特徴です。インタビューでは、役作りのためにボクシングや格闘技を学び、身体を鍛える努力を語っており、2025年現在も新作への意欲を燃やしています。これらの活躍により、彼女は国際映画祭にも頻繁に登場し、カンヌ国際映画祭(2025年)では注目を集めました。
私生活
ポム・クレメンティエフの私生活は、幼少期の家族の喪失体験が大きく影響しています。5歳で父親を癌で失い、母親の統合失調症により叔父叔母に育てられた彼女は、18歳で叔父を、25歳で兄を自殺で亡くしました。これらの悲劇は、彼女の精神的な強さを形成し、インタビューで「これらの出来事が私を強くした」と語っています。彼女はこれを乗り越えるために、演技をセラピーとして活用したと言います。私生活では、プライバシーを重視し、恋愛関係については公にしませんでしたが、過去にクリス・プラットとの共演で友情を築き、MCUキャストとの絆が深いです。
趣味として、ボクシングやヨガを続け、健康管理に努めています。また、多文化的な背景から、韓国文化に親しみ、韓国料理を楽しむ姿がSNSで見られます。彼女は動物愛好家で、犬を飼っており、環境保護活動にも関心を持っています。私生活のエピソードとして、ミッション:インポッシブルシリーズでの肌露出シーンについて、「自分自身で決めたこと」と語り、役への覚悟を示しました。これは、彼女のプロフェッショナリズムを表しています。
フランス在住時からロサンゼルスに移り、現在はハリウッドを拠点にしていますが、フランスの家族や友人と連絡を欠かしません。2025年のカンヌ映画祭では、洗練されたファッションで登場し、私生活の充実ぶりをうかがわせました。全体として、彼女の私生活はキャリアと密接に結びつき、過去の苦難をバネにポジティブな生き方を追求しています。
出演作品
映画
公開年 | 題名 | 配役 |
---|---|---|
2025 | ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO | パリ |
2024 | キラーズ・ゲーム | マリアンナ |
2023 | ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 | マンティス |
2023 | ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE | パリ |
2022 | ソー:ラブ&サンダー | マンティス |
2021 | Save Ralph | シナモン(声) |
2021 | サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ | レーザー |
2021 | The Suicide Squad | ダンサー |
2019 | アベンジャーズ/エンドゲーム | マンティス |
2019 | アンカット・ダイヤモンド | レクシス |
2019 | アダムス・ファミリー | レイラ&カイラ(声) |
2018 | アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー | マンティス |
2018 | Time of Day | ハーセルフ |
2017 | 私とあなたのオープンな関係 | ベサニー |
2017 | イングリッド ネットストーカーの女 | ハーレイ・チュン |
2017 | ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス | マンティス |
2015 | Hacker’s Game | ロイス |
2013 | Paris Or Perish | ジェス |
2013 | オールド・ボーイ | ヘン・ボク |
2012 | Radiostars | ピザガール |
2012 | Porn in the Hood | ティア |
2011 | Borderline | ナオミ |
2011 | ナタリー | ウェイトレス |
2011 | スリープレス・ナイト | ルーシー |
2011 | Love Lasts Three Years | ジュリア |
2011 | Silhouettes | ヴァレリー |
2009 | Loup | ナスターシャ |
2008 | The Easy Way | エミリー |
2007 | After Him | エミリー |
TV
公開年 | 題名 | 配役 |
---|---|---|
2022 | ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル | マンティス |
2020 | ウエストワールド | マーテル |
2019 | ブラック・ミラー | ロクセット |
2009 | Pigalle, la nuit | サンドラ |
レビュー 作品の感想や女優への思い